#7 またトラブル
7月7日(日)
今日も朝9時にダンジョンに潜った。
今日はいつもと違う事があった。
1つ目は可憐さんではなく、紗奈さんに見送られた事、これは昨日から知っていたし悪い事ではないから別にいい、2つ目はダンジョンに来る途中で30万歩に達し、リペアというスキルを覚えてウキウキしていた事、そして3つ目は面倒事だった。
「おいっ黒木!!俺と勝負しろ!!」
ダンジョンに入って20分、俺達は三森に絡まれていた。
ウキウキしていたのが悪かったのか?
「いや、三森。勝負って何だよ?探索者同士の揉め事は、下手したら処罰の対象だぞ?」
「うっせー!そんな事は分かってんだよ!でもなぁ、俺より弱え曲にいい女3人も侍らせやがって、調子に乗ってんのが悪いんだ!!」
「.....滅茶苦茶な言い分だな。別に俺は3人を侍らせている訳じゃない、3人はパーティーメンバーとして一緒にいるんだ。それに、調子に乗ってるつもりもないぞ?」
「うっせーそういう屁理屈を言う所が気に入らねえんだ!!いいから勝負しろ!!」
言い終わるやいなや三森が剣で襲いかかって来た。
「唯佳、結界で3人を!」
「うん。結界!」
俺は唯佳に指示を出しスキルを発動。
「纏雷」
次の瞬間、三森の剣を受けようとした雷を纏った刀が鉄で出来ている剣を切断した。
更に刀が纏った雷は、触れた剣から持ち主へと伝わり
『バチバチバチッ』
「ぎゃーーーー」
三森を感電させた。
「「「「.....」」」」
俺達は啞然としてしまった。
「春くーん。今の何?すっごーい」
「春斗っち〜剣斬ってたよ!凄過ぎなんだけど!!」
「春斗くん、凄いです凄いです凄いです。凄く格好良かったです!!」
3人に抱き着かれた。
「剣が...斬れた.....?」
「うん!斬れたー」
「うん!斬ってたよ!」
「はい!一刀両断でした!!」
自分でも信じられないけど、俺はホントに剣を斬ったらしい。
「...取り敢えず、三森連れて戻って事情説明しようか」
「うん!」
「そうだね」
「賛成です」
三森を連れて受付カウンターに戻って来た。
「あれ?みんなどうしたの?」
そんな俺達に紗奈さんが近づいて来て質問して来た。
俺達は、紗奈さんに事のあらましを話した。
「ちょっと待っててね。上司に報告して来るから、高木くんここお願い」
紗奈さんは、近くにいた職員さんにこの場を頼み、自分は上司に報告に行ってしまった。
俺達はここで待ってればいいのかな?
「警備の高木です。彼はこちらで預かります」
「あっはい。お願いします」
どうやら警備部の人だったらしい。
「クローバーの皆様、こちらへどうぞ。高木くん、彼も連れて来てちょうだい」
「「「「「はい」」」」」
俺達だけじゃなく、高木さんも声が揃った。
俺達は、別の元教室に案内された。
その直後
「失礼します。お待たせしました。私は、この支部の支部長の井上です」
「あっどうも。クローバーの黒木です。どうぞ、普通に喋って下さい」
「そうかい?じゃあ、そうさせてもらうよ」
その後、唯佳達が順に自己紹介をしていった。
「早速話を聞きたいんだけどいいかな?」
「はい」
「では、彼がダンジョン内で追いかけて来て、因縁を付けて来たらしいけど、何か原因は思い付くかな?」
「この間、私が三森くんにパーティーに誘われたんですけど、もうこのパーティーを組んでいましたし、その、三森くんの事はあまりよく思っていなかったのでお断りしたんです。それが原因じゃないかと...」
唯佳が自分のせいじゃないかと答えた。
「いや、唯佳っちのせいじゃないよ。あいつは前から唯佳っちの事が好きだったから、唯佳っちの近くにいつも一緒にいる春斗っちが許せなかっただけ、だから三森の自業自得だよ」
「そうです。今回の件は、彼の傲慢が招いた結果です」
「なるほど、でもそうなると、正直には話してくれないだろうな~」
確かに、自分の色恋事はあまり他人には言いたくないもんな~きっと。
俺にはまだ、よく分からんけど。
「あと、この彼の剣は、黒木くんが?」
「はい。防御系のスキルを使って刀で受け止めようとしたら斬れちゃいました」
「いや、斬れちゃいましたって...」
「でも、斬れちゃったので」
「.....」
それ以上言い様がないんだから仕方ないんです。黙ってそんな目を向けないで下さい。
それ以上説明する事のない俺達は、一先ず解放された。
「1ついいですか?」
「ほのかっちどうしたの〜?」
「今日も1階層で狩りをする予定でしたけど、2階層に行ってみませんか?」
「2階層に?」
「はい。唯佳さんと雛さんはレベル2になりましたし、春斗くんも私も1階層の魔物はほぼ一撃で倒せます。であれば、2階層でもそこそこ戦えるのではないかと思うんです。いざとなれば唯佳さんの結界がありますし、危険と判断すれば戻って来る余裕はあるのではないかと考えました」
「おー私頑張るよ!」
「うーん、そうだな。1度試してみるか」
「オッケ〜行ってみよう〜」
ほのかの提案を聞き、俺達は2階層に降りてきた。
「2階層の魔物は新たにビッグボアが出て来る様になって、ゴブリンは最大10体、シンリンオオカミは基本的に5体で出て来ます。ホーンラビットは出ません」
