第4話 「雫の1日」
買い物から帰って来た3人は、
友理の家に荷物を置きに行くついでに
しばらくの間、滞在していた。
恋花「お邪魔しま〜す☆」
花梨「ここが、林堂さんのお家ですか?
とてもお広い家ですね♪」
友理「えへへ♡
それほどでも〜って言っても実家だけどね(汗)」
花梨「えっ?」
恋花「そうなの?!でも〜確かに。
一人暮らしの家とは、思えない広さだとは思った
けど〜まさか友理ちゃんのお母さんが、
実家ごと預けるとはね〜☆」
友理「そうなんですよ〜(汗)
お母さんが独り立ちしなさいってずっと言われて。
なのに聞いてよ!!
お母さんってば、わざわざ別荘に使えそうな家具
やら何やらぜ〜んぶ、持って行ったんだよ!
きっと業者の方々に運んで貰ったのですね(花梨)
うん(不貞腐)
だからこの家に来た時、何も無くてさ〜
今日の買い物で新しく買ったとはいえ
まだ一式の家具しか揃えられてないんだ〜(汗)」
リビングでいつも朝ご飯と夜ご飯を食べている
背の低いテーブルを友理は指した。
恋花「へぇ〜
じゃあもしかしてクローゼットとかも無いって事?
制服とか、いつもどうしてるの?!」
友理「制服は〜ほら、あそこ。
押し入れの手前に窪みがあるでしょ?
私は、いつもあそこに付けてるよ♪」
恋花「友理ちゃんも色々、苦労してるんだね。
でもでも家具が、まだ置いていない空間って
何だか新鮮だよね〜♡
確かにそうね♪(花梨)
私も引っ越そうかな〜(ウキウキ)」
花梨「あなたは家の都合で引っ越せないでしょう」
恋花「ま、まぁ〜ね(汗)
でもさ花梨。
私、一度思った事があるんだ!!
[もし一度だけ家族から離れて
のんびりと生活できたらどんなに楽しいかな]って
考えてたら〜何だか気が楽になってきて
今は無理でもいつか……親の心配という鳥カゴから
旅立つ時がきっと来るって!
私は、そう信じて待ってみようと思うんだ♪」
と恋花は目を輝かせて
リビングの電気の光を掴みながら言うが、
花梨にとっては叶わぬ夢のように
悲しげな顔でこう呟く。
花梨「そう…ね(落ち込む)
もし、実際に叶うのであれば………ねぇ」
と2人は背中合わせでそれぞれの思いを考えていた。
そんな悲しげ様子の後ろでは、
ひたすら袋を漁りまくる友理の姿があった。
ガサゴソガサゴソ・・・
友理「うーんと……あぁ〜ありましたっ!!
コレですよね。花梨さんと恋花さんのふく〜…
2人でなんか話してましたか???
ごめんなさい、後ろでうるさくしちゃって(汗)」
と小さめの袋を腕に掛けながら2人の元へ。
恋花「えっ!あ〜だ、大丈夫だよ!!
丁度、話が終わった所だからごめんね。
気を遣わせちゃって(焦)
そこに置いといて〜友理ちゃん。
帰りに持ち帰るから玄関にあぁ〜それから………
さっき届いたばかりの洗濯機のダンボール箱って
これであってるよね?」
友理「そうですが〜???」
と箱の中身を確認してから恋花は、
さっきまで落ち込んでいた素振りをやめて
腕を捲り、箱に手を掛けた。
恋花「オッケー!
ここまで荷物を運んで来た事だし、
友理ちゃんの家の内装を手伝っちゃうよ☆
花梨〜これ開けるの手伝って!!」
と恋花に呼ばれて気持ちを切り替え、
両手を合わせてゆったりと返事を返した。
花梨「は〜い♪」
友理「えっ、良いですよ!
そこまでしなくても私の家の問題ですから!!
