第9話 「怪奇研究部のお仕事」
友理(んんっ?あれっ?私は……確かそうだ。
火車っていう妖怪にやられたんだった(汗)
火車は魂を狩ってその抜け殻(死体)になった人を
持っていく習性があるって前に雪乃さんから
貰ったファイルに載ってた…気がする!
ただ、火車の人の名前が読めなくて水木さんとしか
分からなくて〜「笄」ってなんて読むんだろう?
その習性が合ってるんだとすると私はもう………
ううん、きっと火車について詳しい雪乃さんが
助けてくれた…のかな?
もし、そうだったら〜どんなに嬉しい事か(汗)
でもこれは違うのかもしれない。
先輩方はいま、何をしてるんだろう???
???「……さん。林堂…さんっ!!」
友理(んっ!?雪乃さんの声?
私、もしかして寝てるの?!起きなきゃ……!)
友理「………ハッ!!」
雫「あっ。林堂さん、良かったぁ〜(涙)
鈴木先輩、起きました!」
と雫の声に反応した蘭がお盆とお茶を持って
こちらに話し掛けに来てくれた。
蘭「無事で何よりだわ、友理さん♪
もう少し遅かったら連れ去られる所だったので
間に合って良かったです」
友理「連れさわ…鈴木……せんぱっ!!」
と驚きのあまり勢いよく起きあがろうとした瞬間、
お腹に激痛が走る!
友理「イッタァァァ(涙目)」
すると、ソファーに座って本を読んでいた
日向が口を開く。
日向「あんまり無理しない方が良いですよ。
火車の攻撃はまともに食らえば、
即死する可能性だって十分にあり得えます。
いくらAクラスとはいえ、火車は無差別に
下級妖怪達を死に追いやれる人だ。
それぐらいする奴だって居る。
これを機に知れて良かったと思っていますよ♪
ですが、その分…ゆっくり休みな。
ここは僕ら以外は立ち入れないように結界を
張っているから、安心して下さい(微笑む)」
友理「そ、そう…ですか(汗)」
玄関の方から誠也の声が段々、
こちらに近付いて来るとげっほりしていた。
誠也「おいおい、結界張ってんの俺なんだけど?!
簡単に言ってるけどな!!
この秘密基地、意外と広いんだから
ここを覆い尽くす程の結界はバカかってくらい
妖力、減るんだぞ!感謝しろよな。
なぁ〜蘭!マジで結界って
膨大に妖力使うからさ、少し分けて………」
と誠也がいると話を聞かなかった事にして話を進めた
蘭「とりあえず友理さんも応急処置しましょう。
見た感じ、怪我は腹部だけとはいえ
妖力漏れを防ぐ為です。こちらに来て下さい」
は、はいっ!分かりました(友理)
誠也「俺の話を聞けってえぇぇぇーーー?!」
友理を手当てしながら蘭が話し始めた。
蘭「今回の火車の襲撃については
私から謝らせて欲しいの。
本当に……ごめんなさい!!」
友理「い、いえ………(汗)
先輩が謝る必要なんて無いですよ!
それに誰も分からない状況だったと思いますから
何も先輩が謝らなくても…(焦)」
蘭「いいえ、私達は今日起きる事を
あらかじめ知っていたわ。
ごめんなさい(汗)
……えっ?(友理)
なぜ私達が知っているかというと
私達の知り合いには、
[予知能力]を持った子が居てね♪
その子から聞いて
私は、2人を部活に勧誘する事を早めたの。
少し早かったのだけど、
これが最善の手だと…その人も言っていたから」
友理「ど、どどういう事……ですか?!」
誠也「分からないのか?
