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コスプレイオブパルクール  作者: 桜崎あかり
第2話『コスプレイオブパルクール』

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8/11

Aパート(前半)+α

 その一方で、ある組織が動いていた。それは、転売ヤーの賞金首制度を導入したシグルドリーヴァ側である。


 彼らは、ある転売ヤーハンターに対して一方的にではあるが賞金を没収すると宣言していた。


 理由は、以下のとおりである。


【今回の賞金を授与しようとしていた転売ヤーハンターに、明らかなガイドライン違反と思わしき行為を確認できました――】


【そのため、今までに支払った分の賞金も没収することとしました】


 ざっくりと必要部分を抜き出すと、こういう感じだろう。


 あの転売ヤーハンターは、いわゆるマッチポンプ行為の禁止に触れたために賞金没収となった。


 それを通報した人物は不明としつつも、不特定多数と書かれていたので……同じような印象を持った人物は多数いたというべきか。


 もちろん、その通報を行った人物の一人として諸葛亮孔明しょかつりょうこうめいがいたのは、ほぼ間違いないだろう。



「何と言う事だ……」


 都内某所にあるビル、そこに事務所を構えるまとめサイトの管理人は、今回の件に関して「先手を打たれた」と考えていた。


 別の炎上勢力やAIを使用したフェイクニュースを主体としているまとめサイトは、忍者構文の一連の事件を受けてガーディアンが対策強化し、すでに一定数が一掃されている。


 今残っている勢力は、転売ヤーが主体となっている闇バイト的な勢力のみであった。


 それでも転売ヤーに関しては規制する条例などがピンポイントで検討されているため、それもゼロになるのは時間の問題だが。


 そして、一連のマッチポンプに関する発表を見て、この男性管理人は別の手段を考えなくてはいけなくなった、と思っている。


「唯一、転売ヤーのみがガーディアンの眼をすり抜けている、わけではなかったのか?」


 転売ヤーが絡む事件は、他にも様々あるだろう。それを踏まえて、彼は悩んでいた。


 炎上勢力がピンポイントで一掃され、転売ヤーがガーディアンの監視などからすり抜けているのには理由があるのでは、と。


 しかし、色々な情報をインターネットで検索しても、思うような答えが返ってこないのは……。


 だからこそ、彼は焦っているのだろう。


「ガーディアンの眼をすり抜けている……と言うのは適切ではありませんね」


 この管理人の発言に対し、回答したのは予想外の人物だった。


 彼のいた場所はいわゆる社長室のような場所なのだが、目の前にいた人物はまとめサイトの関係者ではない。


 だからと言って、入り口が破壊されたような形跡はなく、普通に扉を開けて入ってきたのだが……管理人が気付かなかっただけだろう。



「貴様、ガーディアンか?」


「ご名答……と、言っても支部長クラスではありませんが」


 部屋の入り口から入ってきた男性は、ガーディアンの制服こそ着ているのだが……彼は支部長ではなかった。


 メットなどで顔は隠しているのだが、外見的には男性ガーディアンの装備をしているため、まとめサイト管理人は男性と考えていた。


 むしろ、一般メンバーと言うべきか?


 態度を踏まえると、いわゆるモブ構成員とも言えなくもないし、まとめサイト管理人のリアクションも若干薄めだ。


 支部長クラスが来た段階で、悪意あるまとめサイトは即座に消滅する……というのが、いわゆる周囲からも伝えられていた話だからである。


「違法なまとめサイト自体、ガーディアンでもすでに対策済み……まとめサイトも歴史の教科書に数行で説明されるレベルの存在にする、と言うのを目的にしているようですが」


 しかし、彼はガーディアンの制服を着ている割に、発言内容に若干だが矛盾があるように感じていた。


 更に言えば、若干ノイズもある。そのノイズにまとめサイト管理人は気づかない。


 視聴者などの視点では把握しているのかもしれないが。


「ガーディアンであれば、即摘発ではないのか? 貴様、何者だ!?」


 支部長クラスであれば可能性はあるにしても、構成員やメンバークラスの人間が即摘発に動かないのはおかしい、そう考えたまとめサイト管理人は彼に質問をする。


 その質問をした段階で、すでに手遅れかもしれないが。



「まとめサイト、もはやAIが運営にしているに等しく、人力でやっているサイトは転売ヤー絡み……そういう流れのはずですがね」


 しかし、彼は質問に答えない。むしろ、正体がばれたら制服を脱ぎ捨てそうだが、それも行わない……。


 彼は質問に答える義務すらないように思える。口調も若干落ち着いていた。


 威圧的な態度で迫るようなガーディアン構成員や支部長はいないので……まとめサイト側が違和感を持ったとすれば、その辺りか?