はいはい、友理ちゃんは退いた退いた♪(恋花)
わっ、わぁ〜(汗)」
友理は、困惑しながらも花梨に弁明した。
「そこまでしなくても?!
か、花梨さんなら…分かって貰えますよね?」
花梨「えぇ〜♡
私も賛成です。恋花に1票入れるわ」
友理「で、ですよね!!
ほら花梨さんも言ってるんですから
恋花さんもやめにし……ってえぇっ!?」
2人「さぁ、やろう☆おぉ〜♪」
ダンボール開封、洗濯機の栓を繋げて配置する。
配置作業を終えた恋花は、
次やる事を花梨に尋ねてみる。
恋花「花梨はこの後、何するの?」
花梨「そうね〜
私は、あまり重たい物は待てないから
さっき買った壁紙もある事ですし、
私は装飾から始めようかな♪」
恋花「おぉ〜良いね!!
じゃあ私は、洗濯機が終わったから………」
友理(唖然)
その後、友理も加わって作業を進めていると
業者に運んで貰った物が届き、
2つのソファーをリビングへと運び込み
正方形の背の低いテーブルの周りに置いた。
配置し終えた一同は、
3人掛けのソファーに花梨と恋花が座り、
それから友理は2人掛けのソファーに座った。
友理「ごめんね(焦)
結局2人に家具とか装飾、任せちゃって。
私そういう器用な事、苦手だから
全然手伝えなくてぇ〜(汗)」
恋花「良いの良いの♪
そう畏まらないで、
人は誰しも得意不得意な所あるだろうから
そういう所は、友達で補えば
きっと良いってよく言うでしょ☆
だから友理ちゃんも
そんなに気にしなくて良いからね!!」
友理「う、うん……そうだね♡」
一安心した所で、ふと花梨が壁時計の時計を見て
こう言う。
花梨「そろそろ夕日が、落ちる時間だわ。
私達は帰りましょうか恋花」
恋花「あ、もう〜そんな時間???
1日って早いねぇホント(汗)」
ソファーを立って・・・
友理は、改めて今日の出来事について
こう語った。
「2人共、今日は本当に楽しい1日だった!
今までに無いくらいとびっきり楽しい体験が出来て
引っ越し先が、ここで良かったって思えたよ♪
ありがとう!!」
恋花「はあ♡
そう言って貰えると何だか嬉しいな〜」
花梨「うふふ♪
友理さんといつまでも私達の友達で居てくれます
ようにっ!」
とニッコリと笑った後に両手を合わせて願った。
友理「んっ?
花梨さん、何を言ってるんですか?
私達はずっと友達ですよ!!」
恋花「あぁ〜花梨は、
今まで友達とか今日みたいに
他の人と遊んだりする機会が事が無くてね〜
私が、友達になったからには
それを導く為に人付き合いってもんを
良い事だって教えてあげたんだよ♪
でも全部が全部上手くいくって事の方が、
友達関係って難しいじゃん?
だからこうして願ってるんだよ!
花梨にとっては[お節介]かもしれないけどさ、
私と友達になったんだから
私なりに最高の友達の価値ってものを
興味深く知らしめられたでしょ〜〜〜☆」
と花梨に向かってウィンクした。
理解が追い付かない友理はキョトンとした顔で
目が点になっている。
友理「んっ?」
花梨「……っ!!(恥)れ・ん・かぁ〜?(怒)
あなた友理さんの目の前でその話は、
やめてっていつもいつも!」
恋花「ギクッ!あはは………(苦笑い)
いや、本当の事を言ったまでじゃないか花梨!?
何をそんなに怒っているんだい?(汗)」
と花梨の怒りがピークになってこう言った。
「もうそれが、お節介って事じゃないの!!」
恋花「ブヘェッ!(ビンタ)」
これはヤバいと悟った恋花は、
友理の家から慌てて緊急脱出を試み友理にこう言った。
恋花「ゆ、友理ちゃ〜ん!
