<雑談パート(上)>
閲覧ありがとうございます(_ _)
最近、閲覧数が増えてきているのでモチベーションが上がってきてます(^-^)
読んでくださった方々、本当にありがとうございます(^o^)/
今回は雑談パートなので気楽に読んでくださいね~~♪
「さっきはこちらがジョーカ、では次あなたの性格を考えれば…」
謳歌さんの指先は迷い無く主の声に導かれるように俺の手元をスライド移動していった。
いかんな
俺はそれを見て、全てを見透かしたように鼻で笑った。
「はたして本当にそうかな?」
ピタッと止まる指
黒塗りの瞳が月が昇っていくぐらいの速度で開かれていく。
「…またお得意のハッタリですか?」
矢を射るような鋭いの視線。
負けないように俺も見返す。
互いのトランプをはさんで視線が絡み合い火花が散った。
「ふっ、じゃあ参考までにワトソン君に聞いてみようじゃないか。 ワトソン君はどっちのカードがジョーカーだと思う?」
「二人ともレベルが高すぎて分からない」
戦意を喪失したワトソン君の青い目。
女性らしい小柄な、なで肩が今日はさらに下方線をたどっている。
「またまた~、毎回1位じゃないか。 ね、謳歌さん?」
「ええ、ぶっちぎりです。こんなにワトソン君がババ抜きが得意だったとは驚きですね」
「それはただ単にホームズさんとホームズ君の戦いに、変な茶々(ちゃちゃ)を入れさせないために勝たされてるだけだい」
気づいていたか、ワトソン君。
「じゃあ、そろそろ再開といこうか」
「ええ、どうせ私が引くカードは決まっていますからね」
勝ちを確信する謳歌さんの指は2枚の内1枚に手をかけ引き抜く。
そしてゆっくりと裏向きになったカードを確認した。
!?
涼しく形を変えなかった口元がゆがんでいく。
「………すり替えましたね」
「なんのことだい?」
「さっきワトソン君に話しかけた時ですか。」
「さらになんのことだい?」
「したり顔でよくもまぁぬけぬけと」
「さぁさぁ早く混ぜなよ、俺が引くんだからね♪」
憎憎しそうに二枚のトランプを混ぜた謳歌さん。
そして表が俺に見えないようにかざす。
「ええ、どうぞ」
バカめ。
家頭謳歌敗れたり。
さっきお前にカードを渡したときに爪で傷をつけさせてもらった。
貴様が持っているジョーカの裏側には俺の爪のあとがある。
そしてこれまでの戦いから得た情報により、お前はカードを持つとき中央から真っ直ぐ下、最下層をちょっこんと摘むように持つことは分かっている。
つまりはカードの端につけた爪痕の位置は丸見え。
今こちらにカードを見せてすまし顔をしているが、もはやこの戦いは心理戦ではなくなったのだよホームズさん。
勝ち越すのは俺だよ謳歌さん
フゥーハッハッハッハ!!
「じゃあ引くね~どっちかなぁ~?」
!?
俺が傷をつけたのは裏面の中央外枠、そこなら目立たないし手で見えないことも無い。
先の戦いを踏まえ、そう考えてつけた。
しかし、今そこにはあるはずのない手が存在していた。
そう、まるで傷を隠すように。
「あ、あの、」
「何か?」
「もうちょっとカードを見させて頂いてもいいですかね?」
「なぜ?」
「なぜって……その、前回までと持ち方が違うかな~と思いまして」
「持ち方を変えたんです」
なぜこのタイミングで!?
