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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
2章 目指せSランクパーティー
72/129

#72 どうやら最終エリアだったらしい

 9月17日(火)


「昨日の釣りは楽しかったねー」

「あんなに釣れるとは思わなかったね~」

「そうですね。お土産に持って帰ったお魚を、家族も喜んでくれましたし、行ってよかったですね」


雛もほのかもうちに泊まったのだが、釣った魚は俺が居残りをしている間に、唯佳の転移で一旦自宅に持ち帰ったそうだ。


「ここでも釣りしてみる?」

「どんな魔物が釣れるかなー?」

「普通の釣り竿だと折れてしまいますよ?」

「あ~確かにそうだね~」

「春く〜ん、釣り竿にダイヤモンド融合したら折れなくならないかなー?」

「いや、しならなくなって、逆に折れやすくならないか?」

「ダイヤモンドの強度が勝つか、撓らなくなって折れやすくなるのが勝つか、試してみる?面白そうじゃん!」

「糸も普通の糸では簡単に切れてしまいますよ?」

「そっかーダイヤモンドの糸はー?」

「流石に釣り糸くらい細くしたら、ダイヤモンドでも切れるんじゃないか?」

「相手が魔物ですから尚更切れそうですね」

「ダメか〜」


 釣りに行った翌日、俺達はいつもの放課後同様ダンジョンに潜っている。


 一昨日到達した51階層は海エリアの様だが、外周部には壁があり、その壁の屋根の上を空中を駆けて移動している。


 40分くらい移動して行くと、壁は内側に直角に曲がっていたが、この階層自体はまだ直進出来るらしい。


 直進出来る方向には、水に浸かって屋根しか見えていないが、大きく立派そうな建物がある様だ。


「壁は内側に曲がったけど、これって...」

「潮の香りがするので、海エリアだと思うんですが、屋根の感じから言って、ひょっとして最終エリアなのではないかと思えて来ました」

「最終エリアって、お城なんでしょ?これってお城なん?」

「多分、中国のお城なんじゃないかなー」

「中国のお城って、こんな感じなん?」

「水浸しではないけど、イメージ的にはこんな感じだな」

「水中戦で最終エリアの魔物の数を相手にするのは、正直キツいですね...」

「次階層への階段が何処にあるかだな」

「そだねー」

「屋根の上にあってくれれば、わざわざ水中戦をやる必要はないもんね」

「一応、昨日買って来た水中でも呼吸が出来るマジックアイテムはありますけど、動き難さまでは改善されませんからね」

「俺と雛は水中戦の経験はあるから何とかなると思うけど、他のみんなは慣れるまでキツいだろうな」

「そうだね~」

「取り敢えず、階段がありそうな方に進んで行くか?」

「そうですね。どっちみち階段を見つけない事には先に進めませんし、そうしましょう」

「「さんせーい」」