なんか今日、バタバタしちゃったけど
買い物、楽しんでくれただけでも良かったよ!!
それじゃあね〜〜〜☆☆☆」
勢いよく飛び出した恋花を慌てた様子をしながらも
きちんと挨拶をしてきた。
花梨「待ちなさいよ、恋花!あっ。
では友理さん、また月曜日にお会いましょう。
今日の出来事はちゃん記録致しますので、
それではご機嫌よう♪」
友理「バイバ〜イ!」
少し友理の家から離れた所で小走りをやめて
ゆっくり並走した後、
花梨が恋花の頭をコツンと叩いてから
恋花が謝る素振りを見せて再び2人は、話していた。
友理「うふふ♪
本当に仲が良いんだな〜あの2人♡んっ?」
そんな仲睦まじい2人の目の前には
夕日が落ちる手前くらいで不思議な光景を目撃する。
家から少し離れた場所から肉眼で目視できる範囲で
恋花の腰辺りには尻尾がウヨウヨと動いており、
二股に分かれたものが半透明で見えたのだ。
友理「えっ!?」
と驚きあまり目を擦り、
友理は再び2人の方へ目線を向けた。
すると今度は、見えなくなっていた。
友理「き、気のせいだったのかな???
う…うん!絶対、気のせい……だよね(汗)
(でも、この時間辺りから
徐々に妖怪の姿に変わってくって
雪乃さんが前に話してたっけ?
だとしたら〜
さっきの恋花さんのアレは、見間違いじゃなくて
妖怪の一部なのかな???)
そう考え込んでいると友理は、
ある事を思い出して焦り始めた。
友理「………ってそうだ!雪乃さん!?
後でお土産話の電話をする約束だった(焦)
あっ、それに今日の起きた出来事について
雪乃さんなら何か知ってるかもっ!
よ〜し。一度、長く話してみようかな♪」
プルル…プルルル……プツ!!・・・
雫「もしもし」
友理「あ、もしもし雪乃さん?
あの時に連絡先、交換してくれて良かったよ!
雪乃さんが、帰った後で
2人と一緒に買い物しに行ってたんだけど。
本当に楽しかったんです♪」
雫「それは、良かったですね。
この辺りには買い物するスペースはデパートぐらい
もしかして林堂さん達は、あれから
深沢市一の帝大型ショッピングモールの方に
行かれたのですか?」
友理「はい♪
それで何だか2人と一緒に買い物している内に
友達と来たら、こんな楽しい気持ちにもなるんだって
初めて思いました。
1人よりも誰かと一緒に居るだけで
こんなにも景色が違うんだって!!」
電話越しでも分かる友理の楽しそうな声に
雫は、静かに返答した。
「それくらい良い思い出になったって事ですよね。
良かったじゃないですか」
そして友理は、本題についてこう話した。
友理「それでね〜雪乃さん。
その後にちょっとした事件が起きましてですね!」
雫「へぇ〜最近は、物騒ですね。
でも起こり得る事件なら1つあります!!
ちょっとした事に罪の意識が沸く妖怪だって
存在しますから林堂さんは、
そういう人に出会ったら
絶対にその人の姿を見てはいけませんよ」
友理「あ、うん?分かりました???
それから騒ぎを聞き付けた2人が、
一目散に走って行ってしまって……
私もすぐ追い掛けたんですが、2人の足が早いのか
すぐに見失っちゃったんだ〜(汗)」
雫「かなりお早い人ですからね。
(見失う???
あの人よりも遅いとなると[獣人系]では無い。
[人型の妖怪]でしょうか?)」
雫が黙々と考えながらも友理は話を進める。
「恋花さんが、犯人を追い詰めてはいたんですが〜
犯人から目眩しを喰らって動けなくなったとか。
それで犯人が、もう少しで外へ逃げられる時に
床に水があって♪」
雫(水?
あぁ〜[花梨さんの力]でしょうね)
花梨さんが、止めてくれたんです!!
