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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

チョークバレンタイン。ちょっとビターな恋物語。

 つかず離れずの関係が続いてる、オレと幼馴染の由香。今日もくだらない事が理由で、アイツとケンカをしてしまった。


「あれ? 机に置いてある赤い包みの箱、由香の忘れものか」


 机の上の箱を開けてみると、中身はハート形のチョコレート。もしやと思い、カレンダーに目を向ける。


「あ、明日はバレンタインか。もしかして、オレに渡そうとしてた?」


 箱の裏側に張り付いた、メッセージカード。そこには、由香がオレに向けてメッセージを残していた。


頑張って作ったから、ありがたく食べなさいよ!


 勝手に食べるのは悪いと思ったが、鼻孔をくすぐるチョコの香りに耐え切れず、口にする。


「うまいけど、ちょっと苦いな」

美味しいけど、ビターなチョコ。ケンカをした後だけに、心にしみる。

しんみりした気持ちでチョコを食べていたいたのだが、喉の辺りでもぞもぞと動いたと思ったら、固まり始めた。


な、何の冗談だよこれ。食べたチョコが固まって、息が出来、ない・・・・・・。畜生、由香とケンカしたまま俺は死ぬのか。



 一命は取り留めたものの、障害は残った。いわゆる車椅子生活と言うやつだ。不幸中の幸いと言ってよいのかは分からないが、言語や上半身の障害は発生していない。


「これも、由香が助けてくれたお陰だ。喉にチョコが詰まって死にそうになっていた所、俺の口に掃除機を突っ込んで救命措置を行ってくれた」


 ニュースでは、チョコレート窒息事件が大々的に報道されていた。何でも、未知の生物がチョコレートに擬態していたらしく、それを食べて窒息死をした人間が何人も居るようだ。由香が助けてくれなければ、犠牲者の一人として報道をされてただろう。


「ちょっとやり過ぎた、かな」


 由香はニュースを見て、ぼそりと呟く


「何か言ったか?」


「ごめんね、唯の独り言」


 由香が居なければ一人で外出することも出来なくなったけど、一緒の時間が増えた。俺は、幸せだ。

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