Vacation
ブラッディーのパンチを顔面にくらう。
痛みを我慢しブラッディーの腹を殴るがこいつはビクともしない。
そして倍返しされる。
ある程度距離をとる。
そして飛び掛ろうとすると向こうに回し蹴りをされる。
逆再生のように再びブラッディーの足が僕の顔に戻ってくる。
左手で受け止めたが力負けして倒れる。倒れながら転がり再び距離をとる。
「お前に言われた通り手加減してねぇ。どうだ?ん?ゆるめて欲しいか?」
「そのままでいい、ぺちゃくちゃうるさい。」
「ふん、やられてんのにカッコつけやがって。」
ブラッディーは壁を蹴って、僕に勢いをつけて蹴りをしてくる。
それを覚悟して受け止める。そしてストレートなパンチが来る。
しゃがんで避けついでに足払いをするがジャンプされる。
その隙に起き上がりながらブラッディーを突き飛ばす。
少しブラッディーが向こうにずれる。そのまま突進をして突き倒す。
倒れたブラッディーに乗り何発も顔に殴りまくる。だが腹を殴られ腕を止められヘッドロックされる。そして投げ飛ばされ今度は逆で、乗っかられ何発 も殴られる。
ブラッディーが起き上がり距離をとる。
「何故止めた?」
「はぁ?何言ってんの?やられたいの?」
「手加減はしないでくれ。」
「ふぅ~意外と難しいもんだ。」
起き上がってブラッディーを睨みつけながら倒す方法を考える。
思いつかなかった。
ブラッディーは僕の首にチョップをしてくるがそれを片手で止めて、腕をひねる。
向こうが反抗してくる前にすばやく首にチョップをしてやる。
ひるんでる間にまた、距離をとる。そしてラリアットをする。
簡単にあてる事が出来た。ブラッディーは床に倒れなかなか起き上がらない。
窓越しに
「ブラッディーがやられたぞ。」
「おいっブラッディー!俺はお前に賭けたんだぞ!どうしてくれる?」
などこもった声が聞こえてくる。
「うるせーっ。だまってみてろ!まだ終わってねぇ。」
そう言いながらブラッディーは起き上がる。
そして僕に右フック左フック、右の脇腹に蹴り、左の脇腹に蹴り、後ろに回って背中にエルボと暴走する。
全部痛みを和らげるように防いでみようとしたが、最後のエルボはもろにくらってひざを突く。そして首を締め上げられ立たされる。
苦しくてあえでみる。向こうが解放してくれたと同時に背中に膝蹴りをくらう。
よろけながらブラッディーの方に振り返る刹那、跳び蹴りが来る。もちろんかわせなかった。それでも立ち上がる。
今度こそ勝つ。
「お前もタフだな。」
そう言われるがもう体力はほとんど残ってない。
体はボロボロだ。けどまだ大丈夫だ。まだ行けるはずだと自分に言い聞かせる。
叫びながらもブラッディーに攻撃をする。
殴る、殴る。
ブラッディーは何もしてこない。ただ立っているだけ。
僕は攻撃を繰り返す。
それでもブラッディーは立っているだけだった。
自分の力が弱まってる事に気づく。
「何で?何で何もしてこない?」
「する必要ないだろ。」
もうパンチをするのを止める、いやそれをする体力がもうない。ブラッディーはこれに気づいていた。
僕はそのまま床に倒れて力を抜く。また負けた。
「もういい。十分だ。後は石の力を利用して戦え。」
ブラッディーは僕にアドバイスをし部屋から出て行くと同時にイリオスさんが入ってきた。
「見てたんですか?」
とブラッディーが問う。
「最後の方だけだ。それほど暇じゃない。」
とイリオスさんが答え僕の方に来る。
「休憩をもらったらしっかりと休め!何やってる?どっちが喧嘩うった?」
「レインJ」
「ったく。しっかり休んでくれ。」
イリオスさんもブラッディーも部屋から出て行った。
医療室・・・・なのだろうか・・・・とりあえずLAIAの皆はここに来て怪我を診てもらっている。
病院みたいにカーテンに仕切りで分けられている。
カーテンが閉まっていたら使用中。あいていたら使用していない。
それぞれの病室に番号が振られている。
こんなに必要なのかと思うぐらいたくさんへやがある。
僕は17と書いてあるカーテンの前に立つ。カーテンは閉まっている。使用中だ。
だけどそこで待つ。
カーテンがあいて男の人が出て行く。
そして僕が入る。
「やあ。」
中にいる女性に挨拶をする。
「またあなたなの。ほら座って。」
僕はベットの上に座る。彼女は回転椅子に座って言う。
「またブラッディーと戦って?」
「うん。まぁ。」
「やっぱり。殴られた痕あるし、あんた達ほんと馬鹿ね。」
馬鹿と言われてしまった。
いろいろ診てもらったが内部に異状はないらしい。ただ氷袋を渡さ腫れているところを冷やした。
