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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
29/129

#29 唯佳はエスパー!?

「みんなおかえりなさい」

「「ただいま〜」」

「かれんさんただいまです」

「可憐さんただいまです。戻って早々ですけど、こいつの従魔登録お願いします」

「雪うさぎ?どうしたの?この子」

「春斗っちがテイムしたの〜、名前はアタシが付けたんだ〜」

「春斗くん、テイムスキル覚えたの?」

「ええ、一昨日覚えました」

「また、レアスキルを簡単に...それで、この子の名前は?」

「雪兎だよー」

「いい名前ね」

「でしょ〜」

「はい。登録したわよ」

「ありがとうございます。かれんさん」

「じゃあ、換金もお願いします。唯佳」

「はーい」

「え~と?小魔石が20個、デザートウルフの牙が4個、除湿剤が2個、雪うさぎのモモ肉が3個、デザートウルフの毛皮が1個、雪うさぎの毛皮が1個、合計で55,500円よ。20階層台のレアドロップは+1,000円で計算されるわ。魔石の数が少ないのは、その子が食べたのかしら?」

「うん!7個食べたのー」

「そんなに食べたの?普通はそんなに食べないって聞くんだけど...兎に角、これからは魔石の数は減りそうね」

「ええ、こいつの餌なので」

「分かったわ。それじゃあ、私達もご飯に行きましょうか?」

「「「は~い」」」


 俺達は、いつもの中華屋さんで昼食を摂り、ダンジョンに戻った。

 因みに、俺はホイコーローを食べました。

 あそこの店、どんどんメニューが増えてる気がする。


 今日は、25階層で狩りをする事にした。


「この階層は、スノーゴーレムが基本的に10体で、パンテラ・アンシアが最大3体、アルクス・アルクスが1体で出てきます」

「呪文が2つ聞こえたよ?」

「雛ちゃん、呪文じゃないよ?パンテラ・アンシアはユキヒョウの学名で、アルクス・アルクスはヘラジカの学名だよー?」

「ネットで調べると他にも言い方があるみたいだから、どれがホントか分からなかったけどな」

「...2人共何でそんなの調べたん?」

「「動物好きだから?」」

「...どんだけ好きなんよ」

「ふふっ息ぴったりですね」

「キュッ?」


 俺達のやり取りを、よく分かってなさそうな顔で見ていた雪兎を連れて、狩りに向かう事にした。


「そういえば、雪兎っちってこの階層で戦えるん?」

「キュキュッ!」

「任せろって言ってる様だけど...一応様子見しながら、戦わせてみるか」

「1階層違うと、強さも違いますからね」

「うん。そうだね~」

「ゆきくん、ムリしないんだよ?」

「キュッ!」


 雪兎を連れ、最初に遭遇したのはアルクス・アルクス。デカくないですか?普通のヘラジカは大きくても3m位って聞いていたけど、こいつは5mはありそうなんだけど。


 まず、雪兎が果敢に突進する。

 脚にしか攻撃してないけど、アルクス・アルクスは鬱陶しそうに鳴きながら、脚をジタバタと暴れさせるだけで、雪兎に当たる気配はない。

 でも、何で雪兎は脚ばかり狙ってるんだ?見る限り、有効ではありそうだけど。


 そう思っていると、雪兎がウィンドアーマーで空中を駆け出した。


 伝わってくる感情は、(忘れてたっ!)って感じだな。

 テイムの影響なのか、テレパシーの様な感じで、俺は雪兎の思っている事がなんとなく判るし、雪兎は俺の思っている事が大体判るようだ。


 空中を走れる事を思い出した雪兎は、アルクス・アルクスの腹部に攻撃を集中、そこから2分弱でアルクス・アルクスを倒して見せた。


「ゆきくんすごーい!」

「キュッ!」

「あんなに大きさが違うのに倒しちゃった~」

「でも、何で最初は脚ばかり狙っていたんでしょうか?」

「空中を走れる事を忘れてたらしい」

「キュッ!?」


 雪兎から、(バラさらされた!?)という感情が伝わってきた。

 ご、ごめんね。ダメだった?


