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Y・Hファイル  作者: 白百合リーフ
林堂 友理サイド
4/29

第4話 「雫の1日」

買い物から帰って来た3人は、

友理の家に荷物を置きに行くついでに

しばらくの間、滞在していた。


恋花「お邪魔しま〜す☆」

花梨「ここが、林堂さんのお家ですか?

とてもお広い家ですね♪」

友理「えへへ♡

それほどでも〜って言っても実家だけどね(汗)」

花梨「えっ?」

恋花「そうなの?!でも〜確かに。

一人暮らしの家とは、思えない広さだとは思った

けど〜まさか友理ちゃんのお母さんが、

実家ごと預けるとはね〜☆」

友理「そうなんですよ〜(汗)

お母さんが独り立ちしなさいってずっと言われて。

なのに聞いてよ!!

お母さんってば、わざわざ別荘に使えそうな家具

やら何やらぜ〜んぶ、持って行ったんだよ!

きっと業者の方々に運んで貰ったのですね(花梨)

うん(不貞腐(ふてく))

だからこの家に来た時、何も無くてさ〜

今日の買い物で新しく買ったとはいえ

まだ一式の家具しか揃えられてないんだ〜(汗)」

リビングでいつも朝ご飯と夜ご飯を食べている

背の低いテーブルを友理は指した。


恋花「へぇ〜

じゃあもしかしてクローゼットとかも無いって事?

制服とか、いつもどうしてるの?!」

友理「制服は〜ほら、あそこ。

押し入れの手前に(くぼ)みがあるでしょ?

私は、いつもあそこに付けてるよ♪」

恋花「友理ちゃんも色々、苦労してるんだね。

でもでも家具が、まだ置いていない空間って

何だか新鮮だよね〜♡

確かにそうね♪(花梨)

(あたし)も引っ越そうかな〜(ウキウキ)」

花梨「あなたは家の都合で引っ越せないでしょう」

恋花「ま、まぁ〜ね(汗)

でもさ花梨。

(あたし)、一度思った事があるんだ!!

[もし一度だけ家族から離れて

のんびりと生活できたらどんなに楽しいかな]って

考えてたら〜何だか気が楽になってきて

今は無理でもいつか……親の心配という鳥カゴから

旅立つ時がきっと来るって!

(あたし)は、そう信じて待ってみようと思うんだ♪」

と恋花は目を輝かせて

リビングの電気の光を掴みながら言うが、

花梨にとっては叶わぬ夢のように

悲しげな顔でこう呟く。

花梨「そう…ね(落ち込む)

もし、実際に叶うのであれば………ねぇ」

と2人は背中合わせでそれぞれの思いを考えていた。


そんな悲しげ様子の後ろでは、

ひたすら袋を漁りまくる友理の姿があった。

ガサゴソガサゴソ・・・

友理「うーんと……あぁ〜ありましたっ!!

コレですよね。花梨さんと恋花さんのふく〜…

2人でなんか話してましたか???

ごめんなさい、後ろでうるさくしちゃって(汗)」

と小さめの袋を腕に掛けながら2人の元へ。

恋花「えっ!あ〜だ、大丈夫だよ!!

丁度、話が終わった所だからごめんね。

気を遣わせちゃって(焦)

そこに置いといて〜友理ちゃん。

帰りに持ち帰るから玄関にあぁ〜それから………

さっき届いたばかりの洗濯機のダンボール箱って

これであってるよね?」

友理「そうですが〜???」

と箱の中身を確認してから恋花は、

さっきまで落ち込んでいた素振りをやめて

腕を(まく)り、箱に手を掛けた。

恋花「オッケー!

ここまで荷物を運んで来た事だし、

友理ちゃんの家の内装を手伝っちゃうよ☆

花梨〜これ開けるの手伝って!!」

と恋花に呼ばれて気持ちを切り替え、

両手を合わせてゆったりと返事を返した。

花梨「は〜い♪」

友理「えっ、良いですよ!

そこまでしなくても私の家の問題ですから!!

