1st ダイスロール
待機室にはモニターがあり、丁度挑戦者が銃殺される場面が映し出される。リボルバーに弾は一発のため、一回間違えても生き残るチャンスはある。が、今の挑戦者は残念ながら一回目でアタリを引いてしまった。ビクンビクンとなる死体を映しながら会場は暗くなる。
ここは美術館に見せかけたデスゲームの開催場所。毎日挑戦者を募り、お金持ちは彼らが生き残るかリタイアするか、はたまた死んでしまうかにそれぞれお金を賭ける。プレイできるのは≪High and low≫だが、一般的なトランプを使うのではない。
まずルーレットが回り、挑戦者は何回かそれを行い、
1、何面ダイスか
2、そのダイスのいくつの数字が基準になるか
3、ハイかローを決める
そして指定された、4面~100面のどれかでゲームを行う。10回連続成功で100億円だ。しかし、失敗するとロシアンルーレットが始まる。司会が6発入るリボルバーを持っており、ゲームに失敗すると即座に発砲する。当たりは弾入り、二階席のデスに賭けた金持ちに配当金が配られる。
今夜、俺も挑戦することにしたが…画面で次々に撃ち抜かれる挑戦者を見て怖気づいている。すると横にいた太った男が背中を叩く。
「これには必勝法がある。一回勝ったら何を言われようがリタイアして、100万もらってトンズラサさ!」
そう息巻いてた男は1回目のルーレットで100面を引き、1回目の発砲で命を落とした。観客の歓声が挑戦者の待機部屋にも聞こえてくる。今日の挑戦者は俺で最後だ。
「さぁ! 本日最後にして初の挑戦者の登場だー!」
指笛に歓迎され入り口がライトアップされ、二回の観客から俺への視線が集まる。各々まるで獣、いや家畜を見るような眼だ。その目にはどう見ても愉悦の笑みを浮かべていた。
司会は陽気にプロフィールを紹介しながら椅子に俺を縛り付ける。ここでは、挑戦者の人権はなくひたすらに死なないようにするだけだ。
「さぁ挑戦者記念すべき1回目の挑戦だぁ! ルーレットスタート!」
回り始めるルーレット、4面、6面、10面、20面、飛んで100面となっており、数が若くなるほどルーレットの幅は狭くなっている。
「ストップ」
ゆっくりと回転数が落ち、ガコンと停止する。6面ダイスだ。わかりやすい。
「さぁ運がいい挑戦者! 6面、レッツダイスロール!」
6面のサイコロが上の管からテーブルに落ちてくる。カラカラと回るダイスは5を出して動きを止めた。司会者はそれを取り、2階席に見せつける。
「さぁさぁ皆様賭け時間です! 挑戦者ハイかローの宣言をお願いします!」
誰もがローだと思いかけ率はローが98%と驚異の数である。が、
「ハイを宣言する」
会場がざわめく、だってHighが6だけだから。司会者もあまりの蛮勇にたじろぐ。
「いいんですね? 6しかないですがいいんですね!?」
「それでいいから、サイコロ振れよ」
会場がざわめく。もはやほんとに6が出るかの話で持ちきりだ。頭上から赤色のサイコロが振ってくる。先ほど落ちてきた青いサイコロにぶつかり、くるくると回転する。回転が止まり、示された数字は…6だった。会場がどよめき立ち、あざ笑うものではないチャレンジへの称賛の拍手が送られる。
「ななな、なんとわずか1つしかないダイスの6を引き当て1回目成功だ! これは中々なギャンブラーの誕生かぁ!?」
司会者も若干興奮しているのが口上からわかる。ここからあと9回当たるのか? それともリタイアするのか、自分の中でひたすら考えていた。