「アハハッ雪兎っちはうっかり屋さんだね~」

「ご主人様に似ちゃったの?」

「唯佳?俺がいつ、うっかりやらかした?」

「ん?知りたいの?」

「いえ、大丈夫です!」

「ふふっゆきとくんも戦える様ですし、連携面も練習しましょうか?」

「そうだな。雪兎、周りの動きを見て、お前は相手を撹乱させる事に徹しろ。あと、俺の攻撃とほのかの魔法の時は距離を余計に避ける様にする事。いいな?」

「キュッ!」

「判ったのかな?」

「頭いいねー」

「どの位の知能があるんでしょうね?」


 アルクス・アルクスを立て続けに見つけ、俺の攻撃とほのかの魔法の威力を見せたせいか、その後の戦闘時にはきちんと距離を取って避けていた。


「雪兎もなんとなく判って来た様だし、ペースを上げようか?」

「うん。そろそろ本気で暴れたい!」

「分かった。雪兎は1回参加しないで、見ていてくれ」

「キュッ!」

「じゃあ、行くぞ!」

「「「はい!」」」


 近くにいたスノーゴーレムを瞬く間に狩り尽くし、更に近くにいた別のスノーゴーレムの群れも流れで狩り尽くした。


「ん?食べたいのか?」

「キュッ!」

「いいぞ。どれくらい食べるか判らないから、食べれるだけ食べていいぞ。あとで調整するかもしれないけど、適量が判らないからな」

「キュッ!」

「その間にコアⅡを融合しておくか」

「はいどーぞ」

「ありがとう唯佳」


 コアⅡを融合してコアⅡ★☆☆にして、雪兎が小魔石10個を平らげたのを見て狩りを再開した。


「スノーゴーレムをメインにして狩って行こう」

「「「はい!」」」

「キュッ!」


 サーチと鑑定でスノーゴーレムを狙い撃ちにして、小魔石と通常ドロップの雪の結晶、レアドロップのゴーレムコアⅡを荒稼ぎして行く。


 トイレ休憩の時に、雪兎に魔石を上げているのだが、上げれば上げるだけ食べて行く。

 小さな身体の何処にそんなに入るのか不思議で仕方ない。


 因みにトイレは、簡易式のテントみたいな物が市販されていて、女性探索者の必需品となっている。


「また、雪兎っちは魔石食べてんの?」

「ああ」

「何処かの小柄な大喰いの女の人みたいー」

「分かる〜そういう動画観てると凄い気持ちいいよね~」

「でも本当に、この小さな身体の何処に入ってるんですかね?」


 一瞬、また心の声が漏れたのかと思ったけど、どうやら単純にほのかも同じ事を思っただけの様だ。

 よかった~もう、治ったのかもしれない。


「春くん何がー?」


 治ってなかった...


「ああー、思ってる事を声に出しちゃうくせのことー?それなら直ってないよーそれと、なおるの字は直接の直が正解だよー」


 何で声で字の間違いまで!?エスパーか!?

 ずっと間違ってた。今まで、人が喋ってる時も治るで脳内変換してたわ...そうか、そっちなんだ。気を付けよ。


 結局今日は、ほぼスノーゴーレムを狩って帰還した。


「可憐さんただいまです」

「おかえりなさい」

「換金お願いします」

「可憐ちゃんお願いしまーす」

「ふふっはい。久し振りに多い気がするわね」

「最近は、ずっとボス狩りしてたので、討伐数が少なかったですからね」

「そうね。あら?魔石は換金しないの?」

「ええ、こいつが底なしで食べるので、魔石は換金しない事にしました」

「そんなに食べるの?普通は、1日1個上げるだけって聞くわよ?」

「そうなんですか?じゃあ、こいつもそうした方がいいのかな?」

「キュッ!?」


 そう言って雪兎を見ると、全力で首を横に振っている。


「プッふふっ嫌みたいね」

「みたいですね」


 可憐さんが思わず吹き出しちゃったじゃん。


「じゃあ、ちょっと待っててね。換金しちゃうわね」

「はい」


 雪兎に魔石をあげながら待っている。カワイイな~


「お待たせ、雪の結晶が301個で692,300円ね。今日、レアドロップはどうしたの?」

「ちょっとやりたい事があるので、持ち帰ります」

「そうなの?また何か、とんでもない事をやる気じゃないでしょうね?」

「いや、ただの実験ですよ」

「それが怖いのよ...」


 可憐さんが何を恐れているのか分からずに、首を傾げつつ帰路に着く。


 帰路に着くの着くってこれでいいのか?唯佳に字の間違いを指摘されて、他も気になってきちゃったよ。あとで調べとこ。

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