それで〜後から聞いた事なんですが、
万引きした人が[浅見…先輩]???
とお2人は言っていたんです(汗)
誰だか、分かりますか雪乃さん?」
と雫は名前を口ずさみながらそう尋ねた。
「あざ…み……浅見…そう言っていたんですね?」
友理「はい!」
すると雫は本棚からある本を探し出し、
その本のページをめくっていく。
しばらく沈黙する時間があったものの
すぐに口を開いた。
雫「彼女は0419ページ 種族:百々目鬼
名前:浅見 陽花 クラス:A 能力:視線遮断」
友理「浅見 陽花……さん。
それに百々目鬼って何ですか???」
と雫は、友理の質問にこう答えた。
「百々目鬼というのは無数の目を持つ鬼の事。
その目を見た者はしばらくの間、
視界を奪われ動けなくなるそうです!
それが、[視線遮断]という能力ですね。
雫(私がもしその場に居たら、必然的に戦力外だ!!
確か双葉 花梨と清見 恋花。
恋花の方は[猫又]それもその筈、
他の妖怪を見下すあの鋭い目付き……
何度も見て来たから分かる。
あの目だけはもう金輪際、見たくもないっ!)
そんな事を考えていると友理に名前を呼ばれていた。
友理「………さん?雫さん!!」
雫「ハッ!
何か言いましたか、林堂さん???(汗)」
友理「えっと〜
それで浅見さんを捕まえる為に
花梨さんと恋花さんが、
2人で協力した事を伝えたのだけど。
私、それを見て感動したんです☆☆☆
2人は早くて私なんかより早く現場に着いて
いくら先輩だからとはいえ容赦なくですよ!!」
雫「(それは〜……
先輩だと知らずに犯人を逃さない一心で
手加減なしにやったんだと私は思いますが………?)
なぜあなたが満足しているのかは、
分かりかねませんが…まぁ良かったですね(汗)」
友理「はい!とっても満足しました♪」
雫(それに偶然とはいえ、あの場所で彼女に
接触できたお陰で気付いた事があります!!
あの時の彼女は、やはり[迷っていた]。
おそらくまだ真の力は引き出せていない!
それくらい引き出すのが、極めて難しい事ぐらい
私でも分かります。
雫「川の流れに身を任せ、ゆっくりでも
その道が閉ざされようとも1つじゃないと」
[希望の光]って良い言葉ですよね)
と口元が微笑みながら
雫は、思わず声に出して言っていた。
「成長が楽しみですね♪」
友理「えっ?何か言いましたか?」
雫「何も(冷静)そうだ。
林堂さんに差し上げる物がある事を
すっかり忘れていました。
その受け取って貰えると〜私としては、
とても嬉しいのですが〜♪」
友理「えっ!お菓子☆
違います(即答)
ぶーぶー………」
雫「コレをあなたに差し上げますね。
その〜差し上げる物って何ですか???(友理)
[予備ファイル]です♪
[予備ファイル]って???(友理)
簡単にいえば[妖怪と人間の辞書]と言った方が、
正しいですね。
これは[秘密情報]ですので間違っても
私以外には絶対に言ってはいけませんよ?」
ゴゴゴオォォォ………!!!(怒)
友理「(で、電話越しでも分かる圧力!!?
かつ強い寒気がっ……!)
わわ、分かりました(汗)
私も少しは妖怪の知識を付けたかった所だった
ので、ありがたく貰いますからー!!(焦)
でも何で雪乃さんが、
そんな[秘密情報]を持ってぇ〜………」
雫「んんっ?何ですか?(怒)
私はただ林堂さんにもどんな妖怪が居るか〜
頭に叩き込んで分かって頂ければ、
頼もしいか〜なと思っただけなのでねっ?(怒)」
友理「すみません、もう何も言いません(涙)
これ以上、何も聞きませんか〜らぁ!!」
雫「では今からお送り致しますね♪」
友理「はいって今!?どうやって???」
雫「勿論〜妖怪ゲートで、ですよ」
不思議そうに思いながら寛ごうとした所、
友理の部屋の中に突如現れた大きな目が現れて
目がこっちをギロッと向き、雫が通り抜けて来た。
雫「お邪魔します。あら?
