私 いちゃもんつけられました。
凄く短いです。
無くても良かったのかと思いましたが、折角書いたので思いきって投稿しちゃいました。
相変わらずのご都合ですので、生温い目で見てやって下さい。
あの恥ずかしい殿下にお姫様抱っこ運ばれ事件から次の日も、護身術の訓練があった。
王宮に上がるのは恥ずかしくて嫌だったけど、行かない訳にはいかない、
人とすれ違う度に微笑ましく見られると、穴があったら入りたい心境だが、私は優雅に淑やかに歩いて行った。
前日の筋肉痛は、メイドのマリが丁寧にマッサージしてくれてので、痛いのは解れて今は普通に歩けるけど、また今日も訓練があるから当分筋肉痛とお友達になるだろう。
そして今日も午後は闘技場で護身術の訓練をした。
今日は魔法騎士に襲われた時の対処法だった。
先生が訓練用の模造剣で私に攻撃をしたと思ったら、距離を取り魔法攻撃、私は剣を避けながら距離をとり、魔法を避ける。
一人で対処する時は助けが来るまで相手から距離を取りつつ、体力を温存が大事と言われた。
時間になり先生から今日はここまでにしましょうと、終わりの挨拶を頂き、私は闘技場を後にした。
私の控え室へと移動する為渡り廊下を歩いていると、同じぐらいの歳の男の子が一人で渡り廊下の柱に、持たれるように立っていた。
私はその子を知らなかったので、そのまま通り過ぎようとしたら、不躾に声を掛けられた。
「令嬢の遊びで、我々の神聖な場所を汚して欲しくない」
なに?この子?私に言ってるの?周りに私以外いないから、私に言ったのだろう、失礼しちゃうわ!私は遊びでやっている訳ではないし!
そんな失礼な奴に話す義理はないしと思い私は、ついと無視して歩き出した。
「おい!俺が話し掛けているのに失礼だろ!」
「失礼?自己紹介もせずに、勝手に話し掛けてきた人に、何故私が丁寧に話さないといけないのですか?」
そして、私は少し不機嫌に再び歩き出した。
その背後から、「ちょっとまて!」と声がしたが、無視した。
ふん、失礼な態度にはこっちもそれなりの態度で十分だろう。
私はちゃちゃと自分の控え室に移動した。
その後は控え室で汗を落としてから、いつもの場所へと向かった。
*****
いつもの庭園の休憩場所へと行くと、アルベルト殿下が不機嫌に足と腕を組んで座ってらっしゃる。
どうしたのかしらと思いながら、膝を折り挨拶をする。
「アル様、ごきげんよう、今日はアル様のがお早いですね」
「ああ」
「どうされたのですか?嫌な事でもございましたか?」
「そう見えるか?」
私は頷く事で肯定する。
「ロゼ、ここへ座れ」
殿下がソファに座って居る隣を手で軽く叩いて言った。
「失礼します」
何か悩んでらっしゃるのかしら?と思い私は首を傾げる。
「ロゼは、いや、闘技場の近くの渡り廊下で何してた?」
渡り廊下?ああ、あれね。
「アル様、いらしたのですか?お声を掛けて下されば良かったのに、渡り廊下ですか」
思い出したら、腹が立つ。
思わず不機嫌な顔になってしまう。
「ロゼ?」
「アル様、すみません、思い出したら腹が立ちまして、護身術の訓練を闘技場でしていたのですが、それを私が遊んでいると、神聖な場所を汚していると、名も名乗らない人に云われました」
アルベルト殿下の不機嫌な表情が変わり、そしておもむろに殿下の手が上がり私の頭に手を置かれました、そして少し悲しそうに私を見て言われました。
「そうだったのか、俺はその時二階の窓からロゼが見えて、直ぐに向かったのだが、もうロゼは居なかった。
ロゼは頑張ってるのは俺が知っている、でも、守ってやれなくて済まない」
なんで殿下がそんな悲しそうにするのですか?と思い慌てて殿下に言った。
「いえ?!大丈夫ですよ!腹が立っただけですから!だから、無視して直ぐに立ち去りました」
殿下が私の憤慨にちょっと驚かれている。
「そうか」
アルベルト殿下が、ふっと笑われた。
あまりに十歳の子供とは思えない表情に、私は久しぶりにビクリとしてしまう、やっぱりこの世界乙女ゲームか、ノベルの世界なのかしらと、どちらにしても私が悪役になるのは学園に入ってからだろうけど、今のうちに私は陰険な事はしないとアルベルト殿下には、分かって頂いてた方がいいだろう。
あとパターン的にお父様が悪事を働いているって事で一緒に断罪されるだけど・・・あのお父様に限って無いと思うが一応調べてみよう。
「ロゼ?どうかしたのか?」
「いえ、なんでもありません」
「そう言えばもうすぐ誕生日だな」
「そうですね、アル様の誕生日ですもの、王宮で盛大な舞踏会が催されますね、それから後三年後で学園へ通う事になりますね」
私がそう言うと、呆れた様に私を見て言った。
「俺が言ったのは、ロゼが誕生日だなっと言ったんだ」
「まあ、そうでしたのね、はい私も同じ月ですわ」
「ロゼは誕生日はどうするんだ?」
「私は家族のみで小さなパーティーを、家の者皆でしてくれます、あっ、もし宜しければ殿下も一緒にどうですか?」
「俺が行ってもいいのか?」
「はい、舞踏会のような大袈裟な事はしませんが、それで良ければ来て下さい」
「じゃ伺おう、日程を教えてくれ」
アルベルト殿下が、嬉しそうに言った。