 水中戦の事は後で考える事にして、一先ず次階層への階段を探す事にした。


 いつも通り雛を先頭に進んで行く。

 30分程進んだ所で雛が止まった。


「多分この辺だと思う」

「この建物の中か?」

「多分」

「何処から入るんだろうねー?」

「こちらに入り口らしき物がありますよ」


 建物の側面を覗き込んだほのかが、入り口らしき物を見つけた様だ。


「これは水中戦は覚悟しないとだな」

「そうですね」

「取り敢えず、様子見てくるね~」

「雛、ちょっと待って。ここは俺が行って来るよ。マジックアイテムも試してみたいからな」

「ん?そう?じゃあ、任せるね」

「ああ、じゃあ行ってくるな」


 俺は水中でも呼吸が出来るマジックアイテムを咥えて、水中に潜った。


 潜った途端に魔物達に囲まれていたが、それは潜る前からサーチで判っていたので、慌てる事なく魔物達を屠って行く。


 周りの魔物達を屠りながら建物内へと侵入して行くと、しっかりと次階層への階段があった。


 俺はみんなの所に戻って、階段があった事と水中の様子を伝えた。


「おー!雛ちゃんドンピシャだったねー」

「流石ですね」

「えへへ〜」


 雛が、唯佳とほのかに褒められ照れている。


「今ならここから階段までの間の魔物は少なくなっているから、階段近くまで移動して、俺と雛以外が水中に慣れる練習をしよう」

「「「は~い」」」

「キュッ!」

「パオ!」


 みんなを連れて次階層への階段の所まで戻った俺は、一旦階段部分に降りた。

 階段部分には水はなく、普通に呼吸も出来た。


「ここには水がないんだねー」

「不思議だね~」

「他のダンジョンの海エリアでも、同じ様に階段部分では水は無かったそうですよ」

「そうなんだー」

「不思議だけど、そもそもダンジョン内なんだし、あまり気にする事ではないさ。それより水中に慣れる練習なんだけど、今までのダンジョンの最終エリアと同じ様に、唯佳が結界を張ってほのかとエレンは結界内から魔法を撃ってくれ。雪兎はまずは結界内で動きを確認して、慣れて来たら魔物に攻撃をして行こう。俺と雛は万が一の時にフォロー出来る様に待機で」

「「「はい!」」」

「キュッ!」

「パオ!」


 階段から出ると同時に唯佳が結界を張り、打ち合わせ通りにみんなが動き出す。


 水中では火魔法の威力は落ちてしまうので、他の属性の魔法を使う事にしたらしいほのかとエレンが、色々な属性の魔法を試している。


 雪兎は結界内で動きを確認した後、近くの魔物に攻撃を仕掛けて水中戦を始めており、その近くでは雛が見守っている。


 唯佳の弓の攻撃は、水中では威力がかなり落ちてしまい、ダメージを与える事すら難しい様なので、結界と回復魔法で活躍してもらう事にした。


 ほのかとエレンが水魔法の新しい魔法、ステイボルテクス(留まる渦潮)という、球体で囲まれた中だけで激しい渦が巻き起こる、留まる水流に似ているが、威力が上がって範囲が広がった魔法で、範囲内の魔物を殲滅している。


