<推理パート>
閲覧ありがとうございます(_ _)
なかなかもってペンが進まない、推理ものは大変だぁ。
しかも思いつくのは違う事件のトリックばかり、現実逃避かな(メ・ん・)?
ともあれ楽しんでもらえれば幸いでござる Σ(ノ≧ڡ≦)ニンニン
あっ|゜Д゜)))そういえば今回は挿絵があります。
「事件番号#2.妄想思考のエクステンデットゲーム」
「事件が起こったのは10年前の北海道、小樽市です。 "犯人は1人"で幼稚園の園児、職員を人質に立てこもりました。 犯人の要求は1000万円。 警察は通報を受けてすぐに幼稚園の周囲を取り囲みました」
「10年前ですか」
「俺たち小学校1年生だね。 謳歌さん覚えてる?」
「残念ながら私はテレビをあまり見ないので知りません」
見ていたら覚えてらっしゃったのですか?
そんなわけない…とは言い切れない。覚えていたかもしれない。
6歳児の謳歌さんを甘く見てはいけない。いや、俺も見てはいないんだが、今の見るはそういう意味じゃないのだ、つまりは
覚えているだろう。
「当初、警察は説得を試みたが犯人が園児の1人に危害をくわえそうになったことにより身代金を払うことを決めた。 身代金は園児の親が出し合ったことによりすぐに集まり、興奮した犯人は顔にお面をつけてアタッシュケースを玄関先で警察から受け取った」
「その時に捕まえればいいのにね」
「園児、もしくは職員を盾にしたのかもしれませんよ」
「じゃあ狙撃だね♪」
「日本において警察が拳銃を抜くのは相当の理由が必要だと書いてあります。 それに犯人が1人とはその時点においては分からなかった可能性もあります。 仲間が園内にいて人質に被害が及ぶ可能性、相当な理由というあやふやな条件、マスコミの存在を考えれば指揮官に狙撃という選択は無かったでしょう」
何でも知ってるな
「身代金受け渡しから1時間、幼稚園の園内から大きな音がしました。周囲の人間が上空を見てみると打ち上げ花火が見え、その瞬間、幼稚園の裏手にある砂場に置いていた車にエンジン音が轟き裏手のドアを突き破って逃走、その際に"警察官、メディア関係者の2人"ひいています。 そしてそのまま直進してガードレールをぶち破って海にダイブ」
おお~、アグレッシブ~♪
ダイハードみたいだね
「警察は"すぐに車を引き上げました"、すると死体が車の中から発見されました」
「それで未解決ですか? 解決しているように思えるのですが」
「しかしその死体は…」
わざとらしいタメを作るワトソン君
内容を知っているんだからそんな間はいらんだろとツッコミたいが
どうやらここがこの事件が未解決たる肝なんだろう、黙って聞くか
「その死体は"睡眠薬を服用していた"のです!」
「ほぅ」
それは面白いと頬がつりあがる謳歌さん。
ワトソン君は咳きたてるように言葉を綴る
「しかも身代金の1000万円も無く、あったのは死体とお面だけ!」
お面?
身代金を幼稚園の玄関先で受け取ったときに犯人が被っていたやつか。
「車内で死んでいた人間は佐藤雄一、有名会社の部長で金銭に困っていたという感じもない。 それどころか佐藤は東京からの出張で1ヶ月前に北海道に来たばかりで、幼稚園およびその関係者とも接点は無かったそうです。」
動機が無いわけね。
「ですが状況的に彼以外が犯人でありえない。警察では佐藤を容疑者として立件、容疑者死亡のまま事件は終止符がうたれました」
終止符がうたれた!?
それネットに書いてるの!? 書いてないよね!?