はいはい、友理ちゃんは退いた退いた♪(恋花)

わっ、わぁ〜(汗)」


友理は、困惑しながらも花梨に弁明した。

「そこまでしなくても?!

か、花梨さんなら…分かって貰えますよね?」

花梨「えぇ〜♡

(わたくし)も賛成です。恋花に1票入れるわ」

友理「で、ですよね!!

ほら花梨さんも言ってるんですから

恋花さんもやめにし……ってえぇっ!?」

2人「さぁ、やろう☆おぉ〜♪」

ダンボール開封、洗濯機の栓を繋げて配置する。

配置作業を終えた恋花は、

次やる事を花梨に尋ねてみる。

恋花「花梨はこの後、何するの?」

花梨「そうね〜

私は、あまり重たい物は待てないから

さっき買った壁紙もある事ですし、

(わたくし)装飾(そうしょく)から始めようかな♪」

恋花「おぉ〜良いね!!

じゃあ(あたし)は、洗濯機が終わったから………」

友理(唖然)


その後、友理も加わって作業を進めていると

業者に運んで貰った物が届き、

2つのソファーをリビングへと運び込み

正方形の背の低いテーブルの周りに置いた。

配置し終えた一同は、

3人掛けのソファーに花梨と恋花が座り、

それから友理は2人掛けのソファーに座った。


友理「ごめんね(焦)

結局2人に家具とか装飾、任せちゃって。

私そういう器用な事、苦手だから

全然手伝えなくてぇ〜(汗)」

恋花「良いの良いの♪

そう(かしこ)まらないで、

人は誰しも得意不得意な所あるだろうから

そういう所は、友達で(おぎな)えば

きっと良いってよく言うでしょ☆

だから友理ちゃんも

そんなに気にしなくて良いからね!!」

友理「う、うん……そうだね♡」

一安心した所で、ふと花梨が壁時計の時計を見て

こう言う。

花梨「そろそろ夕日が、落ちる時間だわ。

私達(わたくしたち)は帰りましょうか恋花」

恋花「あ、もう〜そんな時間???

1日って早いねぇホント(汗)」


ソファーを立って・・・


友理は、改めて今日の出来事について

こう語った。

「2人共、今日は本当に楽しい1日だった!

今までに無いくらいとびっきり楽しい体験が出来て

引っ越し先が、ここで良かったって思えたよ♪

ありがとう!!」

恋花「はあ♡

そう言って貰えると何だか嬉しいな〜」

花梨「うふふ♪

友理さんといつまでも私達の友達で居てくれます

ようにっ!」

とニッコリと笑った後に両手を合わせて願った。

友理「んっ?

花梨さん、何を言ってるんですか?

私達はずっと友達ですよ!!」


恋花「あぁ〜花梨は、

今まで友達とか今日みたいに

他の人と遊んだりする機会が事が無くてね〜

(あたし)が、友達になったからには

それを導く為に人付き合いってもんを

良い事だって教えてあげたんだよ♪

でも全部が全部上手くいくって事の方が、

友達関係って難しいじゃん?

だからこうして願ってるんだよ!

花梨にとっては[お節介]かもしれないけどさ、

(あたし)と友達になったんだから

(あたし)なりに最高の友達の価値ってものを

興味深く知らしめられたでしょ〜〜〜☆」

と花梨に向かってウィンクした。

理解が追い付かない友理はキョトンとした顔で

目が点になっている。

友理「んっ?」

花梨「……っ!!(恥)れ・ん・かぁ〜?(怒)

あなた友理さんの目の前でその話は、

やめてっていつもいつも!」

恋花「ギクッ!あはは………(苦笑い)

いや、本当の事を言ったまでじゃないか花梨!?

何をそんなに怒っているんだい?(汗)」

と花梨の怒りがピークになってこう言った。

「もうそれが、お節介って事じゃないの!!」

恋花「ブヘェッ!(ビンタ)」


これはヤバいと悟った恋花は、

友理の家から慌てて緊急脱出を試み友理にこう言った。

恋花「ゆ、友理ちゃ〜ん!

