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第3幕

 魔王様の帰り際に上口が紐で縛られた布を受け取る

「給金だ、やたら来るみたいだから多めに入っている」

「あ、ありがとうございます!」

「よかったわね♪ 使えるの人間の領だから気を付けてね」

「は、はい!」

 みんなが帰って中身を見てみる、いわゆる硬貨だった、飾り気は無く銀みたいな白い光沢のある素材で鬚の生えた男性の顔が描かれていた。大小2種類あるみたい。結構入っているけど価値がわからないから何も言えなかった

 魔王領で使わないけどこのお金の入手方法は……、すぐに難しいことを考えるのはやめた

「服、欲しいなぁ…、ずっと同じ服だからね、お風呂入りたいなぁ…」

さすがに臭うかもしれない、一度気になったらもうダメだ。ちょっと服を脱いでバンザイする

「ミャー、におうかな?」

ミャーは体にスリスリしてきた、くすぐったいよ♪

「みぃやの匂いです♪」

「あははは! ミャー、わからないよ

 ミャーもちょっといい?」

「はい♪」

ミャーも脱いで同じようにしてくれる

「うん?何もしないね」

 ミャーは自分の匂いをわたしがしないことに不満そう、多分人間と猫人とかいう種族の違いなんだろう。

 うん体は常に綺麗に保たれているね、願ってないことも色々とやってくれたんだね、声の人に感謝する

 と言っても服は欲しい、特にミャーが様々な服を着るのを見たい!

「ミャーは服をどう思う?」

「服?なんでもいいです」

やっぱりファッションに興味なかった、自分も全くと言って興味無かったから同じだ。何着てもいいんじゃないの?適当に目立たないならそれでいい、みたいな、でもミャーが人になって自分が可愛くなったら考え方が少し変わったよ

『ピーーーポーン』

 今日の挑戦者がきたね、ミミュルさん毎日です…連日ですよ…頻繁です!


 挑戦者は4人組、誰も武器を持っていない。その内の二人には見覚えがあった。

 すると4人が膝をついた

「あの男に勝ち、この場に参じました」

「神々しい美しさ、見えたことに感謝を」

「・・・・」(ひたすら祈っている)

「天使のかわいさだ」

 何ごと!?、戦わないの!?。剣を持っていた男が言った『あの男』って誰だ!?、弓を使っていた男が天使って言ってたのか!?

「あ、あのー?」

「お声も美しいとは!」

「・・・」(更に姿勢を深くして祈る)

こ、怖い!

「ミャー…」

「みぃや下がって」

「待って下さい、我々は戦いにきたわけでなくひと目見るために頑張って参ったのです」

下がろうと思ったら、剣を持っていた男が喋る、前と違って身綺麗にしているし口調も違うし誰だよ!?

「ミャー、話みたいだからいるね」

「みぃやに手は出さないように!」

「はい!ありがとうございます」

「とりあえず立って下さい」

 このままだと嫌なので4人を立たせる、当たり前だけどあまり知らない身長の高い人がいると少し威圧感がある

「我々は貴女様に何かを求めるわけでありません、どうかご安心下さい」

「はい、わかりました」

 4人は30秒ほどジーっと見つめてくると、満足したみたいに再び膝をついた

「どうぞ、お納め下さい」

 何か簡易な布を何重に折り畳んだ物を前で持ち上げる。なんだろうと受け取ると

「ありがとうございます!では!」

「「「ありがとうございました」」」

 さっさと退散していく、素敵なお声とか噂通りの優しいお方だとかミャーが聞いていたが悪い方向でないならと興味無しのご様子

 いつもと違い立っているだけだった、あれ一緒だ。精神的負担はあるし、負けた時の案内が無くミャーが怪我することが無いだけよかったとさえ思えたのだった。

 帰ったことを確認して、戻り貰ったものを確認する。・・・なんと魔王様から頂いたものと同じお金が入っていた

「ええぇぇ!なんで!、これ受け取ったら駄目なやつじゃない…」

「みぃや落ち着いて、多分これはきふって物だと思います」

「え?寄付?何の?」

わたし何もしないよ?」

「崇拝に知識があって、この世界の教会で入り口でお金で御心を形で渡すみたいで代わりに…」

「ミャーわかったよありがとう♪」

 あの男の言ってたことか、ミャーがわかる部分で引き出してくれていたんだね♪

「金額がわからないけど、2種類しか無いならこれって多そう…」

大きな硬貨が2枚、金額が決まってないものに支払う時にそんなに多くは出さないだろう、賽銭とかも多くて100円とかだしね

 とりあえず財布が欲しいなぁ、お金嵩張っちゃって服に……小さな鞄が欲しいなぁ

 人間の町にいって買い物かなぁっとひとつ硬貨を持ってクルクルと眺めていると

『キンコォーン』

まだあったか!?聞いたことない音だよ

「みぃや!」

「はい!」

前回の経験でやるべきことは分かっていた。

・・・。

「ミミュルさーん!」

 今日は来ていなかったので呼んでみるとそれでも異常な速さで向かっていた

「みぃやちゃん♪ 呼ばれた気がしたけど、うふふ、呼んだわね♪

今日は何かしら?」

 やっぱり呼ぶ前に向かって来てたんだ

「また知らない音が鳴ったの」

「あら?音の種類は3種類だけだけど?」

口に人差し指を充てて首を傾げてしまう、マジですか!?

