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しばらくはテンプレものが続きますよ

逃げ出す算段の話し合いと言っても、昨日マインドマップで整理した状況の情報共有と

懸念点のどれを解消すれば良いかというくらいしかやることが無い。

というか、他のことをやる時間が無い。


まず、逃げ出す手段として車とバイクという高速で動ける足を利用しない手は無いということで、

精神力に負担が掛かる鑑定を交代でやりながら"※"をつけていく。


車体には"※燃料フリー"、"※メンテナンスフリー"、"※所有者(借主)しか動かせない"、"※自律走行可能"、"※トランク(メットイン)の収納無限大"、"※耐衝撃"、"※耐刃"、"※耐弾"、"※耐魔法"

ナビには"※ハーカンクの地図を表示する"、"※移動する物も目標に出来る"等々、

思いつく限りのアイデアを盛り込んでいく。


ついでに自分自身に"※ハーカンクの言語すべてを読み書き話すが可能"、"※隷属無効"、"※呪い無効"といった生活に便利そうな能力を付与していった。




そして日没。


メイドさんが夕食を用意したと伝えてきたので、もう少ししたらと返す。

タイムアップだ。

キリの良いところまで作業して、各自の乗り物に乗った。


"※完全バッテリーレス"、"※ハーカンク内で使用可能"、"※電波良好"の携帯電話を通信機代わりにして、最後の確認をする。


『俺達は準備OK。じゃあヨネツキさん、行くよ。』

「—ああ。あんたらは生身の俺よりは安全だ。経路だけ気にしてれば良い。

それよりもこれから殺人者になる覚悟が出来ているか?」

『しかたないね、あんなもの混ぜられちゃこっちも手段を選んでられない。』

「そうか。」

『事が終わったら自首するさ。警察や裁判所でも元の世界なら、此処より遙かに天国だ。』


そう言ってシェアカーが走り始める。

逃走劇の始まりだ。




脱走だーっ!勇者殿に脱走されるぞーっ!

なんで馬が無いのに馬車が動くんだ!


そんな叫び声があちこちで聞こえる中、猛スピード(※40km/h)で突っ切っていく。

人を轢こうが物にぶつけようがお構いなしだ。

自動車は壊れないようにしたからな。


『ハッハー!ナビのおかげで迷わず出れるぜーッ!』

『行け行けーっ』


おまえら本当に(AT限とはいえ)全員免許持ってるのかよと疑いたくなるテンションだ。

でも仕方ないか。捕まったら何されるかわからないトコには居たくないものな。


これは正当防衛の範疇だよな?

しかもここは異世界。法律が違うんだ。




さて。自動車は動いたが、バイクはまだ動かしていない。

俺はバイクに跨がったまま状況を確認しているのだ。


ナナシノ殿下が来て、俺が隷属の腕輪をしていることを確認する。

無効化したとは思われていないらしい。


「ふむ。…お前は私の言うことを聞くようだな。ならば奴らを捕らえろ。」


クソ偉ぶった命令にムカッときながらも頷き、自動車を追いかけるように走り始める。

こうすることでバイクの俺は追われないし、自動車の包囲も薄くなるという作戦だ。


ちなみに俺の乗っているバイクはマニュアル車じゃない。

いわゆるビッグスクーターで、ハンドルの両レバーともブレーキのタイプだ。

アクセル回せば走るのでヨカル王国の連中からすれば操作しやすいと思うだろう。


甘いな。

カウルや機構の分、重量がマニュアル車より数段重いんだ。

しかも自動車よりもパワーが伝わりやすいんで素人が手を出すと振り回されるぞ。


それと股関節がめっちゃ痛くなるから、金属の鎧付けて乗った日には悲惨な事になるだろうな。

奪えたらの話だけどな。




『ヨカル王国の都市圏を抜けた!ヨネツキさんも脱出を!』


カーシェアの子(たぶん勇者君)から連絡が来たので、"※ハーカンクの世界を表示する"地図アプリを見る。

学生たちの自動車が郊外に出たことを示していた。


『ヨネツキさん、俺達はこのまましばらく走ります!』

「わかった。俺も作戦通り偽装して脱出する。」

『了解っ』


自動車が逃げた方角を偽装するため、城から土煙が見えるよう教習以来のスラロームをしながら反対の方角に走ってヨカル王国を離れた。




タイヤ跡がわからなくなるように森に入ってからバイクを止め、一息入れる。

"※絶対に転けない"とはいえさすがにしんどかった。途中で完全に蛇行運転(パラリラ)になってたし、何より腰と股関節が痛え。

オートマだからアクセルワークと多少のブレーキ、あと頭の位置を動かさないというコツで続けられたけど、マニュアル車なら操作多すぎて死んでたな。


ああ、そうだ。学生君たちに脱出の完了を言っておかないと。


「ヨネツキだ。こちらは脱出完了した。」

『イサムです。僕らは森に入れないので湖を突っ切りました。

ぶっつけ本番で水上走行しましたけど上手くいきましたよ。』

「ああ。"※走行跡が残らない"ようにしたとはいえ、一応痕跡を追いかけられないようにしとかないとな。」

『それじゃあ、相談したとおり僕達は反時計回りで保護してくれそうな国に行きます。』

「わかった。あまり文明を進めるなよ?」

『食事だけは進めないと無理だ。あんなにマズいのずっと食べるのなんて地獄だぜ。』


これは賢者君だな?


「なら文明を破壊しない程度に留めてくれ。賢者ならバランス考えられるだろ。」

『それもそっか。』

「じゃあ、何かあったら連絡してくれ。」

『了解。じゃねー。』


こうして、異世界の生活が始まったのだった。


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