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アルベルト殿下視点 学園編 完結後 余談

完結後の蛇足的な感じですので、おまけ的なお話です。



 その後、俺は魔力を使い過ぎて座ってられなくなり、ロゼにごめんと言って、ロゼの肩口に額を乗せて、体重が掛からないようにベンチの背に手を着いたが、俺の様子がおかしい事に、気がついたロゼが俺を抱き止めて言った。


「大丈夫ですか?アル様、どうされたのですか?」

「大丈夫だ、魔力を一気に使った反動だ」

「先程の魔法ですね、横になられた方がいいです」

「ああ、それならロゼの膝枕がいい」と少し弱々しく言ってみる。

するとロゼがピクっとして

「わ わかりました」とぎこちなく返事をした。


 了承を得たので俺は、ロゼの膝に頭を乗せて横になった。

 ロゼは顔を赤くなりながらも、心配そうに俺の頭を撫でる。

 気持ち善くて、眼を瞑り暫く堪能してから、気になってた事をロゼに聞く事にした。


「何でロゼは、俺がビッチモルド嬢の事を、好きだと思ったんだ?ロゼにそんな風に思われていたとは、結構ショックだ」


 俺は片手で目元を覆い少し弱々しく言ったら、ロゼがピクリと体を震わせ、困ったような申し訳なさそうな表情をして言った。


「そ それは、アル様とリリアンヌ様が、お二人で一緒に居る所を見たからです」

「二人で居た事なんてあったか?」


 俺は思い返してみても思い当たらないが。

 唯一二人で居たと思えるのは、あの最初の木登り事件位だが。

 ロゼが少し困ったように、恥ずかしそうに言う。

「えっと全て遠目からなので・・、すぐに私は立ち去りましたので」

「まずロゼが見た事を教えてくれ」


「ええと、印象に残っているのは、渡り廊下で、リリアンヌ様がアル様の腕にしがみついて、何処かへ引っ張って行かれた事ですね」


 ビッチモルド男爵令嬢は気配を消すのが上手いからな、あの木登りの時は肉食女子の殺気でわかったが、最近はそれすらも消しているからわからんのだ、それで突然現れるから、逃げる間もなく捕まる。

 ていうか、俺はロゼの護衛との攻防のお蔭で、結構気配はわかるようになったのだがな、それを掻い潜って来るのだからある意味大したものだと感心するが。


「ああ、あれか、あの時はハインツも側に居たぞ、見えなかったのか?

 あの時は突然ビッチモルド嬢が現れて、俺の腕を掴んで、助けてくれと言われ、拒否する間もなく、無理やり引っ張って行かれた、そしたら、木の上に子猫が居て、それを俺に助けて欲しいと言ってきた、なんで俺がと思ったんだが、話をするのも面倒だったから、そうそうに猫を助けて直ぐに立ち去ったが」


「そうだったのですか・・・」


 ロゼが自分の事を恥じる様な表情をする。

 もしかして焼き餅焼いてくれたのか?

 そうならちょっと嬉しいが、ロゼにあんな令嬢と疑われるのは嫌なので、ロゼが気になった事を全て聞いてやる。


「あとは?」

「後は放課後に、お二人で話しておられるのを何回か見たのですが・・」

「恐らく、全部近くと言うか、側にはハインツが居たぞ、ハインツも余りビッチモルド嬢と関わりたく無かったようだからな、俺から少し離れていたな、だがビッチモルド嬢と俺を二人には出来ないと思ったのだろうが、ほぼ俺に任せて居たからな、俺を生け贄にして薄情だと思わないか?」

 そう言ってロゼの頬へと手を伸ばす。


 ロゼが、ばつが悪そうに困ったように俺を見る。

 ロゼの頬を撫でながら、俺は悲しそうな表情をしてロゼを見つめる。


「俺はずっとロゼだけを見ていたのに、そんな風に見られていたとは悲しいな」


「も 申し訳ありませんアル様、でも、アル様が私の事を、そんな風に思って頂いてるなんて思わなくて・・・」


「そうだな、最初の俺が悪いんだ、あの頃は女の子に幻滅しててな・・・ロゼも同じだと思ったんだ・・・たが・ロゼは違った・・・ごめんロゼ・・眠くなってきた、少し・ね るから 側にい てくれ」

 意識を保ってられない、少し寝た方が早く回復するだろう、ロゼの手を握って少し眠ることにした。


 まあ、これで誤解が解けて俺の事もわかって貰えただろう、次に目が覚めたら、遠慮なくロゼに触れる事が出来るな。

 まあ、ちゃんと婚約者としての節度は守るがな。


「アル様、ゆっくりお休み下さい、私がお側におります」

ああ、嬉しいことを言ってくれるな。

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