「とりあえずミャーちゃんの所に行ってみましょう!」

真剣な顔になるミミュルさん、よくわからないから不安になってしまう


 部屋に移動するとミャーがいて昨日の2人の少年が座っていた

「みぃや、この二人でした」

「えっと・・・・遊びにきたのかな?」

「は、はい!勝手におじゃましました、ごめんなさい」

「ごめんなさい」

「ミャーがいれてくれたんでしょ?

私はいいよ」

 ミャーが柔軟な対応をしたことに驚きつつも、わたしなら確実にそうしたなって思うからミャーもそうしたんだろうなと納得した。 ミミュルさんも何も言わないから大丈夫なのだろう

「よかったわね♪、多分、門が新しい対応の人を覚えて音を出したのだと思うわ」

「門が自分で!? 意思を持っているのですか?」

「もちろん無いけれど、そう思えるわね♪」

 もってるって言われてもこの世界なら信じるけどなかったみたい

 二人がソワソワしているから自己紹介する

「私はみやって名前、みんなにみぃやって呼ばれてるよ」

「ミャーです」

「私は昨日言ったけど覚えているかしら?」

「は、はい!みゅりみるみいるさん」

「おい! ミュリミュルミールさんだぞ」

おぉ!勇ましそうな子の方が覚えてた、私も名前覚えるの苦手だからわかる! 昨日一度にたくさん覚えただろうに…

「ミ、ミュ、ル、よ♪、魔王様が言ったことは忘れてね?」

「「はい!ミミュルさん!!」」



「ぼくはアルトです」

「俺はノールだ」

 気弱な子がアルト、強気な子がノールといい早速遊びに来たみたい。しかもケーキを幾つか持ってきて出してくれたよ、ケーキあるんだ!嬉しい!

「あ、でも…」

申し訳なさそうに、食べる道具はあると思ってたみたいで持ってきてない

「いいよ、そのまま食べよう♪」

下に付いた小さな紙で挟み手で持って一口食べる、うん、甘味は仄かだけどおいしい!! でも中に入っている赤い果実が甘苦くてちょっと残念

 なんだろう、視線を感じた

「ど、どうしたの?」

「あ、そ、その…」「うん…なんか…」「みぃや可愛い♪」

 少年たちは目を逸らされてミャーには可愛いと言われる、なんだろうか?

