Ⅲ,楽しい会話
「僕の名前は、ルクール・アトラスです。」
ルクールさんっていうんだ。やっぱ、私より年上かな。
「ルクールさんですね。よろしくお願いします。あ、えっと。私の名前は、華園美桜です。」
「可愛いお名前ですね。ニコッ」
「ルクールさんのお名前だって、カッコいいじゃありませんか。」
「まあ、それはそうなんですけど。僕は名前とは違い貧弱で頼りないんですよね。僕に似て妹も病気がちで貧弱なんです。」
「妹さんいたんですか!?」
「はい。今日はそのお見舞いにきました。」
「すいません。お見舞いに行く途中に私がちゃんと見ていたらあんなことには...」
「いえいえ、いいんですよ。」
彼はそう言いながら腕時計を見ると、
「は!Σ( ̄□ ̄;)今日は見たいTVがあるんでした。すっかり忘れていました。では、この続きはまた明日ということで。あの、美桜さんの病室ナンバーを教えてはいただけないでしょうか。」
「はい、いいですよ。えっと、病室の番号は...です。」
「ありがとうございます。明日、妹の見舞いに行くついでによりますね。絵、楽しみにしてます。それでは。」
私に礼をし、スタスタと去っていってしまったルクールさん。
お茶目&面白い人だったな、っと思い、私はまた病院内をグルグル回った。