なんか今日、バタバタしちゃったけど

買い物、楽しんでくれただけでも良かったよ!!

それじゃあね〜〜〜☆☆☆」

勢いよく飛び出した恋花を慌てた様子をしながらも

きちんと挨拶をしてきた。

花梨「待ちなさいよ、恋花!あっ。

では友理さん、また月曜日にお会いましょう。

今日の出来事はちゃん記録致しますので、

それではご機嫌よう♪」

友理「バイバ〜イ!」

少し友理の家から離れた所で小走りをやめて

ゆっくり並走した後、

花梨が恋花の頭をコツンと叩いてから

恋花が謝る素振りを見せて再び2人は、話していた。


友理「うふふ♪

本当に仲が良いんだな〜あの2人♡んっ?」

そんな仲睦(なかむつ)まじい2人の目の前には

夕日が落ちる手前くらいで不思議な光景を目撃する。

家から少し離れた場所から肉眼で目視できる範囲で

恋花の腰辺りには尻尾がウヨウヨと動いており、

二股に分かれたものが半透明で見えたのだ。

友理「えっ!?」

と驚きあまり目を擦り、

友理は再び2人の方へ目線を向けた。

すると今度は、見えなくなっていた。

友理「き、気のせいだったのかな???

う…うん!絶対、気のせい……だよね(汗)

(でも、この時間辺りから

徐々に妖怪の姿に変わってくって

雪乃さんが前に話してたっけ?

だとしたら〜

さっきの恋花さんのアレは、見間違いじゃなくて

妖怪の一部なのかな???)


そう考え込んでいると友理は、

ある事を思い出して焦り始めた。

友理「………ってそうだ!雪乃さん!?

後でお土産話の電話をする約束だった(焦)

あっ、それに今日の起きた出来事について

雪乃さんなら何か知ってるかもっ!

よ〜し。一度、長く話してみようかな♪」

プルル…プルルル……プツ!!・・・

雫「もしもし」

友理「あ、もしもし雪乃さん?

あの時に連絡先、交換してくれて良かったよ!

雪乃さんが、帰った後で

2人と一緒に買い物しに行ってたんだけど。

本当に楽しかったんです♪」

雫「それは、良かったですね。

この辺りには買い物するスペースはデパートぐらい

もしかして林堂さん達は、あれから

深沢市一の帝大型ショッピングモールの方に

行かれたのですか?」

友理「はい♪

それで何だか2人と一緒に買い物している内に

友達と来たら、こんな楽しい気持ちにもなるんだって

初めて思いました。

1人よりも誰かと一緒に居るだけで

こんなにも景色が違うんだって!!」


電話越しでも分かる友理の楽しそうな声に

雫は、静かに返答した。

「それくらい良い思い出になったって事ですよね。

良かったじゃないですか」

そして友理は、本題についてこう話した。

友理「それでね〜雪乃さん。

その後にちょっとした事件が起きましてですね!」

雫「へぇ〜最近は、物騒ですね。

でも起こり得る事件なら1つあります!!

ちょっとした事に罪の意識が沸く妖怪だって

存在しますから林堂さんは、

そういう人に出会ったら

絶対にその人の姿を見てはいけませんよ」

友理「あ、うん?分かりました???

それから騒ぎを聞き付けた2人が、

一目散に走って行ってしまって……

私もすぐ追い掛けたんですが、2人の足が早いのか

すぐに見失っちゃったんだ〜(汗)」

雫「かなりお早い人ですからね。

(見失う???

あの人よりも遅いとなると[獣人系]では無い。

[人型の妖怪]でしょうか?)」


雫が黙々と考えながらも友理は話を進める。

「恋花さんが、犯人を追い詰めてはいたんですが〜

犯人から目眩しを喰らって動けなくなったとか。

それで犯人が、もう少しで外へ逃げられる時に

床に水があって♪」

雫(水?