つまり、俺らは必然的に友理と雫の知り合いに
なっていないと後々面倒な事に巻き込まれる
恐れもあるし、駆け付ける俺らを信用して
貰わないとまともに話もしてくれなさそうだったしな。
(実際には俺らが有名であった事もあって
話は聞くと思うがな…そこだけは誤算だったけどよ)
妥当な筋が通らないと思って、
まぁ〜俺があの時に断っていようがいまいが
変わらず、俺らの知り合いには
当てはまるだろ!」
雫「な、なるほど〜
非常に難解な問題でしたね(汗)
お疲れ様です。
所で〜その知り合いというのは、
2年生の牧田 陸先輩の事ですか?」
蘭「あ、うん。そうなの♪よく分かったわね!!」
雫「ふっふふ(ドヤ顔)」
友理(雪乃さんは、あのファイルを持ってるから
この地の妖怪なら何でも分かるんだもんね!
流石、物知り☆)
牧田くんは「くだん」っていう妖怪で
何かと便利でさ〜私も危機的状況に陥った時に
彼が私の事を助けてくれたお陰なの♪」
友理「へぇ〜!!」
そして、雫の言動に不審に思い始める誠也。
(………流石に知り過ぎじゃねぇか?
あの時もそうだったが、
校内では確かに有名人ではある俺と蘭は
部活の勧誘の時に知ってて当然だが、
Bだからとはいえ、日向でさえも知っている。
これは、果たして偶然か?それとも……)
考えながら秘密基地の黄ばんだ壁を見つめている
と蘭が誠也の顔を覗き込んだ。
蘭「誠也、ボーッとしてるの?
また、この後に及んで考え事???
あ…もしかして、また宿題の件で
よからぬ事を考えてたんじゃないでしょうね?!」
誠也「んな事っ!
(全然違うがっ!?
いや〜別の意味で正解だけどぉよ〜〜〜(汗)
でも、宿題は終わっていない事は
事実だしぃ〜……うーん、そうだな)
ゔん。じゃあ教えてくれ、蘭!!
日向「アホか、お前は!」
(※誠也は嘘を付けない)
雫(流石に怪し過ぎたかもしれない。
どうしても知ってる事を普通なら言わないけど。
その時になると隠さずにはいられなくて………
少し気を付けないと!(焦)
そしてただ一人だけ別の事を考えていた人がいた。
友理「それで〜…そのくだ↓んは
どんな妖怪なんですか?」
という友理の素朴な疑問を言うとシーンとなった。
友理「えっ、えぇっ?!
何々、私何か変な事言ったかな!?」
誠也「流石にこれは常識だぞ。
妖怪の知識、まだ漬けてないのかよ?(汗)」
つ、つ漬けてます……よ?しっかり本当です!!
後でも良いから本屋に行って妖怪辞典でも
買ってきた方が俺はお勧めするぜ!
日向「本屋は無いだろう。図書館だ、誠也」
誠也「あっ、あはは……そうでした〜失敬(汗)」
雫がコホンと咳払いをしてから説明した。
「くだんという妖怪は顔が人、牛の体を持つ
半人半牛の姿をした妖怪として
知られております!
くだんは[予言獣]とも呼ばれており、
その予言は絶対に的中するとか。
昔から恐れられている妖怪です」
どうしても言ってしまう雫の癖が発動する。
友理「な、な何その妖怪?!
想像するだけで気分が…………」
誠也「それは、それで普通に失礼だぞ(汗)」
日向「いやいや、誠也が言うな誠也が」
誠也「んっ?また俺が最初に見た時の話か???
好きだな〜日向は☆」
日向「違うよ(汗)
くだんじゃないけど、誠也は初対面の牛鬼に対して
「コイツも牛かよ!?」って言ってた
失礼な奴に言われたくないね〜」
誠也「お、おい!言うなよ、日向!!(汗)
ここで俺の恥ずかしい話、暴露すんな!」
日向「まだまだあるよ〜
誠也が失礼な事、言った………」
誠也「ちょっと待ったあぁぁぁーーー!!」
蘭「うるさい、誠也。少し黙ってて!」
誠也「はい(涙)」
すると、静かになった空間から蘭が友理に尋ねた。
蘭「私達はあなた方が気を失っている間、
火車と少しお話をしました。
嫌味ったらしい口調でね(怒)
その時に友理さんについて耳寄りな情報を
お聞きしたのでその件についてお話します」
んっ?私……ついて???
