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余り者花嫁 第1話


「将来の夢か……」

「おまたせー」


学校の帰り道、明日は休みということから友人たちと放課後に集まることになった。


「もーおそいよー」

「ごめんごめん、新しい飲み物が自販機にあってさ~」


水野シズナさんと友人の緑鳥ふうねちゃん。


「で、課題どうしよー」

「課題?」


甲我メイルさんと友人の黒川ようこちゃん。


「私達のクラスでは将来の夢について、を作文に書くんです」

「ふーんなんか小学生みたい」


友人の白木ゆがれちゃんと茜モエギさん。


「あーたしかにね」


このメンバーが私の友達三人と共通の友人の三名だ。


「ねえナナミ、なにか浮かばない?」

「うーん大学進学かな」

「やっぱそうなるよね」

「あたし昔はお嫁さんだったなあ」


水野さんの意見に女子一同ハッとする。


「あー彼氏ほしいなあ!!」


甲賀さんが人目を気にせず叫ぶ。


「彼氏よりお金だよ」


黒川ちゃんが淡々と、真顔で言う。


「私は男より仕事です」


白木ちゃんは笑顔で言う。


「えー全部ゲットしようず~」

「ちょふうねちゃん強欲じゃん~」


なんか恋愛トークになりそう。


「で、みんな好きなタイプは?」


私はテーマを恋バナに切り替える。


「何より金持ち」


お金が大好きな黒川ちゃんが真っ先に挙手する。


「じゃあビジネスパートナーがいいです」


続いて白木ちゃんもタイプがハッキリしている。


「私は優しい人がいいなあ」


甲賀さんが王子様みたいな、と付け加えた。


「あたしはスポーツマンがいい」


サバサバした姉御肌の茜さんは照れながら言う。


「私は知的な人がいい!」


恋愛トークが恥ずかしいのか、水野さんはオドオド主張する。


「で、ナナミさん」

「出題者の貴女はどんな殿方がお好みなのかしら?」

「え!?」

「まさか一人だけ言わずにいられると思ったか~」


ある意味、初対面の子にお構い無しに迫られている。


「言っちゃいなよ」

「うん……私は私好きだって言ってくれる人ならどんな人でも嬉しいよ?」


特にタイプはないので、思ったままに答える。


「なんて欲のない……」

「今時珍しく素直でいい子だわ……」


なにやらゴロゴロという音が鳴る。


「え、雷?」


空を見上げると、晴れていたのに太陽を隠した一ヶ所だけ不穏な雨雲があった。


「今日は一日晴れって言ったじゃん天気予報!!」


彼女の叫び虚しく、雲が割れて光が辺りを包んだ。


「きゃあああ!」


私たちは何かに巻き込まれてしまう。


■■


「私たち生きてる?」

「うん」

「天国?」

「なんか、魔法学校とかありそうな所に来ちゃったみたい?」

「映画の見すぎ……」


気がつけば私達はお城の庭にいたのである。


「何事だ!?」


四方八方から8人の男達が集まってきた。


「あわわわ」

「我が花嫁は……」


男達の中心にいる一人が呟いた。


「もしや彼女達は伝承における異界からの花嫁?」


言葉はわかるけど、花嫁とか意味がわからない。

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