Training2
日々トレーニングが続く。まだブラッディーには一勝もしてない。
「今日はナイフを使うトレーニングだ。」イリオスさんがトレーニングルームに入ってきた。
二本のナイフを持ってきて一本僕に渡して説明をし始めた。
「このナイフは切れないナイフだ。」
「切れなかったらナイフじゃないですよ。」
「ただのナイフではないからな。スタンナイフだ。グリップ部分にボタンがあるだろ。」
ボタンを押してみる。バチッという音を立ててナイフから青い光が出た。電気だ。
「押している間電気が流れる。ずっと押し続けると電池がなくなる。それを相手の体にあてて訓練をする。お前の相手はまだきてないな。」
「僕の相手って誰ですか?」
「会ったことないはずだ。君が入隊する前日任務に出動し今日帰ってきた男だからな。」
ドアが開く一人の男が入ってくる。そしてイリオスさんに手を差し伸べ握手をする。
「帰還しました。総司令官。」
「おぉっ約束の時間どうりに来てくれたな。シャモンディー。」
シャモンディーと言われた男がこちらに近づいてくる。
「君はレインJだよね?」
レインJ?この人もそう呼ぶのか?
「あっレインでいいです。」
と言いながら握手をする。
「そう?じゃあレイン君よろしく。ぼくはシャモンディー・ランデー」
「ランデー?」
「ブラッディーの弟だよ。シャムって呼んでいいよ。」
あ~~~似て・・・似てない。こっちの方が全然仲良くなれそう。
「じゃあ訓練を始めるぞ。」
イリオスさんの合図でマットの上へと移動する。シャムはナイフを取ってマットの上にくる。
構えからすごすぎた。
「一本目、始め。」
もちろんシャムがすごいのは構えだけではなかった。すばやく僕の体のあちこちにナイフをあてつけた。僕はしびれて膝をついた。ブラッ ディーの時のように敗北した。
シャムはため息をついて言った。
「これじゃあ基本から教えることになるね。」
「そういうことになるな。じゃあよろしく頼む。私は別の仕事に取り掛かってくる。」
イリオスさんは退出した。
「じゃあレイン。構え方からだめなんだよ。」
「それは・・シャムの構えがすご過ぎて、迫力があってその・・少し怯えてたっていうかなんていうか。」
「それ言い訳?」
・・・・はいっ沈黙。
「あーもうなんでもいいからさほらっ今構えて。はいッ!」
僕は動きを止めて腰を少し低くしてナイフを差し出した。
「いやっそれできてないでしょ。」
2時間ぐらい経ち、休憩をしているとイリオスさんが部屋に入ってきた。今の僕ほどではないが多少汗をかいている。ぜえぜえ言ってる。 走ってきたの だろう。
「シャモンディー任務だ。」
「え?もうですか?」
シャムは僕より大変そうだ。
「ローレンス君。君のアパートが襲撃された。」
「え?」
突然のイリオスさんの言葉に驚いた。
「死亡者は?いるんですか?」
「大丈夫だ。アパートで待ち伏せをしていた我が部隊のおかげでな。しかし負傷者は一名。だがそこまで大きな怪我じゃない。心配するな。」
イリオスさんにとっての大きな怪我ってどのレベルのことだ?あんなこと言われても落ち着けない。
「今追跡中だ。」
「それでぼくが任務を?」
「君だけじゃない。ローレンス君も。君にはローレンス君の初の任務をサポートしてもらいたい。」
「えっ僕もなんですか?」
「彼らの狙いはレインさんですよ。任務に出すんですか?」
「だから君を援護につけてるんだ。君を信頼してる。ローレンス君にも実戦に出てもらわないと力がつかない。サポートといってもローレ ンス君メインにやらせるわけじゃないな。よし訂正しよう。ローレンス君がサポートだ。他のやつらも出動させる。こちらの方が有利だ。
何か質問でも?」
僕もシャムも何も答えない。
「じゃあ移動を始めろ。」
ここから投稿するの少しいつもと違うペースになるかも知れません。