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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
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#2 4人目のメンバー青山 ほのか

 6月26日(水)


 あれから俺達は、学校からの通報で来ていたダンジョン協会の職員さんによって、ステータスシステムの有無を調べられ、校長からの今後の対応などを聞き、心配して駆け付けていた親と一緒に帰宅した。


 学校は、今月いっぱいお休みとなった。


「そういえば春斗っちは、ステータスシステム持ってんだっけ。って事は、実技講習は?」


 俺は今、桃井と一緒にダンジョン協会に探索者講習を受けに来ている。

 探索者講習には、座学と実技があり、通常はどちらも受ける必要がある。

 だが、実技講習は講習というていを取ってはいるが、協会職員が付いて安全にステータスシステムを獲得する事が目的だ。

 だから俺は、


「免除」


 なのである。


「アタシもあの時に獲っておけばよかった~」

「こっちの方が安全なんだからその方がいいだろ?」

「そうだけど〜、何か二度手間感強くない?」

「それは確かにそうだけど、あの時はまともな武器も無かったんだし、武器を貸してもらえるこっちで獲れるのは羨ましいぞ?」

「そっか〜まあ、サクッと行ってくるよ。」


 実技講習の時間になったので、桃井は手をひらひら振って歩いて行った。


 20分後


「春斗っちおまたせ~」

「お疲れ。無事獲れたか?」

「バッチリ!」


 桃井は、満面の笑顔でサムズアップしている。


「この後、春斗っちの家でご飯食べてこれからの事を相談するんよね?」

「ああ、もう唯佳は行ってると思うぞ」

「じゃあ、アタシらも急ごうよ」

「ああ、分かった」


 桃井を連れて帰ろうと席を立ち、出口に向かおうと振り向くと1人のクラスメイトが立っていた。


「あれ?委員長じゃん。どうしたん?こんなとこで」

「今日はお願いがあって、直接話がしたくて来ました」

「何で俺達がここにいるって分かったんだ?」

「あの日、今日ここで探索者講習を受けると話しているのが聞こえたので」

「なるほど、それで話ってどっちに?」

「お二人と白坂さんにです」

「唯佳にも?」

「はい。私も皆さんのパーティーに入れて欲しくてお願いに来ました」

「へ?何で?」

「私の母はダンジョン関連企業を経営しています。その影響か昔から探索者に憧れがありまして、ですが、友人は皆偶々誕生日が遅くてまだ真剣に考えてもらえませんでした。そんな時に先日のダンジョン事故が起きました。そこで皆さんがパーティーを組もうと話をされていて、私も入れて頂きたいと思ったんです」