「ビッグボアってお肉屋さんに売ってるあれ?」
「はい。あれです」
「角煮作ると美味しいあれ?」
「角煮にすると美味しいあれです」
「ビッグボアが肉にしか見えなくなりそうだ」
「ビッグボアは猪突猛進をそのまま表した様に突っ込んでくる攻撃とそこからのしゃくり上げがパターンだそうです。耐久が高い様で、かなり頑丈だという事です」
「真っ直ぐ突っ込んで来るって事は、俺と雛は左右に別れて避けて、ほのかの魔法で止めて左右から斬り付ける感じかな。もし、ほのかの魔法で止まらなければ、唯佳の結界で守ってくれ」
「うん!任せて!」
「結局はいつも通りだね~」
「1つ試したい事があるので、協力してくれませんか?」
「試したい事?まあ、いいぞ」
「ありがとうございます。では、ウィンドアーマー」
ほのかが唱えると同時に、俺の体が小さな竜巻を纏い、地面から足が離れた感じがした。
「おー春くんが浮いてるー」
「凄い凄い!面白そう〜ほのかっち、アタシにも出来る?」
「はい。ウィンドアーマー」
「お〜!」
「雛ちゃんも浮いたーほのかちゃん!」
「ふふっ唯佳さんも行きますよ」
結局全員にウィンドアーマーを掛け、移動の練習をした。
ウィンドアーマーでの移動は飛ぶと言うより、空中を走る感じだった。方向転換したい時は、壁を蹴る様に空中を蹴るとスムーズに方向転換出来た。
「慣れれば普通に走るより速そうだな」
「そうだね~それに上下動も自在に出来そう〜」
「効果時間が判らないので、それが判るまでは高く行き過ぎないで下さいね」
「落ちたら危ないもんねー」
「じゃあ、時間を計りながら行動しようか?」
「「「は~い」」」
俺はスマホでタイマーをセットして、行動を開始した。
最初に接敵したのは8体のゴブリン。数は増えたが、耐久値が上がった訳ではない。
ほのかが中心部に魔法を打ち込み、俺と雛がウィンドアーマーでの動きを確認しながら、左右から斬り込んだ。
ゴブリン達は、上下左右に自由に動き回る俺達に対応出来ず、ウィンドアーマーで威力の増した攻撃に一撃で消滅して行った。
「これヤバくない!?まだアタシ達が慣れてないからぎこちない感じになっちゃってるけど、それでもゴブリン程度なら翻弄出来ちゃうんだけど!」
「確かに、これから慣れて使いこなせる様になれば、適正階層よりも深い所で活動出来るかもな」
「ウィンドアーマー使用時の挙動に慣れたら、1度春斗くんのお父様に見てもらって、助言を頂く事は出来ないでしょうか?」
「あ~聞いてみるよ。取り敢えず先ずは慣れることだな」
「そうだね~使い熟せないのに見てもらっても意味ないもんね」
「じゃあ、どんどん練習しなきゃだね!」
その後もウィンドアーマーの練習がてら魔物狩りを続けた。
ウィンドアーマーの効果時間は1時間であると判った。消費MP2で1時間持続するのはかなり効率がいい。
シンリンオオカミも俺達の動きに付いて来れず、猪突猛進のビッグボアは言うに及ばずだった。
但し、シンリンオオカミは一撃で倒せたが、ビッグボアは雛は一撃で倒してみせたが、俺は一撃とは行かず、ほのかの魔法は消費MPを2にしたファイアーボールでなら一撃で倒せた。
ほのかに魔法の消費MPは自由に増減出来るのか聞いたら、最初に魔法を思い描いた時に自動的に最大値が決められるらしい、ただ、最大値以内であれば、自由に指定して調整出来るそうだ。
因みに、ファイアーボールの最大値は2で、これは既存のファイアーボールの消費MPが2なので、それが理由だと思われる。
狩りを続けていると、先ずはほのかが、そしてあまり間を置かず俺がレベルアップした。
そこからは俺も、ビッグボアを一撃で倒せる様になり、狩りの効率が上がった。
ウィンドアーマーの扱いにも慣れて来て、縦横無尽に宙を移動しながら戦闘を繰り返し、昼めしを食べる為に、ダンジョンを1度出る事にした。
名前:黒木 春斗 所属:クローバー
年齢:16歳 誕生日:6月26日
歩数:307,381歩
Lv:1⇒2
MP:18/18⇒25/25
力:12⇒20
耐久:11⇒20
敏捷:11⇒21
器用:12⇒21
魔力:10⇒13
運:76/100
スキル:ウォーキング、サーチLv3、剣術Lv2、纏雷、リペアLv1(New)
※ウォーキング
10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇
名前:青山 ほのか 所属:クローバー
年齢:16歳 誕生日:7月1日
Lv:1⇒2
MP:27/27⇒35/35
力:8⇒11
耐久:8⇒12
敏捷:9⇒12
器用:10⇒15
魔力:16⇒26
運:69/100
スキル:創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減
※創造魔法
・イメージした魔法を所持属性に限り創る事が出来る。
・最大消費MPは、イメージした時に自動で設定され、それ以上にはMPを込められない。
・最大消費MP以内であれば、自由に調整出来る。




