第2話 児童書。
月に一度のお茶会は定例。婚約者だし。
エヴァは近衛の朝練に来るようになったから、毎朝会ってるけど。
「ベル様、私、とても面白いお話を読んだんですの!!読み聞かせして差し上げますね!!」
(今度はなんだろう?)
王子が魔女に呪いを掛けられて、娘が山に行ったり海に行ったりして薬草を揃え、薬を作り、無事に魔女の呪いを解く。めでたしめでたし。
(さあ来い、、、、驚かないぞ、、、どこだ?魔法か?)
「凄いですよねえ、、、この子!自分で勉強して、隣国に行ったり、海沿いの国に行ったり、、、、薬草の勉強ももちろんですが、その、異国語を習得する意力!!!!すばらしいと思いませんか?言葉が通じるからこそ、その土地の皆さんが協力してくださったんですよね?」
(そこか、、、、、)
「ところで、ベル様は魔女に魔法を掛けられたりしていませんか?遠慮なくおっしゃってくださいね!!!私が勉強して解いて差し上げますから!!!隣国にもいきますから!!!」
(なんだ、その、突き上げたこぶしは、、、、)
「それでね、早速、隣国語の勉強を始めたんですの。丁度、お勤めしている隣国出身の方がいて、、、うふふっ、、私との会話は隣国語だけ使ってもらっておりますの。まず、会話ですよね?あと、海沿いの国の言葉は、出入りの商人に頼んでおります。
実際お話されている言葉は、教師から習っている言葉と違って、面白いですわよね?」
「・・・・・」
国王の誕生日のお祝いに、国の内外からお祝いが届き、パーティーが開かれた。まあ、毎年のことだ。
僕は客人との謁見に同席し、エヴァも、大公殿とお祝いに来ていた。
今日は薄いブルーのドレス。レース使いがかわいい。
「ど、、、どうされましたか?」
パーティーが始まって間もなく、隣国からの使者が胸を押さえて苦しみだした。
ざわつく会場。その時、、、何の躊躇もなく、エヴァがその人に駆け寄る。
一言二言話をして、水の入ったグラスを持って戻る。
客人は水を飲み干すと、恥ずかしそうに頭をかいた。
その後も、何やら楽しそうに会話している。
「急いで食べ過ぎただけみたいですね?しかし・・・エヴァ様の隣国語は完璧ですね?少し、スラング気味ですが、、、
あの方は、隣国語も達者なのですねえ、、、隣国に興味がおありで?」
「・・・・ああ、、、、僕のために薬草を取りに行くらしい、、、」
「??」