あぁ〜[花梨さんの力]でしょうね)

花梨さんが、止めてくれたんです!!

それで〜後から聞いた事なんですが、

万引きした人が[浅見…先輩]???

とお2人は言っていたんです(汗)

誰だか、分かりますか雪乃さん?」

と雫は名前を口ずさみながらそう尋ねた。

「あざ…み……浅見…そう言っていたんですね?」

友理「はい!」

すると雫は本棚からある本を探し出し、

その本のページをめくっていく。

しばらく沈黙する時間があったものの

すぐに口を開いた。


雫「彼女は0419ページ 種族:百々目鬼(とどめき)

名前:浅見(あざみ) 陽花(はるか) クラス:A 能力:視線遮断」


友理「浅見 陽花(はるか)……さん。

それに百々目鬼(とどめき)って何ですか???」

と雫は、友理の質問にこう答えた。

「百々目鬼(とどめき)というのは無数の目を持つ鬼の事。

その目を見た者はしばらくの間、

視界を奪われ動けなくなるそうです!

それが、[視線遮断]という能力ですね。


雫(私がもしその場に居たら、必然的に戦力外だ!!

確か双葉 花梨と清見 恋花。

恋花の方は[猫又]それもその筈、

他の妖怪を見下すあの鋭い目付き……

何度も見て来たから分かる。

あの目だけはもう金輪際(こんりんざい)、見たくもないっ!)


そんな事を考えていると友理に名前を呼ばれていた。

友理「………さん?雫さん!!」

雫「ハッ!

何か言いましたか、林堂さん???(汗)」

友理「えっと〜

それで浅見さんを捕まえる為に

花梨さんと恋花さんが、

2人で協力した事を伝えたのだけど。

私、それを見て感動したんです☆☆☆

2人は早くて私なんかより早く現場に着いて

いくら先輩だからとはいえ容赦なくですよ!!」

雫「(それは〜……

先輩だと知らずに犯人を逃さない一心で

手加減なしにやったんだと私は思いますが………?)

なぜあなたが満足しているのかは、

分かりかねませんが…まぁ良かったですね(汗)」

友理「はい!とっても満足しました♪」


雫(それに偶然とはいえ、あの場所で彼女に

接触できたお陰で気付いた事があります!!

あの時の彼女は、やはり[迷っていた]。

おそらくまだ真の力は引き出せていない!

それくらい引き出すのが、極めて難しい事ぐらい

私でも分かります。

雫「川の流れに身を任せ、ゆっくりでも

その道が閉ざされようとも1つじゃないと」

[希望の光]って良い言葉ですよね)

と口元が微笑みながら

雫は、思わず声に出して言っていた。

「成長が楽しみですね♪」


友理「えっ?何か言いましたか?」

雫「何も(冷静)そうだ。

林堂さんに差し上げる物がある事を

すっかり忘れていました。

その受け取って貰えると〜私としては、

とても嬉しいのですが〜♪」

友理「えっ!お菓子☆

違います(即答)

ぶーぶー………」

雫「コレをあなたに差し上げますね。

その〜差し上げる物って何ですか???(友理)

[予備ファイル]です♪

[予備ファイル]って???(友理)

簡単にいえば[妖怪と人間の辞書]と言った方が、

正しいですね。

これは[秘密情報]ですので間違っても

私以外には絶対に言ってはいけませんよ?」

ゴゴゴオォォォ………!!!(怒)


友理「(で、電話越しでも分かる圧力!!?

かつ強い寒気がっ……!)

わわ、分かりました(汗)

私も少しは妖怪の知識を付けたかった所だった

ので、ありがたく貰いますからー!!(焦)

でも何で雪乃さんが、

そんな[秘密情報]を持ってぇ〜………」

雫「んんっ?何ですか?(怒)

私はただ林堂さんにもどんな妖怪が居るか〜

頭に叩き込んで分かって頂ければ、

頼もしいか〜なと思っただけなのでねっ?(怒)」

友理「すみません、もう何も言いません(涙)

これ以上、何も聞きませんか〜らぁ!!」

雫「では今からお送り致しますね♪」

友理「はいって今!?どうやって???」

雫「勿論〜妖怪ゲートで、ですよ」


不思議そうに思いながら寛ごうとした所、

友理の部屋の中に突如現れた大きな目が現れて

目がこっちをギロッと向き、雫が通り抜けて来た。

雫「お邪魔します。あら?

