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二学年に上がりとうとうヒロイン登場なのでしょうか?

 二期の最終日、あの後私は夢の事は忘れましたと言った。

 殿下に泣いていると指摘されて、本当ですねと涙を手で拭いながら起き上がり殿下に安心すように話した。


「アル様、ご心配お掛けして申し訳ありません、でも夢ですから、それに覚えていませんので大丈夫ですよ」

 そしてにっこり微笑んだ。


 アルベルト殿下は納得されていないようですが、それならいいと私の隣に座り、冬休暇の事を話された。


「明日、送って行く、それからクルーズベルト公爵にご挨拶する」

「はい、宜しくお願い致します」

 そして私の頭に手を置かれ強目に撫でられます。


「なんですか?!殿下!!私は小さな子供ではありませんよ」

「二期も頑張った褒美だ、それと冬休暇は短いから、訓練はないが年末年始の舞踏会たのむぞ」

 そして殿下がふふっと嬉しそうに微笑まれた。


 *****


 自宅に帰るとアルベルト殿下と別れ、私は自室へと行き、アルベルト殿下はお父様に会いに行かれました。


 部屋に入りソファーに座ると、マリが紅茶を入れてくれた。

 その時ドアをノックする音がしてマリが対応すると、お兄様が来られたとの事で、私は直ぐにドアを開けに行ってお兄様を招き入れた。


「マリ、シールお兄様にも紅茶を入れてくれる」

 そしてソファーに向かい合い座る。

「お兄様も帰られていたのですね、お帰りなさい、二期になってもあれ以来全然お会い出来ないので、残念です、エヴァお姉様もお元気ですか?」

「ロゼもお帰り、エヴァも元気だよ、ロゼと会いたいと言っていたが、私達よりもロゼの方が忙しいからね、でも、その忙しさでもテストの順位は三位と聞いてるよ、頑張ってるね」

