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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
6/129

#6 専属代理 海野 紗奈

 7月6日(土)


 あれから俺達は、毎日放課後にダンジョンに潜っている。


 サーチでホーンラビットを回避して、森へと行きシンリンオオカミとゴブリンを狩っている。


 日を追う毎に狩りの効率化が進み、昨日は238体も倒せた。


 サーチを持っていないパーティーだと、放課後だと1日に50体位しか倒せないと聞くので、破格の勢いで狩りを行えている事が分かる。


「おはようみんな」

「おはよ〜可憐姉」

「かれんさんおはようございます」

「可憐さんおはようございます」

「可憐ちゃんごめんね。土曜日なのに。デート行けなくなっちゃったよね?」

「唯佳ちゃ〜ん、大丈夫よ〜彼氏いないから〜」

「可憐姉、唯佳っちに悪気はないの!許してあげて!」

「かれんさん、すみません。私からもよく言っておきますので」


 唯佳が地雷を踏み抜いたせいで、変な空気になってしまったが、取り敢えずダンジョンに行ってしまおう。うん。そうしよう。


「じゃあ、ダンジョン行ってきます」

「はい。いってらっしゃい...」


 ダンジョンに入って森へと向かう。基本走っての移動だ。


「唯佳っち、人の恋愛事情に踏み込む時は注意しなよ~」

「そうですよ。肝が冷えました」

「ごめーん」

「まあ、次から気を付けような。今日は昼まで狩って、一旦外で飯食って18時位まで狩りをする感じで行こう」

「「「はい」」」

「森の端に早速1体いる。ほのか頼む」

「はい。ウィンドカッター」


 ほのかのウィンドカッターがシンリンオオカミの首を刎ねる。


「いつも通り最初はほのかの魔法を1発当てて、倒しきらなかった奴は俺と雛でトドメを刺すぞ。25体倒したらほのかはMP回復させてくれ、そのあとは俺と雛で斬り込むぞ!」

「「はい」」

「怪我したら私の所に来てね」

「分かった。頼むな」

「唯佳っち、頼りにしてるよ〜」

「うん!」


 怪我をしないに越した事はないけど、そうも行かない。ダンジョンに入ってから毎日、最低でも俺か雛のどっちかが唯佳の回復魔法の世話になっている。


 ダンジョンに入って3時間。俺達は可憐さんの所に戻って来た。


「お疲れ様。お昼食べに来たの?」

「そうだよー可憐ちゃんも一緒に食べよー」

「ふふっそうね。その前に換金しちゃいましょうか?」

「うん。お願ーい」

「極小魔石258個、通常ドロップ103個、レアドロップ26個、合計43,900円ね」

「お〜また最高額更新だ〜」

「凄いねー」

「連携もドンドン良くなって来ましたからね」

「そうだな。じゃあ換金も終わったし飯行こうよ」

「「「「は~い」」」」


 みんなで近くのラーメン屋さんに食事をしに来た。


「そういえば、可憐姉が休みの時ってアタシ達はどうすんの?普通に列に並べばいいの?」

「その時は代理の娘に対応してもらうわ」

「代理の人がいるんですか?」

「私も休みは欲しいしね。って私、明日休みだったわ。ご飯食べたら紹介するわね」

「宜しくお願いします。でも、うっかりしてましたね。私もかれんさんのお休みの事を忘れていました」

「ねー私もー」


 雛のお陰で、紹介されずに可憐さんが休みにならずに済んだな。よかった~雛ナイス!