林堂さん、何してるんですか???」
と床で気絶している友理に尋ねながら
ようやく現状に気付いたようだ。
雫「あっ………」
5分後・・・
雫「えぇっと、なんかごめんなさい。
驚かせてしまって(汗)
事前に説明すべき事……でしたね」
も体がカクカクしながら正座をする2人。
友理「良いんですよ(焦)
そんなに畏まらなくても………
そ、それでさっきの電話越しで話していた
[妖怪と人間の辞書]でしたっけ???
これを読めば、私も妖怪の知識が深まるのですか?」
と黒灰色のファイルを見せた。
雫「はい、ただこの地域辺りだけなので
ほんの少ししかお役に立てませんし、
まだ未完成なので(汗)」
友理「大丈夫だよ!
この本を読んだら他の人達がどんな妖怪か
知れる辞書なんて、とても貴重です☆
すっごく嬉しいです♪
それに〜この地域以外にも居たら、
その時はノートに書き足すだけですよ♪」
雫は、俯きながら少し残念がってこう言った。
「そう……言って貰えるとありがたいです」
友理「でも[予備ファイル]って事は、
雪乃さんも持ってるのですか〜?」
とその質問に対して雫はこう言った。
「はい、私はファイルというより本がありますので、
そのファイルは林堂さんの為に書き写した物です。
私の事は、気にしないで下さい」
ホッとした顔で「良かったぁ〜」と安堵している
と帰ろうとしていた雫を友理が引き留めた。
雫「それでは。私は、帰りますね♪おや……
あっ、待って下さい雪乃さん!?(友理)
何か[予備ファイル]に不満でもありましたか?」
友理「あ、いえ。不満とかじゃなくて。(汗)
その〜………んっ!!」
意を決して友理は、単刀直入に聞いた。
友理「この世界に[閻魔様]って存在しますか?」
これを聞いた雫は、かなり困惑気味に反応した。
雫「えぇ???
なぜ、そんな分かりきった事を尋ねるんです(焦)」
その疑問に対してこう答えた。
友理「私、ここに引っ越してから
テレビは付けてはいたんですが、
まともに見たのは初めてで〜(汗)
それで今日、たまたま出掛ける直前に
初めてニュースを見て[閻魔騎士]とか何とか
言っていたのが、気になって…………
で、でも2人に聞くのは申し訳なかったから
雪乃さんなら詳しい事が、聞けるかもって。
それでっ!!」
必死に説明している友理に雫はさりげなく言った。
雫「いますよ」
えっ?(友理)
妖魔界を取り締まる[閻魔大王様]は、
この世界に存在します……ですが。
ですが、何です???(友理)
ニュースで言っている[閻魔騎士]と閻魔大王様は、
別物です!
そもそも[閻魔騎士]というのは、
閻魔大王様から直々に[選抜された騎士]を
指します。
閻魔大王様は滅多に表舞台に出る方では無い為、
その姿は闇に葬られています。
大体は、[閻魔宮殿]で過ごされているので
私達国民には到底行けませんが。
ただ最近は、騎士の方々が言うに
[閻魔宮殿で眠っている]との事を聞いて
皆さん、心配されています。
私も何もなければ良いのですが、
とずっと考えている所で(汗)」
深刻な話の中、友理はこう思った。
友理「そう…でしたか。すみません(汗)
………(でも[閻魔様]は、確かに居る!!
この妖魔界に存在するんだ。
私も会ってみたいな〜……
そう簡単に会える人じゃないけど。
クラスの皆んなからは閻魔様の英雄譚とか
伝説の%*☆*(←読めないだけ)が書かれた本が、
確か図書室にあるって噂されてたっけ?