 そして、シールお兄様が私の頭を優しく撫でる。


「シールお兄様に誉められると嬉しいです!お兄様に出来の悪い妹が居ると、ご迷惑掛けてしまいますから!頑張って良かったです!」

「どんなロゼでも私には自慢の妹だよ」

「ありがとうございます、シールお兄様」

「ところでロゼは、アルベルト殿下の事はどう思っているの?」

 突然の問いかけに、私はびっくりしてそして頰が熱くなる。


「ど、どうとはどういう意味ですか?お兄様?」

「どうって、アルベルト殿下の事を好きなのかって事なんだけど、いくら決められた婚約者でも、出来ればお互いに想い合って、幸せになって欲しいからね」

「そうですね、私はアルベルト殿下に幸せになって欲しいですよ」

 そう言った私の頭を再度シールお兄様が撫でる。

「私はロゼも幸せになって欲しいよ」

 そしてシールお兄様とお話をして、暫くして、お兄様が私の部屋から出て行かれた。


 *****


 その日は久しぶりに家族全員で夕食を頂いた。

 お兄様も私も学園に行ってるので、休みの日もなかなか全員揃うことはなかった。


 食事が終わり談話室へと移動して、学園生活の話をお兄様と私は両親に話した。


 そしてお父様がしみじみ話された。

「シールは、来年卒業か、早いものだね、卒業したらどうするんだい?」

「はい、エヴァと結婚して父上の元で働こうとおもいます」

「きちんとエヴァ嬢のご両親には、話はしたのかい?」

「はい、二期の終業式の日に家に送った時にお話させて頂き、了承頂きエヴァにも婚姻の申し込みをして、返事も頂きました」


 まあまあとお母様は手を合わせて嬉しそうにされてます。

 私も、おめでとうと言いたいが我慢している。


「そうか、私が言う前にちゃんと決めてきたなんて、出来た子だねシール、おめでとう」

 お父様が話は終わったとの雰囲気に、私とお母様がシールお兄様に駆け寄り抱き締めた。

「おめでとうございます!お兄様!」

「シール、おめでとう、エヴァちゃんが娘になるのね、嬉しいわ!」


 そして、その日は家族で久しぶりにきゃきゃと騒いで一日が終わった。


 *****


 翌日、お父様に執務室へ呼ばれました。


「お父様、ロゼアンヌです、お呼びとの事ですので参りました」

「入りなさい」

 私が執務室へ入った瞬間、がばりと抱きつかれた。


「ロゼ、休みの日は帰って来ると言っていたのに、全然帰って来なくて寂しかったよ」

「それに関しては申し訳ありません、二期は隔週で王城で実戦訓練がありましたので、他の日は勉強をしてまして、お兄様ともなかなか会う事ができませんでした」

「そうなんだね、まあ、うん、そうそうロゼはこのままアルベルト殿下と卒業したら、結婚するとの事で大丈夫なのかい?」

「えっ?」

「どうしてそんなに驚いているのかな?」

「いえ、本当にそんな未来が来るのかと思いまして」

「このまま行けば、そうなるよ、逆にならない確率のか少ないが、ロゼが嫌なら私が婚約解消するよ」

「いえ、そんな事をしたらお父様の立場が悪くなります」

「そんな事は気にしなくて良いんだよロゼ、私は子供達の幸せが私の幸せになんだよ」


 どうしましょう、お兄様といいお父様いい、何か気付いているのかしら?

「お父様、私はアルベルト殿下が、私と婚約解消をされたいと申されているのでしたら、それを受け入れ、私から辞退致します、ですので私から解消はしたくありません」


「そうか、ロゼはアルベルト殿下の事を好きなんだね」

「えっ?!なんでそうなりますの!!」

 お父様がポンポンと私の頭を軽く叩かれました。

 そしてニンマリと笑われてます。


「わかったよ、但し、もしもロゼが泣くような事があれば、私はアルベルト殿下でも容赦はしないよ、だから何かあったら言いなさい、私はいつもロゼの味方だよ」


「お父様、ありがとうございます、大丈夫ですよ」


 *****


 そうして、年末年始の舞踏会も終わり、もうすぐ一学年最後の三期が始まる。


 三期は、あっと言う間に終わります。

 三月入って直ぐに三期試験があり、翌週順位発表、その週は、二学年に上がるにあたり説明会が続きます。

 そして春休暇で、四月から二学年になります。


 *****


 そして、懸念していた二学年になりました。


 そして始業式の翌日、編入してきた女の子がいた。

 そして思った、やっぱりこの世界はそうなのねと。


 同じ組に入った、リリアンヌ・ビッチモルド男爵令嬢、ストロベリーブロンドで柔らかい空色の瞳、雰囲気も可愛らしい、彼女が編入してきた令嬢だ。

 私は自分に大丈夫と言い聞かせる。

 先ずは彼女に自分から近寄らない、関わらない。


 そうして始まった二学年一期。


 暫くたった頃、私が見たリリアンヌ嬢は可愛くて、ドジっ子属性で、明るく優しいし勉強は出来る、誰彼と分け隔てなく話し掛ける、それは貴族の礼儀作法はなってない事になるけど、そして元は庶民とくれば典型的なヒロイン。


 まあ、学園では身分関係なく平等と謳っているけど、実際は最低限の礼儀はある。

 例えばアルベルト殿下に話しかけるのはご法度だ、殿下からのお声掛け頂くのが基本だ。

 用件がある場合は、別だけど、あと名前で呼ぶのもアルベルト殿下から、名前で呼んで良いと言われてない人は、ファミリーネームで呼ぶのが普通だ。


 それに令嬢から、婚約者でもない令息に話し掛けるのもご法度だ。

 どうしても用事があり必要に応じての場合、個人では話し掛けない。

 こんな感じで、身分に対して最低限のルールは存在する。

 それなのにリリアンヌ嬢は、まあ、令嬢に話し掛けるのはまあ良いとしましょう、だけど同じノリで令息に声を掛けに行くのはふしだらに見られる、そうなるとリリアンヌ嬢と一緒に居る令嬢方は距離を置きたくなるのだ。

 ていうか、友達なら教えてあげれば良いのに、それとも注意してあれなの?


