第6幕
寝ている時だった、誰かの声がする
「みぃや、みぃや、助けて…
みぃや、助けて!」
「んっ…、ポポちゃん…?」
「みぃやどうしました!?」
わたしが起きて違和感を感じたことにいちはやく反応してミャーは準備して立ち上がると手を引いて起こしてくれるブレた映像のようなポポちゃんが目の前で泣いている
「ん、ミャー、ありがとう
どうしたのポポちゃん!」
「・・・」
呼びかけに応答は無く、突然にミャーとお風呂の所に移動すると目の前が真っ白に染まる
「みぃや!上です!! ブルードラゴンです」
「ブルードラゴン!?」
「ぐざぁぁぁぁっ!」
咆哮が聞こえると何か空気を深く吸い込んでいた
「みぃや、いってきます!」
「ミャー!?」
反応した時にはミャーは高くジャンプしている
ブルードラゴンはミャーがすぐに行動を起こし攻撃に入ることに気付いていたような行動を取った
ブルードラゴンはミャーの動きを読んでいたように素早く息を止めるとひらりと翼をはためかせて横に移動して再び攻撃動作に入る。ミャーはブルードラゴンの横を少し通り過ぎる、空中で逆さまに反転し相手の方を見た瞬間先ほどのような真っ白の息がミャーに吐き出されて包み込んだ
「ミャャャァァ!!!??」
みやは叫ぶが返事は無く白い靄が立ちこめていて、ブルードラゴンがニヤリと嗤うとみやの方に体を向けて、爪で攻撃するのか翼を少し縮めて体を後ろに引いて助走の態勢をとった。
その瞬間だった、ブルードラゴンは頭に上から強く殴られて斜め下方向へ飛ばされメルミルの地の門から少しだけ離れた位置へと深い穴を作ったのだった
何が起きたの…。呆然と立ち尽くしたわたしの横にミャーが着地し戻ってきた
「ミャー!!」
「みぃや、ごめんなさい…」
我に返るとすぐにミャーに抱き付いた、目に涙が溜まっていたかもしれない、とにかくミャーの温もりを感じたかった。 そんなミャーはわたしの頭を撫でてくれた
・・・。
落ち着いて周りを見ると門の何ヵ所かは壊れ崩れていた、砦のようになっている中心のここだけは無傷、つまりポポちゃんが守ってくれたのだろう
優先したい衝動を抑えてミャーとブルードラゴンの落ちた方を上から見下ろすとミミュルさんが手を振っていた。
「みぃやちゃん!ミャーちゃん大丈夫だった?」
「うん、ミャーとポポちゃんが守ってくれたから」
「よかったわ♪それでポポちゃんってどなた?」
ポポちゃんのことについて軽く説明するとミミュルさんはよく分からないようにしながらも笑顔で頷いた
「みぃやちゃんのために存在したのね、門まで虜にするなんてすごいわね♪」
なんとも恥ずかしいけど、ポポちゃん大丈夫かな…?
「心配なのは分かるけどとりあえずコイツね!」
今まで見たこと無い怒りの籠もった顔で穴を睨みつけるミミュルさん、戦いでブルードラゴンがどんな様子か聞いてきた
「勝利を確信している風で、ミャーの動きが分かっているかのようでしたよ」
「そっ、コイツにそんな知能は無いはずだけどね」
「ミミュルさんはこのブルードラゴンを知っているのですか?」
「えぇ、前魔王様に仕えていた1番の実力者だった奴よ」
「てことは、力で権力を奪いに来た奴ですね」
「それは分からないけれどね
・・・今日は疲れたでしょう、2人とも休んでいていいわよ、赤竜ちゃんを呼んでくるから」
「いなくて大丈夫ですか?」
「えぇ、ありがとね♪」
ミャーと一緒に部屋に、移動出来ないのでミャーに抱えられて戻った。