月曜日にでも探しに行こうかな〜♪)
雫「とりあえずこの話は、終わりにしましょう(汗)
私自身のモヤモヤが増えるだけなので」
友理「えっ、あ…そうですよね。
雪乃さん達にとっては、[普通の事]…ですよね!
無理に呼び止めてしまってごめんなさい!!」
と正座から綺麗な形で土下座をする友理。
雫「良いのです。
林堂さんこそ、分からない事がまたありましたら
私に言ってくれれば、何度でもお付き合いしますよ。
で、でも!!(友理)
面倒だなんて思ってませんから
それではおやすみなさい、林堂さん」
友理「う、うん。おやすみなさい雪乃さん♪」
と妖怪ゲートの目の中に再び入り、
瞼が閉じてから部屋には跡形も無くなった。
自分の家に戻って来た雫は、
部屋の壁に寄り掛かりながらこう呟いた。
雫「そう………あなたは何も知らないのですね。
信じた私が、愚かでした(涙)
それでも[あの人達]は使えるかもしれない。
……っ!」
と涙を拭って本棚にある一冊の緑本を押し込み、
隠し扉が現れた。
薄暗い地下へと通ずる場所へ行き、
電気を付けるとそこには!!
数億万冊の[Y]と赤ピンク文字で書かれた
黒灰色の本が綺麗に仕舞われていた。
雫「さてと、私も少しは勉強しなければ。
[あの方]の為にも早く探し出さないと………」
と呟きながら今日が終わった。
翌朝・・・
大きな目を開けて目を覚ました。
顔を洗い、朝ご飯を食べながら
共に秒針が進む音と共に行動して
針が丁度9時になった所で一息付き席を立った。
白パジャマからグレーのTシャツに
薄水色の羽織りと足首が見える
白いスキニーパンツに着替えて家を出た。
雫は、これから行く場所の予定を考えながら
住宅街を歩いた。
(今日は、郵便ポストに封筒を入れて
2箇所の銀行でお金を下ろしてヨガに通いつつ、
図書館で1日を過ごしましょう)
仁川市のお隣である加賀江市の葉木公園には、
滑り台とブランコの遊具があって
男女の中学生2人と少し離れた所に
小学生の2人が遊んでいた。
ピッグテールの髪型に赤紫髪でピンク色の瞳をした
女の子と耳上ショートヘアーの山吹色の髪で
藍色の瞳の男の子が走りながら話し始める。
女の子「マキくん、私に追い付けるもんなら
追いついてみなさい♪」
マキ「あっ、待ってよ!!
サツキ、置いて行かないでぇ〜(汗)」
サツキ「ふっふふ♡
あんたは、鬼なんだから早く追い付けるでしょ☆」
マキ「はぁ…はぁ……無茶、言わないでよぉ(汗)
鬼だからと言って皆んなが皆んな強くて早いなんて
無いん……だからさぁ〜…はぁ……はぁ…はぁ……」
サツキ「もう〜………
すぐマキくんは、弱音吐くんだから
しょうがないなぁ〜(汗)」
そう言ってサツキが、一度その場に立ち止まった直後、
目の前をボールが通り過ぎていったのだ。
女の子達「ごめんなさ〜い!
そこのボール、取って下さい(汗)」
サツキ「オッケー☆任せてよ〜!!」と言って
ガードレールに引っ掛かったボールを
引き抜こうとするも中々抜けず、
諦めずに勢いよく引っ張り続けている所に
雫が、公園方面の横断歩道で立ち止まった。
一息付いてから再び歩き出そうとした瞬間、
街中の反対側の道路で驚きの光景を
目の当たりにした。
雫「アレはっ!?」
そう雫が見た光景とは、なぜか意識を失った運転手
と暴走トラックが猛スピードで
女の子の方へ向かって来ていたのだ。
3箇所にスポットライトが当たり、
雫の心情が揺らぎながらこう考えた。
(助けを待ってたらあの子は絶対、助からない!