「うふふ♪、みぃやちゃんがその清楚そうな可愛さで豪快に食べる姿がとっても可愛く見えたのよ♪」

 うっ…そ、そうでしたか…、顔が熱くなってくるよ…

「そうね♪ みんなも食べましょう、二人とも頂きますね?」

「「どうぞ!」」

 ミャーも気に入ったみたい、口のまわりについてるのを(人前なので)普通に取ってあげる、舐めようなんて思って……、その時も何故か視線を集めたよ

・・・。

「また持ってきますね!」

「大丈夫だよ気にしないで、気軽にね♪」

「い、いえ…、…はい」

「残念ね…」

 なんか目標を妨げられたみたいな感じだった、ミミュルさんも何故か落ち込んだ? ケーキ気に入ったんだね、断ってごめんね

 ここでちょっとお金について聞いてみることにした

「アルト、ノールに聞きたいことがあるの」

「「はい、何でしょう」」

「ケーキってお菓子の中で貴重?」

「えと、普通よりは高いですがそれ程では」

 アルトが答えてくれた、ケーキの立ち位置は変わりなさそう

「みんなが食べるお菓子っていくらくらい?」

「そもそもお菓子は特別な日くらいしか食べない、えっと…これくらいに入った袋で10R(レニー)くらいかな?」

 ノールが手で結構大きな四角い袋を表して値段を言った、レニーか、レニーが単位なのはわかったけど価値がわからない、やっぱり直接見にいきたいよ

「これって何R?」

「1Rだよ?」

 小さい硬貨を見せて聞いたら不思議そうに返された、常識を知らないんです…

「じゃあこれは?」

 大きい硬貨を見せたら驚かれた

「…1000Rです」

千倍の価値があったよ、価値はわからないけど二人の反応から大金ってことはわかっちゃった…

「なぁ…そのお金ってどうしたんだ?」

 ノールがおそるおそる聞いてくる、わかるよ言いたいことはでもね白いお金だからね…信じて…

「みぃやちゃんはここで働いて、魔王様に給金をもらっているのよ♪」

「・・・そうなんだ」

 その魔王様にわたしは不安があるんだけど、二人は安心したようだ、ミミュルさんありがとう


「二人が住んでいる所は近いの?」

「うん、近いよ」

「そうなんだ、行ってみようかな?」

「「きてよ!!」」

「うわぁ!?」「みぃや!」

あまりに前のめりな反応に後ろに倒れるとミャーが何故か後ろにいて支えてくれた

「「・・ごめんなさい」」

「大丈夫だよ、今度一緒に行ってくれる?」

「「はい!」」

 ミミュルさんが空けるなら魔王様に伝えておくって言ってくれるので明日行って明後日帰ると伝えてもらう

「朝に挑戦者がくるからその後に出発でいい?」

「「はい!」」

「来ることは確定なのね…、明後日はいないってことにしておくわ♪」

 そういうミミュルさんもその次の日に来るだろうって確定させているじゃないですか

「二人は・・・」

 今日は泊まっていく?って聞こうとして無理だと気付いた、それも一つの原因なのにすぐに忘れていた

「・・何歳なの?」

「??、なんさいってなんですか?」

「みぃや、ここは歳の概念が無いです」

「そうなんだ…うん、気にしないで」

 何が基本で知らないかわからないと聞くことがわからないからたちが悪い、少しミャーと整理しようと心に誓うのだった。


 次の日の朝、まだ早いが先にアルトとノールが少しかっこいい感じの服を来てやってきた

「ごめんね、まだ来てないの」

「いいえ、早くきましたから」

「看板って変わるんだな、門の主が明日不在って書かれていたよ」

「え?そうなの? ミミュルさんが昨日書いたのかな」

 ミミュルさんは頼りになるおかげで助かっているなぁっと実感する、お土産買ってこないとね

『ピーーポーン』

「あ、きた!行ってくる」

「みぃやさん、ミャーさん、頑張って下さい」

・・・。

 今日もみや教信者だった、メンバーは一人変わっている、弓の人が初めの時の槍の特攻の人になっていた

「今日のお祈りすることを許して下さい」

「・・・ご自由にどうぞ」

 許可を出すと神に祈るようにしている4人、ホントに何でここまでわたしに…なんだろうか?

 終わったらこちらが嫌なのを知っているので立ち上がる4人

「私、明日まで少し出るのですが、あなたたちは何人で行動しているのですか?」

「看板にて確認いたしてます。質問ですが、我々は8人の仲間であります、しかし2人は貴女様に興味が無いと…」

いや、それは聞いてないから。どっちでもいいよ、会ってすら無い人、しかも子供を崇めるって…そっちが普通ではないか? そこにいる2人は特にすごいよ

「それは気にしませんが仲間割れだけはやめて下さいね?」

「ありがたきお言葉を!」

「やはり天使だ…」

「・・・」(祈っている)

「・・・」(照れている)

 やっぱりこっちの方が疲れるかも…、そのうち飽きるだろうけど。

 終わると昨日と同じように布を差し出してきた

「あ、あの! 昨日は知らないで受け取ってしまったので、お気持ちはお返しませんが、今日からは受け取りません…」

「なんと奥ゆかしい方だ!」

「教会も見習って欲しいものです」

「・・・・・」(深く祈っている)

「・・・惚れる(小声)」

 余計に受け取って欲しいと言われてしまい、受け取ることに

「次もあるなら小さい方にして下さい」

「・・・わかりました、貴女様がそう言うのであれば…、では、ありがとうございました」

「「「ありがとうございました」」」

 はぁ…、また受け取ってしまったよ…、中身は昨日と一緒、次からは大丈夫だけど心苦しいよ…。

 ミャーが励まして密着してくれるから元気に切り替わる、お出かけだ!

・・・。

 領を出て右に曲がり一本道をひたすらに歩く

「聞いておきたいんだけど、ミャーみたいな人って結構いるの?」

「あー…珍しいかもしれません…」

「でもいないわけじゃないから大丈夫だ」

 そっかぁ、服屋でフード付きのとかもあればいいなぁ、黒のでシンプルのとか似合うだろうなぁ

「危ない!」

ノールが叫んだ時にはミャーは危ないの原因の灰色の狼の前で叩いて気絶させていた、アルトも前にいる

「お、狼!?」

「大丈夫です♪」

「ミャーさんは速いですね、ぼくが反応した時には討伐し終わっています!」

「グレーウルフだ、この辺りではよく見る雑魚だな」

 はぁ…道が安全なんて何で考えていたんだろうか…、ミャーがいなかったら気軽に遊びに行って死んでいたなんてあったかも…

「グレーウルフだっけ?これはどうするの?」

「今日は放置だな、他の奴が処分してくれる」

「これが目的なら運ぶための道具を持ってきて協会に提出すればいいんですよ」

「そうなんだ、教えてくれてありがとね♪」

照れて顔を逸らされた

・・・。

「まだ着かないの?」

「もうすぐだよ!」

 体感2時間くらい歩いたがまだ見えない、山道とか割と慣れているから疲労は少ないが無いわけじゃない、歩幅が小さいから少し大変に感じる、しかし他の3人は全く疲労の色が無い、そこは違う世界の子だからなのか、こういう(剣を振るうような)ことをしている子たちだからなのか

・・・。

 更に約30分後、ようやく着いた!