そして蘭は単刀直入に言った
蘭「火車から聞いたのはあなたが火車に
向かって術を発動させた事を聞いたの!!」
わ、私が…術を?どういう事ですか?!(汗)
雫「つまり、術を使った=林堂さんは
妖怪という事が確定したと。
先輩は仰りたいのですね」
えぇ〜勿論。
友理さんがどうしてあの時、
術が使えたかは火車自身も少しだけ語っていたわ。
フラッシュバック・・・
水木「私に術を向けて来た」
誠也「何っ!妖術使えたのかよ?!」
蘭(やはり、彼女も人間ではないのね。
予想はしていたけれど…なぜ今になって?)
水木「でもねぇ〜妖術もろくに撃てない妖怪なんて
あまり居ない。
しばらく使っていないのか、何らかの引き金を
私が引いたのか。
一体、何がこの子を動かしてるのかしらね?
どちらにせよ、この2人は弱すぎた。
フラッシュバック終了・・・
「そ…そんな事が……あったんですね(汗)
でも、あの時…私は雪乃さんが撃たれた事も
そうですし、何より火車の攻撃を
真正面から受けてしまったショックなのか、
その時に何も思って術を発動したか…
全く………覚えが……ありません(涙)
だから、だから…その少しの間だけ1人で
考える時間を下さい!!
思い出せるかは不安ですが、おねがっ……」
友理の肩にそっと手を置き抱き寄せる蘭
「えぇ、無理しなくて良いんですよ。
すぐにでも答えを出して欲しいだなんて
私達だってそんなに鬼じゃないわ。
ゆっくり…落ち着いて考えて頂戴♪
少しだけ思い出してもそれは友理さんの頭の片隅に
置いておいてまとまってからでも良いですから」
と優しく微笑み掛けてくれる蘭の表情を
間に受けた友理は涙が溢れ出した。
しばらく私は泣いて疲れ切った私と雪乃さんは
両側にあるソファーで眠っていた。
誠也「……って〜俺、いつまで結界張ってれば、
良いんだよ?!なぁ〜もう良いだろう?
これ以上やったら貧血起こしそう(げっそり)」
はぁ〜…誠也の冗談はさておき。
っておい!?
妖気底を付いたらまともに歩けねぇ事、
日向も蘭も知ってるだろ!
それに比べて、お前らは良いよな〜
妖気は多い方でも俺より多くはない…か。
皮肉な話だねぇ(汗)
日向「仕方ないだろ。
僕と鈴木さんだって出来る事なら結界を張るのは、
手伝いたいさ………(汗)
だけど、誠也より膨大な妖気は持ち合わせてない。
それに妖気は増えない、これは決まりだ!!
これだけは誰も抗えない事……そうだろ?」
あぁ〜せめて妖気補充装置とか学校に
出来ねぇかな〜〜〜
それあったらあんなやり方しなくても良いし、
まだ魂の方がマシだぜ!補充できるしな。
無茶言うな(日向)
淡々と話す2人を横目に蘭はやっと話し掛ける。
蘭「あのさ、2人共。
私……明日から友理さんと雫さんに部活内容に
ついて話してみたいんだけど、駄目…かな?」
蘭本人の無意識による上目遣い。
誠也「んっ!?(ドキン!!)」
ねぇ〜誠也……聞いてる?もうっ!
蘭「日向くんはどう思う?