 全員が水中戦での戦い方が決まった様なので、52階層に進む事にした。


 唯佳だけ水中戦での攻撃手段がないからか、少し元気がない様に見えるので、後でフォローしておこうと思う。


 52階層は、いきなり水中からのスタートになる様だ。


「階段の外が水中なんだねー」

「そうですね。それに51階層と違っていきなり建物内の様ですし、空を駆けて移動して行く事も出来なさそうですね」

「スタート地点が偶々水中だっただけで、建物の外に出れば51階層と同じ様な感じなのか、ずっと水中なのかで変わって来ると思うけどな」

「まあ、慣れればいつもと変わらず移動出来るっしょ」

「そだねー」

「じゃあ、行こうか。ほのか、エレン、正面通路の魔物を片付けてくれるか?」

「はい分かりました。レイジングストリーム」


 ほのかとエレンが、水魔法の範囲魔法であるレイジングストリームを発動させ、正面通路の水諸共魔物を押し流し、光の粒子へと変えて行った。


「すっご!水ごと魔物を押し流しちゃった」

「水が流れて行ったって事は、何処か外に出れる所があるのかなー?」

「そうかもしれませんね。それよりも、水が戻って来る前に進んでしまいましょう」


 ほのかの提案に従って、水のなくなった通路を走って移動して行く。


 ほのかとエレンが全力で放ったというレイジングストリームの威力は凄まじかった様で、大凡おおよそ2kmもの距離を移動して来る事が出来た。


「今回は存在する水も利用して魔法を発動させたので、威力も範囲も桁違いになりましたけど、水がない場所ではこうは行きませんよ?」

「そうなんだ~でも、凄い魔法だったね~」

「うん!水がある所だけでもこんな威力が出せるのは凄いよー」

「キュッ!キュキュッ!」

「パオー!!」

「ふふっありがとうございます」


 雛と唯佳それに雪兎に褒められ、誇らしそうにしているエレンを撫でながら、ほのかがお礼を伝えている。


 水が戻って来るギリギリの場所まで進み、唯佳が結界を張り、俺達は今その結界内にいる。


 結界の後ろには水はなく、リスポーンした魔物もワイト以外は言葉通りの陸に上がった魚である。


 水棲の魔物でも、マーマンの様な水陸両生の魔物なら問題なかったのかもしれないが、51階層から出て来た魔物は鋼鱗こうりんオオカミ魚という、通常のダンジョン外に普通にいるオオカミ魚を大きくし、鋼で出来た鱗を纏った魚型の魔物だったし、52階層から出て来た魔物はデッドリーポイズンポーキュパインという、猛毒を持った1m程のハリセンボン型の魔物だったので、水がない所にリスポーンしてしまっては、何も出来ずにやられるのを待つだけの状態だ。と思っていたら、デッドリーポイズンポーキュパインが身体の針を飛ばして攻撃して来た。


「あのハリセンボン、針を飛ばして攻撃出来るんだな」

「唯佳っちの結界がなかったら春斗っちに当たっていたね」

「そうですね。気を付けないと行けませんね」

「分かった?春くん」

「俺だけじゃないだろ?」

「1番心配なのは春斗っちでしょ?」

「油断癖がありますからね」

「だよねー」


 実績があるだけに言い返せない...


「まあ、全員気を付ける事にして、今日はほのかとエレンのレイジングストリームでゴリ押しして進んで行くか」

「気を付けるに越した事はないですから全員気を付けましょう。進み方はそれで構いませんよ」

「「は~い」」


 打ち合わせの後、ほのかとエレンのレイジングストリームで40分程進んで行き、今日の探索を終える事にした。


 いつも通り土魔法で壁を作り、支部に転移で戻り換金なども終わらせて帰宅した。


 53階層への階段は見つからなかったものの、全員レベルアップする事が出来たので、笑顔で帰る事が出来た。


 名前:黒木くろき 春斗はると 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:1,546,209歩

 従魔:雪兎ゆきとLv9(風雷雪ふうらいゆきうさぎ)

 エレンLv9(クリエイティブエレファント)

 Lv:37⇒38

 MP:244/244⇒250/250

 力:345⇒354

 耐久:290⇒299

 敏捷:317⇒325

 器用:260⇒266

 魔力:157⇒162

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLvMAX、剣術LvMAX、纏雷、リペアLv7⇒8、鑑定、剛力、アイテム融合、テイム、せいおう、瞬歩、槍術Lv1

 ※ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇


 名前:白坂しらさか 唯佳ゆいか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月14日

 称号:聖女

 Lv:37⇒38

 MP:355/355(1065/1065)⇒364/364(1092/1092)

 力:141⇒146

 耐久:162⇒168

 敏捷:169⇒173

 器用:335⇒345

 魔力:342(1026)⇒350(1050)

 運:77/100

 スキル:女神の祝福、光魔法Lv3、MP回復速度2倍、空間収納、誘爆、転移

 ※女神の祝福効果

 魔力3倍、MP3倍


 名前:桃井ももい ひな

 年齢:16歳 誕生日:5月5日

 Lv:37⇒38

 MP:260/260⇒266/266

 力:323⇒330

 耐久:292⇒300

 敏捷:356⇒366

 器用:257⇒263

 魔力:185⇒190

 運:93/100

 スキル:レア率固定、剣術LvMAX、忍術Lv5、アクセラレーション

 ※レア率固定効果

 ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される


 名前:青山あおやま ほのか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:7月1日

 Lv:37⇒38

 MP:340/340(680/680)⇒349/349(698/698)

 力:155⇒159

 耐久:161⇒166

 敏捷:165⇒170

 器用:199⇒206

 魔力:352⇒361

 運:69/100

 スキル:創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減、演算、雷魔法

 ※創造魔法

 ・イメージした魔法を所持属性に限り創る事が出来る。

 ・最大消費MPは、イメージした時に自動で設定され、それ以上にはMPを込められない。

 ・最大消費MP以内であれば、自由に調整出来る。

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