「委員長の誕生日はいつなんだ?」

「7月1日です」

「来週の月曜日じゃん。春斗っちどうする?」

「取り敢えず唯佳にも相談しないといけないからうちに一緒に行こうか。委員長は時間平気?」

「は、はい」


 元々の予定にもう1人追加される事をばあちゃんに伝え、俺の家に向かった。


「ただいま〜」

「「お邪魔します」」


 桃井と委員長を連れて家に帰ると、ばあちゃんと唯佳、唯佳の姉の智佳ちか姉がリビングにいた。


「あれ?智佳姉?大学は?」

「予定してた講義が休講になったのでお休みで〜す」

「雛ちゃん、ほのかちゃんいらっしゃーい」

「おかえりなさい春斗、お友達もいらっしゃい。今、ご飯持って行くから座って待っていてくれるかしら?」

「あ、ありがとうございます」

「突然私までお邪魔してしまってすみません」

「気にしなくていいわよ。突然増えるのはよくあることだから。ね〜智佳ちゃん?」

「エヘッごめんネ?」


 大人数での昼食は賑やかに進む。


「ウッマ!」

「美味しいです!えっ!?このソースお祖母様の手作りなんですか!?凄いです!」

「えへへーおばあちゃんの料理美味しいでしょー」

「何で唯佳が自慢気なんだ?」

「あたしと唯佳はおばあちゃんの孫みたいなもんだからね~」

「ふふっ生まれた時から知っているものね」


 うちと唯佳達の家は隣同士だ。若干、唯佳の方が生まれたのが早いけど、誤差のようなもの。だからお互いに生まれた時から知っている。

 もっと言えば、父さん同士も幼馴染で未だに仲が良い。

 そうなれば当然家族同士の付き合いになり、母さん同士も仲が良い。


「「「「「ご馳走様でした」」」」」

「はい。お粗末様でした」


 全員食べ終わり、ばあちゃんが片付け始めた。


「あっ!お手伝いさせて下さい」

「あら、いいわよ。何かお話があるんでしょう?」

「あっそうでした。すみません」

「気にしなくてもいいわよ。頑張って」

「は、はい」

「ほのかちゃんもパーティーに入ってくれるんだって?ありがとうー」

「えっ?まだ何もお話していないのにいいんですか?」

「ほのかちゃんなら私はいいよー」

「えっと...」


 何も聞かずに、ほんわかした感じで許可を出され、委員長が困惑の目を向けてくる。


「まあ、委員長も知っているだろうけど、唯佳はこんな感じだから」

「アハハ、唯佳っちっぽいね~」

「いいんですか?」

「唯佳がいいなら俺は問題ないよ」

「アタシもいいよ」

「あっありがとうございます」

「ほのかちゃんよろしくね」

「さて、これからどうするかを話し合おうって事だったけど、まずは呼び方なんだけど〜委員長、名前で呼んでい〜い?」

「あっはい」

「そんじゃ、改めてよろしくね〜ほのかっち〜」

「はい。よろしくお願いします」

「委員長よろしく」

「春斗っち〜パーティーメンバーに委員長はなくない?ここは春斗っちも呼び捨てでしょ。アタシの事もだよ?」

「はっ?いやいやいや、急に距離縮め過ぎでは?委員長だって急に呼び捨ては嫌でしょ?」

「わ、私は呼び捨てにしてもらった方が嬉しいです」

「へっ?」

「ほら〜ほのかっちもこう言ってるんだよ?覚悟決めて!せーの!」

「ほ、ほのか?」

「はい」

「春斗っち〜アタシは〜?」

「ああ、雛」

「...なんかアタシの時、気が抜けてない?」

「そんな事はないだろ?」

「まあ、いっか。で、どうすんの?」

「今度の土日に装備を見に行く予定だったけど、ほのかちゃんのスキル取得を待ってからにしようかー」

「そうだな。急いでないしな」

「異議な〜し」

「いいんですか?」

「いいのいいのー。みんなで装備見に行こうねー」

「は、はい」


 こうして大まかな予定を決め、次はみんなのスキルについて話をして行く事になった。


「まずは俺から話すな。俺のスキルは、ウォーキング、サーチLv1、剣術Lv1の3つだ。サーチと剣術は一般的なスキルだけど説明はいるか?」

「アタシは大丈夫だよ」

「私も平気ー」

「サーチはレベル1で大体半径100mくらいの範囲を探査出来ると聞いていますが、合ってますか?」

「ああ、そんな感じだな。人は白、魔物は赤の点で表示される。パーティーメンバーは青で表示されるらしいけど、まだ確認できてない」

「春くん、ウォーキングはどんなスキルなのー?」

「アタシも聞いた事ないスキルなんだけど」

「ウォーキングは10万歩毎にスキルを1つ覚えるか、既存スキルのスキルレベルが1upするスキルらしい、まだ10万歩になってないけどね」

「今、何歩なんですか?」

「96,248歩だね」

「おーもうすぐだー」

「あと、4,000歩もないじゃん!」