林堂さん、何してるんですか???」

と床で気絶している友理に尋ねながら

ようやく現状に気付いたようだ。

雫「あっ………」


5分後・・・

雫「えぇっと、なんかごめんなさい。

驚かせてしまって(汗)

事前に説明すべき事……でしたね」

も体がカクカクしながら正座をする2人。

友理「良いんですよ(焦)

そんなに(かしこ)まらなくても………

そ、それでさっきの電話越しで話していた

[妖怪と人間の辞書]でしたっけ???

これを読めば、私も妖怪の知識が深まるのですか?」

と黒灰色のファイルを見せた。

雫「はい、ただこの地域辺りだけなので

ほんの少ししかお役に立てませんし、

まだ未完成なので(汗)」

友理「大丈夫だよ!

この本を読んだら他の人達がどんな妖怪か

知れる辞書なんて、とても貴重です☆

すっごく嬉しいです♪

それに〜この地域以外にも居たら、

その時はノートに書き足すだけですよ♪」


雫は、俯きながら少し残念がってこう言った。

「そう……言って貰えるとありがたいです」

友理「でも[予備ファイル]って事は、

雪乃さんも持ってるのですか〜?」

とその質問に対して雫はこう言った。

「はい、私はファイルというより本がありますので、

そのファイルは林堂さんの為に書き写した物です。

私の事は、気にしないで下さい」


ホッとした顔で「良かったぁ〜」と安堵している

と帰ろうとしていた雫を友理が引き留めた。

雫「それでは。私は、帰りますね♪おや……

あっ、待って下さい雪乃さん!?(友理)

何か[予備ファイル]に不満でもありましたか?」

友理「あ、いえ。不満とかじゃなくて。(汗)

その〜………んっ!!」

意を決して友理は、単刀直入に聞いた。

友理「この世界に[閻魔様]って存在しますか?」

これを聞いた雫は、かなり困惑気味に反応した。

雫「えぇ???

なぜ、そんな分かりきった事を尋ねるんです(焦)」

その疑問に対してこう答えた。

友理「私、ここに引っ越してから

テレビは付けてはいたんですが、

まともに見たのは初めてで〜(汗)

それで今日、たまたま出掛ける直前に

初めてニュースを見て[閻魔騎士]とか何とか

言っていたのが、気になって…………

で、でも2人に聞くのは申し訳なかったから

雪乃さんなら詳しい事が、聞けるかもって。

それでっ!!」


必死に説明している友理に雫はさりげなく言った。

雫「いますよ」

えっ?(友理)

妖魔界を取り締まる[閻魔大王様]は、

この世界に存在します……ですが。

ですが、何です???(友理)

ニュースで言っている[閻魔騎士]と閻魔大王様は、

別物です!

そもそも[閻魔騎士]というのは、

閻魔大王様から直々に[選抜された騎士]を

指します。

閻魔大王様は滅多に表舞台に出る方では無い為、

その姿は闇に(ほうむ)られています。

大体は、[閻魔宮殿]で過ごされているので

私達国民には到底行けませんが。

ただ最近は、騎士の方々が言うに

[閻魔宮殿で眠っている]との事を聞いて

皆さん、心配されています。

私も何もなければ良いのですが、

とずっと考えている所で(汗)」


深刻な話の中、友理はこう思った。

友理「そう…でしたか。すみません(汗)

………(でも[閻魔様]は、確かに居る!!

この妖魔界に存在するんだ。

私も会ってみたいな〜……

そう簡単に会える人じゃないけど。

クラスの皆んなからは閻魔様の英雄譚とか

伝説の%*☆*(←読めないだけ)が書かれた本が、

確か図書室にあるって噂されてたっけ?