良かったら意見も聞きたい…かな♪」
日向(コイツ、またときめいてやがる(汗)
はぁ……ったく〜)
日向「良いと思いますよ、鈴木さん。
今回の火車との件も相待って
こういう事になり得る事も身を持って
分かったと思いますから」
うふ♪そうだよね!ありがとう(笑顔)
ふん(微笑む)
その笑顔を見て誠也は「%☆○#☆%○(照)」
訳の分からない奇声を上げる誠也を横目で
見つめる無慈悲な日向の顔が。
(鬱陶しいなコイツ、殴ろ)
ドゴッ!!
イッテえぇぇぇ〜〜〜(汗)日向、テメェ!
今日こそは火のように弾きやがれ(怒)
蘭「近所の方に迷惑が掛かるからやめなさい
せい……カコン!」
蘭の頭に空の空き缶が当たると同時に
誠也が日向を追い掛ける途中、
物にやたらとめったら当たる誠也
終いには食器が割れる音まで。
グッ(手を握り締める)
「誠也、止まって…片付けは1人でやりなさい。
あとフリーランニング、3倍!!(怒)」
ひっ、ひいぃぃぃ?!悪かったってばあぁぁぁ!!
日向「ほんと、誠也は何を怒ってるんだ?」
↑とぼける人であった
翌朝・・・
友理「んっ……んんっ???
あ、あれ〜?ここ………私の家?
そっかぁ。自分の家かぁ〜〜〜んっ!?
何で?!?!
私…昨日、火車に遭ってその後に部活のぉ〜
えっと……秘密基地!そうだ、秘密基地!!
で〜鈴木先輩の温もりで泣き疲れた。
私は寝ちゃったんだった(汗)
わざわざ、送ってくれたのかな?
でも…どうやって私の家を……???」
ピンポーン・・・
んっ?チャイム、誰だろう???
玄関へ向かった友理が扉を開けると
そこには蘭と雫が訪れていた。
友理「鈴木先輩に雪乃さん?!お、おはよう」
おはっ、おはようございます。林堂さん…(汗)
友理(あれ?何でこんなに雪乃さんが、
緊張してるんだろう???
まぁ、いっか。とりあえず2人を上がらせて……)
蘭「ごめんなさいね(汗)
昨日の影響で2人は疲れている事を
視野に入れておくべきだったわ。
それで私には送り届ける義務があると思っていた
のだけど〜よくよく考えたら2人のお家の事、
知らなくて学校の職員室に行って
住所を確認して来たからここで会ってる筈〜よね♪」
えっ?
ええぇぇぇ!!!!!?
友理「いやいやいや、鈴木先輩?!
それはまずいですよ!流石にぃ〜(焦)
えっ、何が?(きょとん)
何がって普通にはんざ……はい?!」
かなり大きな声で騒ぐ友理に対して
苦し紛れに頭を悩ませながらも雫は口を開いた。
雫「ゔゔ…ぅぅぅ(汗)
と、とりあえず中へ入りましょう!
ねっ?林堂さん、ねっ?!
(目力の圧力)
誰かにこんな会話、聞かれたら特別部隊でも
許されませんからぁ〜(汗)」
そう………なの?
2人「そうですよ!!」
家の中へ・・・
先程の嵐が嘘のように蘭の気分が良くなり、
ある事を思い付いて友理に話しかけた。
蘭「あっ、友理さん。
私、少しお手洗い借りますね!
自宅のお手洗いを使いたかったのだけど、
お父さんが使っていたので。
すぐ戻りますから〜♪」
と微笑みながら扉を開け鍵が閉まる。
そして扉が閉まる音と共に確認してから
2人は部屋に戻り会話をし始めた
友理「あ、あの〜雪乃…さん?
鈴木先輩って犯罪に疎いというか〜
天然と言いますか!!何ですか?!
あの先輩達の中で1番の常識人だと
思っていた人がまさかの犯罪だなんて思わない
って特別部隊の意味を分かっていませんよ!?」
雫「お、落ち着いて下さい林堂さん(汗)
お気持ちは分かります。分かりますが………
耐えて下さい!」
と雫の言う通り、落ち着く時間を作り、
少しの間を空けてから友理が問い掛ける。
雪乃さんの時はどんな感じに言ってましたか?