 なら、やっぱり彼女は転生者で、この世界がゲームと思っていて、自分がヒロインで主役と思っているから、身分についての最低限のマナーも、自分には関係ないと思っている人なのかしらと、私は益々疑いを持った。

 転生者の場合で殿下狙いの場合、確実に私を悪役令嬢にするだろうと思うと、接触するのは悪手と思う。


 そんな中私は見てしまった。

 アルベルト殿下の腕に、リリアンヌ嬢が絡み付いて何処かへ引っ張って行くのを。

 後ろ姿なので、二人の表情は見えないし遠目なので声も聞こえないけど・・・だけど私には親しくしている様に見えた。

 これ迄も何回か二人が一緒に居る光景を見た。


 そっとその場を離れ落ち着こうと、いつもの湖へと向かう。

 東屋へは行かず、湖を除き込んで自分の表情を見る。


 ああなんて情けない表情なのか、駄目じゃない、最初から決めてたでしょう私と、パンと頬っぺたを叩いて気合いを入れる。


 でも、あんまりアルベルト殿下に、今の状態のリリアンヌ嬢はおすすめ出来ないけど・・・。

 殿下の事を思えば進言した方がいいのかな?

 いや、ここはやっぱりそっとしておこう。

 私はただの繋ぎ役の婚約者、殿下が本当にリリアンヌ嬢を好きなら、邪魔してる事になって悪役令嬢になってしまう。

 それに殿下は皇太子として責務を立派にこなしてらっしゃるし、当然人を見る眼もあるのだから。


 私は立ち上がりうーと背伸びをして、気合いを入れる。

「よし!頑張るわ!」

「何を頑張るんだ?」

「えっ?!」

 後ろを振り返るとアルベルト殿下が居た。

「アル様、なんでここに?」

「なんで疑問系なんだ?俺がここに来るのはいつもの事だろう?」

「いえ、まあ、そうなんですが・・・」

「まあいい、今日は湖を散歩するか?」

 そして、手を出されるアルベルト殿下。

 手を取るのを躊躇っていると、殿下が私の手を取った。

「行くぞ」

「は はい」

 そしてアルベルト殿下と散歩をして、その日は終わった。


 *****


 それからの私は、リリアンヌ嬢と関わりたくなくて、ユリティーナにお願いしてなるべく一緒にいて欲しいと頼んだ。


 ユリティーナは、びっくりしたように目を見開いて言った。

「何を今更いってるの?何かあったの?」

「ううん、何もないんだけど・・・」

「馬鹿ねロゼ、改めて言わなくても、私はずっと貴方の友達よ、だからずっと一緒にいるわよ」

「うん、ありがとうユーナ」


 少しユリティーナの事を話しておくと、ユリティーナ・クノーティス侯爵令嬢、愛称はユーナ、ユーナとは、六歳からの幼なじみで、アルベルト殿下に会うまでは、頻繁に互いの家を行き来して遊んだ中だ。

 私がアルベルト殿下の婚約者になってからは、手紙でのやり取りで、学園に入って久しぶりに会った。

 ユーナは変わらず私を見つけて、笑顔で“久しぶり”っと私を抱き締めてくれた。


 私も嬉しくて少し涙目になって微笑んだ。

「もう!相変わらず、ロゼは可愛いんだから」とぎゅっとするので、思わず言ってしまう。

「ユーナの方が妖精みたいで、可愛いですよ、だって、綺麗な銀髪で、グリーンの瞳で優しい顔だから、羨ましい」

「ありがとう、相変わらずロゼはわかってない!まあ、いいわ、これからは一緒ね」

 それからユリティーナは私と一緒に居てくれる。


 そういえばユリティーナは、私が放課後用事があると言っていつも別れるのだけど、深く聞いて来たことがない。

 普通なら毎日放課後に用事だと、先に帰るのは変に思うと思う。

 その事に触れないユリティーナには、凄く感謝している。

 でも、何故かしら凄く嬉しそうな笑顔で見送られてる気がするのはなんでだろ?

ちゃんと文章になってるのか?と思いつつ、残念な脳ミソから漏れでる妄想のまま投稿しちゃってます。

残念妄想も、次で最後です。

ここまで読んで頂き有難い次第です。


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