「へぇぇ…も、どさないの?」
「戻しません」
「あ、うん。なんで」
「なぜそんなに持ち方にこだわるんですか?」
「いえ別に!こだわってませんよ! 俺がこだわっているのは結局なところ【かめはめは】と【元気だま】どっちが強いのかってことぐらいですから!」
「そうですか、それは難題ですね。最終回を鑑みると元気だまな気もしますが、、、にしてもよかった、まさかカードの裏につけた傷を見たいからなんて言われるのかと思ってドキドキしてましたよ」
「おふっ!? き、貴様、まさ…か」
謳歌さんは口元に僅かな笑みを浮かべた。
「さぁ~?なんのことやら?」
「むけぬけとぉぉぉぉぉ!!!」
「どうしても選べないと言うのなら、あなたはイカサマをしたとして」
「してねーよ!!引いたろやないかぁぁぁ!!」
…………。
俺の手には…
それはもう見事なピエロが握られてやりましたよ。
「さぁ、次はあなたの番です。 イカサマなんてしてないならどうぞ見えるように掲げて下さい、特に中央の端がみえるようにね」
「き、貴様、そ、そこまで、するつもりか? そうまでして勝ちたいか!!」
「え?まさか。これがお互い二勝二敗の戦いの雌雄を決する三勝目の戦いだからといって私があなたのイカサマを利用しようなんて邪な事を考えるわけがないじゃないですか。 さぁ~副賞である今日から一週間のジュース、何にしようかな~?」
利用する気マンマンじゃねーか!
「さぁ早くカードをかざしてください。 あっ、好きなだけ混ぜてもらって結構ですよ。意味があるのなら、ですがね」
いかんぞ。
負けてしまう。
イカサマの神様助けて!
そう祈った時だった
「ん?」
久しぶりに聞こえるノック音。
俺は飛びつくように目を輝かせた。
「久しぶりの客だよ、二人とも!」
「本当だ」
「そんなことよりも早くカードを」
そんなことよりも!?
「こんな辺鄙なところにわざわざ来てくれたお客様よりも大切なことなんてあるのかい!?」
「ジュース」
ジュース好きすぎだろ!
「トントン。」
「あの~すいませ~ん」
「チッ。仕方ない、ワトソン君出てあげなさい」
今来客に舌打ちした!?
「イェサー」
ワトソン君は「どんな依頼だろうな~?」と口ずさみながらトテトテと扉に向かって行く。
「まっ、せいぜい暇つぶしになる謎であることを祈りますよ」
早く出るように急かしてなんだけど、なぜこいつらは普通にボランティア部目当ての人間が来たと考えないんだろう?
開けられたドア。
立っていたのは女の子だった。
「あの~ここ、ボランティア部ですよね?」
「あ、えっと…。は、はい」
あっ、そいう言えばこの子人見知りだった。
ショートカットの女の子は若干ワトソン君の外見に驚きながらもボランティア部と聞いて安心したのだろう、ホッと胸を下ろしていた。
「突然なんですけど、私野球部のマネージャーをしているノ乃木坂と言います。それであの~急用が出来て、私の代わりにボール拾いを頼めませんか?」
ガッカリとした。
そう言わんばかりのため息をして、窓の外に目を向ける謳歌さん。
仰ぎ手で「後は分かりますね、ワトソン君」と指示した。
「ハイ」
ワトソン君は「あの…これ」と言いながら、もじもじと半分に折られた紙を手渡した。
「え、これは?」
不思議そうに手渡された紙をマジマジと見ている来客少女。
俺も少し首を伸ばすように横から覗く。
ん?
地図か?
にしては簡素だ、1つ横にある音楽準備室をさしているだけ。
戸惑う来客少女に謳歌さんはあくまで事務的に、しかしやる気の無いアルバイトのように質問者に解答をする。
「それはボランティア部、本部の場所です」
本部!?
「じゃあここは…」
もっともな質問だ
「受付です」
受付!?
「いってらっしゃい」
いってらっしゃい!?
来客少女は数多くの疑問符を浮かべながらも、押し切られる形で戸を閉めて、隣の教室に足を向けた。
「まったく、馬鹿にしてますね」
「うん。冷やかし困る」
それはお前らの存在だろ。
「おとといきやがれ、唐変木が」
こんな掛け合いが数回行われたある日のことだった。
「ナレーションに入れて章を移ろうとしているようですが、社君さっさとカードを見せてください」
ちくしょ~、忘れて無かった(>。<)!!
閲覧ありがとうございました。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです(ΦωΦ)フフフ…




