第21話 「銀行強盗(後編)」
コンクリートの屋上で膝立ちをする雫と日向、
下を覗き見ていると大柄な男性の黒い瞳が
振り向く際には雫は思わず、隠れてしまった。
男の視界からでは、顔しか見えなかったが
それは紛れもない日向の顔である事を
認識した男は、少し瞼をピク付かせていた。
いつもは暗めな赤色の瞳も今では赤く光っており、
軽蔑な眼差しとは裏腹に雫には聞こえない程度で
一言だけ呟くが聞こえていたようだ。
日向「かつて、僕の最初の友達だった………」
雫「えっ!?
そ、それって肝試しの時に言ってた…人???
そう…だな(不機嫌な日向)
だったらこんな事、やめさせないと!!(汗)
今からでも説得すれば、大きな事件には〜……」
と雫が慌てていると日向は、目元を暗くさせながら
辛辣な言葉を口にした。
日向「だから何?
僕が、犯罪を犯した元友達を助けろって事?
……えっ???だ、だってぇ…(雫)
だってもう取り返しのつかない事までして
今更、説得?何の意味があるのさ(怒)
新條…先輩???(雫)
特別部隊をやるに当たって
犯罪者達に同情すら抱いちゃいけないし、
軽率な行動が出来るほどの権利も無ない。
だけど、あくまで僕らは[特殊部隊]の手伝いだ。
現場に居合わせた以上、
犯罪を見す見す見逃すほど僕も優しくはない。
例え、それが……[親友]と戦う事になっても!!」
ハイライトの無い瞳で驚きながら
雫は、日向を見つめる。
日向「・・・。
嫌ならここから逃げて下さい。
雪乃さんには、関係のない事ですから」
と銀行の屋上をゆっくりと歩いて進み、
白バックに雫とスローモーションになって
すれ違った。
日向(いつからだろう?
僕は、こんなにも[強気]になったのか。
あぁ〜………そうだった。
あの日、佐賀くんが助けに来てくれた時から
僕の[人生]が大きく変わったんだ)
回想・・・
これは、日向が中等部に来て間もない頃だ。
いつも読書時間の時に限って
本を読まず何かしらで
ヤンチャしていた誠也と同じクラスで居た。
そんな賑やかで騒がしいクラスに日向は、
教室の隅でただ黙って見てるだけの子だった。
日向(八瀬くん、いつも危ない事してる。
椅子の背もたれなんかに乗っかったりして
何が楽しいんだろう?
学校の教材に傷でも付けたら大変な事になるのに。
物には皆んな魂が宿るって本で読んだ事あるけど、
もう少し……もう少し静かにしてくれないかな。
静かに本…読みたい)
と日向が眉をしかめている所に
割って入って来る1人の女子が居た。
それは、いつもろくでも無い事をしでかす誠也に
蘭の糸によってまんまと拘束され、
てるてる坊主のように全身を覆い尽くされたのだ。
誠也「わっ!?ヤバッ(焦)」
まん丸ショートヘアーの時の蘭がそこに居た。
蘭「誠也、何してるの?!(怒)
ちゃんと自分の椅子は椅子として扱う事と
あと、あんまり人様に迷惑を掛けるのも
ダメだからねっ!
もう…誠也は、昔から目立つ事が好きなんだから。
ニヒッ!!まぁな(照れる誠也)
褒めてない!
皆んな、読書時間中だっていうのに
いつも誠也が騒がしくしちゃってごめんね(汗)
誠也には私から注意しておくからもう大丈夫だよ♪」
と風のように誠也の首根っこを掴み引きずりながら
一度、教室を出て行ってしまった。
日向(あの子もいつも大変そうだけど、
凄いな〜(感心)うーん。
でもあの2人、流石に席が離れ過ぎてて
女子の方の名前までは覚えられてないよぉ〜(汗)
いい加減、同じクラスの人ぐらいは覚えないと!!
