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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
4/129

#4 専属担当 源 可憐

 トントン。ドアがノックされた。


「源です」

「お入り」

「失礼します」

「紹介するよ。お前さんらの専属に付く娘だよ。可憐、自己紹介しな」

「おいおい、ババア。専属って源を付けるのか?」

「専属ですか?」

「さっきの騒ぎは見ていただろう?面白そうなパーティーだったからね。スキルを教えて貰う代わりに専属を付けてやる事にしたのさ」

「支部長。流石に新人の子達に専属というのはどうかと思います」

「堅い事言うんじゃないよ!もう決めた事なんだから、あんたもそこに座って話をお聞き!」

「いい歳こいてわがままの治らねえババアだな!はぁ、源。諦めて座れ」

「分かりました」

「待たせたね。それじゃあ可憐、改めて自己紹介しな」

みなもと 可憐かれんと申します。宜しくお願いします」

「あの、ムリに専属を付けて貰わなくてもいいですよ?」


 あのやり取りを見てしまっては、気が引けてしまう。

 そもそもこちらから言い出した事でもないしね。


「お前さんらは、遠慮しなくていいんだよ。早くスキルの事教えておくれ」

「春斗。こうなったらこのババアは言う事聞かないから諦めろ」

「見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした。話を進めましょう」


 無かった事には出来ないらしい、早まったかな?


「じゃあ話しますね」


 俺達は、自分のスキルの説明をしていった。

 3人は、スキルの効果に驚きながら時折質問をしながら聞いていた。


「それでは、最後に私のスキルをお話します。私のスキルは、創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減の4つです。創造魔法は、私が思い描いた魔法を作れるスキルです。作れるのは、私の適正属性のみです。威力や効果によって消費MPは変わる様です。魔法を思いついても、MPが足りないと発動しません」


 ほのかのスキルもとんでもなかった。

 何でこんなにレアスキル持ちが集まったんだ?疑問に思ったが、答えはきっと出ないだろう。


「春輔の息子と結界のお嬢ちゃんだけじゃなく、全員がレアスキル持ちかい。こりゃ、よく集まったもんだね」

「レアスキルってだけじゃなくて、効果もヤバいスキルばかりじゃねえか...」

「これは、専属を付ける事にしたのは、結果として英断だったかもしれませんね」

「そうだろう。あたしの目は確かなのさ」

「偶々だろうが言い返せねえ」

「皆さんこれから宜しくお願いします。それで、パーティー登録はこれからでしたね?」

「はい。カウンターに行こうとしてる時にナンパされたから行けなかったんです」

「ではここでパーティー登録をしてしまいましょう。パーティー名はどうしますか?」

「パーティー名はクローバーでお願いします」

「クローバーですね?リーダーはどなたになさいますか?」

「春くんで」

「春斗っちで」

「春斗くんで」

「えっ?」

「では黒木さんで登録致します。登録されました」


 えっ?相談は?俺抜きで話し合っていたの?あと源さん、登録されるまでが異常に早くないですか?


「あの、聞いてないんですが...?」

「ダメだった?でもリーダーは春くんだよー」

「春斗っち以外なくない?」

「春斗くんが適任です」

「春斗、リーダーは男がやってる方が舐められないからお前がやっとけ」

「春輔の息子がリーダーなら絡んでくる輩も減るだろうね」

「はぁ、分かりました。リーダーやります」

「既に登録も済んでいますしね」


 いや、源さん?変更は出来ますよね?


「源さんにお願いが1つあるんですが、緊張するので口調を崩して貰う事って出来ませんか?」

「アッハハハ、大人としての対応じゃ緊張するかい。可憐、弟や妹に接するみたいに接しておやり」

「私一人っ子なんですけど。分かったわ。これから宜しくね」

「可憐ちゃん宜しくねー」

「可憐姉よろしく〜」

「かれんさん宜しくお願いします」

「可憐さん宜しく」

「ふふっ、一気に可愛い弟と妹達が出来たわね」

「それじゃあ仲良くおやり」

「源。宜しく頼む」

「黒木部長お任せ下さい」

「お前らはこれからどうするんだ?ダンジョンに潜るのか?」

「いや、装備もないから買いに行って帰るよ」

「そうか。気を付けて行けよ?金はあるのか?」

「初心者用の装備を買える位は持って来てるよ」

「そうか」

「剣鬼も息子の前じゃ親の顔だね。そういえば、お前さんらは何処のダンジョンをメインに潜るんだい?」

「専属を付けてもらってあれなんですけど、うちの高校に出来たダンジョンをメインにしようと思っています」

「まあ、その方が便利だから仕方ないね。今の期間なら、手続き上でもうちのダンジョンで問題なかったんだけどね。可憐、あんた明日からあっちに行きな。異動手続きはやっとくからね」

