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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
21/129

#21 2度のレベルアップ

 7月20日(土)


「今日は、ボス部屋まで魔物を倒しながら進んで、ボス戦をやって転移陣で帰る。そしたらまたここに戻って来て、魔物を倒しながら進んでボス部屋でボス戦をやる。それの繰り返しで行こうと思う」

「「「は~い!」」」


 この階層から出て来たグレーグリズリーは、マーダーグリズリーの劣化版みたいな魔物だった。

 いや、逆か。普通はこっちから会うわけだしな。


 それは兎も角、グレーグリズリーは俺が剛力ありで一撃、雛が分身の術で3人で1回づつ攻撃して計3回、ほのかがMP2の魔法で一撃で倒せた。


 お試しが終わったので、魔物を倒しながら50分位でボス部屋に着いた。

 途中でほのかのレベルが上がった。


「さて、この前は苦戦したけど今回はどうかな?」

「春くん?今度は油断したらダメだよ?」

「春斗っち?油断してたら、怪我しなくてもおばあちゃん達に言うかんね?」

「春斗くん?油断したら、またおかずを煮干しのみにしてもらいますからね?」

「.....気を付けます」


 煮干しだけは嫌だ!ホントに嫌だ!絶対油断しない!


「中は100m四方の部屋になってて、今見えてるこの壁と同じ様に、ちゃんと壁も見える形で存在するらしい。唯佳は入ったらほのかと自分の周りに結界を張ってくれ。ほのかは結界の中からコンプレッションファイアーをMP4で1発撃って、その後は待機していてくれ。雛は3人で集中攻撃、俺は剛力で全力で行く。」

「「「はい!」」」

「じゃあ、行こう」


 作戦を確認して扉を開いて中に入る。


 中に入ると同時にボスと目が合う。


「グオォォォォォ」

「結界!」

「コンプレッションファイアー」


 ボスが雄叫びを上げると同時に唯佳が結界を、ほのかがコンプレッションファイアーを発動し、俺と雛が駆け出す。


 まず、コンプレッションファイアーが着弾。オオアリクイやブーメランスネークを複数纏めて屠った魔法でも倒し切れなかったが、続く雛の一撃で光の粒子へと変わり、消えて行った。