こういうのは、自然に身に付くとは言うけど〜
僕には難し過ぎるよぉ……(涙目)
そんな弱気でシャイな性格だった事もあり
日向は、中々クラスに馴染めていなかったのだ。
2ヶ月くらい経ったある日・・・
ホームルームが終わってすぐ日向は、
帰る支度をしていると先生に呼び出された。
教室にはボチボチ人は居たが、
日向が出て行く際には既に居なくなっていた。
机の上に置かれた白いエナメルバックを開けたまま
向かってしまい、教室を出てすぐ日向の机の側で
誰かの影が映り込む。
先生から呼び出された理由は、
園芸部の水やり当番についての話だった。
先生「実はな、新條。
今日の当番である久龍さんが
急遽、用事が入ってしまったみたいでね(汗)
申し訳無いんだが水やりを
2日続けて頼んでも構わないだろうか?
またこんな風な事が起こる場合は、
新條に頼もうと思うんだが。
勿論、久龍には私から伝えておく!」
日向「それは〜………構いませんが」
先生「ホントか?!すまんな、新條!!」
といきなり肩にバッと手を置かれて驚きながら
後退り気味に扉を開けた。
日向「えっ、あ…はい!?(困惑)
そ、それでは〜僕は、これで」
先生「あぁ〜わざわざ移動してまで
呼び出してしまってすまなかったな☆
また、明日もよろしく頼むぞ!(笑顔)
日向「は、はいぃ(焦)失礼しました。
(び、びっくりしたぁ〜(オドオド)
僕…そんなに人に喜ばれたり大声出される事に
慣れてないし、今まで経験した事が無かったから
なんか驚いちゃった。
先生に変に思われてないかな?!
でも……先生とはいえ、少し嬉しい…かな(照)
たまたま僕の当番が近かったとはいえ、
信頼されてるっていうか。なんか嬉しい♪
あっ、そういえば園芸部の花壇は中庭にあるから
先にカバンを取りに行った方が、
すぐ帰れるかもしれない。
教室に一度、戻ろう)」
C組の教室・・・
夕日の光が教室に差し込む中で
照らされたエナメルバックを見つけて
日向は、特に机の中を探す事も無く
バックのチャックを閉めた。
エナメルバックを反対側の肩に引っ掛け、
教室の扉をスライドさせて
ゆっくりと廊下を歩いて出て行ったのだ。
まさか、後ろの突き当たりの所で
気付かない日向の姿を見て
ニヤけ顔の男達が居るなんて思いもしないで。
中庭にて・・・
白いジョウロを持って
スミレが咲く花壇に満遍なく水をあげた。
日向「久龍先輩、最近…特殊部隊に入って
間もない筈なのにもう仕事に出向いてるのかな?
(特殊部隊が設立されてから早2年、
既にSクラスの隊員が50人も居るなんて
僕には到底、想像が付かないや(汗)
まだ中学生だというのに久龍先輩も大変そう。
それに……これから先も久龍先輩が仕事の都合で
出来ない時は僕が進んでやった方が
皆んなに話すのも省けるし、個別で言って貰えれば
僕でも久龍先輩の役に立てるかもしれない!
どんなに些細な事でも手伝えるならやりたいもんね)
あっ、水がとっくに無くなってた。
今日はこれくらいにして
また明日にでも雑草を取れば良いかな。
そろそろ終わりにしよう♪」
とジョウロを正面玄関の木箱の棚に置いて
帰ろうとした所、さっきの男達が待ち受けていた。
この学校の生徒であり、
隣のクラスの2人と同じクラスの1人が居た。
日向(………あの人達は、入学式の頃は
まだまともな2人なんだと思ってたんだけど〜
皆んなの印象に反して暴力で片付ける人達で
八瀬くんとは、また別の問題児。
出来れば僕も関わりたくなかった。
けど今は放課後から少し経ってる時間帯、
近くには誰も居ないし、
あの人達の視界に入らないようにする
障害物も無い。
うぅ〜…(汗)
でも、まだ姿を見ただけであって
目だけは合わせてないから
目を逸せば、行けるかもしれない!
僕じゃない。僕じゃない(焦))」
そそくさと日向は、
男達の前を横切ろうとしたが現実は甘くなかった。
3人の内、1人が大声でこう言った。
男「おーい!!
……っ!(日向)
良いのかな〜〜〜?
