#129 新たなランク
12月24日(火)
テュポルディアを倒して従魔にしてから1ヶ月、俺達は放課後に二手に別れて富士森公園ダンジョンとアテネ第一墓地ダンジョンの60階層以降の階層で、スタンピードの後始末をしていたのだが、昨日漸くアテネ第一墓地ダンジョンの99階層まで魔物の殲滅が終わった。
「クリスマスまでに後始末が終わってよかったね〜」
「そだねー」
「主達はキリストの信者なのか?」
「いや、違うけど?」
「では何故キリストの信者の行事をするのじゃ?」
「テュポるん?それは楽しいからだよ?」
「日本人はあまり宗教的な意味を考えたりはしないんじゃないかなー」
「というか、テュポルディアは人間の宗教を知っているのですか?」
「一部の神に信者がおるのは知っておるぞ」
「ん?キリストってホントに神様なのか?」
「確か2000年程前に神になったばかりの、若い神じゃの」
「ホントの神様だったのかよ...」
「神界で他の神々と暮らしておるのじゃ」
「キリスト教は一神教として、キリストが唯一の神と教えているのですが...」
「それはキリストの信者が勝手に言うておる事で、キリストが言うておる訳ではないのじゃ。他の神の信者で同じ様な事を言うておる者がおったとしても、同様に妾達神々は関係ないのじゃ」
「イスラム教とかも確か一神教だったよな?」
「そうですね。まあ、同じ宗教内で言っている事が違っていたりする時点で、時の権力者が都合よく改変していると分かりますし、宗教なんて信じている人がそれで幸せならそれでいいと思いますよ?」
「そうじゃ。妾達神が、何かをする事は滅多にないのじゃ」
「ダンジョン創ったり、スタンピード起こしたり、それに今は俺に付いて来たりしているテュポルディアが言っても、説得力がないんだが?」
「主は細かいのじゃ」
「そんな事よりもゴンちゃんは何の用なんだろね~」
「そだねー」
「可憐さんは先に行ってるんだっけ?」
「はい。朝から新宿に行くと言っていましたね」
「可憐姉が別行動って、何か久し振りだね~」
「スタンピードが起こってから、クローバーの一員みたいになっていたからな」
「とは言っても、私と唯佳さん、雛さんは富士森公園ダンジョンを担当していたので、かれんさんとは暫く別行動でしたけどね」
「でも最近の1週間は一緒だったじゃん?」
スタンピードの後始末は2チームに別れて行ったのだが、チーム分けは俺と従魔3人と可憐さんの5人とクローバー女子メンバー3人に別れた。
女子メンバーの方は雛の分身体2人とアペフチカムイがいるから、人数的にあまり変わらない組分けである。
90階層まではほぼ同時に終わったので、アテネ第一墓地ダンジョンの90階層台は、合流して一緒に魔物の殲滅を行った。
指定された時間になったので、転移で新宿支部に移動して、可憐さんと合流して敬さんの所に案内してもらった。
「おう!坊主に嬢ちゃん達、よく来てくれたな」
「敬さんお久し振りです」
「「ゴンちゃん久し振り〜」」
「権藤のおじさま、お久し振りです。それで今日はどうされたんですか?」
「いやな、他のSランクパーティーからお前さん達をSランクよりも上のランクに設定してくれって、国際ダンジョン協会が言われたらしくてな?クローバーをSSSランクに認定すると連絡が入ってたんだ。だが、クローバーは後始末で忙しかっただろ?だから後始末が終わるまで待ってから来てもらったって訳だ」
「いや、何でSランクよりも上のランクになんて話に?」
「他のSランクパーティーでも力に差があり過ぎて、同一視されたくないんだとよ」
「だとしてもSSランクでいいのでは?」
