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君がハッピーエンドを書かないワケ。

作者: 夜月桜 麗

「あー吉野、お前またバッドエンド書いてる」

「なによ、なんか文句でもある?」

幼なじみの鐘島アツキは私が投稿している小説サイトを見せてきた。

「お前、今月で何本目のバットエンドだよ」

「4本目」

「いい加減ハッピーエンド書いてくれよ〜読んでる俺が辛くなってきた」

そんなこと言われたってしょうがない。

私はハッピーエンドを書きたくない。

「俺は幸せな世界を求めてるんだよ〜」

「私は幸せな世界なんて壊したいね」

「こいつ性格ねじ曲がってる?」

「何を今更言ってるの?」

幸せの定義がわからない。だから書けないっていうのもある。世間一般的に見ればご飯食べれてお金があって平和な日常が幸せなのかな?でも私は今幸せを感じてるのかって聞かれたら幸せというよりも安心という感じだ。幸福感は満たされているわけでもない。それに、幸せなやつを見るとイラつく。自分の願いは叶わないのに他人が叶う。それが嫌だ。自分のキャラでも。だから書きたくないのだ。

「そんなに幸せな世界がみたい?」

「そりゃハッピーエンドの方がスッキリするからな」

「・・・じゃあ、私をずっと幸せにしてみてよ」

まぁ無理だろうな。現実もバットエンドです。さよなら、私の人生。ありがとう、今まで。振られて終わりっと。

「・・・それは、好きなやつにしてもらえよ」

馬鹿なのこの男は?

告白なんですけど?冗談だと思ってるの?

あーすごい、ハッピーエンドチャンスを無下にしたよ?

はい残念、これからもバットエンドコースです。

「ってか、このくだり何回目だよ〜。いいからせんせー、ちゃんとハッピーエンド書いてくれよ〜?」

「・・・残念ながら今後もバットエンドです」

「え〜なんでだよ〜」

「そんなにハッピーエンドがいいならたまには自分で書いたらどーお?」

お願いだから早く振るなら振ってほしいのに。そしたら諦めるのにな。

一生バットエンドコースだねこれは。

私に幸せなんて訪れない。

これまでも、これからも。

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