「あそこがぼくたちが住んでいる街だよ」

「それにしてもみぃやは凄いな!、普通なら半分も進まないでぶっ倒れるのに休憩すら求めないなんて!」

 あ、あれ?もしかして休もうって言えば休ませてもらえたの…

「あはは…慣れているから、疲れたらミャーがいるし。でも全く近くなかったよ…」

 ミャーが任せて!という顔をしている

「そうか?」「ぼくたちは慣れちゃっているからかな?」

 力もそうだったけどすごい子たちだったよ…

・・・。

 街の名前はアブトというみたいだね、魔族領の門よりは低いけど立派な壁が街を囲っているね

 街の門には強そう人が立っている、側に櫓のような物も建っていてそこにも1人立っていた

「「ただいま♪」」

「おぅ!ノール、アルト 今日は成果は何も無いのか?」

「今日はとも…、トモダチが遊びに来るから迎えに行っていたんだよ」

「そうか、お!2人とも女の子か? …これまた()人だ。やるなぁ!

しっかり獣から守ってやれよ」

「あはは…、頑張ります」

「入るよ!」

「ふふ♪」

 こういう揶揄いってすごい困るよね、アルトなんて完全に顔が上がってないよ。

・・・。

 ノールが先導して歩いている後ろでミャーと手を繋いで歩いているがわたしたち、ちょっと目立ってるよ

「何処に行くの?」

「まずね、先に泊まる場所を確保しないと大変なんだ、野宿することになっちゃうからね」

 アルトが説明してくれるがやはり知識がある人がいるのはありがたい、みんなで協力しあわない…と?、…うん、これからすごく役に立つよ!

 宿屋(しゅくや)はお金を払うことで泊まることができる建物、主に旅人や家無しが利用する。 2人もずっと利用しているらしい

「ただいま帰りました、お部屋って空いてますか?」

「あぁおかえり、今日ははやいんだね

部屋はねさっき埋まっちゃたねぇ…」

「そうなのか…、うーん他の宿探さないとな」

あぁ…こっちの世界で初めての宿の交渉がNOだなんて少し面白いね

「2人が借りているお部屋ってどのくらいの広さなの?」

「俺たちはお金を貯めているから一人用の部屋を2人で使っているんだ、だから荷物で殆ど隙間無いな」

「座る場所くらいあればそれでいいよ、ね♪ミャー?」

「はい!」

「それだったらぼくたちが座るよね!?」

「あ、あぁ!」

 うーん、それなら他の宿探すしかないなぁ、2人にこそそんなことさせたくないよ。

「ちょっと、年頃の男女が一緒にはあたしは(・・・・)許さないよ!、婚約者だとか付き合っているなら止めやしないがね」

いえ、わたしたちは誰も彼も気にしないのでそんな経験は日常です、良識なのは分かりますけどね

「その様子では違うようだね! 仕方ない、あたしの部屋に来なさい」

 宿屋のおば…お姉さんはわたしたちの様子から付き合っていないと判断すると離れさせないように気を遣って提案してくれたのだった。

「ちょっとアンタ!」

「はいよ?」

奥の扉から気の良さそうな男性が出てきた

「あなたは今日は厨房で寝なさい、分かったね?」

「おう?あぁ、分かった」

また戻っていくけど、ちょっと待って!? 旦那さんを追い出してまでここに拘らないよ!、なんですぐに理解したように承諾するの?慣れてるの…?

 2人も呆然としているよ、どうしよう断った方がいい?

「料金は70Rだよ、ご飯も出るからね」

 話はどんどん進む、断る選択肢(すき間)が無い、旦那さんごめんなさい!

「あ、お金は後で払うのでそれでもいいですか?」

少し周りを見て、提案すると嫌な顔もせずに頷いてくれたのだった。

 

 この宿屋は日が沈むと受付を閉めてしまうようでそれまでに戻らないといけないとのこと。

「行きたい場所は?」

 ノールの質問に服屋と答えるとあー…っと困った顔をした

「服屋か…、あんまり知らないな…

俺たちが行ってる店が近いからとりあえずそこに行こう」

「その店で他の服屋の場所も聞いてみようよ」

 それ失礼なやつだ、違う種類のお店を尋ねるならともかくね…

・・・。

 歩いて1、2分くらいで本当に近かった。 服屋というより古着屋みたいで中には良い服もありそうだがあんまり綺麗な感じじゃない、箱に雑多に詰められた物がいくつも置かれていて、その中から取って買うんだろう

「ここは安いからよく利用しているんだ」

「ひとつ1Rのとかもあるからな」

「それは安いね!!」

価値がわからないとはいえ宿で1泊食事付きで70Rしたんだから赤字覚悟のお店だろう

「大量の荷物を運ぶ方法ってあるかな?」

「え、えっと、いつも死骸を運ぶための台車なら借りられるけど?」

「わかったありがとう♪

入ろっか!」

 お店に入り服を見てみれ、女物と男物も混合してるよ…、サイズが大体揃えてあるのが幸いだ。価格は箱毎に書かれていて、1R~20Rがあるね、わたしたちのサイズ辺りは多い、次にちょっと大きめな物だ、一般サイズは少なかった。