「まぁそんなたいした事ないわね。」
「不思議だ。いつもより疲れてるのに。」
「まさか勝ったの?」
「まさか。」
僕は否定する。
「勝つわけないと思って勝負挑んだの?」
「・・・まさか。」
それも否定する。
「もう止めなさいよ。喧嘩の後には私のところ来ないでよ。」
「じゃぁ別の所にするよ。」
「喧嘩を止めなさい。」
キッパリ言われる。
「でもブラッディーには勝ちたいんだ。素手だけで。」
「彼に勝てたらそうとうすごいわよ。だって私の自慢のあ」
「やっぱりそんなに強いのかい!ここ(LAIA)で一番強い?」
「んまぁ、そんな事ないわ。一番強いって言われているのは一人で活動している、キーンクロウ(鋭いかぎ爪)って言う人。」
「え?それ本名?」
「そんなわけないでしょ。本名なんか知らないわ。」
「君の名前は?」
「あれ?私の名前知らなかったの?教えてなかったっけ?」
急に彼女は笑い出す。
「う・・うん。だって僕はただの怪我人としてここに来てたから・・・」
「サラ・エリオット。あなたの名前は知ってるわ。LAIAにいて知らない人はいないでしょ。」
僕はそんな有名か・・・・
今までなんか聞きづらくて名前知らなかったけどやっと知れた。
「じゃあエリオットさん。」
「サラでいいわよ。何?」
「クロウさんも僕の事知っているよね。」
「たぶんね。」
「会ってみたいんだけど場所知ってる?」
「場所って言われたって解んないわよ。ごめん。写真もないし。」
「そっか。別にいいんだ。他の人に聞くよ。じゃあね。」
ベットから立って帰ろうとすると呼び止められる。
「そういえばあなたの友達どうだった?」
「え?友達?」
「アパートの・・」
「クロウさんよりも会わなきゃいけなさそうな人がいたね。」
僕は今ある病院へと向かっている。イリオスさんはたいした事ないって言っていたのに
アパートのおばさんが入院しているみたいだ。
なんて謝ればいいんだろう。僕のせいで怪我をしてしまった。
病院に入っておばさんの病室を聞き部屋に入る。
4人の同じアパートの友達がすでにお見舞いに来ていた。
僕が部屋に入ると全員が振り向く。
「レインさん。」
「最近お前見ないな。何処にいんだ?」
友達に言われる。
「仕事先でとまらせてもらっているんだ。」
僕は寝ているおばさんに花束を渡す。
「ありがと。ずいぶんと静かな感じの花ね。あんたは部屋でうるさいけどね。」
「それ僕じゃないと思います。体の具合は?」
「ただの骨折よ。それよりなんで怪我したか知ってる?」
「・・テロリストが来て。」
「そう。びっくりしちゃって急いで階段かけおりたら転んじゃった。なんであんな野蛮な奴らが来たのかね?私のアパートに。」
僕はすごくあやまりたかった。けど仕事のことも石の事も言う事は禁じられている。
「そうだ。俺の部屋なんかめちゃくちゃだ。」
「死人が出てなかっただけ奇跡だ。警察みたいな人がたまたまそこにいて、すぐおっぱらってくれたけどこの世の終わりかと思った。」
アパート仲間達が口々に言う。
警察みたいな人はたまたまではない。LAIAの人だろう。
皆を困らせた。
「ごめんなさい。」
僕は声にだして謝ってしまった。
謝る事がいけないことだなんてふざけてる。そう思うから・・・
「・・・・どしたお前?」
「なんだよ。お前のせいじゃねぇだろ。何いってんだよ。なぁ?お前のせいじゃないよな?」
「・・・・」
僕は答えられない。
彼はどんどん不安の声になる。
「お前のせいじゃないよな?お前のせいじゃないんだよな?どうしたんだ?」
「どっちでもいい。」
おばさんが言い出した。
「誰が原因かなんて気にしてない。皆こうやって生きてる。だから良いじゃないか。気にしないよなお前?」
おばさんが一人の男に尋ねる。
「えっあぁ。気にしない、気にしない。全然気になんない。」
「おっ俺も。」
「何よりも悪いのは襲ってきた奴らだ。行動が間違ってる。」
「そうだ。そうだ。」
おばさんが皆をまとまるように言った。
「で何があったんだ?」
僕は友達に聞かれるが答えられない。
「それも気にならない。」
おばさんが言う。
「俺も」
仲間達が言う。
そして聞いてきた友達も
「おれもぜっんぜん気にならない。」
という。
おばさんの優しさに感動した。
「ありがとうおばさん。元気でよかった。すぐアパートに戻れるようにするよ。」
「無理しなくていいからね。じゃぁ。」
僕はすがすがしくでて行った。
次回の話も任務にはでません。
そろそろボスを悪役のショーメカジャックを登場させたいです。