「私の時もさっきと全く同じ光景でした。
林堂さんにまた言うんじゃないかと
し、心配と言うか〜緊張していましたから(汗)」
そ、それであんなに緊張を……なるほど。
それじゃあ、これからどうします???
雫「鈴木先輩がここに来ているという事は
何らかの要件があると思うのですっ!!
まずは、鈴木先輩の要件を聞いてからですよ」
それもそうだね(汗)
そんな話よりも唯一の常識人の人が、
個人情報を見た事が逮捕案件な事の方が
私は心配ですよ!!
雫「で、ですから…林堂さんもくれぐれも
鈴木先輩の前ではこの事は私達だけの秘密という
事にしましょう!!
いくら、本人が聞いて来ても
あのお2方にも内緒です!
知ってるかは分かりませんが(汗)
くれぐれも……ですよ?」
う、うん!!分かった。
私達の秘みつ…………
と小指を絡ませる瞬間、蘭が扉を開けて帰って来た。
蘭「んっ?どうしたの、2人共♪
良い所で私、入って来ちゃったかな???」
い、いえ?!
鈴木先輩に隠し事…なんてないですよ。
あはっ……あはは………(汗)
雫(露骨、過ぎますって!!)
んんっ?
そして本題に入った・・・
蘭「とりあえず、友理さんと雫さんは
これから怪奇研究部に入るという事だから
部活のお仕事体験の内容について
教えてあげますね♪」
体験……させて貰えるのですか?
えぇ〜勿論。
はあ☆
蘭「ただし、明日から1週間の期間だけで
あなた達に危険な立ち回りをさせるつもりも
無いのでそこは、安心して下さい♡
戦闘面は私達がやりますのでお気遣いなく〜
お2人には情報収集やサポート側に
徹してくれると嬉しいわ♪」
友理「おぉ〜本格的だ!!」
雫(実際、特別部隊として許可を
貰ってる事ですから本格的なのは、先輩達が経験
してるからであって……(汗)まぁ〜いっか)
蘭「それから注意事項について話すから
よく覚えておくのよ♪
まず、1つ目がぁ〜………
数分後・・・
蘭「この6つのルールを守ってくれれば、
合格にしてあげる。
これは部活に入部してからも鉄則事項だから
もし、破ったらフリーランニングの刑ね♪」
フリーランニング???
蘭「この部活をやっていくには大切な項目なの。
フリーランニングっていうのは、
障害物の高低差を利用して相手の攻撃とかを
避けたり、走って追い掛けたり私達も攻撃する
隙を見つけたりとかね!
基本的には犯人追跡の為の練習っていう目的で
しているわ♡
とっても楽しいのよ!!」
おぉ〜楽しそう☆☆☆
鈴木先輩、それは練習だからです?!
練習と本番では全然違いますから(汗)
「それからパルクールっていうトレーニングも
あるけれど、これは後々教えてあげるわ♪
その前にこの部活動での仕事をきっちり覚えて
貰わないとね!!」
腰に手を当てて満足そうな笑みを浮かべる。
はいっ!はい…(不安)
それじゃあ、これから1週間体験って事で
パトロールしたい時は私か、誠也に日向くんと
じゃなくても声を掛けても良いし、
2人で行ってパトロールしても良いけれど〜
それでも時間が合わなかったら単独も可能。
先程、言った注意事項だけは
きちんと守ってくれれば、それで良いから♪
2人「分かりました!!
わざわざ、ありがとうございます」
翌朝・・・
(それから私達はこの1週間、学校をいつもより
早めに行ってパトロールはした。
雪乃さんの家は私は知らないから朝には会えず、
互いに困ってる人を見掛けたらお婆さんの
荷物持ちや公園の木に引っ掛かってしまった
風船を取ったりと人助けって
こんなにも楽しかったんだって思えた!
