ダイスロール2nd~
会場のボルテージが上がる。2回目のダイスは20面、11という何とも中央値な数字だった。俺が宣言したのは…
「ローだ」
「さぁれんぞくせいこうなるか!? ダイスロールは一度だけ! ヒァウィーゴー!」
緑の20面ダイスが落ちてくる。一回目に落ちてきた白の20面ダイスにはぶつからず、トレーの右側をくるくると回転し、停止した。示した数字は5,Lowだ。まだ当てやすいと感じている。100面よりは、後8回こなせば100億。
しかし次のダイスは4面で2、
「ハイで」
宣言したものの、紫色のダイスは無常にも1を出した。2を出した赤い4面ダイスが血の色に見える。
「挑戦者ここで失敗だー! さぁロシアンの始まりだぜー! せーの!!」
「「だって命は一つだけ!」」
カチっと撃鉄がぶつかる音が聞こえる。どうやら空だった様だ。一安心する。しかし次がまたからとは限らない、冷や汗が出てくる。
「おっと空砲! 今回の挑戦者は運も実力も持ってるぞー! さぁ賭けた賭けた!」
司会は2階席へ更なるベットを煽る。あと7回、生き残れば100億、死ねば0。ダイスロールも命も、チャンスは一度きり…
「賭け終わったかー? それじゃあ4回目ルーレット!カモン!」
「ストップ」
半ば食い気味でストップをかける。ルーレットは最高速度に到達せず動きを止めた。
「おっとまた4面! しかしルーレットの回り方が乏しかったから次からは完全に起動してからにしような!?」
銃口を突き付けて陽気な口調で言われる。そこそこの怖さを、どうにか押し殺して首を縦に振る。黄色の4面ダイスが頭上からカラカラと落ちてくる。示した数字は…1。そう1だ。選択肢はHigh以外ありえない。
「これはこれは運のいい挑戦者! 端の数字が出たら強制的に次のゲームだー! 久々に生き残ってるぞー! さぁ賭けた賭けたぁ!」
どんどん掛け金が上がってゆき、既に2000万を超えている。数字の上昇が止まらないのは先程このゲームで負けると予想した人の掛け金が回収されてるからだ。あと6回。
さぁ5回目のルーレット、司会に言われた通り、ルーレットが最高速度に達してから、
「ストップ」
恐怖で手足は震え、歯もカチカチとなっている。声すらも震え、2階席からの視線が恐ろしく、皆カラコンをしているのか、様々な色の目がこちらをギロギロと見下ろしている。
停止したルーレットが示したのは100面ダイスだ。このゲームで最も難しいダイスに当たった。落ちてきたダイスが示したのは…57、また中央値。しかも今度は100面なので範囲が広すぎる。どちらの可能性も高いのだ。
「きたきたきたー! さぁ挑戦者挑むかリタイアするか! 選べるぞー!」
ここまで来て諦めるわけにはいかない。なぜかそんなことを思ってしまった。冷静にここは、リタイアでいいはずなのだ。完全に脳がマヒしている。
「…っ続行で」
「それは蛮勇かどうか!? さぁHighandLowの宣告を、オネガイシマース!」
「…」
頭をフル回転させる。どっちがいいのか、これは完全に運だ。
「は、ハイ」
「さぁハイが宣言されたぞ!」
黒い100面ダイスが頭上から落ちてくる。このデスゲームのダイスで黒はワイルドカードの様なダイスで通常の2倍、つまり勝っても負けても2回分進むのだ。勝てば6回目をスキップでき、もし負けると2回分ロシアンルーレットをしなければならない…ドンと落ちてきたダイスが示したのは…22。
「22! ワイルドが22だー! さぁロシアンダブルだ! 受け取れー!」
1発目、カチッという。恐怖でズボンが濡れ、涙は滝のように出ている。観客のボルテージも本日一であった。
2発目、ドンという音と共に世界が横に倒れる。音も何も聞こえず、目が外側から徐々に暗くなってゆく。あぁ、撃たれたのか…そう理解する頃には意識がすでに途切れていた。