「何で青竜じゃないんだろう…
グレーウルフ・・・、赤狼とかいるの?」
「ウルフはみんなウルフしかいないみたいですよ」
・・・・なんかモヤッとした。
戻っても寝る気が起きないのでなんとなく前の布団に敷き直してミャーと横になっている
「・・・ミャー」
「はい」
「ありがとね」
「はい!」
「「・・・・・」」
「ミャー」
「はい」
「えいっ♪」
「みぃや♪」
「大丈夫だよね!」
「はい!」
いろんな考えはどこかへ放り投げて、イチャイチャしながら朝まで過ごしていたのだった。
「音鳴らないんだよね? 挑戦者を待っていようか」
「みぃやはここに居て下さい」
「え…「行ってきます!」」
「ミャー!」
ミャーはわたしに負担をかけないためにとっとと行ってしまった。
火や水はどうなんだろうとおもったら、火は使えないが水は使える、設備がどうなっているのか本当に分からない
疲れなのか眠気なのか少し怠い、寂しさを感じながらもう一度布団に横になるとスゥーっと眠りについていたのだった。
・・・。
目覚めると、人が転移してきたようにポポちゃんが現れる、重さは無いがいきなり何かが触れる感触があった
「うわぁ!」
突然のことでビックリしてしまい布団を払い後ろにさがるとポポちゃんはすごく悲しそうな顔をして消えていった。
ハッっと頭の働きが再開するとなんてことをと慌ててポポちゃんを何度も謝り呼んでいた
「ポポちゃん…」
何度目かの呼びかけの時に消えた時の表情のまま、少し遠くに現れる、ホッとしながら手招きするとおそるおそる来てくれた
「ごめんなさい、急で驚いちゃったんだよ…」
するとハッっとした顔になりいつもの柔らかな笑顔になってくれた、こちらも笑顔になる
「ポポちゃん無事でよかったよ、大丈夫なの?」
「うんっ♪ 助けてありがとう♪」
「あはは♪ やっつけてくれたのはミャーだよ、私は伝えただけ」
「うんっ♪ みぃや、ミャー、助けてありがとう♪」
「どういたしまして♪」
よかった!ポポちゃん無事だった。
ところで今は、、、あれからどのくらい経ったんだろう? ミャーはまだいない
「ポポちゃん、もうお湯入れたり出来るの?」
「うん?」
っっっと一瞬力む
「うんっ♪ どうぞ♪」
いや、今は入らないけど大丈夫っぽい
「ちょっとミャーの所に移動してもらってえかな?」
「うんっ♪」
素直で可愛いなぁ、やっぱり瞬きほどの遅れはあるけど問題無いようでミャーの目の前に向き合わせに移動していた、近いね?抱き付いちゃう!
「挑戦者は来てないの?」
「はい、ポポちゃんが元気だったようでよかったですね♪」
「うん♪」「ありがとう♪」
とりあえず音もなるだろうから戻ることにして、布団を再度フワフワのに敷き直す
「ミャー、一緒にお風呂入ろうっか?」
「でも来るかもしれませんよ?」
「分かってるけど、今日はこない気が…」
『ピーーーポーン』
「しますか?」
「・・・行こう、ポポちゃんお願いします…」
結局寝ていた時間も50分ほどで時間はあまり経っていなかったからいつもとあまり変わらないみたい
「ぐざぁぁああぐぁ!!」
「・・・ブルードラゴン…、襲ってきた奴?」
「ぐぁぁ、ずざぁぁあ!」
「はい。
正面から来てやった、とっととひれ伏したらどうだと」
「え?ミャー、まさかミャーに負けたのにそんななの?」
やっぱり竜?ドラゴン?って回復はやいんだね、もう報復にきたよ
「お名前はなんて言うの?目的は?」
*「これから死ぬ奴に名乗る意味があるもんか!
