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Xのための地球  作者:
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Xのための地球

 僕らという存在は実は地球の見ている夢なのかもしれない。しばしばそういう不安に駆られる。僕らが地球の見る夢だとしたら、うつつというのはうつろなもので、ある日突然の地球の目覚めによって僕らは消え去る運命にある。夢とはなにもかもが揺らいだ明白値を極限まで引き下げた空間の事で主の意思すら介さない。したがって運命と呼べるものは唯一「消失」のみである。僕らを突き動かすものは「消失」という運命ただ一つなのだ。「死」と置き換えてもいいが「消失」の方がより明確に運命を表している。なぜなら、「死」の後には残る何かがあり、「消失」の後には何も残らない。僕らは「死」よりも「消失」を恐怖すべきなのだ。いや、しかし、だとしても。


 だとしても、これを考える意味も理由もどこにもない。単なる空論なのだ。中身の無い、地につく足の無い空想なのだ。ゆえに空虚な希望を胸に僕らは歩き続けなければならない。向こうの世界などないにしても、素知らぬ振りして生きねばならぬ。


 しかしたまには生まれたことを呪おうか。僕らの生きるうつつはあまりにリアルだ。そうでもしないとやっていけないではないか。

 生きて、死んで、消えて、失う。それだけの人生が呪いの一言を加えると、

 生きて、呪って、死んで、消えて、失う。語呂は悪いがこっちの方が幾分面白そうではないか。人間らしさがありありと感じられる。


 僕はこういう性格だ。前書きとして、僕というキャラクターが十分伝わっただろうか。主人公という座についたからこそ、僕は常に魅力的であるように気を配っている。美容にも健康にも手を抜くつもりはない。これはあまり知られてないことだが主人公は健康であることが命なのだ。あらゆることに首を突っ込むためには健康な肉体が必須なのである。


 最後に僕の名前を記しておこう。僕の名前、名前を 


 僕の名前を「X」としよう。


 しようだって?しようとはどういうことだ、本名を明かせぬ理由があるのか、なぜ「A」や「B」ではないのか。沸き立つ疑問は尽きないだろうが、一言だけ言わせてもらえるならば、「X」なのは、その方がいかしているからだ。


 自己紹介は以上で終わり。次回本編「とおせんぼのための地球」に続く。

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