「そこまでわかって我々のような情報サイトを一掃する。人の心がないのか?」


「それこそ尚更だ。利益を優先するために、それすらも操ろうとするお前たちが人など語るな」


 ある発言にカチンときた目の前の人物は、何かのトリックを明かすかのように姿を変えていく。


 男性の声もボイチェンの類だったらしく……次のセリフに限って言えば、明らかに女性の声だった。


 ノイズの正体は、ある意味でも特殊な変装用スキンだったのである。



『悪意あるサイトの一掃……埼玉県が最速で行っていたが、我々もそこへシフトする時が来たようだな』


 目の前にいた人物の正体、それはガーディアン渋谷支部支部長であるリーガルリリーだった。


 特殊なバイザーメット、インナースーツに各種アーマー……明らかにガーディアン幹部クラスの装備でもある。


 今までの男性構成員の姿は、ある意味でもフェイクだったと言えるだろう。


『強硬手段を取る支部もいくつかあるが、渋谷支部がこちら側に回ることになるとは……』


 その後、まとめサイト勢力は一掃されることとなった。あえて、ここに関しては言及する必要性はないだろう。


 ガーディアンの炎上勢力に対する殲滅力は、ある意味でも小説で表現するには数行程度では片づけられない。


 一掃されたと言っても、バトルパートで数分は使っているので、ある意味でもリーガルリリーの立ち回りが披露されたと言ってもいいだろう。


 彼女のメイン武器はスナイパーライフルなのだが、今回はそれを中距離用アサルトライフルに変形させて対応している。


 それを踏まえると、今回のリーガルリリーはまとめサイトの管理人を狙撃で沈黙させるのではなく……そちらで対応するつもりだったのかもしれない。



 その後も様々なやり取りがあったようだが……ここでは諸事情を踏まえて割愛する。


 そして、CMに突入した。



「この世界は一体、どこへ向かうのだろうか?」


 CMで突如として登場した人物、制服を着て、それに携帯型のバッグ、アサルトライフルのARガジェット、それに黒髪セミロング気味な女性……それはレインボーローズだった。


 コスプレなのでは……と思われたが、声を聞けば対電忍のレインボーローズを担当した女性声優の声なので、即バレである。


 その彼女が目の前にしていた光景、それは草加駅にあるビルの大型ビジョンに映し出された……。


『この世界に存在する犯罪者は、すでに転売ヤーを残すのみ。それ以外はニュースで報道されることなく、人知れずに滅亡をしている』


 映し出されていたフードを深くかぶった人物、体型を踏まえると明らかに男性ではあるのだが……かぶり方的に目は見えない。


 口元にはインカムっぽいものもチラリと見えているので、それでボイスチェンジしている可能性もあるかもしれなかったが……違う様子。


『自分は転売ヤーのリーダー、君たちの探していた指名手配金額1000億円の……男だ』


 彼は、自分から最初の指名手配された転売ヤーと明言したのである。


 外見は目がフードで隠れている以上、指名手配画像の人物と同一なのかを見分けるのは難しいが……。


『我々は宣言する。日本だけでなく、世界を支配している存在は……転売ヤーであり、それ以上でもそれ以下でもないと』


 その後に様々な場面が流れていくのだが、どう考えても……これは対電忍ではない。


『自分を捕まえられるものなら、捕まえて見せろ! 1000億の賞金首は……』


 彼が全てを言い終わる直前、タイトルが出現する。


【劇場版コスプレイオブパルクール・ビギニング】


 そう、これはまさかのコスプレイオブパルクールの劇場版のCMだったのである。


 もちろんだが、テレビアニメ版の方だ。実写特撮版と言う訳ではない。


 一体、テレビアニメも第2話だという中で、この劇場版は何をやろうというのだろうか?


 ビギニングと表記されていたので、もしかすると序盤エピソードの特別編集版かもしれない。


 実際にテレビアニメ版の始まる前に先行版を劇場公開するケース、数話を試写会で公開するケースなどもある。


 コスプレイオブパルクールは、前者を取ったというべきか。


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