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異世界伝承記  作者: メロンソーダ
王国編
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外伝① 見送りの後で

100ユニーク達成しました!ありがとうございます‼‼


3人が旅立った後の小話です。

聖女一行が出立しその姿は地平線に消えていった。

見送りに来た人々は旅の無事を祈りながら少しずつ城へと戻っていった。


「フローレンス、見送りご苦労だったな」


祖父から話しかけられたフローレンスはゆっくり振り向いた。


「いいえおじい様。クラノス様の旅立ちですもの。夜中だろうと駆けつけますわ」


孫娘の毅然とした態度にベルメールは立派になったと感動していた。


「ですが酷いですわ…なぜこの私を護衛のメンバーに入れてくださらなかったの⁉」


ベルメールは前言撤回した。横でスクトゥムも少しひきつっている。


「フローレンス、君は騎士団員ではないじゃないか、それに愛しの婚約者を危険な旅に連れて行くなんてクラノスも望んでいないよ」


スクトゥムが嗜めるように言うとフローレンスはぐっととどまった。


「確かにそうですけれど…そもそも私だって騎士団に入りたかったのに、猛反対して権力で入団届を取り下げたのはおじい様とアーマルド様、それにスクトゥム様ですわよね?」


「だってかわいい孫が男だらけの集団にいるなんて想像もしたくないだろう…‼‼‼‼」


ベルメールは頭を全力で振っていた。そう、愛しの美しい孫娘が男8割の軍団に入るなんて心臓発作が起きそうだ。スクトゥムは当時の様子を思い出しながら遠い目をしていた。


「まったく、私も昨年成人しましたのよ。ずっと鍛錬しておりますし、最近は冒険者ギルドと騎士団が討伐に苦労していた神殿付近の魔物の群れを倒しましたのよ、腕には自信がありましてよ?」


「待て、今なんと??あれを??フローレンス、目を合わせなさい?」


うっかり口を滑らせたフローレンスは扇で口元を隠して知らんぷりをしていた。ベルメールは青白い顔をして詰め寄っている。…そう、召喚の儀の一月ほど前に神殿までの道に魔物が住み着いていたのだ。群れを成して森に潜んでおり、数も多く冒険者ギルドと騎士団は対処に困っていたのだ。ある日突然姿を消したと報告を受けて騎士団長、アーマルド・ガードナーは驚きすぎて討伐した者を探していたのだ。まさか目の前の未来の義妹だったとは……父になんと報告すればよいのか。


「大丈夫でしたわ、傭兵に念のため護衛をお願いしましたもの。おかげで面白い話が聞けましたわ!」


ウッキウキで話す孫にベルメールは今にも倒れそうだった。スクトゥムはそっと支えた。


「フローレンス、とても素晴らしい戦果だ。だけどもあまりお爺様に心労をかけるものではないよ」


「申し訳ありませんお義兄様。この戦果を挙げれば旅についていけるかと思ったのですけれど…」


「念のために聞くけど、この話クラノスも知っているのかい?」


「いいえ、その時は任務で別の町に行ってらっしゃいましたし、戻ってこられてすぐ護衛の任務の用意されておりましたもの。お話する暇がありませんでしたわ。」


弟まで共犯(?)だったらどうしようかと思ったが大丈夫だったようだ。本当にこの義妹は他の貴族の令嬢よりお転婆が過ぎる。いやお転婆の域を超えているが。


「…とにかく、今回は王国騎士団だけで護衛する予定だったんだ、いくら実力者でも一般人を同行はさせれなかったさ。許してくれフローレンス、弟には定期的に手紙を送るよう言ってあるから」


義兄の諭すような言葉にフローレンスはわかりましたわ、と肩を落とした。


「仕方ありませんわね、クラノス様のお手紙を待つことにしますわ…ですが、私いつでもはせ参じることができるよう鍛錬と用意はしておりますからね!」


「フ、フローレンスぅぅぅぅ~~~~~‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


南門に神官長の悲鳴が響き渡る。スクトゥムは苦笑いするしかなかった。

だがこの義妹が王都の民と家族の命を救うことになるのはまだ先の話。

フローレンスさんお強すぎですわ…‼‼‼‼

クラノスの設定を考えていた際、名家には婚約者いるよな?と思って急遽彼女が誕生しました。

個人的にサブキャラの中でも一番のお気に入りかもしれません。

終盤で大活躍してもらう予定です。また掘り下げをしたいです。

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