「えっと~、終止符がうたれたって書いてあるの?」
「ん~ん。書いてない」
「そっか」
なんちゅう、言葉の選び方だよワトソン君。
「しかしネット上では消えた身代金の情報が漏洩したせいで未解決として騒がれて、真犯人説や幽霊説まで出てます。」
「幽霊か、そういう話はいやだな」
「ふふふ、なぜ幽霊説なんてオカルトが出たか分かるかね? ホームズ君」
「さぁ?なんでだろうか?ワトソン君」
「実は車内に有ったお面ですが、死体の右足とアクセルペダルに絡み付いていたんです!」
「なななな、なんだってぇぇ!!」
俺とワトソン君は目を見合わせた。
「「怖ーーい」」
「ふっ、幽霊なんてくだらない。 その事件で分かったことは警察の無能さだけですよ」
ノリが悪い謳歌さんは幽霊否定派か
まぁ予想通りだね
謳歌さんが幽霊に怯えている姿は想像できない
座右に名が幽霊の正体見たり枯れ尾花だろうな。
「謳歌さん、幽霊と言えば?」
「? 枯れ尾花」
だよね。
「さて、社君。 事件の概要が終わった所で今回の私たちの戦いの説明をします」
「さっきしたじゃん。」
「さきほどのを説明というには少しお粗末です。」
「そう? なんとなくは理解したけどな」
「まずは2人で補完作業をします。」
「保管?」
「いえ補完です。足らないことを補うことです。」
「なら最初からそう言ってよ」
「言語レベルが低いと、ふと不安になることがあるんですよ」
「どこの文豪だよ、あんたは」
「さきほどの概要だけだと分からなかったこともあるでしょう。それをワトソン君に聞くんです」
「ワトソン君に全て分かるものかね?」
「ネットを使えばだいたいのことはわかるでしょ」
ネットには嘘もごろごろ転がってるんだが
「分からなかったらどうするの?」
ワトソン君は力を入れるようにガッツポーズした
「どんまい♪」
なるほど~どんまいかぁ
かわいいから納得っ♪
「そして互いに聞きたいことが終わったら教室の端と端に別れて推理をします。 これによって前回のような相手の推理を利用することを防ぎます。 そして時間になったら互いが考えた推理を発表、ワトソン君に判決を委ねる」
「後は想像力で勝負ってことだね」
「推理力です」
「なるほど、ものはいいようだね」
「嘘も方便みたいに言わないでください」
「すべて私が選ぶのもなんなんで、思考時間は社君が決めてください。 30分と1時間、どちらがいいですか?」
「じゃあ1時間」
「ふっ、弱気ですね」
お前が選べって言ったから選んだのに、選んだ末の返答がそれ!?
「では、今からワトソン君に質問するわけですが…どちらが先に」
「ホームズさんからどうぞ」
「おや?いいんですか?」
「どっちが聞いたって、その解答は2人の耳に入るんだし同じでしょ? ならレディーファースト」
「えらく紳士ですね」
ああ、質問なんて急に言われたって思い浮かばないからね
謳歌さんは質問することを纏めるように人差し指で数回こめかみをこついた。
「気になったんですが、警察は身代金が消えた件はどう考えていたんですか?
普通、お金が無くなれば共犯者がいるなど考えそうですが」
「公式の発表には『身代金は川に流されたのだと』書いてあります。」
は?
アタッシュケースが!?
ドンブラコ♪ドンブラコ♪って?
「話に割り込んでなんだけど、1000万円の入ったアタッシュケースがそんな簡単に流されるものなの?」
謳歌さんは首を振る
「流れの強さによってはありえなくはないですが、ここは警察の保身活動と考えるべきでしょうね。 死体が睡眠薬を服用していた件については警察の発表には何も書かれていないんじゃないですか?」
「はい。書かれてないです」
消えた1000万円の行方か…
これは重要な気がするな
俺はそっとメモ用紙に1000万円の行方と書いた。
「では次の質問。 なぜ警察は砂場にあった車の逃走を許したのですか?」
ワトソン君は「え~とぉ」といいながらパソコンの画面をスクロールする。
「犯人からの指示で園内に人が入ることが出来なかったから砂場に車があることを認知できなかった。って書いてます。」
「なるほど、警察には砂場にブルーシートをかぶせた何かがある程度の認識だということですね」
「人質にされていた職員や幼児の証言はあるのですか?」
「ハイ! 5人の証言が当時の新聞に載ってました。」
以下、5人の証言
1人目(園長先生)
「急に1人の男が裏口から入ってきて驚きました! でもみんなが無事で本当によかった。」
2人目(女性職員)
「とても怖かったです。犯人の言う通り1つの部屋に固まっていましたから外がどういう状況だったかは分からないです、でも園児たちを守れてよかったです」
3人目(男性職員)
「みんながお昼寝の時間に犯人が現れてビックリしました。でも犯人も1人でしたし、僕、柔道をやっていたこともあるので命を賭けてでも子供たちを守らないとと思ったんです。」
4人目(園児)
「とってもたのしかった♪ みんなでやったひとじちごっこ、またしたい!」
5人目(園児)
「ぼくもたのしかったのかって? ふふふ~ん♪ ぼくぐらいになるといくつもの、みっしょんをうけているからね、たのしいだけじゃだめなんだよ、こうしょうのおじさん♪」
短いな。それにみんな似たようなことしか言ってない。
まぁ抜粋したんだろうが
仕方ないか、新聞の記事の大きさを考えるなら1~2行がいいところだな。
「園児たちは人質ごっこだと思ってたんだね」
「そのほうが警察との交渉も円滑だと思ったんでしょうね、子供をあやすプロがいるわけですから自分は警察だけに目を向けれる」
「子供に騒がれると困るもんね」
「ええ、うっとおしいですし、何をするか分からない計画を立てる上でこんなにも大きな障害は無いでしょう」
うっとおしいは関係ないと思いますよ謳歌さんや
「ワトソン君。 その幼稚園に勤めている職員の総数と人質になっていた職員数はわかりますか?」
職員の数。
なぜそんなことを聞くんだ?
