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第6話 ロマンス小説。

僕が高等部3年になった春に、ようやくエヴァが入学してきた。

女子の制服がこんなにかわいかったなんて、、、気が付かなかったよ。うん。かわいい。

登下校はもちろん、昼食も一緒。

僕は、、、正直に言おう。うれしい。


ほんのり日焼けも残り、健康的。金髪は相変わらず三つ編み。ブラウスにタイ。襟付きの上着、ひだスカートはチェック柄、、、似合うね。


授業をさっさと切り上げて、一年生の教室の前で待つ。

変な虫が着いたら困るし。

婚約者を教室の前で待つなんて、一体何なんだ?邪魔だよね?って、ついこの前まで思っていた。今ならわかる。心配だよね?


「お待たせしました。ベル。」

「ああ。」


今日は花柄のカバーのついた本を小脇に抱えている。何?


「ああ、これは、クラスメイトから、ロマンス小説、というのをお借りしたんです。とても面白いお話らしく、同級生の女の子たちの愛読書らしいんですよ?この後も何冊かお貸し頂けるみたいで、、、」


(ロ、、、、ロマンス小説、って、、、恋愛もんでしょ?そうかあ、、、いい!!)


僕は18になるし、エヴァももう16だ。

手をつないだことはあるし、、、ダンスのお相手はいつもエヴァだし、、、デートはいつも視察みたいになっちゃうけど、、、、そうね、、、そろそろ次のステージに、、、


まさか、、、恋愛小説読んで、斜めな方向にはいかないでしょ?ね?エヴァ?





僕は、、その時の能天気な自分を悔やむことになる、、、、割と早く。






「悪役令嬢シリーズ?なんなん?」


エヴァの侍女から報告が来た時、僕は軽く《《?》》だった。

取り寄せにくいでしょうから、と、親切にも同じ本を送ってくれた。何種類か、同じような趣向でシリーズ化されているらしい。


まあ、、、、おおよそ、、、王子様の婚約者がつんけんした嫌味な女で、婚約者の身分や自分の立場を利用して、威張っている。で、そこにヒロイン登場。身分の低い令嬢だったり、隣国の王女だったり、、、、そして、、、王子はその子と恋に落ちる。

(・・・・・なぜ?)

婚約者はありとあらゆる嫌がらせをし、王子は愛想をつかし、婚約者に婚約破棄を突き付ける、、、、、、、、

(・・・・・???まあ、、、常識的に考えてしまうと、疑問しかないが、、、お話だしな、、、、楽しいのか?この話???)


決め台詞は、、、、僕は真実の愛を見つけた!

(????真実の愛、、、、ねえ、、、、)


シリーズの何作かは読んだが、まあ、、、似たり寄ったりかな?

婚約破棄された令嬢は、、、死刑だったり(?)国外追放だったり、、、修道院送りになったり、、、、、、、、、、場合によると、素敵な男にプロポーズされたり(?)


で、、、、この小説のどこに?エヴァ?



休み明け、、、、、エヴァをいつものように迎えに行った僕は、、、、、


エヴァ?金髪が、縦ロールになっているよ?前髪ぱっつんでかわいいね。












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