デスofヘアスティ 一話
私はある事情から貴族の子息や息女の通う学園へ転入することになった。
まず親を無くした私は16歳の誕生日を迎えた当日、見知らぬ男から手紙が届く。
元々家事用ロボットは家にあって、メンテナンス等の維持費や家の税金、一通りをその人が資金援助してくれていたらしい。
「おはようヒメ~」
小学校から幼馴染の浅見ヒメカも私がテラネスの高校を転校すると知り着いてきた。
「メデュラ――おそいっ!」
起きてはじめて時計を見れば授業開始五分前。
「ごめ~ん寝坊しちゃったの~!」
走りながらグチグチともっともな言い分を聞く。
先に行かずに待っててくれるなんて、優しいなあ。
「皆さん今日は転入生を紹介するわ」
無事に間に合ってそれぞれのクラスに入る。
「……よろしく」
「うん、こちらこそ!」
隣の男子は静かなタイプらしい。
授業が終わると皆から話しかけられた。
「はあ……」
体力には自信あったのにクラスのほぼ全員から質問責めはバスケよりキツいかも。
「あいたっ」
「ごめんなさい!」
下を向いてフラフラ歩いていたら覇気のない黒髪男子にぶつかった。
「いえいえ……気にしないでくださいい……!!」
彼は眼鏡を拾って涙眼でペコペコとしながら去っていった。




