第7話 悪役令嬢シリーズ。その1
悪役令嬢のモデルは、まあ、、、大概縦ロール。似合う子いるのかな?と、思っていたんだけど、エヴァ、、、似合うよ?かわいいね。
いつも姿勢がいいから、歩き方も綺麗だし。
「あら、まあ、あなた!スカートがほつれておりましてよ?」
と、言うと同時に、すれ違った子のスカートのすそを縫ってあげてるし。
「Aランチ?そのようなものは頂きませんことよ?」
と言いながら、僕とお揃いのBランチ食べてるし。どこを目指しているのか、、、今回ばかりはよくわからない。
ごっこ遊びみたいなもんかな?と、思い始めている頃、、、、隣国の王女が短期留学に来た。髪色は、、、、ピンクだ。おお、、、、ヒロインの髪色だね?
・・・・待って待って待って、、、、王子は僕か?
まあ、外交の一環でもあるから、2年生に転入した王女の面倒は僕が見ることになる。エヴァに負けないように、隣国語はかなり勉強したから、コミュニケーションにも困らない。王女もこの国の言葉を勉強してきただろうし。
校内を案内したり、昼食をご一緒したりした。まあ、仕事。
授業を終えて、エヴァの教室に向かおうとすると、王女,イリアナが、教室の出口で僕を待っていた。心細くって、、、と、言われたら、、、まあ、慣れるまではご一緒しましょう、、、、って、、、、言うしかないよね?
少し待ってもらって、エヴァに一緒に帰れなくなったと告げに行く。
「よろしくってよ。」
まだ、、、ごっこ中なんだね?
イリアナは、、、、足が急に痛くなったり、、、、急に甘いものが食べたくなったり、、、結構めんどくさい。口には出さないが。
その度に、、、横抱きして馬車まで送ったり、カフェに付き合ったり、、、まあ、、、すぐ帰るしいいか、、、、
僕は、それが学院内でどんな噂になっているのか、まったく知らなかった。
送り迎えもすることになって、、、昼食も、放課後もイリアナと一緒。
エヴァに声を掛けようとすると、絶妙なタイミングでイリアナが前を横切る。
エヴァは、、、縦ロールを揺らしながら、ずんずん行ってしまうし。
でも、まあ、、、どうせ王城でエヴァは母に王妃教育を受けているし、、、
変な安心があった。
その日も、帰り際に、この国のお土産を買いたいだの、特産物を見せろだの、、、すっかり遅くなってしまった。
「ベルンハルト?あなた、エヴァちゃんとけんかしてるの?」
「は?」
母が、、、珍しく部屋に下がらずにうろうろしていると思ったら、、、、
「エヴァちゃん、、、、しばらく王妃教育はお休みします、って、、、ここのところ来てくれないのよ。まあ、、、教えることもそうないんだけどね?来ないと寂しいのよお母さん、、、、、」
「え?」