質問が思いつかなかった…いや、違う
家頭謳歌という人間は無駄な時間の浪費を嫌う。
この質問にも意味があるんだ
「え~と人数は園長を含めて5人で『勤めている従業員が全員で園児を守った』みたいなことが地元新聞に書いてあるので、たぶん全員この日は出勤していると思います。」
「ふ~ん、なるほど。 私からの質問は以上です、社君どうぞ」
「え!?」
急に言われても、え~と
「お面てどんなお面?」
「それは事件にどう関係あるんですか?」
「さぁ~? それは俺にも分からない」
分からないのに聞くんですか?
そんな謳歌さんの疑問符たっぷりの表情
なら逆に聞くけど、俺は何を聞けばいいんですか!?
教えてください!!
「仮面ライダーって書いてます」
「え~と、10年前ってことはクウガ?」
「いえ、画像を見る限りアマゾン」
「アマゾンか! いい趣味してるね~」
「うん! いい趣味!」
「おや、ワトソン君もアマゾン好きかね?」
「イェッサー♪アマゾンラブ♪ でもクウガの主役だったオダギリジョーも捨てがたい」
「俺は第1話『復活』を見た時からビビっと来たよ、やつはビックになるってな」
「おおー、さすがホームズ君!!」
「ビビッ?」
謳歌さんはビビッという意味を噛みしめる
「しかしサブタイトルが全部、漢字二文字っていうのもたまらんよね」
「うんうん! 特に第47話『決意』から、48話『空我』までの流れなんて」
「話題が盛り上がっているところすいませんが、そのフウガ?ですか? その二神風雷拳の使い手がこの事件に関係あるんですか?」
「二神風雷拳って…北斗の拳!? なんでそんなコアな兄弟の片割れと仮面ライダーを間違える!?」
「私には似たもの同士ですよ。 それで仮面は事件に関係あるんですか?」
俺とワトソン君は目を見合う
そして頷く
「関係は無いと思うよ」「関係無いと思うです」
「ならもっと意義のある質問にしてください」
「え~っとじゃあ、車種は?」
謳歌さんの視線が意味があるのか?と聞いてくる
たぶん無いとは言えなかった俺はワトソン君の解答をただ待った。
「え~と農業に使う、やつで、え~と」
要領を得ないな。
見ただけだと種類が分からないのかな?
俺は立ち上がりワトソン君のノートパソコンを上から覆うように覗く。
「あ~軽トラか。」
車種は分からないがどこにでもある軽トラック
引っかかったブルーシートが荷台から垂れ下がっていた
にしても…
「側面がすごいズタボロだね。 助手席側なんて擦れすぎて塗装がほとんど取れてる」
「逃走してた時にガリガリやったぽい」
「ガリガリしすぎだろ、こんだけ酷いと前見て運転してないみたいじゃ…」
そうか、なるほど
なんとなくだけど自分なりの推理の方向性が見えてきた。
「車内は?」
「こんな感じです」
水浸しの車内画像が映し出される。
全体がまんべんなく水を吸い込んでいる。
この感じだと引き上げられたときは満水状態だったのだろう。
「ん?」
これはATか?
死体が有ったであろう場所の左のギアはDと表示されていた。
10年前という時代を考えると軽トラックのATは珍しい。
「窓はどうだった? 開いてたの?」
「窓ですか…、え~と、少し開いてただけみたいで壊れてもいなかったみたいです。」
「少しってどれくらい?」
「5センチぐらい」
ふ~~ん、なるほど、なるほど。
「もう質問はいいんですか?」
「オッケ~。 見通しはついた」
「それはよかった。 では推理と洒落込みましょうか」
閲覧ありがとうございました!
このあと社と謳歌、2人の推理が展開されていきますが、みなさんはこの事件の概要を見てどう推理していきますか?
それではまた(o・・o)/~