今、この場で助けられるのは[私]だけ。
私が見て見ぬ振りなんてそんな事としたら、
……誰が助けるの!!)
と深呼吸をしてから覚悟を決めた。
雫「スゥ〜はぁ………んっ!」
横断歩道を斜めに渡り、ガードレールを乗り越えて
すぐにボールごと女の子を持ち上げて
その場を凌いだ。
暴走トラックは、ガードレールの手前辺りに
ぶつかった衝撃で運転手の顔にはクッションが
出ており、2人は無事だった。
サツキ「んんっ?
お、姉さんが助けてくれたの???」
雫「……はぁ…はぁ……はぁ…そ、そうだよ(汗)
予期せぬ事が、いつ起こるか分からないけれど。
例え誰かの為であってもボールでも取りに行く時は、
まず周りをしっかり確認してから
自分の身だけでも安全な場所に逃げようね♪」
と微笑み掛けながら顔に汗が流れる。
すると女の子は、安心したのか大きな声で泣いた。
サツキ「う、うわあああぁぁぁ〜ん!(泣)」
マキ「サツキッ!?
大丈夫だった?今、トラックがっ……」
とマキに抱き付いて顔を見上げた。
サツキ「ま、マキくん…私、うえ〜〜〜ん!!
怖かったよ(涙)」
そんな女の子の泣き声を聞いた
公園近くの近所の人達が続々と駆け付けて来た。
お爺さん「大丈夫かい!?」
お婆さん「何があったのか分かんないけど、
お嬢ちゃん、ここで何かあったかい?」
と駆け付けて来た人達にサツキは、すぐ泣き止んだ。
サツキ「う、うゔん(涙)
私の事、お姉さんが助けてくれたから
お陰で怪我とかしてないから平気☆」
と元気に言ったが周りの人達は、顔を見合わせた。
お爺さん「お姉さん…が居たのかい???
ワシらが駆け付けた頃には
そんな人、居らんかったけどな。なぁ〜婆さん?」
お婆さん「お嬢ちゃんの見間違いじゃないかな」
サツキ「えっ、あれっ?あれれれ〜???
どこ行っちゃったのお姉さん(涙)」
ガードレール近くに集まった人達から
離れた場所で雫は、カバンに入れておいた
一つ目を隠す為のハット帽を深く被って
その場を去った。
閻魔騎士「お〜い、あんたも大丈夫か?!
お兄さん(汗)
ここで何があったんです???」
サツキ「聖騎士様!?」
お婆さん「それが私達は、少し遅れて
駆け付けたから詳しくは分かりませんが、
どうやらそこのお嬢ちゃんが轢かれ掛けたようで
それで〜………(汗)」
お婆さんの話を聞いていると自分の証言が、
無くなる事に気付いて騎士に話し掛けた。
サツキ「ほ、本当だもん。騎士のお兄さん!!
お姉さんが私の事、助けてくれたんだもん(涙)」
騎士「……分かった。君の証言を信じよう♪
本当…?!(サツキ)
じゃあそのお姉さんの特徴を教えてくれると
おじさん達も嬉しいよ(笑)」
閻魔騎士一同「グサッ!」
サツキ「うん!!
一言で言うとね一つ目のお姉さんだったの♪
それでね〜それでね☆私が公園で………」
サツキがウキウキで騎士に話し掛けているが、
序盤の方で粗方状況を把握するリーダー。
騎士(なるほどね。
一つ目の視野角なら、かなり離れた場所からでも
運転手の安否も確認ができ
すなわち少女の安全も守ったという事か。
まぁ〜今回は、一連の事件とはほぼ無関係だな。
見た感じ運転手や子供にも怪我をなく済んだ訳だし、
テレビに載せる程ではないだろう。
優先すべき命を彼女は身を挺してでも守ったんだ。
むしろ栄誉を称えたい所だが、
その場に彼女が居ないという事は
見た目をそれほど気にしているのだろう。
このお嬢ちゃんには悪いが………)
騎士「よし!
