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24-1ミカカ社会主義連邦

どこいくアテもないし、どうせドモク共和国に居るのだから

ミカカ連邦の本体がどうなってるのかを見に行ってみようか。


主食が米をはじめとした穀物で口に合うだろうし、

南部が海なので漁業が発達しているという情報もある。


ちょっと政情が揺れてるっぽいけど、流れ者である俺は政治には関わらないから問題ないだろうし。



さて。ドモク共和国を除いたミカカ社会主義連邦構成国は

ドモク共和国の東にあるミカカガルフという大きな湾を隔てた向こう側にある。


本デンシデ・ミカカ社会主義共和国をはじめとしたミカカ社会主義連邦を構成する主な国家は8カ国。

本デンシデ、東デンシデ、西デンシデ、ミュニケ、ディエタ、コメア、シリティ、そしてドモクだ。

なお全ての国名に「ミカカ社会主義共和国」という呼称が後ろに付く。



各構成国は民主的に選挙をして選出された議員による国会があって、首相を国会で選出する。

各党の幹事長を事務総長と呼称しているだけで現代日本の社会とあまり変わらない。(※web辞典調べ)

事実上のトップも首相ではなく事務総長であるというところや、贈賄・収賄が横行しているところもだ。

さすがに天皇制はどの国にもないらしい。


社会主義連邦と言うからソビエト社会主義と同列に見てたけど

ドモク共和国が赤い方向にだいぶ偏っていただけで、そこまで警戒するようなものではなさそうだ。



向かう先は決まったけど、海を渡ることになるな。

これは馬車やバイクが邪魔になるぞ。


渡るのが波がそんなに荒くない湾といっても船の安全性は低いだろうし、船への積載を考えれば荷物は少ないに越したことはないだろう。

それに貨物なんか入れたらどれだけ追加料金取られるかわかったもんじゃない。


いい機会だ。どうせ容量は"※"で拡げるんだし、適当な鞄探すか。





というわけでウエストポーチ、ショルダーバッグ、それにボストンバッグを2つ購入した。

ショルダーバッグにはバイクを、1つのボストンバッグには馬車を入れ、もう一つにはその他の荷物を。

そしてそのバッグをウエストポーチに入れる方法を採用した。


それから無限収納にすると、どっかでボロを出して狙われるリスクがあるので、

各鞄を荷物が入る容量まで拡張し、その鞄自体も普段はウエストポーチに収納することで盗難を防ぐのだ。



なおこの世界、容量を拡張したアイテムバッグを所持している者が多い。

腕の良い錬金術師による空間を拡張した鞄が普通に市場に出回っているからだ。


このアイテムバッグの面白いところは、需要がはっきりと分かれている所にある。

中でも容量の倍率と重量の縮小率、どちらかに偏った物が売れ筋であるということだ。


容量の倍率が大きい鞄は馬車を運用する商人向けで、小型で丈夫な馬車に鞄を載せて運用している。

そのため馬車が小さくても2頭立て以上にしないと重すぎて運べないとか、

積載重量が重すぎて馬車が潰れてしまうのは商人あるあるとして話題に上がる。


反対に重量の縮小率が大きい鞄は身軽な方が良いハンターや傭兵向けで、

動きを阻害しないポーチタイプが特に好まれている。

ただしポーチだと容量が少なすぎるので、ポーチの中に容量のあるアイテムバッグを入れる運用をしている者が多い。

上のランクになると自分の武装や残弾を悟られないようにするため、鞄どころか鎧や服のポケットを空間拡張しているという話も聞く。


なお、容量の倍率も重量の縮小率も大きい鞄もあるにはあるが、

拡張の術を施す錬金術師の負担が大きいため、王侯貴族や大商人しか所有していないという。


つまり、さっき"※"で空間拡張したポーチやバッグはそうそうお目にかかれない貴重品なのだ。


これは商売のタネになるけど、錬金術師の領域を土足で踏み荒らす真似はしたくないので自分のものにだけ付与するつもりだ。




話が大いに逸れた。

ともかくポーチに収納することで身軽になった俺は、

バイクに取り付けていたハリボテとハーネスを外して素の状態にした。


久しぶりだな、この状態を見るのも。

幌馬車牽くためにハーネスつけて以来か?…ずいぶん昔だな。


久方ぶりの身軽な状態に気をよくした俺はリミッター一杯の130km/hでぶっ飛ばし、ドモクの北東にある港まですぐに到着した。



港は連邦各国との取引で賑わっていた。

連邦構成国同士であれば共通のディバラを通貨として使えるし、

話す言葉も方言の差はあれど共通のミカカ共用語が通じるため

これから乗船する国際フェリーも、まるで国内旅行のような雰囲気が漂っている。


さてこの国際フェリーという名の貨客船。

セキュリティーチェック自体は行っていたが、

恐ろしいことに鞄の中身をチェックしないのだ。

積載量の調整のため重量だけチェックして乗船出来てしまった。

大丈夫か本当に。



そんな俺の心配を他所に船が出港し、湾内に出る。

波はそんなに高くなく、ガレー船ということもあって風の影響も受けずに進んでいる。


漕いでいるのは奴隷…よりもひどい社畜とでもいうべき存在の労働者。

どうして反乱が起きないのか不思議でしょうがない。

というか海の荒くれ者をどうやって社畜化したんだ?


たしか船員って大航海時代でもブラック企業真っ青の環境だったよな?


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