お前らを殺す!」
うわ怖っ!?、発言がね、威圧とか慣れてきちゃった。ミミュルさんたちになんか説得されたのかな、発言はアレだけど律儀にもルールに従ってきたよ
「うん、ミャーお願いします」
「はい!」
「ギャ!!(行くぞ!!)」
2人が一斉に地面を蹴る、しかしブルードラゴンは一歩目を出した時にはミャーに近付かれていて下から顎を殴られ宙に舞いそのまま180°クルッと仰向けに倒れた
呆気ない、その一言に尽きるほど圧倒的差だった
「飛ばれないなら楽でした」
「ミャーやったね♪」
でも空の時と違ってミャーの動きを警戒していなかったような?、言動からこっちが主で頭を使わず力押しするタイプみたいだよね
来客を知らせる音がしたとおもったらすぐにここに移動されてきた、魔王様と主たちだ
「ほら、やっぱり終わってるじゃないの」
「相手が悪すぎると思ったのだけどな」
「フッ!なんてザマなんだロクラスブレイル」
「ブブッ…、、ぶぶぶぶぶ!ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ?」
「お前たちはとりあえず2人に挨拶しろ!」
会話から察するに、ブルードラゴンを寄越してミャーに制裁してもらおうとしていてそれが成功ってところかな?トナタさんはまた何か質問された気がする、モルモ様もみんなを止めたことだ分からないので無視する、そういえば近いのにトナタさん来なかったね、寝ていて起きなかったのかな…
「ミャー、そいつを起こせ」
「はい!」
ミャーがブルードラゴンに近寄ると(ドラゴンにとって)軽い一撃を与えた、すると煩い叫びを上げて飛び起きた
「分かったろ?ミャーは強い、小さくなって付いてこい」
ブルードラゴンが渋々小さくなるとモルモ様に付いていく、そのモルモ様はわたしの元へ
「みぃや頼むぞ」
えっと?何をですか
「何を…」
「お風呂だ!我とコイツを連れてけ、ミャーももちろん一緒にだ」
あ、はい。ポポちゃんが治った(直った?)ことはさっきだから知らないはず、使えなかって知らなかったのだろうタイミングがよかったですね
「他のみんなは?」
「後で入れればいいだろう?」
えー、何か理由があるの?特に反論は起こらないからわたしたちだけが適当なんだろう。ポポちゃんはすぐにわたしの意思を汲み移動してくれた、復活早々ごめんね。
「ロクルラスブレイル、お風呂だ」
*「なんだ…なんでしょうか!!、なんでこんなとこに連れてきた…きましたか!!」
言い直しても荒々しい! でも従っているのには違いない、睨んでいるけど。
モルモ様はお風呂について熱弁している
「いいぞ!、あれはいい!入るとな、、すごいんだ!!」
*「全く分からん…分からない!!」
お風呂の前だから、とにかくグジィグギャと耳障りだから静かにして欲しい
「入れば分かる、まず洗う!
みぃや!洗ってやれ。 少し惜しいがコイツに預ける、ミャー我を頼む!」
攻撃してこないかなぁ…、何かあったらミャーがモルモ様を放置してでも来るな…。 それにしてもわたしはモルモ様のお風呂専属係になってしまったのか「分かりました!」
「はい!」
・・・。
「ブルードラゴンさん、こっちに来て下さいね」
お前には従うかと言っているように顔を背けられた、力を示したミャーでも権威があるモルモ様でも無いから仕方ない
「も…魔王様に反論して大丈夫なのですか?」
反応してミャーに洗われているモルモ様を見るがそれでも無視された
「・・・モルモ様!ミャーをいいですか?」
「あぁいいぞ!」
ブルードラゴンはビクッと反応してわたしの方に一歩進めていたが既に真ん中くらいにミャーが立っている、わたしの意思を感じているので直接手は出さないだろうが向こうにしたら恐怖だろう。 言い訳するように弱々しく何か喋ると、ミャーは戻っていった。
ブルードラゴンは何か喋りながらくると目の前で止まり動かなくなった
「ありがとうございます♪ では洗いますね」
わたしはブルードラゴンの体を手で丁寧に擦っていく、始めの時は(怒りや屈辱で)震えていたけど、すぐに大人しくなり終わる時にはこっちにもっとと言っている顔を向けてきて、それに自分が気付き少し距離をとっていた・・・わかりやすい
「ミャーも中々だがみぃやの方が良いな!」
「はい!みぃやが最高です!」
あれー、はやくやりたいと思っていたけどタイミングが合わずにミャーに出来てなかったはずだけどなぁ
「フフフ!どうだロクルラスブレイル!
みぃやの実力を思い知ったか!」
*「ま、まあまあだったな」
実力って…、力こそ全てではなかったのか
「まぁ、、そしてお風呂だ!」
モルモ様の嵌まり具合が異常に感じてしまう、これは銭湯に毎日何度も入るおじいちゃんと一緒の状態か!? ・・・なんかニュアンスが違うな、まぁ好きならいっか
モルモ様は先に湯に浸かりブルードラゴンに入れと命令する、すると仕方なくゆっっっくりと足を入れて、大丈夫と分かると一気に入った。わたしたちも続く、溢れないお湯は本当にいいねぇ!