「すいませーん!この箱とこの箱を下さい」

「みぃやさん!?」「何言ってるの!?」

 ひとつは14Rと書かれていて15着くらい入っているから200Rちょっと、もうひとつは今のよりちょっとだけ大きいサイズが入っている箱、こっちは7Rと書かれていたから100Rちょっとだろう

「これを買うのかい!?」

 男性の店の人が来て目を丸くしている、ここまで箱買いする人は少ないんだろうねと可笑しくなって笑顔になった

 男性店主は商品を求めた少女を商人らしからぬ凝視をしてしまう、目の前の可愛らしくも美しい少女が自分の店で買い物など違うだろうと怒ってしまいそうになるほどだ。 余程の(お金についての)事情があるのだろうと思ってしまう、今日はたまに来る少年の他にもう1人猫人がいるところを鑑みる、他にも人がいて大量の服が必要なのだろうと推測した

「ちょっと待っていてね」

「はい♪」

男性店主が奥の台で書き物をして戻ってきた

「280Rになります」

「え!? ちょっと待って下さい!計算は得意ではないですけど300Rは超えると思うのですけど」

 安いならいいじゃんとノールは言うけどそうはいかないよ! ただでさえ安いのにお金を持っていながら払わなかったらこの人の生活に関わってくるよ

男性店主はニカリと笑う

「まとめて買ってくれたから安くなったんだ」

 子供だと思っているね…説明が。

「うぅ…ありがとうございます、これでお願いします」

 大きい硬貨を出して渡す、驚かれるかと身構えていたが特になく奥の台に呼び出されて720枚の小さな硬貨…大硬貨と小硬貨って呼ぼう、小硬貨を並べていった。やっぱり中硬貨ないのか…

 持ってきたお金はまだ数が少ないから包みでよかったけど、これは…

「あ、先に鞄や財布を買えばよかった

 アルト、とりあえずお願い出来る」

「ええええ!ぼ、ぼ、ぼくがこんな大金を!?」

「じゃあノールお願い」

「…いや…だけど、みぃやさんの頼みだからな…」

ノールが渋々に引き受けてくれた、しかしその様子を見ていた男性店主が素敵なことを言ってくれたよ

「入れる物もあるよ、5Rで売ってあげるよ」

「本当ですか!」

男性は奥の端っこの箱を見せる、服だけじゃなくちょっとした布製品もあるんだね、バッグだけじゃなく財布やちょっとした入れ物みたいなのもまとまっている

「服屋だから需要がないから普段はこうして奥に仕舞っているんだ」

「ありがとうございます!

・・・・あれ?、でもこれ40Rって」

「こっちはおまけで放置してあって捨てるようなものだからな!安くても買う人がいるだけいいんだ」

 おぉ、男前…、でも絶対違うよね、さっきも値引いてくれたし、わたしがお金持っていることわかったんだからこれ以上の値引きはしないでいいんだよ?。戸惑っていたら、店に入ってからずっと無言だったミャーが「みぃや、この人は優しい人だから大丈夫」と、別にそこは心配してないけどそれで踏ん切りがついた、やっぱり困った時のミャーだね♪

 少し見ると小学生が持っていたような黄色系の長い紐に小さなパカパカ開ける式のバッグが目について、自分に合いそうと客観的に判断して、ちょっと左肩から斜めに背負ってみる。うん、白のこの服には丁度いいかもね♪

「これ、どうかな♪」

「い、いいと思う」「似合ってる…」

「・・・お似合いですよ」

 最後の店主は本当に感動して見ていた、もうお金もいらないと思うほどに

「ありがとうございます、5Rでいいんですか?」

「あ、えー、…はい!」

 ・・・やっぱり5Rは下げすぎたのかな?

奥の台に戻ると代金を引き抜きお金をバッグに入れた、ちょっと音がなっちゃうが大丈夫だろう

「ミャーお願い出来る?」

「はい!」

ミャーが購入した服の箱を重ねて持ち上げる、軽いだろうけど箱が大きくみえる

「ミャー見えてる?」

「いいえ!大丈夫です」

何それ!?前見えて無いみたいだけど大丈夫って

「ミャーさん、ぼくがひとつ持ちますよ」

「もう1個は俺が」

「これはミャーがやります」

 あー…多分わたしが原因だ、2人は気まずいよね… 一回台車を借りてこようと思ったけど今日は戻ろう、ちょっと早いけどね

「宿屋に帰ろっか、明日まわろうね」


 宿屋に戻るとさっき払えなかったお金を支払った、服の入った箱は受付の後ろの隅に置いていていいと言うのでご厚意に甘え置かせてもらう。

 明日の約束をして2人と別れ、わたしたちは奥の宿屋の夫婦の部屋に案内される

「ちょっと注目されて落ち着かなかったけど楽しかったね」

 歩くのは少し大変だったけど、ミャーと制限無くお出かけ出来るのはうれしい

「みぃやは可愛いからみんな注目します」

「ミャーも可愛いよ!でも一番はここでは猫人が珍しいからだと思うよ」

「あっはっは!2人ともだよ、ちょっと開けておくれ」

 扉を開けると宿屋のお姉さんが両手に幾つかお皿が乗ったおぼんをそれぞれに、持ってきてくれた

「わるいね、丁度話が聞こえたから。

はい、たーんとお食べ、旦那の力作だよ!」

「「ありがとうございます」」

 見たことありそうで見たことない食材ばっかり、でも知っている物ばかりだから食べやすい

 これはハンバーグだけどやや黄色いね、何のお肉だろう? 他には紫色の野菜が入った野菜炒め、赤く透明な漬物、コンソメスープのようなほんのり甘い透明なスープ。どれもおいしかった、因みに食べる時に使ったのはフォークとスプーンが混ざったあれ。