「いえ~い!楽勝じゃ〜ん」

「前回も焦らず対応していれば、あんなに苦戦しなかったのか?」

「どうでしょうか?私と雛さんはレベルアップしましたし、あの時はコンプレッションファイアーもなかったですから、一概には較べられないかと思いますよ」

「あれが練習になったんだよー」


 そうか、そうだな。俺がダメージ食らったのも無駄じゃなかったって事だよな


「いや、あれはムダでしょ〜」

「春斗くん、あれは無駄です」

「春くん?反省してないの?」

「...すみませんでした」


 また、口に出していた様だ。このクセをまずは治したい。


「因みに、俺も今の一戦でレベルアップしたよ」

「おーこれでみんなレベル4だねー」

「だね~お揃いだね~」

「このレベルでここに来る様な事は、普通ないですからひょっとしたら、今日中にまだ、レベルアップするかもしれないですよ?」

「お〜どんどんやっつけよ〜!」

「おー!」



 ボス部屋の先にある転移陣で協会支部に戻り、トイレ休憩を挟んで10階層に戻った。


 因みに、ボスの復活までの時間は10分で、どこのダンジョンのどの階層でも変わらない。

 また、ボスが復活するまで部屋の扉は閉じられ、開ける事は出来ない。


「道は覚えたし一気に行こ〜」

「おー」

「ふふっ」

「じゃあ、行くぞ!」

「「「は~い」」」


 今度は40分程で辿り着いた。魔物の討伐数は変わらないけど、さっきは最初に検証したりしてたからな。


「今度は俺と雛だけで戦ってみよう。勿論、分身も剛力もありでね」

「オッケ~」

「頑張って下さいね」

「頑張れー」

「扉を開けたら一気に行くぞ!」

「分かった~」


 扉を開け、一気に駆け出す。

 まず、雛が辿り着き集中攻撃を浴びせる。直後に追い付いた俺が、剛力+纏雷の全力の一太刀を振り抜いた。


 ボスは呆気なく光の粒子となり消えて行った。

 前回あれだけ苦戦したのは何だったのかと思ってしまうが、剛力がそれだけ凄いのだろう。


「2人共お疲れ様でした」

「あっという間だったねー」

「うう~また、1回しか斬ってな〜い」

「いや、3回斬っていただろ?」

「2人と合わせればそうだけど、私は1回だも〜ん」


 そこって1人1人別計算なのか?まあ、言われてみればそれはそうだなと思うな。


「次は私がやる〜2人共手出し禁止だよ!」


 ビシッと指を差し、そう言ってくる雛。


「分かりました。応援してますね」

「いいけど、危なそうなら介入するからな?」

「春斗っちじゃないから油断しません!」

「おー確かにー」

「クッ」


 俺だってもうしないもん。きっと。


 転移陣で戻り、先程と同じルーティンでボス部屋へと突入。


「ハアァァァァッ」

「グオォォォォ」


 上下左右前後から縦横無尽に動き回る3人の雛が、ボスを翻弄し圧倒している。


 時間にして40秒弱、ボスは光の粒子に姿を変えた。


「ちょうど12時だし、ご飯食べに行こうか?」

「「「は~い」」」


 転移陣で戻り、専属カウンターの可憐さんの所に行き、換金してもらう。


「マーダーグリズリーの熊の胆が3つもあるんだけど...」

「うん!調整したのー」

「雛さんのスキルのお陰ですね」

「えへへ~それ程でも〜」


 可憐さんの計算が終わった。


「お待たせ。まずは、極小魔石が327個、小魔石が3個、通常ドロップが乾燥ブーメランスネークが72個、ビッグホーンの角が38個、グレーグリズリーの革が20個、レアドロップがブーメランスネークの蛇皮が13個、ビッグホーンの小間切れ肉が7個、グレーグリズリーの熊の手が10個、マーダーグリズリーの熊の胆が3個で、合計1,116,700円よ」