雪乃さんもスーパーで迷子になった女の子や
夜道でのストーカー行為を妨害し、
犯人は一つ目に恐怖心を抱き逃げてしまった。
身柄を捕まえるつもりが取り逃したりと
若干、本人も傷付いていました………
若干ですよ!!)
あっという間に1週間が終わり掛けた最終日、
私と雪乃さんは初めて遊びに行く事にした!
休日もあって最終日という事でお仕事を、
休んで気長に羽を伸ばそうとしたその時!!
プルルル……プルルル!と着信音が鳴った。
友理「んっ?鈴木先輩からだ。
何だろう?ピッ(音)もしもし〜?
あ、はい!ふむふむ…ふむ。えぇっ!?
ちょっと待って下さい、鈴木先輩それってぇ〜
あぁ〜………き、切れちゃった(汗)」
雫「どうなさいましたか?鈴木先輩は何と???」
友理「そ、その〜先輩方がパトロールする筈が
3人共、用事が急遽入っちゃってぇ〜(汗)」
雫「なるほど〜……
それで前に聞いた注意事項が来る訳ですね」
友理「そうなんですよ!!
せっかくの雪乃さんとの休日がぁ〜〜〜(涙)」
雫「はぁ〜…仕方がないですよ。林堂さん!
クヨクヨしていたら困っている人が、
増えるだけです。
パトロールに向かいましょう!!」
友理「うぐっ……は、はい(汗)」
雫(1週間前に鈴木先輩が教えてくれた
パトロールでの注意事項。
フラッシュバック・・・
1つ、用事が入ってしまった人の代わりに
誰か1人でもパトロールの代理を
しなければならない。
1つ、騒ぎになる前に
結界または穏便に済ませる事。
1つ、犯人以外の一般市民には手を出さない事。
1つ、優先すべき事件対応には、
必ず2人組で行く事。
1つ、学校の生徒であれば、
閻魔騎士に交渉して釈放させる事。
1つ、犯人の意識を私達に向けさせる事。
以上が、私達の部活動よ♪)
フラッシュバック終了・・・
友理「じゃあ雪乃さん、パトロールがてら
友人として街を歩いてみよう!!」
雫「んっ!うふふ♪
そうですね。気楽に行きましょう」
その後、私達はお洋服屋さんで買い物をし、
試着する時に交互に外の様子を伺う。
図書館で妖怪についての本を借りたが、
雪乃さんは無我夢中に読み始めてしまい図書館で
かなり滞在してしまった(汗)
そして、喫茶店でのんびりしながら
外を眺める事も怠らなかった。
喫茶店を出て湖近くの散歩エリアを
2人は談笑は、談笑しながらゆっくりと歩いた。
友理「はあ♡楽しかったぁ〜〜〜
ありがとう。雪乃さんから誘ってくれなかったら
普通にパトロールしてたよ!」
雫「それなら良い息抜きなって良かったです」
友理「うん♪」
すると、目の前から女性の悲鳴が聞こえてきた。
女性「キャーーー!!
通り魔よ、誰か捕まえ………あ、あなた?!
大丈夫なのあなた!
誰か、菊理媛命様に連絡をっ…!」
と女性の旦那さんと思われる人が心臓近くを刺され
黒い血のような物が服に滲んでいた。
灰色のパーカーを着た男性がダッダッダッ!!
とこちらに向かって来る通り魔の手には刃物を持って
近付いて来た犯人に構える友理。
通り魔の見た目とこの場所について記憶を遡る。
雫「あの人は、もしかしたらここ最近で
騒がれている連続通り魔事件の犯人だと思います!
被害者は出てしまいましたが、
ここで食い止めないと………後が大変です(汗)
(でも危険な役目は、先輩方が対応してくれる。
けれども、その代理の先輩達も用事で居ない!!
