表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/79

25,ごーごーpart2。

 

 監獄内は理路整然とした造りとなっており、迷いたくても迷わない。そのせいで看守たちがぞろぞろと前方からやってくる。

 回避できないので、死なない程度に撃破していくしかない。サラだと加減を間違えそうなので、アークは率先して拳闘スキルlevel1《拳嵐》連打の連打。それをサラが何を勘違いしたか。


「ミィくん、今日は燃えてるねぇ。やる気に満ち溢れている!」


「にゃぁ(おまえの剣術スキルがまだ未熟なため、『みねうち』をできるか心配なだけだ)」


 せっかく手加減しているというのに、向こうは向こうでいらぬ誤解をしだす。つまりアークが──この謎の侵入してきた三毛猫が、看守たちを皆殺しにするつもりだ、という。


「うわぁぁぁ! 逃げろぉぉ! わけのわからん猫が、おれたちを皆殺しにする気だぁぁあ!!」

「猫に殺されるぅぅぅ!!」

「化け猫に殺されるぅぅぅ!!」


「にゃぁぁ(おい、誰一人、人死にを出していないだろ!! それと誰が化け猫だ! 転生猫といえ)」


 と訴えてみたが、いまだサラにさえ通じない「にゃぁ」が、看守たちに伝わるはずもない。

 そうして進むと、監獄内の広場のようなところに出た。周囲には囚人の入れられた房があり、そのなかのひとつに、ドーグの姿もあった。


「おお師匠! オレを助けにきてくれたのですか!」


「にゃい(仕方なしに、だが)」


 すっかり怯えていた看守たちだが、ここで謎の勢いを取り戻し、「ジャック」コールをしだす。このジャックが何者かといえば、有象無象の看守たちを押しのけて前に出てきた、巨躯の看守。その体格にみあった巨大な戦斧を肩にかついでいる。ジョブでいえば、〈バーバリアン〉あたりか。戦斧スキルをかなり極めていることは、アークの《識別眼》で分かる。


「どこの不届きものだ、この監獄に攻めてくるとは!? だが、ここまでだ! おれさま、首斬り看守長ジャックさまが、おまえらを殺してくれる!! そして、まずはおまえだ、化け猫!」


 サラが素朴に呟いた。


「看守に斬首刑する権利なんてないと思うけど?」


「にゃぁい(脱獄した囚人の首を刎ねているのだろ。確かに、頭は弱そうだが、戦闘力は高そうだ。武器ももたぬ囚人では、ドーグでも歯が立たぬだろう。まぁいずれにせよ、)」


 アークは跳び、拳闘スキルlevel8《鋼弾》と、火炎魔術level5《炎の流》を同時発動。オリジナルの火炎拳闘スキル《鋼火弾》として、首斬り看守長の腹に叩き込んだ。


「にゃぁ(誰が化け猫だ)」


「ぐぁぁぁああああああ!!!」


「そ、そんなジャックが!」

「首斬り看守長が負けたぞ!」

「これはもうダメだ! みんな化け猫に殺されるぅぅぅ!!」


 逃げ惑う看守たちを回避しながら、サラがドーグの監房の扉を破壊して、外に出した。

 ドーグは、「おお、さすがオレのパーティリーダー様だ!」と大袈裟に感謝しつつ、外に出る。途中、装備品の魔剣を武器庫から回収し、監獄の外へとそそくさ出た。


「リーダー、師匠。この借りは必ずやお返しする!」とドーグ。


「じゃ、さっそく返してね。これから悪魔討伐しにいくから」とサラ。


「あ、悪魔だど! あ、それは無理だ。魔物ならいくらでも倒すが、悪魔だけは無理だ。すまない。えー、腹が痛いので、早退させてもらう! では師匠、またいずれ!」


 監獄脱獄時に盗み出した馬に飛び乗って、東の果てへと駆けていく弟子のドーグ。

 いやあれは弟子なのか、とアークは地味に自問した。


 同じく走り去るドーグをジト目で見送ったサラが、


「ミィくん、ドーグくん、クビにしていい?」


「……にゃぁ(好きにしろ)」


 結局のところ、〈三毛猫ミィ〉の悪名だけが広まっただけに終わった。

 何が重要になるか分からないもので、この一件が、〈名前はまだない〉の今後に大きくかかわってくるわけだが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