月曜日にでも探しに行こうかな〜♪)


雫「とりあえずこの話は、終わりにしましょう(汗)

私自身のモヤモヤが増えるだけなので」

友理「えっ、あ…そうですよね。

雪乃さん達にとっては、[普通の事]…ですよね!

無理に呼び止めてしまってごめんなさい!!」

と正座から綺麗な形で土下座をする友理。

雫「良いのです。

林堂さんこそ、分からない事がまたありましたら

私に言ってくれれば、何度でもお付き合いしますよ。

で、でも!!(友理)

面倒だなんて思ってませんから

それではおやすみなさい、林堂さん」

友理「う、うん。おやすみなさい雪乃さん♪」

と妖怪ゲートの目の中に再び入り、

瞼が閉じてから部屋には跡形も無くなった。


自分の家に戻って来た雫は、

部屋の壁に寄り掛かりながらこう呟いた。

雫「そう………あなたは何も知らないのですね。

信じた私が、愚かでした(涙)

それでも[あの人達]は使えるかもしれない。

……っ!」

と涙を拭って本棚にある一冊の緑本を押し込み、

隠し扉が現れた。

薄暗い地下へと通ずる場所へ行き、

電気を付けるとそこには!!

数億万冊の[Y]と赤ピンク文字で書かれた

黒灰色の本が綺麗に仕舞われていた。

雫「さてと、私も少しは勉強しなければ。

[あの方]の為にも早く探し出さないと………」

と呟きながら今日が終わった。


翌朝・・・

大きな目を開けて目を覚ました。

顔を洗い、朝ご飯を食べながら

共に秒針が進む音と共に行動して

針が丁度9時になった所で一息付き席を立った。

白パジャマからグレーのTシャツに

薄水色の羽織りと足首が見える

白いスキニーパンツに着替えて家を出た。

雫は、これから行く場所の予定を考えながら

住宅街を歩いた。

(今日は、郵便ポストに封筒を入れて

2箇所の銀行でお金を下ろしてヨガに通いつつ、

図書館で1日を過ごしましょう)


仁川市のお隣である加賀江市の葉木(ようぎ)公園には、

滑り台とブランコの遊具があって

男女の中学生2人と少し離れた所に

小学生の2人が遊んでいた。

ピッグテールの髪型に赤紫髪でピンク色の瞳をした

女の子と耳上ショートヘアーの山吹色の髪で

藍色の瞳の男の子が走りながら話し始める。

女の子「マキくん、(あたし)に追い付けるもんなら

追いついてみなさい♪」

マキ「あっ、待ってよ!!

サツキ、置いて行かないでぇ〜(汗)」

サツキ「ふっふふ♡

あんたは、鬼なんだから早く追い付けるでしょ☆」

マキ「はぁ…はぁ……無茶、言わないでよぉ(汗)

鬼だからと言って皆んなが皆んな強くて早いなんて

無いん……だからさぁ〜…はぁ……はぁ…はぁ……」

サツキ「もう〜………

すぐマキくんは、弱音吐くんだから

しょうがないなぁ〜(汗)」

そう言ってサツキが、一度その場に立ち止まった直後、

目の前をボールが通り過ぎていったのだ。

女の子達「ごめんなさ〜い!

そこのボール、取って下さい(汗)」

サツキ「オッケー☆任せてよ〜!!」と言って

ガードレールに引っ掛かったボールを

引き抜こうとするも中々抜けず、

諦めずに勢いよく引っ張り続けている所に

雫が、公園方面の横断歩道で立ち止まった。


一息付いてから再び歩き出そうとした瞬間、

街中の反対側の道路で驚きの光景を

目の当たりにした。

雫「アレはっ!?」

そう雫が見た光景とは、なぜか意識を失った運転手

と暴走トラックが猛スピードで

女の子の方へ向かって来ていたのだ。

3箇所にスポットライトが当たり、

雫の心情が揺らぎながらこう考えた。

(助けを待ってたらあの子は絶対、助からない!