皆の者、この場で起きた事はこれでお終いだ。
特に怪我人は居ないんだニュースにも
載せやしないし、安心して各自の持ち場に
戻ると良い。解散だ!!
君達もここに居れば、また騒ぎを嗅ぎつける奴が
増える可能性を考慮してこの場にいる者以外には
話さないで頂きたい」
お爺さん「分かりました。
いつも御勤め、ご苦労様です聖騎士様!」
騎士「感謝、致します。
それから君達もここを屯しない為にも
直ちに家に帰りなさい」
サツキ「えぇ〜
まだ遊び足りないのに……(汗)」
マキ「サツキは大変な目に遭ったんだ。
僕達も帰ろう、送るよ♪」
サツキ「あっ。うん♡
ありがとう、マキくん!!
またいつかあのお姉さんにも会えるかな?」
マキ「きっと会えるよ。
サツキ、意外と強運だから平気だと思うな」
サツキ「えっへん(笑)
(でも。いつか絶対に見つけてみせるよ!
その時は、私を助けてくれたお礼と〜………
何でもない♪)」
一方雫は・・・
郵便ポストと銀行には既に行っており
ヨガを諦め、図書館に辿り着いていた。
深く被った帽子もカバンに仕舞い、
カウンターの所で本を返した。
受付の女性「いつもありがとうございます♪
いえいえ。本を読むのが趣味なだけです(雫)
うふふ♡あっ、そうでした!
これを今、お客様に渡すキャンペーンを
やっていますので是非貰って下さい♪」
雫「しおり……ですか?」
女性「はい、今日はラベンダーの香りを
付けていますのでお気軽に使って下さい」
雫「うふ。ありがとうございます♪」
しっかりとお辞儀をしてからカウンターを離れ、
興味深い本をいくつかカゴに入れて
机で読み始めた。
1時間、2時間、3時間が過ぎるのは
当たり前のように本を読み終えては、
もう一冊と手が進む。
大事な部分はノートに書き込み、
テスト期間のように黙々と書いていく。
ふと時計を途中で確認すると4時になっていて
図書館の滞在時間だけで7時間以上も
滞在していた!!
雫(もう4時ですか。
1日の終わりが、本当に早いですね。
お家より捗ったので
今日は早めに切り上げようかな)
帰り道・・・
雫「今日は、何だか良い事が沢山あった気がします♪
事故は決して良いものではありませんが、
何か自分にご褒美が必要でしょうか?
(………私にとってのご褒美、
昨夜、あの方について考えてしまいましたし〜
久しぶりにビーフシチューでも作ろうかな♡)
うふふ♪上手く出来ると嬉しいですね」
と鼻歌を歌いながら夕日に照らされたのだった。
恋花の正体は、猫又でした!!
皆さんは花梨の正体が何だと思いますか?
名前:浅見 陽花 正体:百々目鬼
髪型:ベリーショートヘアー
髪色:黒髪
髪:斜め前髪(右)
瞳:黒目
制服:上下青緑、プリーツスカート、
白ネクタイに黒ライン
髪飾り:風車のかんざし
キャラ説明:
カッコ良く成績優秀なしっかり者の3年生!
彼女の百々目鬼の特性:↓
「定期的に万引き衝動に駆られる」
というデメリットを抱えているものの強さは、
特殊部隊に匹敵する持ち主!!
花梨と恋花とは部活紹介の案内の時に出会った。
陽花はバスケ、テニス、バレーボール、ダンス、
陸上部といったボランティアという形で参加している
頭脳明晰、運動神経抜群の彼女は3年生のみならず
人気者の陽花に憧れを抱いた2人!
その為、2人も困っている人や犯人逮捕の協力が
出来るよう強くなりたいと決意が決まった頃………
不幸が重なった結果でもある。