「ミャーおいしい?」

「はい!おいしいです♪」

「ミャー♪」

「はい?」

「可愛い♪」

「はい!みぃやも♪」

 ゆっくり味わって食べているミャーをわたしははやく食べ終わってそれを眺める、自分で馬鹿だなぁっと思いつつも口で言ってしまうのにそれに返してくれるのがまた愛おしい

「いいねぇ、2人はもしかしたらそういう関係なのかい?」

「い、いつの間に!?」

「みぃや、さっき来てたです」

人前、目先で何やってんだろう、ホントに馬鹿だ!?恥ずかしい…

「あっはっはっは!、ごめんよ、気づいていなかったみたいだね、あたしは気にしないから続けておくれ 絵になるからずっとみていたい気分だよ!」

「か、勘弁して下さい…」

遠巻きにチラチラ見られるならまだ知れず、目の前で見られるためにイチャつくのは恥ずかしいです…

「まぁいいさ、味はどうだったかい?」

「とってもおいしかったです」

「これいい♪」

ミャーが掬っていたのは野菜炒めの中に入っている色が青い菜っ葉、意外なところだ

「旦那に伝えておくよ、喜ぶと思うから

 それはメシナ草と言って、そのままだとすごく苦いのだけど火で炒めるとほどよくなるんだよ」

「そうなんですね」

明日絶対に買って帰ることに決める、メシナ草だね!、今はゆっくりする時間で暇らしく旦那さんが受付にいるため、ミャーが終わるまでお話しをしていました。宿屋のお姉さんはサレイナさんと言って名前を呼んでみたけれどあの感覚は起こらなかったので、アルトたちも含め人間は動物外と判断することに、当たり前だと思って忘れていたが、今更ながらに人と言葉が通じてよかったと感じたのだった。


 翌朝、ミャーに夜明けくらいと早めに起こしてもらうと既にサレイナさんはいない、昨夜も準備だけして寝るまでに戻ってきていなかったのに大変だ。

 部屋を出ると厨房の方から声がした、仕込みをしているんだね、横を抜けて昨日買った箱から服を出した。

 部屋でのんびりミャーと肩を寄せ合う至福の時間を満喫していた

「…ぃや、みぃや、ご飯」

「・・・ミャー? おはよう♪」

「おはよう♪」

 寝起きはいいからすぐに意識がハッキリする、ミャーのお膝だ~♪

 いい匂いだね、食欲がそそられるね

「寝ちゃってた?」

「はい、途中から」

「ありがとう♪」

「はい!」

 少し余韻に浸りながら現実逃避する、ご飯があるけど気にしない、サレイナさんはお客様を大切にする人だからね! 気を取り直して

「お魚だ、見たこと無い魚だけど

 でもミャー食べられる? あんまり好きじゃなかったよね?」

 ミャーが猫の時、売っている餌に練り込まれているのなら食べたけど、お魚の身をほぐして(・・・・)あげてもいらないと食べなかった

「はい、あんまり食べたくなかったです

今はわかりません」

 やっぱり好きじゃなかったんだね

「たべよっか?」

「はい!」

 やっぱり魚でもフォークスプーンだ、食べにくい…

 ミャーは器用に取ると鼻に近づけにおいを嗅ぐとパクリと食べる

「みぃや!おいしい!」

「よかったね!」

 どうやら大丈夫だったみたい、逆に好物に入りそうなくらいな笑顔だ!・・・可愛い

 食べ終えると出るついでに厨房へ持っていく

「すみません」

部屋の入口で声をかけるとサレイナさんの旦那のモーグさんがやってくる

「はーい? あ、部屋に置きっぱなしでよかったのに」

「昨日はありがとうございました、ご迷惑おかけしました」

「ははは、いいんだよ。料理を美味しいって言ってくれて嬉しかった」

「はい、朝食もおいしかったです!」

「ありがとね」

 ご機嫌に受け取って戻っていった、朝は忙しいから早めに退散する。受付に出ると2人が待っていた

「もしかして遅かった?」

「待たしたくなかったからはやくに来ただけだ」

「ノール…、まぁ、そういうことだから気にしないで。

 それよりも、その服、ミャーさん可愛いね」

「そうでしょう♪ ミャーに合わせたんだよ!」

 ミャーは白のシンプルな服に黄色の羽織るみたいな前を一部しか止めない服に長めのピンクのスカートを着ている

「うん、すごく似合ってる。だけど…」

 ミャー可愛いよね?って見ると思っていたら2人の目はこちらに、非常に言い籠もった感じ

「もしかして?ダメ?」

「こんなことないよ!!、みぃやさん()可愛いし」

 自分の服摘まんできいてみたら両手を前で振ってまで否定してくれるけど明らか過ぎる

「んー?まぁ、ミャーが可愛いからいいね」

「やっぱ、着替えよう! それはダメだ」

「えー!」

ノールがわたしの腕を引いて箱へ、なんで!?