無言で湯を楽しむ時間が流れる、わたしはミャーをジッっと、逆も然り・・・。
「お風呂はどうだった?」
*「ま、まぁまぁだった!」
「みぃやはどうだ?」
*「ま、まぁまぁだな」
何、その質問!? でも、お風呂と同じ解答、好かれているって思っていいか
「フッ、帰っていいぞ」
「グ?」
これは分かる完全な戸惑い、今外だから簡単に逃げられるよね、こっちは手を出さないと宣言しているようなものだし
「みぃや、突然悪かった!もう帰る、あいつらにも終わったら帰れと言っておけ」
「分かりました!」
モルモ様は本当に帰ってしまう、取り残されたブルードラゴンはモルモ様の方角を見て呆然としていた
「ミャー戻るよ、ポポちゃんよろしく」
「はい!」
「グザ!?」
何か声が聞こえたがその時にはポポちゃんが移動してくれていた
戻ってもみんな大人しく座っていて何も追及してこない、モルモ様への信頼がみえる
「では、みなさんお風呂に入りますか?」
返事は予想通り、みんな今日は遠慮しておくと、トーさんもトナタさんも気はあるみたいだね
これであのブルードラゴンがどんな行動を起こすか分からないけど、魔王様はやっぱり魔王様なんだなと感じたよ
とにかく、これ以上ポポちゃんに被害がありませんように!
『がんばるっ♪』
・・・。
ポポちゃんに触れるようになったことを確認しようと具現化してもらう
「手を出して」
「うんっ♪」
握手してみる、しっかり指の1本1本までとはなってなかった、指の一部は透き通るように通り抜けてしまう。ただほんのりと人間より冷たいが体温を感じるのは不思議だった。
相変わらずミャーには見えないようだけど何か居るような気配だけは感じるらしい、ポポちゃんの存在感が強くなっているのは確かだけど、ミャーにも存在を認識して欲しい気持ちが少し芽生えているのかもしれないね♪
・・・。
暗くなる前のことだった
『ピーーーポーン』
「2回目!?」
「朝のは協会に行って取った挑戦者じゃないからだと思います」
「あ、そっか」
あれはブルードラゴンだもんね、・・・もしかしてお風呂中に来られてたら…
「他の主がいたから大丈夫だったですよ」
・・そうだよね、ミャー賢い♪
すぐに準備して待っていると、来たのはいつものチームのリーダーさん、でも今日は1人だ
「今日は1人ですか?」
「はい、少し伝えておきたいことがありまして、このようなお時間に申し訳ありません」
「それは大丈夫です
あ、お名前聞いていいですか?」
「はい、ありがとうございます。みぃや様、わたくしの名はサロと申します」
「サロさん・・・ですね!よろしくお願いします」
サロさんの言動は本物なんだって証明されてしまった、嬉しいことであるんだけどね
「あぁ、名を呼んで頂けて光栄です!」
いつも通りに祈りを捧げてからお話しをすると日課をする、こうやって直接来られお目にかかれた日は幸せと言っていたけど本心だったんだ、飽きるまでいくらでも対象となってあげようと思う。
・・・。
サロさんはそのままの態勢で真剣に話し始めた
「みぃや様、ミャー様、わたくしの仲間の1人が昨日姿を眩ませました」
「抜けたとかお出掛けしたとかじゃなく?」
「はい、少なくてもわたくしたち仲間には誰一人話は受けておりません
…もしかしたら帰ってくる可能性があるかもしれませんが低いでしょう」
何か確信するような予兆があったのかもしれない、仲間のお別れならわたしに報告はいらないはず
「もしかしたら、みぃや様に被害を被るかもしれないので報告しました」
「どういうことですか?」
「魔王領の何かと繋がっていたかもしれないんです、関係無いかもしれませんがみぃや様の名前も入ったのでもしかしたら何かあるのではと」
サロさんいいの、もしわたしが魔王領の仲間と誰かを襲う側ならその報告はやばいよ?
それにしても襲撃…、ブルードラゴンにされたばっかりだ、サロさんに教えた方がいいかな
「ありがとうございます、実は昨夜にブルードラゴンに門が襲撃されたばかりなんですよ」
「そうなのですか! 大丈夫でしたか?」
「はい、ミャーとポポちゃんが守ってくれましたから」
「それはよかったです!」
「ありがとうございます♪サロさん」
「ありがとうございます!みぃや様」
・・・どういたしまして…?
寄付を払うと帰っていった、1ミリもわたしたちを疑っていなかった。寄付を貰うんじゃなくて情報料を払う方だよね…絶対受け取ってくれないけど
襲撃は警戒しても出来ることは無いので心構えだけしておかないと、仲間の1人ってミャーが信頼出来ないって言った1人だろうね、魔王領の繋がりは…、それがあるなら間違いないだろうな・・・。
ポポちゃんお願い! お風呂に!
