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第17話 平凡に生きる
庶民の哲学書といわれる『菜根譚』では、淡白なものこそ至上と考えます。
外食するときのことを考えればわかりますが、味の濃いおいしい料理というのは毎日食べられるものではありません。
すぐに飽きてしまいます。
逆にコメや食パンのような味の淡白なものは毎日食べることができます。
『菜根譚』では、淡白な味こそがほんとうの味であり、抜きんでた人よりも平凡に生きられる人のほうが至人(道を極めた人)といいます。
あんがいに平凡というのは難しく、人は嬉しいことがあれば喜び、悲しいことがあれば落ち込んでしまうもの。
いつも心を平穏にし、苦難があっても平常心をたもって、いつもどおり平凡に生きられる人こそが至人なのかもしれません。