俺達の事、無視して[コレ]置いてっても(笑)」
と大声で言った人とは違って同じクラスの子が、
パウチ型の黒ペンケースの筆箱を上に持ち上げていた。
すると日向は、その筆箱に見覚えがあるようで
咄嗟にバックを開けて確認した所、
筆箱が無い事にようやく気付いたようだった。
日向(あっ!そうだ。
水やりの事ばかり考えてたせいで
すっかり忘れてたけど、先生に呼び出された
あの時、まだ机の中に置いたままだった!?
でも何で?!
よりにもよって僕が〜………(汗)
いやいや今は、そんな事よりも筆箱を。
素直に返してはくれなさそうなのは、
分かってるけど(焦)
なるべく争いごとにならないように
刺激しない程度で返して貰わないと!!)
そんな事を考えていると日向にゆっくりと歩み寄り
声を掛けて来たさっきの人が、
日向のネクタイに掴み掛かったのです。
男「とりあえず、ここじゃ目立つからさぁ?(笑)
場所、変えよっか。まぁ、その前に」
日向「……えっ?(汗)」
ネクタイを緩めた隙間から首筋に指が触れた途端、
エナメルの持ち手を握り締めていた
両手が急に脱力した。
訳も分からず、日向は光を失った目で
一瞬にして欠落した表情へも変わり男を見つめた。
日向(まっ、まずい(汗)
この人、[精神系の能力者]だ?!
対象者の肌に触れる事で相手の自由を奪う力。
これじゃあ逃げるに逃げられない。
いや、筆箱返して貰わないとだから
結果的に逃げられない!?
操られれば、もう…おしまいだ(怯)
男「これで抵抗せずに移動できるな。
俺はな、お前みたいに弱い奴を操って
痛め付けるのがだーい好きなんだよ(小声)
……っ!(寒気する日向)
おーい、俺の仕事もう終わったから成三。
良い場所、知らねぇかぁ?(笑)」
成三「うーん、そんな急に言われてもな〜
んじゃあ河地橋の近くまで行こうぜ。
話は、それからでも遅くないと思うし」
男「そうだな、ほらえっと〜名前は………
新條くんだっけ?行こっか(笑)」
と腕を引っ張られるまま、
着いて行く事しか出来ない自分を日向は責めた。
日向(嫌だ……嫌だ。嫌だ…けど、
これは僕が招いた事だ。
気付かなかった僕にも責任があるし
何より姿さえ消していれば、
こんな事にはならなかった筈だ(汗)
どうして早く気付かなかったんだろう???
暴力で解決する人達を見て
まともな考えが、思い付かなかったから?
だからこれは………僕自身が、悪いんだ!!
でも…でも、やっぱり怖い。
目的地に着いたら僕は、平気なのだろうか?
ダメだ。そんな事、考えたら余計にぃ!
こんな時間に誰も居ない事は分かってる…けど
誰か、誰かぁ〜こんな僕を……助けてっ!!(涙)
と心の底から叫んだ瞬間、
校門を出ようとした成三が急に2mくらい
横に吹っ飛ばされ、木の側でだらしなく伸びていた。
男「なっ、何だ今のは………!?
おい、成三っ!大丈夫かっ?!(汗)」
と成三に呼び掛けよそ見をしていると
今度は、精神系能力者の男の懐に潜り込み
???「どこ、よそ見してやがる?(怒)」
と言って大柄な男性が思いっきり男の顔面に
1発殴っただけで1m伸びて3mくらい
ぶっ飛んだ所で能力が解除され、
日向の目に光が宿り崩れ落ちる。
日向「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」
そして3人の内、筆箱を持った人だけが残り
2人と違ってすぐに降参して来た。
男2「ご、ごめんなさい!!
僕がやった事は、決して許されない事なのは
十分、分かっています(汗)
ですが僕は、あの人達に無理矢理やらされて(涙)」
???「ふん、そうかよ。
ほら、お前の物…取り返してやったぞ」
と筆箱を軽く投げて日向に渡った。
日向「え、あ……ありがとう(汗)
そんじゃ〜またな(???)