「ミャー、洗ってあげるね♪」
「はい♪ みぃやは洗います!」
「お願いしまぁす♪」
お互いにお互いの体を手で綺麗に洗っていく、髪の毛も手櫛で通していくだけで艶々になる
「耳と尻尾も同じようで大丈夫?」
「はい♪」
優しく外側を擦って水を払い内側を軽くやる、ピクピクと動くのが可愛い!それに柔らかくて気持ちいい。尻尾は固めだったけど根元からしっかり綺麗に擦ってあげると満足そうにしているのが嬉しい
「はぁ♪みぃや最高です♪」
「ありがとう♪こっちも最高だったよ」
次は交代してミャーが上から下まで几帳面にすき間をつくらないように優しく擦ってくれる。あ、これ結構気持ちいいね、戦いでも見せないような必死な姿が愛おし過ぎるよ、モルモ様にもそこまでやってなかったよね?・・・可愛い!!!
「ふぅ!みぃやどうですか!」
「とっても良かったよ♪ありがとね♪」
そのままミャーにくっ付いた、そこでポポちゃんはどうなんだろうと思い考えた、存在が意思だったから触れなかったはずだけどそれが可能となった
「ポポちゃんはどう?」
「はい♪」
目の前に現れると既に両手を飛行機にして笑顔で待機している
ちょっと待っててとミャーに言ってポポちゃんを洗い始める、本当に自分の姿ながらに可愛い、えへへと笑いながら静かにしている、質感があって本当に人みたい、でもたまにすり抜けてしまう時があるんだよね。ポポちゃんといいミャーの(一方的な)意思疎通といい日に日に成長しているなぁ。
ポポちゃんは気持ちいいとか無く自分のためにやってくれているのが嬉しいみたい、わたしが楽しいと思っている方がその要因に近いのか?
そしてみんなでお風呂に入るかと思ったけどポポちゃんは消えてしまった、どうやらお湯に入れないみたいだ・・・残念…
ミャーと肩を並べ合わせてゆっくり楽しむ
「みぃや、肩にいいですか?」
「いいよ♪」
「♪♪♪」
ミャーがわたしの肩に頭を乗せてくる、結構大変そうだけどミャーなら大丈夫だろう
「ミャー♪」「はい♪」
ミャーがいるって実感出来る、危険なんか関係無く幸せって実感している、悪い事が起きているのに変わらないそんな自分の想いが嬉しい
「ん、みぃや・・・」
ミャーは頭を上げると前に移動してきてわたしの胸の所を枕にするように頬をあてる、湯に入ってしまうと思うと水位が少し下がった、ポポちゃんありがとう♪
ミャーがすごく安心しているように全てを預けているその頭を撫でてあげた
・・・。
ちょっと長風呂し過ぎたかな、体になんの変調も無いけれど暗くなっちゃった。ただまったりとミャーを愛でていただけの時間、これは何よりも大切な時間だった
「今ここは広いけど、外から・例えば夜中のブルードラゴンの攻撃のような射程ってどうなっているんだろう?」
レイルブライルは外からは普通に見えていたって言っていたし、中からの外までの距離と外からの内までの距離が違うなら有効範囲が違うのかって思う
「どうなんでしょう~♪」
ご機嫌ミャーにも分からなかった、常識外れの現象だから知っているとすれば(考えていれば)あのブルードラゴンだけ、自身で自分の力と比べ考察していたらだね
次の日
どこか住処かに帰ったはずのブルードラゴンがやってきた
*「わ、悪かったな!中々まぁまぁなものが出来ているのに壊しては勿体ない、一応お前らに謝っておいてやる」
全然謝罪じゃなかったね、竜に他種族の一般常識を求めるのもどうかと思うけど非常識だ
「こんな時間に来ないで下さい」
*「時間? 謝りに来てやったのに来るなと言うのか!」
ミャーがわたしの言葉を代弁して言ってくれたよ、襲撃して来たと同じような真夜中だもん、連日キツ…くはないけど、精神的に辛い…
「謝罪は受け入れるね
でもね少なくとも人は暗い時間は活動しないんだ」
*「そういうことか! では明るい時間に来ればいいんだな?」
「まぁ、用事があるならね?」
*「わかった!また来てやろう!」
そのまま去っていく、話が通じているのか曖昧だ。ブルードラゴンは結局仲間側でいいのだろうか
「ミャーありがとね」
「はい! ・・ブルードラゴンはまた来ますね」
ミャーに通訳のお礼を言って寝直すのだった。