今、この場で助けられるのは[私]だけ。

私が見て見ぬ振りなんてそんな事としたら、

……誰が助けるの!!)

と深呼吸をしてから覚悟を決めた。

雫「スゥ〜はぁ………んっ!」

横断歩道を斜めに渡り、ガードレールを乗り越えて

すぐにボールごと女の子を持ち上げて

その場を(しの)いだ。

暴走トラックは、ガードレールの手前辺りに

ぶつかった衝撃で運転手の顔にはクッションが

出ており、2人は無事だった。


サツキ「んんっ?

お、姉さんが助けてくれたの???」

雫「……はぁ…はぁ……はぁ…そ、そうだよ(汗)

予期せぬ事が、いつ起こるか分からないけれど。

例え誰かの為であってもボールでも取りに行く時は、

まず周りをしっかり確認してから

自分の身だけでも安全な場所に逃げようね♪」

と微笑み掛けながら顔に汗が流れる。

すると女の子は、安心したのか大きな声で泣いた。

サツキ「う、うわあああぁぁぁ〜ん!(泣)」

マキ「サツキッ!?

大丈夫だった?今、トラックがっ……」

とマキに抱き付いて顔を見上げた。

サツキ「ま、マキくん…私、うえ〜〜〜ん!!

怖かったよ(涙)」

そんな女の子の泣き声を聞いた

公園近くの近所の人達が続々と駆け付けて来た。


お爺さん「大丈夫かい!?」

お婆さん「何があったのか分かんないけど、

お嬢ちゃん、ここで何かあったかい?」

と駆け付けて来た人達にサツキは、すぐ泣き止んだ。

サツキ「う、うゔん(涙)

(あたし)の事、お姉さんが助けてくれたから

お陰で怪我とかしてないから平気☆」

と元気に言ったが周りの人達は、顔を見合わせた。

お爺さん「お姉さん…が居たのかい???

ワシらが駆け付けた頃には

そんな人、居らんかったけどな。なぁ〜婆さん?」

お婆さん「お嬢ちゃんの見間違いじゃないかな」

サツキ「えっ、あれっ?あれれれ〜???

どこ行っちゃったのお姉さん(涙)」


ガードレール近くに集まった人達から

離れた場所で雫は、カバンに入れておいた

一つ目を隠す為のハット帽を深く被って

その場を去った。

閻魔騎士「お〜い、あんたも大丈夫か?!

お兄さん(汗)

ここで何があったんです???」

サツキ「聖騎士様!?」

お婆さん「それが私達(わたしたち)は、少し遅れて

駆け付けたから詳しくは分かりませんが、

どうやらそこのお嬢ちゃんが轢かれ掛けたようで

それで〜………(汗)」


お婆さんの話を聞いていると自分の証言が、

無くなる事に気付いて騎士に話し掛けた。

サツキ「ほ、本当だもん。騎士のお兄さん!!

お姉さんが私の事、助けてくれたんだもん(涙)」

騎士「……分かった。君の証言を信じよう♪

本当…?!(サツキ)

じゃあそのお姉さんの特徴を教えてくれると

おじさん達も嬉しいよ(笑)」

閻魔騎士一同「グサッ!」

サツキ「うん!!

一言で言うとね一つ目のお姉さんだったの♪

それでね〜それでね☆私が公園で………」


サツキがウキウキで騎士に話し掛けているが、

序盤の方で粗方(あらかた)状況を把握するリーダー。

騎士(なるほどね。

一つ目の視野角なら、かなり離れた場所からでも

運転手の安否も確認ができ

すなわち少女の安全も守ったという事か。

まぁ〜今回は、一連の事件とはほぼ無関係だな。

見た感じ運転手や子供にも怪我をなく済んだ訳だし、

テレビに載せる程ではないだろう。

優先すべき命を彼女は身を(てい)してでも守ったんだ。

むしろ栄誉を称えたい所だが、

その場に彼女が居ないという事は

見た目をそれほど気にしているのだろう。

このお嬢ちゃんには悪いが………)


騎士「よし!