 食事を終えダンジョンの受付カウンターに戻り、代理の人を紹介してもらった。


「はじめまして、源の代理を務める海野うみの 紗奈さなと申します。宜しくお願いします」

「クローバーの黒木 春斗です。宜しくお願いします。可憐さんみたいに砕けた感じで接してもらえると有り難いです」

「海野さん、弟や妹みたいな感じで接していいわよ。その方がいいんですって」

「えっ?そんな感じでいいんですか?」

「はい。その方がこちらも接し易いので、お願いします」

「分かりました。じゃあ、よろしくね」

「白坂 唯佳です。紗奈ちゃんよろしくー」

「桃井 雛です。よろしくね紗奈姉」

「青山 ほのかです。宜しくお願いしますね。さなさん」

「それじゃあ、早速明日宜しくね」

「「「「は~い」」」」

「はい。任せて下さい」


 紗奈さんとの挨拶も終わり、ダンジョンに戻る。


「さて、予定通り18時まで狩りと行きますか」

「「「は~い」」」


 今週、放課後に戦闘を繰り返し行った成果がこの日の午後に急に現れた。


【剣術のスキルレベルが2に上がりました】


 頭の中にアナウンスが流れ俺と雛の剣術スキルが立て続けにレベル2に上がった。


 すると刀のブレが改善され、狙った通りの場所に斬り付けられる事が増えた。

 お陰で急所に当たる回数も増え、俺も雛も一撃で倒せる回数が増えた。


 更に戦闘を繰り返し行えば行う程に連携も良くなる。


 最初は俺が指示を出してみんながそれに応えて動いていたのが、今では自分や仲間の役割、自分がどう動くべきか、仲間がどう動くかを短時間で言葉にせずとも理解して行動を起こせる様になってきた。

 とはいえ、まだ動きが合わない時もあるので、そういう時は戦闘終了後に移動をしながら反省会を行い、修正して次に活かせる様に思考の摺り合わせを行っている。


 そうなると狩りの効率がより上がる事になる。


「この先120mにゴブリン5体」

「「「はい」」」


 俺が左、雛が右から回り込む。俺達2人がゴブリンに辿り着く直前、中央のゴブリンにファイアーボールが直撃した。


 直撃したゴブリンは光の粒子に変わり、その両隣のゴブリンもダメージを受ける。

 突然の事に混乱するゴブリンの両サイドから、俺と雛が斬り込み一撃で光の粒子へと変え、そのままの勢いでその隣のほのかの魔法でダメージを受けているゴブリンにも斬り付け光の粒子へと変え戦闘を終わらせた。


「何かレベルが上がってないのに簡単に倒せる様になったね。何でだろ?」

「ほのかの魔力は、レベル1としてはかなり高いから、ほのかの魔法威力が高いのは分かるけど、俺と雛の力は平均か少し高い程度でそこまで違いが出るとは思えないんだよな~?」

「帰ったらかれんさんに相談してみましょうか?」

「そうだねー分からない事は、聞くのがいいと思うな」

「そうだな。そうしようか?」

「うん。アタシもそれがいいと思う」

「それじゃあ、取り敢えず狩りを続けよう」

「「「は~い」」」


 その後もそんな感じで狩りを続けていると


【サーチのスキルレベルが3に上がりました】


 俺のサーチのスキルレベルが上がった。

 サーチは、使っている時間が長い為か、レベルが上がりやすい事で有名なスキルだけど、それにしても早過ぎないか?


 理由を考えてみるが、分かる訳もなく、そういう物だと思う事にした。


 17時を少し過ぎた時


「あっレベルが上がった!」


 雛のレベルが上がった。


「雛、おめでとう」

「雛さんおめでとうございます」

「雛ちゃんおめでとうーうちで初めてレベルアップした人だねー」

「ありがとう〜みんな〜」


 そして30分後


「あーレベル上がったー」


 唯佳のレベルも上がった。


 同じパーティー内でもレベルアップのタイミングはズレる。

 唯佳の様に攻撃に参加しない役割の人が先にレベルアップする事もよくあるらしく、その事から魔物を倒すと手に入る、ゲームで言う所の経験値の様な物は、パーティーメンバーに均等に振り分けられていると考えられている。