「力の差を表す為らしいぞ?ホントはSSSSランクにする予定だったのが、千代さんが長ったらしいって言って、SSSランクになったんだ」
富士森公園支部の支部長さんには感謝だな。
Sが多過ぎてよく分からなくなる所だった。
「なるほど。今日はその報告だけですか?あっ!ランク変更の手続きもか」
「あとは記者会見もやってもらう。それと、源はどうするんだ?」
「私ですか?どうするんだ?って言うのはどういう事ですか?」
「クローバーに入るという話はないのか?」
「えっ?!いや、冗談ぽくお誘いは頂きましたけど、具体的な話はないですし、私としても今まで通りで行きたいと思っています」
「そうかそうか!それはよかった。じゃあ、今後も協会に残るって事でいいんだな?」
「は、はい」
「じゃあ、次期会長は任せた」
「えっ?ええぇぇぇぇ!!ちょ、ちょっと待って下さい!権藤会長!?私そんな話は聞いていないのですが?!」
「いや〜Sランク並みの実力者で、協会職員としても評価の高い源を差し置いて、次の会長をやってくれそうな奴がいなくてな、ならいっその事源にやってもらおうって事になっちまってな」
「いや、私に会長職なんて無理ですよ!」
「大丈夫だって、俺でも務まってるくらいなんだしな!て事で宜しく頼むな!」
「そ、そんな〜」
「可憐姉〜うちはまだSランク相当の新メンバー募集中だよ~」
「可憐ちゃん、こっちにおいでよー」
「ホントに私が入ってもいいの?」
「勿論ですよ。かれんさんなら大歓迎です」
「じゃ、じゃあ、お願いしようかしら」
「なっ?!お、おい、さっきはクローバーに入る気はないって言ってただろ!?」
「そうですけど。会長職よりも楽しそうなので...」
「武田さん、可憐さんの加入手続きをお願いします」
「ふふっ畏まりました」
「お、おい!武田!?ちょっと待て!」
俺は一緒に部屋にいた可憐さんの元パーティーメンバーで、新宿支部のフロアマネージャーをやっている武田さんに、可憐さんの加入手続きをお願いした。
武田さんは加入手続きをしに部屋を出て行き、敬さんが慌ててその後を追って行く。
「みんなありがとう。危うく会長にされる所だったわ。でも、ホントにいいの?」
「もっちろーん!!」
「ほのかっちも言っていたけど、可憐姉なら大歓迎だよ~」
「可憐さんが一緒にいてくれると頼もしいですからね」
「ふふっ宜しくお願いしますね。かれんさん」
時間になったと言う事で、職員さんに案内されて記者会見を行う部屋の前にやって来た。
「あっいたいた。可憐!クローバーへの加入手続き終わったわよ。はい。これが可憐の探索者カードね」
「奈緒ありがとう」
「可憐が前に進めてよかったわ。みんな、ありがとう。可憐の事、宜しくお願いします」
「「は~い」」
「はい。お任せ下さい」
「それにしても、可憐もハーレム入りしちゃうなんてね~」
「はっ?いやいやいや、武田さん?可憐さんは入ってませんよ?」
「あら?そうなの?」
「可憐ちゃんも入るー?」
「そっちの加入も歓迎しますよ?」
「可憐姉もこっちにおいでよ~」
「そうね。じゃあ、入れてもらおうかしら」
「「「は~い」」」
「ふふっ可憐、おめでとう」
「ありがとう」
「いやいやいや、えっ?可憐さん?みんな?何言ってんだ?」
「春くん?仲間外れはメッ!だよ?」
「春斗っち、モテモテじゃ〜ん」
「春斗くん?私の事...嫌い?」
「いや、嫌いじゃないですけど...」
「じゃあ、問題ないですね」
「可憐、よかったわね」
「可憐姉〜ヨロシクね~」
「可憐ちゃんも家族だねー」
いや、あんなのは反則だよ...嫌いなんて言える訳ないじゃん...