ま、待ってよ!?」
と言い、日向は大柄な男の後ろを付いて行き
1人を置いてその場を去った。
黙って日向達2人を見ていた気弱な男の後ろには
殴られた2人がひっそりと佇んでいた。
日向「ま、待って………下さい(焦)
どうして…あの場に居たんですか?
たまたま通り掛かっただけだ(???)
そ、そんな言い訳、信じると思いますか?(汗)
放課後とはいえ、少し時間は空いていました。
たまたまで済まされる話じゃ無いと思うんです。
・・・ほ、補習だよ(男性)
えっ?補習???
あぁーそうだけど……(男性)
ふん(笑)」
とクスリ笑いをした日向に男は、言い返して来た。
男性「な、何だよ?!
頭が悪い事が、そんなに悪いのかよ!!」
日向「あ、いや…別にそういう訳じゃ(焦)」
男性「んっ?
言いたい事があるなら、はっきり言えば良いだろう!
俺ら以外、誰も居ないだしさ。
えっ、でも僕なんかが言える事じゃ(焦る日向)
世の中にはそういう奴ほど、
心を閉ざしやすい奴が多いんだよ。
バカ正直に言った方が相手により伝わんぞ?」
日向「ぼ、僕にはそういう事は出来ないよ。
どうしてだ???(男性)
そんな事、言ったら相手を怒らせるだけで
余計に悪化するだけだよ………(汗)
ただでさえ、今まで避けて来た事なのに」
男性「じゃあ、さっきの事はどうなんだよ?
……えっ?(日向)
俺が居なかったらお前は、間違いなく
アイツらの餌食になってたんだぜ?
アイツの能力無しで
お前は、何も言わずに付いて行くのか?
・・・そ…それは〜(日向)
それと同じ事だ!!
殴られるとか怖いからとか何かと理由付けて
自分の感情を押し殺してまでして
それは、本当に意味がある事なのかよ?
本当に嫌だったら嫌だって正直に
言っても良いだぞ!
これは誰しも待ち合わせている特権でもあり、
常識の範囲内だろ☆
口に出して言いたい事を言った方が、
きっと前より気が楽になるって♪
辛かった過去、悲しい境遇に立たされた奴こそ
誰かに伝えた方が、
俺は何よりも大事な事だと思うぞ(笑顔)
愚痴を言い合える程の身近な存在が居れば、
世界が……目に見える全ての景色が変わる筈だ。
それを肯定や否定として捉えるんじゃなくて
自分は、ここに居て良い存在なんだってさ。
だからお前にもそういった友達が出来ると良いな☆」
大柄な男性の言葉と笑顔に日向は心を打たれ
今まで押し殺してきた感情が、
一気に溢れた返った。
日向「………(泣)
そんな事…言われたの初めてで嬉しくて、つい。
でも僕は、今まで人と関わった事も無いし
学校に居る間は必要最低限な会話しかしてないから
皆んなと全然、馴染めなくてぇ……(汗)
このままずっと1人きりで良いんだって諦めてた。
その…友達の作り方も分からないしぃ!
僕1人が簡単に出来る事じゃないから(涙)」
と顔を俯かせながら
地面に落ちる涙と持ち手を握り締める力を見て
男性は、日向の頭を大きな手で撫でながらこう言った。
男性「うーーーん。よし!!
なら俺が、お前の最初の友達になってやろうか?
作り方は人それぞれだけど、
まぁ俺が出来る限りのサポートして
やらなくもないぜ♪」
日向「え、本当に?!
僕なんかと友達になってくれるんですか???」
男性「俺は〜別に構わないぞ(笑)
俺にとっての学校は、退屈凌ぎって感じだったし☆
それから俺の名前、まだ言ってなかったな。
俺は佐賀 千秋。これからもよろしくなっ!」
日向「う、うん(汗)
ぼ、僕は新條 日向。よろしく……佐賀くん」
千秋「おいおい、俺達は同級生なんだぜ?
[くん]呼びじゃなくて名前で呼べよ☆
あと敬語も無しな!!」
と拳を突き出してきて少し顔に風が掠る。
日向「えっ!?