この対応は私達がして良い事なの?(汗)
いや、駄目。ここで私達が止めないと、
再び犠牲者が……っ!どうすれば、良いの?!)」
そう雫が思い悩んでいると友理は、
真っ直ぐな瞳で前を見てこう言った。
友理「私がやります!!
雪乃さんは、少し離れてて下さい」
雫「えっ?
ですが、林堂さんには………(焦)」
友理「私の事なら大丈夫だから少し離れて(微笑む)」
そう言って友理は雫に自分のカバンを預けて
ゆっくりと犯人に歩み寄っていく。
通り魔「そこを…退きやがれーーー!!!」
と言った瞬間、一瞬にして犯人の懐へと入り込み、
足を勢いよく踏み付けてから
大勢が崩れた犯人の腕を掴み、背負い投げた。
それと同時に雫の足元には刃物が飛んでいき、
驚きのあまり雫は口を開くままだったが
すぐに我に帰った。
雫「あっ!あの通り魔を……そんな一瞬で?!
り…林堂さん、お怪我はありませんか???」
友理「えっ、あうん?特に無いけど〜(汗)
そ、それより閻魔騎士に連絡!!」
雫「そ、そうでした!えっと〜えっと〜〜〜(焦)」
と茶色のポシェットの中を慌てて探し出した。
友理「落ち着いて下さい、雪乃さん!?」
夕方・・・
閻魔騎士「ご協力、感謝致しました!
ですが、あまり近所の方には
やって良い事と悪い事があります。
今回は無傷だったとはいえ、
興奮状態の犯人には次から十分に気を付けて下さい」
雫「あ、あの〜………私達は、その…」
閻魔騎士「んっ?何かな???」
友理「私達は鈴木先輩がやっている
怪奇研究部に所属してる林堂 友理です♪」
えっ?鈴木さんの???(閻魔騎士)
い、言って大丈夫なのですか?(小声の雫)
友理「良いんじゃないかな?
だって体験期間とはいえ、お試しでやった事には
変わらないんだし入部はするでしょ♪」
雫「た、確かに……そうですが(汗)」
と雫が困り果てているとある声が聞こえてきた。
蘭「牧原くん、お疲れ様です!!
この子達は最近、入部して来てくれた1年生です♪
これからもよろしくお願いします!」
雫「鈴木先輩?!どうしてここに?」
牧原「そうでしたか。これは、失礼致しました(焦)
それでは林堂 友理さんに……そちらは〜?」
「あっ、はい!雪乃 雫と言います。
よろしく…お願いします」
蘭「うふふ♪」
牧原「はい、これからも特別部隊の皆さんに手伝って
貰う事が増えると思いますが、
その際は牧原にお願い致します!」
友理「はい♪」
雫「は、はいっ!!」
帰り道・・・
誠也「それにしても最終日に、通り魔の事件に
出くわすなんて凄ぇ〜運が良いな〜〜〜
羨ましいぜ☆」
日向「事件で羨ましい事なんて一度も無いわよ(汗)
まぁ、誠也は誠也って事だな。
んっ?どういう意味だ、日向???(誠也)
さぁ〜ね(笑)」
「お、おい!はぐらかすな!!教えろよ!待て」
と3人を囲うように日向を追い掛け回す誠也。
蘭「2人共、体験期間お疲れ様♪
急遽、予定が入る事態もあるから
今日はそれを体験して貰ったわ。
あなた達の活躍、しかと見届けましたからね♡」
2人「へぇ〜………んっ?
(もしかして、わざと先輩達休んだって
連絡したのかな???)」
蘭「あと〜さっきの人は
私達、特別部隊での指揮をやってくれる
閻魔騎士の人はね、牧原 雄鬼
高等部の3年生で牛鬼っていう妖怪だから
よく覚えておくのよ♪」
雫「通りで聞いた事ある名前だと思いました!」
そして友理は、新たな疑問が浮かんだ。
友理(牛鬼って何???)
誠也「待ちやがれ、日向!!おーーーい!」