<推理パート(家頭謳歌 編)>
閲覧ありがとうございます(_ _)
今回は主人公ではなく家頭謳歌の推理模様をお届けします(´∀`*)
うまく前回アップした岩神社の推理と違う感じが出ていればいいのですが(。-_-。)
まぁ、皆さんが楽しめればオッケーです(^o^)/
ではでは前置きはこの辺でどうぞご覧ください[^ェ^]
彼は何やら思いついたように反対側まで歩き、壁を背にドスリと座った。
何か思いついたのだろうか?
結び付く記憶は先ほど彼が聞いていた車についての質問。
種類が軽トラックと分かってから彼の表情が変わった
あれはおそらく…
いや、いつものように相手の考えを読むのはやめよう。
気分転換のために開けた窓ガラスに吸い込まれるように、桜の花びらが風に乗って数枚、流れ込んできた。
木目模様の机がピンク色に彩られていく。
「なんといっても、今回は私自身との勝負ですからね」
窓ガラスに映る人物。
女は桜の花びらを摘み、対戦相手である自分自身に向けて笑みを浮かべた。
「負けませんよ」
× ×
”1000万円。 身代金としては安い気がする”
私が最初に疑問に持った点はそれだ。
人質事件を起こして捕まった場合、懲役6ヶ月~10年、もし事件を起こしているさなか殺害も犯したなら死刑もありうる。 それだけのリスクを背負って得るものはたかが1000万円。
安すぎる。
ハイリスク、ローリターンにもほどがあります。
他に何か狙いがあったとしか思えない。
犯人の狙いは何でしょうか?
犯人が警察の見立てどおり死んだ佐藤雄一という男なのだとしたら、その性格は単純かつ、短絡的な思考の持ち主。
それなら1000万円という額もうなずける。
しかしワトソン君からの「有名会社の部長で金銭に困っていたという感じもない」という情報からくる性格とは合致しない。
共犯に裏切られたという線も捨て切れないですが、やはり犯人は別にいると考えるべきでしょう。
なら真犯人の狙いは元から1000万円などではなく、死んだ佐藤雄一の命だった。
つまりこれは私怨による事件、その考えを元に推理していくと1000万円の紛失という現象にも頷ける、真犯人は目の前の1000万円に目がくらんだと考えればいい。
しかし犯人はのちに警察との交渉によって、園児1人に危害を加えようとしてまで1000万円の要求をしている。
いったいこの矛盾は何を意味しているのでしょう?
犯行途中で気が変わった?
順調だったから欲が出た?
どれもピンとは来ないですね。
とりあえず保留し、次に行きましょう。
次は人質事件の舞台に幼稚園なる場所を選んだ理由。
反抗された時のか弱さを考慮した?
これが小学生、ましてや中学生になれば無鉄砲に何をするかわからない。
より安全をきしたかったのか?
身代金受け渡し後の花火は十中八九、警察やメディアの目をブルーシートを被った車に向けさせたくなかったから。
現場写真を見る限り裏口から海までは一直線、両側には民家の塀が連立している。
その情報にお面、睡眠薬を足す。
なるほど、ということは警察、メディア関係の2人をひいたのは…
「ふふふ、前を見ることが出来なかったからですかね」
エンジンをかける方法なんて考えるまでもない。
そして、さきほど保留していた思考も見事に解決されましたね。
では次は1番大切な真犯人ですね。
私はいつものように目を閉じて相手の思考を想像する。
犯人の気持ちを想像する
園児、警察、幼稚園、職員、車、花火
目をゆっくりと開ける。
視界に開かれていくぼんやりとした光と共に確信する。
私の考えだと園内に、最低1人は真犯人の共犯者がいなければならない。
その時、園内にいたのは園長を含めた職員5名と有象無象の園児ども数十人。
普通に考えれば園児どもを共犯者には選ばない、つまり共犯者は職員の5人の中にいる、もしくは全員。
10年経過してなお未解決であることから、全員ではない、多くても2名、おそらくは単独犯、でないと誰かが情報を漏らしてもおかしくはなくなるのだから。
そこで気になったのは新聞の取材で園長が答えた「裏口から犯人が入ってきた」という証言。
なぜ裏口からと知っていたのか?
偶然居合わせた?
可能性は0とは言えませんが…。
そんな偶然が?
では共犯者は園長?
想像する真犯人の人物像は執念深く、理知的で計算高い。
基本的な思考パターンは堅実ですかね。
そんな人間が車に乗って逃走を?
するとは思えない。
この人間はなによりも”確実”をとる。
なら共犯者はいないということに…?
ああ、なるほど。
パズルが全てハマッタ音が脳内を駆け回る。
私は長らく触れなかったせいで温度を失った紅茶に手を伸ばす。
「ふっ、なるほどね」
全てを理解したその言葉は小さくつぶやかれた。
すっきりと霧が晴れていく感覚。
少しだけいつもより多くの酸素を肺に入れる。
「ふぅ~」
全身の力を抜く
彼を見ると首を傾げながら、座ってブツブツと何かをつぶやいていた。
さて、彼はどんな推理を私に披露してくれるのでしょうか?
前回の推理がただの偶然でないのなら今回も私の前に立ちはだかるはず
いえ、そうでなければ困る。
このつまらない学園生活を彩る花に簡単に枯れられては、残るのは退屈だけなのだから。
時間を見るとまだ15分しか経過していなかった。
私は退屈をつぶすため、引き出しの中にしまいこんだ読みかけの栞が挟まった小説を手に取った。
閲覧ありがとうございました(_ _)
どうでしたか?
面白かったですか? それとも…(/ω\)
次回は二人の戦い(ディスカション)が展開されます。
う~~~ん、大変になりそうそうだ(ーー;)