「「「お〜!!」」」

「10階層は、収入面ではかなり優秀ですね。熊の手も1個5,000円で買い取ってもらえますからね」

「でも、普通はこんな収入にはならないわよ?レアドロップがこんなに出るのはあなた達くらいだし、そもそも通常アイテムのドロップ率だってこんなに良くないもの」

「そういえばそうでしたね。雛さんがいてこそですね」

「つまり雛ちゃん最強って事だねー」

「ヘッヘッヘ〜」

「みんなお昼でしょ?お財布取ってくるから一緒に行きましょう?」

「「「「は~い」」」」


 いつもの中華屋さんで、食事を摂ってダンジョンに戻る。

 天津飯美味かったな~


 午後も午前中と同じルーティンを繰り返した。

 ボス戦はやり方を替えて色々試しながらだったけど、特に失敗という失敗もなく、無事に全員がレベルアップに至った。


「ほのかっちと春斗っち、1日に2回もレベルアップするってヤバいね!」

「ねー凄いよねー」

「ふふっありがとうございます。でも、2人も変わらないですよ?」

「ああ、普通に考えたら2人も有り得ないからね」

「「えへへ~」」

「あと、俺はサーチと剣術のレベルも上がったよ」

「アタシも剣術上がってた~」

「私の光魔法もレベルアップしたよー浄化っていうのと、アンチポイズンっていうのが使える様になったよー」

「私は演算というスキルを覚えました。戦闘やダンジョン探索には関係ないスキルですけど、テストで役立ちそうです」

「ほのかっちのスキルいいなぁ~アタシも欲しいよ~」

「私も欲しいー」


 考える事はみんな同じ様だ。俺も欲しいよ。ウォーキングさんお願いします。


「もうすぐ18時だし終わりにして帰ろうか」

「「「は~い」」」


 協会支部に戻り換金を済ませた。

 午後の成果は、1,868,500円の稼ぎ、討伐数は557体だった。


「あっそうだ!可憐さん、パーティー口座からみんなの口座にこの金額ずつ振り込んでもらえますか?」

「ええ、分かったわ」

「春斗っちこれ、何の金額なの〜?」

「装備を買った時の金額だよ。パーティーで活動するのに必要な買い物だったんだから、パーティー口座から出すべきだったんだけど、あの時はお金なかったから出せなかったんだよ。けど、やっとみんなに払っても平気なくらいにお金が貯まったからさ」

「今日で一気に貯まりましたもんね」

「お〜やった〜」

「春くん、ありがとうー」

「みんなが頑張った結果なんだから、俺にお礼を言うのは違うだろ?」

「それでも、ちゃんと覚えていてくれて、考えてくれていた事が嬉しいんですよ」

「そうだよ春斗っち!だ~い好き!」

「お、おう!?あ、ありがとう」


 雛に急に好きと言われて、そういう意味じゃないとは分かっているものの、ドギマギしてしまった。


 みんなで帰っている時に、中学の同級生からコミチャが届いた。

 同窓会のお誘いだった。

 日時は8月5日(月)17時から、場所は日野駅の所にある猫のマークのカラオケ屋さんとの事。


「春くん、梶くんからコミチャ来たー?」

「ああ、同窓会のお誘いだろ?」

「うん。どうするー?」

「久しぶりにみんなに会うのもいいんじゃないか?」

「そうだねー」

「中学の同窓会ですか?」

「ああ、時間が17時からだから、その日は少し早く終わってもいいか?」

「はい。構いませんよ」

「アタシもいいよ~」

「ありがとう。じゃあ、参加で返事するかな」

「2人共ありがとうー私も参加っと、

 送ったー」

「2人も何かあれば言ってくれよ?」

「はい。ふふっありがとうございます」

「オッケ~」


 中学時代の仲良かった奴らの顔を思い浮かべ、同窓会を楽しみにしながら2人と別れ、家路に着いた。


 名前:黒木くろき 春斗はると 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:538,561歩

 Lv:3⇒5

 MP:30/30⇒44/44

 力:30⇒49

 耐久:29⇒46

 敏捷:30⇒49

 器用:28⇒42

 魔力:17⇒25

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLv4⇒5、剣術Lv4⇒5、纏雷、リペアLv1、鑑定、剛力

 ※ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇


 名前:白坂しらさか 唯佳ゆいか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月14日

 Lv:4⇒5

 MP:53/53(159/159)⇒62/62(186/186)

 力:19⇒24

 耐久:25⇒30

 敏捷:21⇒27

 器用:40⇒50

 魔力:43(129)⇒53(159)

 運:77/100

 スキル:女神の祝福、光魔法Lv1⇒2、MP回復速度2倍、空間収納

 ※女神の祝福効果

 魔力3倍、MP3倍


 名前:桃井ももい ひな

 年齢:16歳 誕生日:5月5日

 Lv:4⇒5

 MP:39/39⇒45/45

 力:37⇒47

 耐久:29⇒37

 敏捷:41⇒51

 器用:35⇒41

 魔力:25⇒31

 運:93/100

 スキル:レア率固定、剣術Lv4⇒5、忍術Lv2

 ※レア率固定効果

 ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される


 名前:青山あおやま ほのか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:7月1日

 Lv:3⇒5

 MP:43/43⇒62/62

 力:16⇒22

 耐久:16⇒25

 敏捷:17⇒24

 器用:19⇒38

 魔力:36⇒56

 運:69/100

 スキル:創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減、演算(New)

 ※創造魔法

 ・イメージした魔法を所持属性に限り創る事が出来る。

 ・最大消費MPは、イメージした時に自動で設定され、それ以上にはMPを込められない。

 ・最大消費MP以内であれば、自由に調整出来る。

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