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第7話 人の心は毎日変わっていくもの
荘子の「道」の思想に「万物斉同」というのがあります。
すべてのものには区別がなく、区別はあっても一時的なものにすぎないという考えです。
人の心もそうですが、永遠におなじというものはありません。
つねに変化をつづけています。
「あの人は昨日は機嫌がよかったのに、今日になったら急に怒りっぽくなった」
のようなことがあると思います。
その人はなにか嫌なことがあったのかもしれません。
翌日になったらきゅうに機嫌がなおるかもしれません。
そのため、その人の一時的な態度だけでその人全体を判断してしまうのはひじょうに危険なことです。
永遠におなじという人はいません。
人の考えは時間とともに変わっていきます。
賢人といわれる孔子も毎年考えをあらためつづけたというぐらいです。
ものごとにも人の心にも変化がある、と思えば、他人にも寛容になれますし、自分の考えや行動をあらためることも恐れる必要はないかと。
ものごとには変化があると考えれば、日々も少しは気楽に生きられるかと思います。