・・・。

 ノールが選んだ服は白の服で袖がひらひらで手首辺りがキュッとなってるものに、茶色と薄い黒の菱形タイルが幾つも繋がっている模様のスカート

「どうだ?、ぁ・・・!」

「・・・!」

「みぃや可愛いです!」

2人とも固まっちゃったよ、ノールも自分選んだのに着替えて出てきたらボーっと赤くなっちゃった、クルリとスカートを翻してみる、うん完璧!

「ミャー♪」「みぃや♪」

カシッと肩をくっつけて横に並ぶ、さっきは可愛いって言われなかったからよっぽどダメだったのか、モーグさんも何も言わなかったのにね

 それにしても安そうな服だけど組み合わせでこうも高級そうに見えるんだね

「見違えたね、入口でやられたら迷惑なはずなんだけどね」

部屋を巡っていたサレイナさんが終わったようで受付にやってきた

「「ごめんなさい」」

「いやいや、ちょっと周り見てみな」

「?」

「ふふふ、いい宣伝だよ」

 泊まっていたと思われるお客さんに見られてる!?、出る人の時間だし人で満杯だったんだから当然か!

 サレイナさんが近くに来て話をしたから拍手が送られてきた!? 恥ずかしい!?

「2人とも出ようか!

サレイナさん、ありがとうございました!」

「はいよ、絶対にまた来ておくれ」

「はい、また来ます♪」

 ミャーが箱を持つと一瞬ざわめく、中重くないですからね?小さい子が持つからそう見えるだけです

・・・。

 ミャーは相も変わらず前が見えないのに普通に歩いている、すごいなぁ

「アルト、メ…、食材が売っているお店は何処にあるの?」

「食材?あっちだけど・・・、買うなら帰る時の方がいいんじゃないかな?」

 ・・・当たり前だよね

「観光スポット…観光出来る名所ってどこかある?」

「そうだねー・・・」

「名所っていえば教会だよ、宣伝してるし他所からもいっぱい来てる」

「教会か、お金払うとかだっけ…

外から見るにはいいか」

 ということで目的地は教会

・・・。

 外れの方にあってそこそこ時間がかかった

 大きな白い建物、正面の上に見える大きな丸い窓が目立つね、広くやや長い石段の上に建っていて人がたくさんいる

「うわぁ!人ばかりだね、帰ろっか?」

「・・・みぃやさん?」

「興味無いのに来たのか?」

 はい、全く興味ありません! ちょっと見れればいいかなって思っていたけど人が多すぎてどっかに行きたい気持ちが大きいです

 呆れた様子のノールに胸を張って言い切りましたら同意してくれて、アルトの方が微妙な顔になってしまいましたよ。

「ミャー入りたい?」

「みぃやが見たいなら」

うん、ミャーなんて興味の欠片も無かったね

「そういえば、神やら仏やらは信じられてるの?」

「そんな言い方したらダメだよ…」

「信じられているも、神から魔王を討ち倒さねば世界が滅びると御告げがあったと教会から話があって、協会が協力しているんだ」

 何それ!?あの魔王様が世界を滅ぼすの!?

