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28-3

続々と流れてくる傭兵や難民に嘘を吹き込み、夜になった。


「そろそろ移動しないと怪しまれますね。」

「了解。隊長サンは…そのままでいっか。」

「ええ、生存者だけで引き上げたことに出来ますのでそのままが良いでしょう。

それと…」


『ハアッハアッ、軍がこんな所まで来ているなんて聞いてなかったぞ。』


集音器が別方角から来る何者かの音声をキャッチしたようだ。

言葉からして内戦中の両軍どちらでもなさそうだが…


『カシラ、軍人の死体がありまさぁ。』

『あん?…こいつぁ国軍の鎧じゃねえ、連邦軍の鎧だな。』

『連邦?じゃあ挟み撃ちに!?』

『阿呆、ここには死体しかねえ。別働隊だったんだろうよ。…しかしこいつぁ使えるな。

オイ、こいつらの鎧を剥ぎ取って装着しろ。追いかけてくる連中をやり過ごすぞ。』

『へい。』


カシラ?野盗かなんかだろうか。

それに連邦が挟み撃ちということは連邦軍があの方角から来るのか。

街道をそのまま逃げる様にも見えないし、これは面倒になりそうだな。


「マズいな、この位置では見つかる可能性がある。…それと例のヤツが反応してる。」

「困りましたね。相手は野盗の様ですが、後続に連邦軍が追って来ているとは。」

「放って置いてもこちらを発見するだろうから他に手はありませんからね。迎撃します。」


ここは早く潰してしまって、兵士と相打ちになったように見えるようにでもした方が得策だろう。



自分自身に"※夜目が利く"能力を付加しているため、相手の位置は丸わかりだ。

音も無く近づき、相手の声帯を"※"でいじくって声を出せないようにしてから真正面から斬り伏せる。

返り血を浴びるが問題無い。

なにせ"※術者の通りに動く"死体で斬っているからな。

切り終わったら"※"を外して相打ちのできあがりだ。


なんかもうどんどん人の道から外れているけど政治家(魑魅魍魎)の争いに巻き込まれている以上、

勝って官軍にならないと堂々とお天道様の下を歩けなくなるんだ。

俺が死んだら文句聞いてやるから許してくれよ。



街に戻ってくると、コメアから流れてきた連邦軍、国軍とシリティの国軍が門を挟んで対峙していた。

俺の隣に手配書の顔があるのに気づかないほどの緊張を見せている。


「難民を受け入れるのは嘘だというのかッ!」

「お前等どう見ても兵士じゃないかっ。連邦軍の兵士は駐屯地まで行けっ!」

「おれはコメア国軍だ!ここに来れば負傷者の手当てをしてくれると聞いたぞ!」

「バカを言うなっ。連邦の同胞とはいえなんで他国の兵士に貴重な物資を使わねばならんのだ!」

「いいから難民を通せッ!」


おーおー。あんな流言(デマ)でも効果はあるもんだな。

あ、難民が壁を突破した。


「貴様ーッ!」


突破した人を捕まえようと後方に意識を持っていったことで隙が出来た。

雪崩を打って街に入り込む難民たち。


街があっという間に混乱した。

あっちこっちで略奪が始まっている。


あーあー。見てらんねえよ。

って、首相どこいった?


…いたいた。あんなところで何やってるんだ。

って、建物の中に入っちまったよ。追いかけないと。


「ごめんよーっと。何やってんですか。」

「ある物を探しています。」

「ある物?」

「ここは国軍の詰所です。ならば通信の魔道具が設置してあるはず。」

「ああ、ならそのヘッドホンとマイクがそうでしょ。」

「これが?よく形を知ってますね。」

「(旧式の無線機っぽいんで分かるとは言えないな。ならば…)この国の通信の魔道具は見たことがあるんですよ。」

「…まあいいでしょう。これから暗号電文で指示するので10分ほど誰も入れないようにしていただけますか。」

「オッケ。それなら俺も外出て見張ってましょ。」


15分くらいして部屋を出てきたミン首相。

悪い顔して「それでは街を出ましょうか。」とおっしゃる。

なんだろうなー。怖くて聞けないなー。



「北東のタルソリューに向かってください。」


未だ混乱の中にある街を出てすぐにミン首相が指示を出した。

あの15分間で誰に何を指示したのかは知らないが、指示が裏目に出て捕縛されないように願うだけである。


ネタが思いつかない。

見切り発車で書き始めたミカカ連邦編だけどあれこれ調べながらの日常回の方がよっぽど楽だったわ

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