 それでもレベルアップのタイミングにズレが生じるのは、ゲーム内でキャラによってレベルアップしやすいかし難いかの違いがあるのと同じだと考えられている。


 まあ、実証実験するのも難しいらしく、ずっと証明はされていないが、ほぼ全ての人が恐らく当たっているだろうと思っている事だ。


「おめでとう唯佳」

「唯佳っちおめ〜」

「唯佳さんおめでとうございます」

「わーい!みんなありがとー」

「時間もいい感じだし今日は帰ろうか?」

「「「は~い」」」


 狩りを切り上げ、専属カウンターまで戻って来た。


「みんなお疲れ様」

「「「は~い」」」

「かれんさん、ただいま戻りました」

「可憐ちゃん、私レベルアップしたよー」

「可憐姉、アタシも〜」

「えっ!もう?」

「「凄いでしょ〜」」

「確かに毎日、魔石の数は異常に多かったけど、まさかこんなに早くレベルアップするなんて...」

「あっそうだ可憐さん、ちょっと聞きたい事があるんですけど、今日の午後位から俺と雛が魔物を一撃で倒せる事が殖えたんです。剣術のレベルが上がったのでそれも影響してはいると思うんですけど、それだけが理由とも思えなくて、身体レベルが上がらなくても、魔物を簡単に倒せる様になる事なんてあるんですかね?」

「そういう事はあるわ。最近の研究でステータスの器用の値が高い人程、そういう傾向にある事が判ったらしいのよ。あなた達も器用の値が平均よりも高いしそれが理由だと思うわ」

「ステータスの器用ってそんな効果があったんですね」

「元々は職人さん系のスキルに影響するだけだと思われていたんだけどね」

「お〜器用が高くてよかった~」

「ほんとだな~」

「私の器用は何処で活きるのかなー」

「魔法使い系の人は魔力の運用が上手くなるとかですかね?私は器用の値は平均値なので期待は出来ませんが...」

「そうだとしたら面白いな。あとほのかの創造魔法は、そこら辺もカバーしてくれそうだし大丈夫だよ」

「そうそう、ほのかっちは器用の数値なんか気にしなくてもいいんよ」

「ほのかちゃん気にしなくてもきっと平気だよー」

「ふふっほのかちゃんの創造魔法は、そんな事は超越していそうよね」


 器用の数値が平均値のほのかが落ち込んでしまったので励ましつつ、話題を変える事にした。


「可憐さん換金お願いします」

「はい。それじゃあ、ドロップアイテムを出してちょうだい」


 唯佳がカウンターの上に午後の成果を広げる。


「また凄い量ね...」


 可憐さんが驚いている。


「ヘヘーみんな頑張ったもんねー」

「唯佳っちもいっぱい拾ってくれてあんがとね〜」

「少し時間もらうわね」

「はい」


 可憐さんが数え終わるのを待つ。


「お待たせ、まずは極小魔石が573個、通常ドロップが229個、レアドロップが57個で合計97,300円よいつも通りでいいわね?」

「はい」

「おー1人10,000円超えたー」

「もうちょいで20,000行ったのに~」

「午前中の分を入れれば、20,000円超えてますよ」

「そうだ!午前中の分があった~」

「1階層でこれだけ稼ぐパーティーなんていないわよ」


 確かになかなかいないかもな。

 俺達は明日の予定を話し合い解散した。

 可憐さん、お休み満喫して下さい。


 名前:黒木くろき 春斗はると 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:288,142歩

 Lv:1

 MP:18/18

 力:12

 耐久:11

 敏捷:11

 器用:12

 魔力:10

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLv2⇒3、剣術Lv1⇒2、纏雷

 ※ ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇


 名前:白坂しらさか 唯佳ゆいか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月14日

 Lv:1⇒2

 MP:26/26(78/78)⇒35/35(105/105)

 力:8⇒11

 耐久:9⇒13

 敏捷:8⇒12

 器用:14⇒22

 魔力:13(39)⇒23(69)

 運:77/100

 スキル:女神の祝福、光魔法Lv1、MP回復速度2倍

 ※女神の祝福効果

 魔力3倍、MP3倍



 名前:桃井ももい ひな

 年齢:16歳 誕生日:5月5日

 Lv:1⇒2

 MP:16/16⇒23/23

 力:10⇒19

 耐久:9⇒15

 敏捷:12⇒21

 器用:12⇒20

 魔力:9⇒14

 運:93/100

 スキル:レア率固定レア、剣術Lv1⇒2、忍術Lv1

 ※レア率固定効果

 ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される

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