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ミッション;ハル先輩&健太

ミッション11;起きているのに言ってしまう寝言を自覚せよ

作者: 黒坂 志貴

なろう小説大賞6に参加させてもらってます。

うっかりシリーズ化して11作目、お題は「寝言」

あ、でも今回はハル先輩出てこないし、ラブ要素皆無かも・・・。ジャンル詐欺。

「大丈夫、一人たったの三列。楽勝だろ?」


ズラリと並んだ小部品を前に、はっはっは、と芝居がかった声で笑う赤城先輩。不具合対応のため、在庫部品の全てを検品するらしく、もうすぐ定時を迎えるタイミングで会議室に呼び出されて固まった。


「あの・・・寝言なら寝てからお願いできませんか?」


ペアでの仕事が増えて数か月、俺もなかなかに辛辣なコニュニケーションが可能になったものだ。

急な残業確定だけど、家族連携スキルが上がっているので前ほど心配は無い。母と弟に連絡すると、OKのスタンプが返ってきた。


二人で作業しながら、滅入る沈黙を破る会話が始まる。子煩悩な赤城さんのネタは、もうすぐ1歳になる下の子と、イヤイヤ期に赤ちゃん返りが追加されたお兄ちゃんの、毎日戦争だ。


「そんなに大変だと、早く帰らないとですね」


「まったくだ。しかし、先は長そうだな」


着実に進めてはいるが、まだ減った気はしない。


「大丈夫ですよ。真面目にやっていれば小人さんが来てくれるんじゃないですか?」


昔話の靴屋を思い出しただけで、アテは無いけども。


「そうか、いざとなったら助っ人を期待して寝るしかないな」


「はい、きっと起きたら検品完了でクレーム解決です」


軽口を叩きながらも、作業はキッチリと継続中。


「健太も起きたまま寝言が言えるようになったな」


吹き出しながら返されて、ちょっとウケた?と、脳内ガッツポーズ。



バカな話で気を紛らわせながら作業していると、工場担当者が二人連れてやってきた。手伝ってくれるらしい。

おお、小人さん登場!


その後、部長に社長と奥さんまでやってきた。

小人さん、ゴージャス!


「ゴメンね、赤城君。お子さん小さいのに無理言って」


社長夫人だけど、飾り気も無ければ偉ぶりもしない。社員の事をホントによく知っていて考えてくれるし、原則経理担当だけど工場内の作業だってする。

社長もそんな感じで、気さくでオープンだし面倒ごとも向き合ってくれる。


ここは俺がイメージしてた大人と違う人種が多い。

会社なんてシビアでドライだと思ってたから、最初はウザくて暑苦しかったんだけど、いつの間にか居心地よくなってるんだよな。


「ウチは大手さんみたいな給料出せないからね。せめてみんなに気持ちよく働いてもらいたいんですよ」


社長も有言実行の人だと思う。自分に都合のいい夢見て、起きてんのに寝言ばっか言うのが大人だと斜に構えてたの、反省しかない。

最後まで読んで下さって、ありがとうございます。

ついに全てのお題で書き上げました!

が、物語として完結してないので、もう2作くらい追加予定です。

恋愛シリーズとしてハッピーエンドを目指しているので、お付き合いいただけると嬉しいです。

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