い、いきなりそんな事…言われても
さっき会ったばっかりの人にぃ〜
それに……僕の為になってくれたとはいえ
と、友達を呼び捨てには今は出来ない…!(汗)」
千秋「うーん?
まぁ、それもそうか。慣れだな!
地道に慣れろよ♪
うん。頑張って……みるよ(日向)
おま〜…じゃなくて日向は、どこ住みなんだ?」
日向「えっ?あぁ〜えっとぉ(汗)
ふ、羽田市だよ。ほら、ここの5階!!」
千秋「ここ???……えっ?」
とそこは、芽亜と同じ高層マンションで
ある意味で妖怪三輪学校の寮兼マンション的存在だった。
千秋「お前、意外と良いとこ住んでんだな(汗)
そ〜うかな?(日向)
まぁ、良いわぁ〜
そんじゃ俺は、まだまだ先だから
また明日なっ!」
日向「あっ、気を付けて…って早っ?!(焦)」
と言う頃には、目にも止まらぬ速さで
千秋の姿は既に見えなくなっていたのだ。
日向(な、なんか………(汗)
僕、凄い人と友達になっちゃったりして?
こうして僕は偶然にも佐賀くんに助けられ、
この日から[友達]という関係が始まった。
僕と友達になって数日後、一緒に過ごしている内に
佐賀くんの事が分かってきた……気がする。
まず、彼は見た目通りのズカズカタイプで
人のプライベートな空間に土足で入って来るような人。
あと、隣のクラスでD組である事だ。
何でこんな事にすぐ気付かなかったかというと
僕は、意味も無く廊下に出る事もないし
出たとしても図書室に行くぐらいで
あまり校内を歩き回らない点と
向こうの方から勝手に来る事が多かった。
こんな風にずっと僕は過ごしていたせいか、
友達になってくれた佐賀くんを放ったらかしていた。
それでもめげずに喰らい付くのが彼のスタンス。
正直………授業が、毎回終わるごとに
短い時間の中でも平気で呼び出して来るので
多少、苦労している。
はぁ〜…(汗)
それと彼は、体の割に意外にも[少食]である事が
最近……いや、これだけは前々から知っていた。
僕はいつもお昼になると園芸部の花壇が見える
ベンチで食べていたんだけど
佐賀くんと友達になってからは、
こうやってよく一緒に食べる事が多くなってきた)
と丁度、お昼頃になった時間帯で
廊下を2人で歩き花壇のベンチへと足を運んだ。
日向は、黙々とお弁当を食べていく中、
千秋はお弁当の蓋を開けたままフリーズしていた。
珍しく疑問に思った事を千秋が尋ねてきた。
千秋「毎回、思ってた事だけど
日向は〜その………こんな所で1人で食べて
寂しくないのか?(悲しげ)
いや、今聞く事…なの???(ジト目日向)
んっ?
まぁ〜……日向が、そんなに気にしてないなら
俺は別にいいんだが」
特に追求する事なく千秋は食べ始める。
が、お弁当のおかずやご飯が
きっちりと入っているにも関わらず、
3口だけ食べてお弁当を閉じた。
勿論、毎日のように隣で食べている日向は
ずっと疑問に思っていたのだ。
日向「(正直、こんな真隣で食べられて
言わない奴の方がおかしいと思う。
僕にとっては昼食をあまり食べない理由が、
いくら考えても思い付かなかった。
佐賀くんは、いつも僕よりワンテンポ遅めに
食べては3口もしくは多くて5口以上は口にしない!
だから今日こそ、その理由について
初めて聞いてみようかと思い至ったのだ。
こういった話には勇気が必要だけど、
ここ数日っていうか2週間くらいは
一緒に過ごしていく中で
やっと普通に話せるようになったのは、
全て佐賀くんのお陰だ。
出だしは、まだおぼつかないけど〜
2週間前の自分と比べたら着実に成長している筈。
それに距離感がバクな奴の事だ。
大丈夫だろう!)
