表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/79

30,うまい話にはpart1。

 

 授賞式の翌々日、サラの自宅にケイトから手紙が届いた。ここのところ見かけないため、すっかり『失踪届』を出す気まんまんだったが。


「ふむふむ。ケイトは生きていたんだよ、ミィくん。てっきりどこそで息絶えていると思ったけども。良かった良かった。さすが〈名前はまだない〉のディフェンダー」


「にゃぁ(その仕事をしているのを見たことがないがな)」


 便箋を読んでいたサラの目が、きらきらと輝きだす。


「ミィくん、聞いて! ケイトはいま、バカ稼ぎできるところで短気で働いているようだよ? ここで数日働くだけで、悪魔討伐に向かう旅費だけでなく、その後の〈名前はまだない〉活動も安定することは間違いない。さすがわが親友!」


「にゃい(まてまて。これは本当にケイトからの手紙なのか? 筆跡はあっているのか? おい、聞いているのか)」


 まったくアークの鳴き声が通じないサラは、


「分かる分かるよ、ミィくん。これは凄く楽な仕事みたい。詳しくは書いてないけども。あのケイトが、『楽な仕事すぎて欠伸がでる』とまで言っているんだからね。ケイトいわく、今夜夜中の2時に、アダム通りとイヴ通りの角に向かえば、迎えがくるという話だよ」


「にゃぁ(おまえ、どう見ても怪しいだろ。胡散臭いだろ)」


 金に目がくらんだサラは、もともと慎重ではないが、いよいよ慎重さの欠片もなくなった。さっそく指定時刻に、指定の場所へ向かう。猫は連れていけないというので、アークは留守番を言い渡された。もちろん心配になったアークは、こっそりと後をつけたが。


 そうして指定時刻に一台の馬車が走ってきた。しかしこの馬車、御者がいない。と思いきや、影が動いて、ぼけっと立っていたサラを包み込んで誘拐。そして御者のいない馬車が、走っていってしまった。


 アークは、(いまのは(シャドウ)の魔術か。系統的にはネクロマンサーの術だが……サラの奴、あっけなくさらわれるとは…情けない)と嘆きつつ、馬車を追いかけた。


 だが肝心の馬車は、ある曲がり角の向こうにいき、その一瞬で消失してしまう。


「にゃぁ!(しまった。あの馬車自体が、(シャドウ)が作ったものだったか……)」


 これは追跡に時間がかかりそうだ──


※※※

 そしてサラはといえば、影に誘拐された瞬間、記憶を失い。

 目覚めたときには、どこかの鉱山の坑道内で転がされていた。見上げると、疲れた様子のケイトが、しかし呆れた顔で見下ろしている。


「サラ……」


「あ、ケイト。ここはどこ? わたしたちの状況はどうなっているの??」


「どこかの闇の種族に誘拐されたあげく、鉱山労働のため奴隷にされている」


「うーん。これだから上手い話には裏がというのだ」


「……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