「えー…、大きくなったら滅ぼす…みたいな?」

「そうだよね…、ぼくたちも…・・・ここでこういう話はやめようか」

「うん、そうだね」

 魔王様どころか他のみんなもそんな気無さそうだけど…、それどころか人間を殺さずに帰しているからそんなわけないよ

・・・。

 さぁ!暮らしの家具を求めて家具屋へ

 洋服入れるタンスが欲しいね、あと柔らかい床に置く型の椅子、あれば長ソファー

 歩いていると思わぬ人たちに出くわしてしまった

・・・。

通り道

「ここが協会、ルフェロシュ協会」

「言いにくっ!?」

「そうか?」

「で、そのルフェリョ…シュ協会って?」

「街に来る時遭遇したグレーウルフのような害ある危険生物を駆除するお仕事場所だよ」

「そうなんだ、アルトたちはここに入っているの?」

 死骸を運ぶとか言ってたもんね、やっぱりそうだったみたいで登録していた

「あ~、ハルミア協会だっけ?、あれは何処に…「みぃや様!」あ……え?」

 協会の中から見覚えある人が出てきた

「あ、勝手に御名前を!、失礼しました!」

「えっ?それは気にしま、しないけど」

少し悩んだけど外だからいつも通り喋ろう

「みぃやさんはこの方を知っているんですか?」

「みぃや様って…」

「ちょっと待って、ここだと目立つからズレよう」

 協会の入口ですごい目立っている、ミャーの箱もあるから余計に、しかもそれ以外になんか騒いでいるよ

 いつも4人組で来て喋るリーダーっぽい人は仲間がいるようで呼んで来た

 増えたよ…、2人とも知らない人だ

 近くにあった羽の生えた謎男の像の前に移動する

「紹介します、こちらがテリテロ、こっちがメーラです」

紹介されたのに2人とも無言でたじろいてしまう

「え?よ、よろしくお願いします、みやです」

「テリテロは人見知りで、メーラは誰にでもこんな感じなので気にしないで下さい」

「わかりました」

「この2人が、前に言ってた残りの2人です」

 わたしに興味無い2人かー、なんか自分で言ってて嫌だ。一番最初に名乗ったのがこの2人って

「不在の理由はこの街に来ていたためだったのですね」

「はい、このふたりぃーー…に困って場所がわからなかったから教えてもらってたんだ」

 アルトとノールがお辞儀する

「そうでしたか、アルトさん…とノールさんですね、初めまして」

「あれぼくたちのこと知っているのですか?」

「協会に登録して間もないのに、一気に一、二を争う人物ともなれば知っていますよ」

 アルトとノールはやっぱり強かったんだ!、まだ登録したばかりか、それで魔王領(ウチ)まで

「あはは…」「そ、そうか」

 あはは、照れてるよ

「それにですね」

チラッとこっちを見て、何か含みを感じられた

「いえ、今日のところは

予期せぬ出会いに感謝を、ミャー様も、では」

 最後にわたしに挨拶すると去っていった、後ろの2人は喋らなかったな

「まさかぼくたちのことを知っているなんて」

「あぁ、しかも俺たちの関係(みぃやとの繋がり)まで知っているとはな」

「そうだね」

 ノールの言葉なんか変だった?


 改めて家具屋へ

「さっき何とか協会って言ってたよね?」

「そうだ、ハルリア協会ってどこにあるの?」

「みぃやさっきと変わりました

 それとヘルメス協会ですね」

「ヘルメス協会か、たしかにみぃやさんたちは気になりますよね。

 さっきの教会の近くにあって、教会が管理しています。 魔王領の対策のためだけに存在している協会ですよ」

 そのためだけなら、教会でやるかさっきの協会でするかした方がいいと思うな。面倒くさいいろいろがあるんだろう

・・・。

「家具屋、そっか…」

「どうしたの?」

「なんでもないよ!」

 いくつも商品が並ぶデパートのようなのを浮かべていたんだよ、外観じゃないよ?。 そしたらクリーニング店みたいな感じだったんだ!

「すみません、服を入れるような棚ありますか?」

「はい!それでしたら…」

 本だよ、カタログだね、ペラペラめくって見せてくれた、情報だとわからない…こういうの推測できないんだ、写真が欲しい!

「ミャー、わかる? 家にあったような物入れたタンス」

ミャーでも難しそうにいくつか見て考えていた、本を見るミャーも可愛い!

「これがいいと思います」

「そっか♪」

値段は149R! キリの悪い数字だね。それを注文して椅子を見せてもらう、結果として目的の物は無かったので・・・一つ101Rのかなり柔らかい(と書いてある)超高級布団を2点注文すると店員さんの顔が驚きだった。受け取りは数日後、追加料金で運んでくれる人を雇えるみたいで頼みたいけど無理だ。

・・・ここまでの買い物で分野によっての価値が前世と違ってバラバラだからこれはこれくらいとそれぞれで考えた方がいいかもしれない、まぁお金を使う機会が圧倒的に少ないから1回で気にせずに使っているのだけど、最悪何も無くても生活出来る体に感謝している。

・・・。

 調理器具は鍛冶屋で売っているみたい、変な感じだ。やたらに重いフライパンを90Rで二つ購入して、次が最後だ。


「知ってる食材が何もない!」

 市を開いている場所にやってきて食材を見にきたがわからないものばかりが並ぶ。 野菜系を見ると一つ5~10R、果物系は2~3R、魚は30R~、肉はピンきりだけど全体的に安い

 魚高いよ!、あの宿はかなり良心的お値段だったんだね。 お魚を2枚(干物になっているもの)とメシナ草含めた野菜を買い込む、なんかオマケも大量に入れてくれて手一杯になってしまった

 服の箱に入れるのは抵抗あるけど、結構重たくなってしまい入れざるえない、

「帰るのにミャーが箱持っていて、灰狼とかに襲われたらどうしよう…」

「みぃや大丈夫です、先に置いて戻ってきます」

「それじゃミャーが大変だよ!」

 往復5時間かかるのはちょっとじゃ済まされない

「任せて下さい!」

「え、でも…」

「みぃやさん、ぼくがおくりますよ」

「誘ったようなもんだからそれくらいするよ」

「そしたら。アルトたちが大変だよ」

 こういう時に泊めてあげられたら…、不可能ではないんだけど

「気にしないで、慣れているから!、宿に連絡してくるね」

 遠慮はするなというかのようにアルトは行ってしまったよ。 というわけで、わたしの手には食材、ミャーは服の箱、アルトがフライパンを持って魔王領に帰ったのであった。

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