皆の者、この場で起きた事はこれでお終いだ。

特に怪我人は居ないんだニュースにも

載せやしないし、安心して各自の持ち場に

戻ると良い。解散だ!!

君達もここに居れば、また騒ぎを嗅ぎつける奴が

増える可能性を考慮してこの場にいる者以外には

話さないで頂きたい」


お爺さん「分かりました。

いつも御勤(おつと)め、ご苦労様です聖騎士様!」

騎士「感謝、致します。

それから君達もここを(たむろ)しない為にも

直ちに家に帰りなさい」

サツキ「えぇ〜

まだ遊び足りないのに……(汗)」

マキ「サツキは大変な目に遭ったんだ。

僕達も帰ろう、送るよ♪」

サツキ「あっ。うん♡

ありがとう、マキくん!!

またいつかあのお姉さんにも会えるかな?」

マキ「きっと会えるよ。

サツキ、意外と強運だから平気だと思うな」

サツキ「えっへん(笑)

(でも。いつか絶対に見つけてみせるよ!

その時は、私を助けてくれたお礼と〜………

何でもない♪)」


一方雫は・・・

郵便ポストと銀行には既に行っており

ヨガを諦め、図書館に辿り着いていた。

深く被った帽子もカバンに仕舞い、

カウンターの所で本を返した。

受付の女性「いつもありがとうございます♪

いえいえ。本を読むのが趣味なだけです(雫)

うふふ♡あっ、そうでした!

これを今、お客様に渡すキャンペーンを

やっていますので是非貰って下さい♪」

雫「しおり……ですか?」

女性「はい、今日はラベンダーの香りを

付けていますのでお気軽に使って下さい」

雫「うふ。ありがとうございます♪」

しっかりとお辞儀をしてからカウンターを離れ、

興味深い本をいくつかカゴに入れて

机で読み始めた。


1時間、2時間、3時間が過ぎるのは

当たり前のように本を読み終えては、

もう一冊と手が進む。

大事な部分はノートに書き込み、

テスト期間のように黙々と書いていく。

ふと時計を途中で確認すると4時になっていて

図書館の滞在時間だけで7時間以上も

滞在していた!!


雫(もう4時ですか。

1日の終わりが、本当に早いですね。

お家より捗ったので

今日は早めに切り上げようかな)


帰り道・・・

雫「今日は、何だか良い事が沢山あった気がします♪

事故は決して()いものではありませんが、

何か自分にご褒美が必要でしょうか?

(………私にとってのご褒美、

昨夜、あの方について考えてしまいましたし〜

久しぶりにビーフシチューでも作ろうかな♡)

うふふ♪上手く出来ると嬉しいですね」

と鼻歌を歌いながら夕日に照らされたのだった。

恋花の正体は、猫又でした!!

皆さんは花梨の正体が何だと思いますか?


名前:浅見(あざみ) 陽花(はるか) 正体:百々目鬼(とどめき)

髪型:ベリーショートヘアー

髪色:黒髪

髪:斜め前髪(右)

瞳:黒目

制服:上下青緑、プリーツスカート、

             白ネクタイに黒ライン

髪飾り:風車のかんざし


キャラ説明:

カッコ良く成績優秀なしっかり者の3年生!

彼女の百々目鬼の特性:↓

     「定期的に万引き衝動に駆られる」

というデメリットを抱えているものの強さは、

特殊部隊に匹敵する持ち主!!

花梨と恋花とは部活紹介の案内の時に出会った。

陽花はバスケ、テニス、バレーボール、ダンス、

陸上部といったボランティアという形で参加している

頭脳明晰、運動神経抜群の彼女は3年生のみならず

人気者の陽花に憧れを抱いた2人!

その為、2人も困っている人や犯人逮捕の協力が

出来るよう強くなりたいと決意が決まった頃………

不幸が重なった結果でもある。

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