はじめまして
はじめましてこんにちは
そしてさようなら
ひらりひらりと蝶のように舞う
あなたを求めて
警視庁公安部公安第六課
クレーム係
「ほ、本日よりこの警視庁公安部公安第六課クレーム係りに配属されました!高橋秀哉といいます!よろしくお願いします!」
勢いの良い台詞が部屋に響く。
高橋修也の初々しい自己紹介は緊張が紛れており 彼の手には冷や汗が流れている。
警察になって真っ先にこのクレーム係りに飛ばされた彼は運がよいのか悪いのか
それは後ほどわかることになる。
「ひひはたはかひふんはーよほひふへー。わはひはほひのひよへす」
もぐもぐと・・・・しゃりしゃりとこの空間に聞こえる音
●まい棒(サラミ味)を口に含みながら喋っている彼女は
「『君が高橋君かぁ。よろしくね♪私は星野蝶夜よ☆』と言っている。
俺は沼田謙三だ。よろしく」
彼女 星野蝶夜のマネ(本人はそう言っているがただの願望だ)をする
彼 沼田建造
渋みのある声で蝶夜の真似はある意味感動を覚える
「よ、よろしくっス!」
ぺこぺこと頭をさげるたびにもっている荷物が落ちていく
秀哉は回りを見渡し疑問を感じた
「あ、あの…ここにいるのは二人だけなんですか?」
部屋はかなり散らかっているが二人だけにしてはあまりにも広い気がした
「ほんはほほはひほー。ほへはへー」
「食いながら喋るな!」
ぱしんと謙造にはたかれた 蝶夜はもしゃもしゃとう●い棒(めんたいこ味)を食べ続ける
「あー、いねぇことはねえんだが何しろクレーム係だから仕事少ねえんだ。大抵みんな他のとこと掛け持ちしてる」
蝶夜の変わりに頭を掻きながら謙造が答える
秀哉は頷きながら熱心にメモをとる
「じゃぁ、星野先輩と沼田先輩も他と掛け持ちしてるんですか?」
ここにしか配属されなかった秀哉は不安そうに聞く
「いや、ここだけだ。ま、俺らもいるんだし気楽にいこうや」
ぽんぽんと秀哉の頭をたたく謙造は
頼れる男のようで秀哉は安心する
「あ」
ふと、蝶夜は時計をみて立ち上がる
「じゃ、わたしそろそろ失礼しまーす」
がたがたと荒っぽく片付けをする
ちらりと見えたが引き出しの中にはうま●棒がぎっしりとつまっていた
「あ?今日なんかあんのか?」
謙造がお気に入りのタバコを取り出しながら聞くと蝶夜は少しだけほんの少しだけ悲しそうな顔をしながら笑って答えた
「両親の命日っす」
またあとで