第9話 悪役令嬢シリーズ。その3
エヴァから言伝があった。
今日は体調がすぐれず、欠席します。申し訳ございません。
すぐに行きたい。こんなところに座っている場合じゃない、、、、大丈夫だろうか?そう言えば、近衛の朝練にもここのところ来ていない、、、、母の所にも、、、、なんか、大変な病気だったらどうしよう?王城の医師団を連れていくか?
陛下の挨拶の後、陛下と王妃のダンス、、僕はエヴァがいなかったので、おばあさまと踊った。イリアナ王女が何を勘違いしたのか、にっこり笑って来賓席から立ち上がったが、、、また座った。
国王陛下から、聖域でルビーが見つかったことが発表されると、
舞踏会会場は、沸きに沸いた。発見当日同行した学者や山師、神官たちが褒賞される。ようやく、だ。ここまで来るのに、かなりな調査が必要だったから。
神官が代表して、皆の前で話す。
「この国は、神話の時代から、女神に守られてきた。私たちはそれを伝え続けて行かなければならない。この国に恵みをもたらすもの、、、女神は、、、、ベルンハルト次期国王の妻になられる、エヴァリンデ様でございます。
彼女は、隣国語をはじめとする外国語教育の幼少期からの必要性を説き、不毛の地とされた北部開拓に自ら赴き、オリジナルの蕎麦の品種を開発され、領民を飢えから救い、、、、そうして、このルビー鉱山を発見されました。」
おおーーーーと、歓声が上がる。
「そしてなにより、、、その発見を、、、神話を受け継ぎ、聖域を守り続けた神殿のおかげだと、、、、、、」
(気持ちはわかるが、、、泣くな。話が長くなる。)
「この国は、より豊かになる!!」
拍手と、歓声と、、、、見せてあげたかったなあ、エヴァ。
*****
「マーサ?」
「落ち着かれましたか?」
夜中にそっとドアが開けられた音がした。
布団の中で丸まりながら、、、、
マーサがベットの脇に座って、背中あたりをポンポンしてくれる。
「ねえ、マーサ、、、私ね、、、、びっくりしたの、、、自分がこんなにベルが好きだって、気が付かなかった。あの小説を読んでから、、、あの人が、真実の愛に気が付いて、、、幸せになってくれたらいいと、思っていたの。そのほうが良いんじゃないかって、、、私が悪役令嬢になったらいいんだわ!って。」
「・・・・・」
ぽん、ぽん、、、
「いざとなったら、、、やっぱり、ベルに婚約破棄を突き付けられるのは嫌だったの、、、舞踏会は、私の大事なお仕事なのにね、、、行く勇気がなかったの、、、どちらにしろ、、、婚約者失格よね。悪役令嬢って、もっと強靭な精神力がいるのね、、、」
「・・・・・」
ぽん、ぽん、、、、
「婚約破棄は、、、お父様経由で来るのかしら?そうよねえ、、、家同士の、政略的なものなんですもんね、、、、皆さん、おっしゃってたわ、、、政略結婚なんて、そんなもんだ、って。愛とか、無いんですって、、、知ってた?」
「・・・・・」
ぽん、ぽん、、、、
「私、、、世の中のことを知らな過ぎたわ、、、これでいいのよね?悪役令嬢にもなり切れなかったし、、、、、、、隣国の王女様とベル様、お似合いだって、、、、皆さま、、、そうおっしゃって、、、」
「・・・・・」
ぽん、ぽん、
「国外追放されたら・・・・どこに行こうかしら、、、、私、、、、」
ぽん、ぽん、
「エヴァ、、、」
「??」
がばりと起き上がると、、、カーテン越しに、月が真ん丸だった。
ベットに座るベルに驚く。王城の舞踏会会場から真っすぐ来たのか、、正装だった。
月明かりにでも、いつもの優しい笑顔がわかる。
ベルが、、、、私の布団をぽん、ぽん、してたの??
「僕はね、、、、間違いなく君のことが大好きだし、君のいる人生は楽しく、豊かだと思うよ。言葉が足りなくて、不安にさせてしまったのかな?僕を置いてどこにもいかないで。」
「・・・・ベル?」
「僕の悪役令嬢は、素敵だよ。手を出して。」
「・・・・・」
言われるがまま、おずおずと布団から両手を出すと、左手の薬指に、指輪?
月の光に照らされて、赤く光る、、、、
待って、だって、あたし、、、、
ベルが私が包まった布団ごと抱きしめて左手にキスしてくれた。
「今日の舞踏会で渡すつもりだったんだよ。女神のルビー、ようやくできたとこだったんだ。エヴァ、、、知ってる?ルビーの石言葉は、深い愛、だよ?」
そう言って、、、、キスしてくれた、、、、
月が、、、見ているわ、、、ベル、、、