「どうでしょう。皆でお散歩にでも行きませんか?」

「「さんせ〜い」」

「それじゃあ、多摩川の土手にでも散歩に行くか?」

「「「は~い」」」


 俺達はのんびりと歩いて多摩川の土手までやって来た。


「ん~~風が気持ち〜ね〜」

「春くんは毎朝ここを歩いてるんだよね?」

「ああ、気持ちの良いコースなんだよ」

「川沿いはこれからの時期は特に気持ちいいかもしれないですね」


 雑談をしながら土手を歩き、八高線の鉄橋をくぐり、浄水場の屋上の芝生の上を歩いている時に、頭の中にアナウンスが聞こえた。


【ウォーキングの効果により、スキル 纏雷てんらいを取得しました】


「おっ!?スキルを覚えた」

「おー10万歩行ったんだー」

「は、春斗くんおめでとうございます」

「春斗っち〜どんなスキル覚えたん?」

「纏雷っていうスキルなんだけど、雷を纏うスキルらしい、魔法系のスキルで10秒以内の発動でMPを10消費するみたいだ」

「雷を纏う?なんかカッコ良さそうじゃん!」

「春くん痺れない?」

「纏雷?聞いた事ないスキルです。春斗くんは、ウォーキングも聞いた事ないスキルでしたし、凄いです!」

「ちょっと使ってみるか、攻撃魔法ではなさそうだし」

「春斗くん、それはダンジョンに入るまで止めておきませんか?万が一があっても困るので」

「そうか?まあ、そうだな。焦る必要はないか」

「見たいけどしょうがないか。事故ったらアタシもイヤだし」

「うんうん。さんせーい」


 その後、また雑談をしながら帰って来た。


「それじゃあ、次は唯佳のスキルを聞こうか。」

「うん。私のスキルは、女神の祝福、光魔法Lv1、MP回復速度2倍の3つだよ」


 何か凄い名前のスキルがあるんですけど。


「お〜唯佳っちも凄そ〜」

「女神の祝福は聞いた事ないスキルです。唯佳さんも凄そうですね」

「唯佳、どんなスキルなんだ?」

「えっとねー魔力3倍、MP3倍だって」

「すっご〜い」

「神を冠するスキルなんて、聞いた事ないですよ...」

「ねえねえ、雛ちゃんのスキルはー?」

「アタシのスキルは、レア率固定、剣術Lv1、忍術Lv1だよ」

「レア率固定?って何ー?」

「ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定されるんだって、どういう事だろ?」

「通常、アイテムのドロップ率は倒した魔物の数の3割程と言われています。更にレアドロップの割合は、1%あるかないかと言われていて、魔物によってはもっと低い可能性も指摘されています。なので、レアドロップが倒した魔物の数の1割も確定で落ちるのであれば、革命的な確率と言えます。しかも、それが個人ではなくパーティーでとなると破格の効果です」

「お〜アタシも何か凄そう〜」


 このパーティーどうなってるんだ?まだ、スキルを持っていないほのか以外聞いた事ないスキル保持者しかいないんだけど...


「私、とんでもないパーティーに入ってしまったのでは?」


 ほのかの心配も尤もだと思えるスキル報告会となってしまった。


 名前:黒木くろき 春斗はると

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:103,427歩

 Lv:1

 MP:18/18

 力:12

 耐久:11

 敏捷:11

 器用:9

 魔力:10

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLv1、剣術Lv1、纏雷(New)

 ※ ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇


 名前:白坂しらさか 唯佳ゆいか

 年齢:16歳 誕生日:6月14日

 Lv:1

 MP:26/26(78/78)

 力:8

 耐久:9

 敏捷:8

 器用:14

 魔力:13(39)

 運:77/100

 スキル:女神の祝福、光魔法Lv1、MP回復速度2倍

 ※女神の祝福

 魔力3倍、MP3倍


 名前:桃井ももい ひな

 年齢:16歳 誕生日:5月5日

 Lv:1

 MP:16/16

 力:10

 耐久:9

 敏捷:12

 器用:12

 魔力:9

 運:93/100

 スキル:レア率固定、剣術Lv1、忍術Lv1

 ※レア率固定

 ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される

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