部屋の中から呼ばれ扉が開き、俺達のSSSランク昇格記者会見が始まった。
スタンピードの発生原因の説明とテュポルディアが邪神から時空の女神に戻った事、そして俺の従魔になった事とその経緯を説明すると会場は大いにどよめき、凄い騒ぎになった。
その流れで可憐さんのクローバー加入とさらっと俺の恋人になった事の発表も済ませたかったのだが、俺の恋人になった事に一部の記者が食い付いてしまい、非難の声が上がったのだが、女性陣の圧により沈静化された。
そして最後にクローバーのSSSランク昇格が発表された。
予定の時間を過ぎても質問が途切れなかったのだが、女性陣がもう疲れたから終わりにすると宣言して、唯佳の転移で会見場から移動し、強制的に記者会見は終了となった。
「ハァ〜疲れたね~」
「そだねー」
「ここは、学校の協会支部にある私達の個室ですね」
「うん。ここなら落ち着くからねー」
「奈緒に連絡しておかないといけないわね」
「そうですね。何処に行ったか分からないんじゃ、向こうも困るでしょうしね」
「春斗くん?もう、パーティーメンバーになったんだし、それに恋人になるんだから、敬語は止めてね?」
「あっ!はい。って、パーティーメンバーはまだしも、恋人は本気ですか?」
「ええ、本気よ?記者会見でも発表したでしょ?」
「そうだった...」
「ふふっ春斗くん。これから末永く宜しくね」
複数の恋人がいて世間から妬まれるのなんか今更だし、発表もしちゃってるし、腹を括って受け入れるか。
美人な彼女も増えたし、心強いパーティーメンバーも増えたし、これからの人生も探索者活動も楽しくなりそうだな。
名前:黒木 春斗 所属:クローバー
年齢:16歳 誕生日:6月26日
称号:創造の女神の寵愛を受けし者
神を従えし者
歩数:2,445,938歩
従魔:雪兎Lv9(風雷忍雪うさぎ)
エレンLv9(ケラヴエレ)
テュポルディア(時空の女神)
Lv:60⇒90
MP:394/394⇒609/609
力:558⇒838
耐久:492⇒765
敏捷:510⇒795
器用:423⇒689
魔力:290⇒427
運:76/100
スキル:ウォーキング、サーチLvMAX、剣術LvMAX、纏雷、リペアLvMax、鑑定、神力、神職人、テイム、せいおう、瞬歩、槍術Lv2⇒4、演算、速読、雷化、雷魔法、言語理解、神纏い、身体強化(New)、錬金術(New)
※ウォーキング
10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇
名前:白坂 唯佳 所属:クローバー
年齢:16歳 誕生日:6月14日
称号:聖女
Lv:60⇒90
MP:572/572(1716/1716)⇒861/861(2583/2583)
力:254⇒398
耐久:282⇒438
敏捷:285⇒409
器用:544⇒826
魔力:548(1644)⇒826(2469)
運:77/100
スキル:女神の祝福、光魔法Lv5⇒6、MP回復速度2倍、空間収納、誘爆、転移、追尾、剛弓、魔力操作
※女神の祝福効果
魔力3倍、MP3倍
名前:桃井 雛
年齢:16歳 誕生日:5月5日
称号:幸運の女神の巫女
Lv:60⇒90
MP:415/415⇒610/610
力:508⇒783
耐久:475⇒740
敏捷:574⇒859
器用:455⇒748
魔力:322⇒479
運:93/100
スキル:レア率固定、剣術LvMAX、忍術Lv9⇒MAX、アクセラレーション、選択ドロップアイテム
※レア率固定効果
ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される
・選択ドロップアイテム
スキル保持者が倒した魔物に限り、ドロップアイテムを通常ドロップかレアドロップかを選択する事が出来る。
エピックドロップは条件を満たした時のみ選択可
名前:青山 ほのか 所属:クローバー
年齢:16歳 誕生日:7月1日
称号:大賢者
Lv:60⇒90
MP:547/547(2188/2188)⇒836/836(3344/3344)
力:256⇒399
耐久:283⇒420
敏捷:273⇒409
器用:340⇒487
魔力:559⇒827
運:69/100
スキル:創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減、演算、雷魔法、言語理解
※創造魔法
・イメージした魔法を所持属性に限り創る事が出来る。
・最大消費MPは、イメージした時に自動で設定され、それ以上にはMPを込められない。
・最大消費MP以内であれば、自由に調整出来る。
・大賢者の効果:MP2倍
源 可憐 所属:クローバー
年齢:28歳 誕生日:4月7日
Lv:56⇒90
MP:335/335⇒537/537
力:402⇒708
耐久:400⇒699
敏捷:425⇒745
器用:356⇒573
魔力:282⇒427
運:69/100
スキル:レベル倍化Lv5⇒6、剣術Lv8⇒MAX、身体強化、サーチLv9⇒MAX、鑑定、木花之佐久夜毘売命
※木花之佐久夜毘売命
力と敏捷に大幅にプラス補正。火の斬撃を飛ばして攻撃出来る
今作はここで完結とさせて頂きます。
これ程星を頂けたり、いいねを頂けたり、ブックマークをして頂けるとは思っていなかったので、驚きましたが嬉しかったです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。