「分かりました。急いで引継ぎをしておきます」

「まあ、分からないことがあれば、連絡が行くだろうから対応しておくれ、同じ市内だし宜しく頼むよ」

「分かりました」


 可憐さんは、向こうに異動して来てくれるらしい。なんだか申し訳ないな。


 予定よりも大幅に時間が掛かったが、俺達はダンジョン協会の建物を出て、すぐ近くのダンジョン関連商品のお店に入った。


「いらっしゃいませ。お嬢様。本日はどうなさいましたか?」

「探索者登録をして来たので、パーティーの仲間と装備を買いに来ました。商品の説明をお願いします」

「畏まりました」


 俺達4人それぞれに店員さんが付いてくれ、商品の説明を丁寧にしてくれた。まあ、経営者の娘とその友人だもんな。丁寧にもなるか。


 防具は全員お揃いの革の装備になった。


「防具はお揃いだねー」

「まあ、1番安い防具一式だからね~」

「ほのかはそれで良かったのか?もっといいやつも買えるんじゃないか?」

「1人だけ浮くのは嫌です」

「そうか。そうだよな」

「春くーん...」

「春斗っちは鈍いね~」

「うっ。す、すまん」

「それでは武器はどうなさいますか?」


 店員さんが空気を変える質問をしてくれたお陰で、残念な子を見る目から解放された。


 武器は、俺と雛が刀、唯佳とほのかが杖を選んだ。初心者用の物なので安い物だが、それでも5万円。高校生にとっては大金だ。


「うう~早くダンジョンで稼がないと何にも買えないよ~」

「なんとか電車代は残ったー」


 雛と唯佳が寂しくなった財布の中を見て、悲壮な声を出す。

 俺もヤバいけど2人よりはマシっぽい。


「唯佳、俺は歩いて帰るな。1時間半位で帰れると思うから、ばあちゃんに伝えておいて」

「うん。気を付けてねー」

「ああ」

「私は甲州街道まで出てバスなので、2人とは別方向ですね」

「ほのかっちも別か〜じゃあ、唯佳っち2人で帰ろっか?」

「うん。そうだねー。雛ちゃんは北八だよね?」

「そうだよ。唯佳っちは小宮でしょ?なら八高線も一緒だね」


 俺達が今いるのは、富士森公園の近くだから、2人は西八から電車で帰る。ほのかは、少し距離はあるけど甲州街道まで歩いて、バスに乗って帰るらしい。


「それじゃあ、ここで解散だな。みんな気を付けてな?」

「「「は~い」」」


 俺とほのか、唯佳と雛に別れて帰路に着いた。


「春斗くんのお家まで、ここから1時間半で帰れるんですか?」

「地図アプリだと1時間15分って出てるから、たぶん平気だと思うよ?」

「なら、私の家までならもっと短い時間で帰れますね。私も歩いてみようかな?」

「おっ?ほのかも歩くか?」

「春斗くんのお邪魔じゃないですか?」

「邪魔じゃないよ。話し相手が出来て助かるよ」

「では、歩いてみます」


 現在の歩数は、169,482歩、少しでも歩数を伸ばしたいけど、ほのかとのんびり話しながらでも歩数は増える。

 甲州街道を抜け、16号に入り更に北へと進む。


「ほのかの家はどこら辺なんだ?」

「うちはこのまま真っ直ぐ行って、少し右に行った辺りです」

「そうなんだ」

「今度、みんなで遊びに来て下さい」

「分かった。お邪魔するよ」


 ほのかと雑談をしながら進む。

 浅川に掛かった橋を渡り、美味しいハンバーグ屋さんの手前に差し掛かった所で


「それでは、私はこっちなので、ここで失礼します。楽しくおしゃべりしながらだと、あっという間でしたね」

「そうだな。楽しかったよ。付き合ってくれてありがとな。それじゃあ、気を付けて」

「はい。ありがとうございます。春斗くんも気を付けて下さいね」

「ああ、ありがとう」


 挨拶を交わしてほのかと別れた。

 その後、大型家具店を過ぎ、高速のICを越え、滝山街道を右折して、ちょっとした山を登って家に着いた。


 ほのかとのんびり歩いて帰って来たせいか、時間が予定より掛かったが楽しい時間を過ごせた。


「ただいま〜」

「おかえりー春くん遅かったねー」

「おかえりなさい春斗。予定より遅くなるなら連絡ぐらいなさい」

「春斗〜おばあちゃんを心配させたらダメだぞ~?」

「お兄ちゃん遅いよ!お腹減っちゃったじゃん!」

「あっごめん」

「凛その辺で許して上げなさい、春斗はお風呂入って来なさい」

「うん」


 みんなに心配させてしまった様だ。妹の凛は、純粋に空腹で怒ってるようだが。

 風呂から出たら、両親も帰宅しており唯佳のうちのおじさんもいた。おばさんは夜勤で帰らないらしいので、今いるメンバーで夕飯を食べ、自分の部屋で就寝した。


 名前:青山あおやま ほのか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:7月1日

 Lv:1

 MP:27/27

 力:8

 耐久:8

 敏捷:9

 器用:10

 魔力:16

 運:69/100

 スキル:創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減

 ※創造魔法

 ・イメージした魔法を所持属性に限り創る事が出来る。

 ・最大消費MPは、イメージした時に自動で設定され、それ以上にはMPを込められない。

 ・最大消費MP以内であれば、自由に調整出来る。

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