え…えっと佐賀くん。
僕、ずっと前から気になってた事があるんだけど
その〜お弁当……少ししか食べないのは、
どうしてなのかなって〜話で。
えっ、あ…あぁ〜………俺は(千秋)
あ、佐賀くんが貧しい地域に住んでるとか
そういう感じだったら言わなくても平気だよ(焦)」
と少し誤解を招くような発言をしつつも
千秋は、正直に向き合いながら話してくれた。
千秋「いや、気を遣わせて悪かったな日向♪
実は俺、[餓鬼]なんだ。
餓鬼っていうのは、生きていく中でずっと[飢え]に
悩み苦しみながら鎖で繋がれたみたいに
付き纏って来るものでさ〜
俺は、もうとっくに慣れたから平気だけど
それ以前に食べれるものが減ってるんだ。
ハハッ(笑)
餓鬼として生まれてから
腹一杯は、食べた事は一度もねぇけど
[飢え凌ぎ]にはちゃんとなってるし、
別に困ってる事は無いぜ☆
でもこれは、俺の元々の[特性]が影響しててだな?
隣に誰かが居るだけでその弁当を間近で見て
俺自身は、食べる欲を抑える。
いわゆる自己満足してから
食べるようにしてたんだが〜……
悪い、気になってたか?」
と照れ臭そうに千秋は言うが、日向は青ざめていた。
日向「あっ………いや、その〜ごめん。
気軽に聞いていい話じゃなかったね(焦)
佐賀くんの事、全然知らなくて
なんかごめん(困り顔)」
千秋「良いんだよ☆
日向が、そんな風に心配してくれるだけで
めちゃくちゃ嬉しいし♪
俺の友人達はそんな事、お構いなしで
イジってくるし、それも嬉しい。
こっちは本当だっていうのに自分の嫌いなものを
押し付けるろくでもねぇ奴も居る。
えっ!?それってあんまりじゃ…(日向)
ふん、だから良いんだよ(笑)
こうして、俺の事を真っ直ぐ見て心配してくれる人が
1人居るだけですっげぇ嬉しいからよ☆」
ちょっと嬉しそうで悲しい顔をする日向の頭を
わしゃわしゃと触り笑顔で笑った。
日向「・・・!?
ちょ、ちょっと佐賀くん!!
髪はやめ…てよ(焦)
佐賀くんと違って僕は……っ!」
千秋「ん〜っ?何だよ♪
人より少しサラサラなくらいで
グダグダ言うなよ。
こっちは、笑って誤魔化してんのに
お前が、そういう顔するから
ちょっとばかり[からかった]だけだしな☆」
前髪と後ろ髪をも巻き込んで
大きな手で前髪を持ち上げられている状況。
日向「も、もう………(恥)」
千秋「悪かったって♪
絶対、思ってない!!(日向)
いや…ホントホント。マジだよマジ」
と千秋の大きな手を強く振り払い、
日向は元の髪へと戻した。
日向(いつもこんな感じだけど、
佐賀くんらしいって言ったら……らしいけど
ちょっとイラッと来るんだよねぇー。
友達…これが、本当の友達なのかな?
自分でもよく分からないや。
でも友達と呼んで良い程、
僕にとっては佐賀くんだけでも良いと
内心、そう思うようになった。
そんな風に思い始めてから
僕は、満足していたのかもしれない。
けど………佐賀くんは、そのつもりだった)
元々、そういう話で千秋と友達になった日向、
千秋と過ごしている内に心を開き始めた矢先に
試練が舞い込んできた。
それは、お弁当の件について聞いた
その日の5限目が終わった中休みに
体育着姿の千秋によって廊下に連れ出され、
開口一番にこう言われた。
千秋「さてと、日向☆
俺以外にも友達を作る時がやって来たぞ!!」
日向「………はぁ?!
ちょちょっと待ってよ(汗)
無理、それは無理。
何でだよ?折角、探してやったんだぞ(千秋)
だ、だってこの2週間…で佐賀くんと過ごして
他の誰かと友達になるのは、ちょっと〜(焦)」
千秋「それじゃあ俺が友達なった意味が無いだろ!」
日向「うっ、そ…それはそうだけど……
探してくれるのは、嬉しいよ。
嬉しいけど、佐賀くんと居れる時間が
無くなっ…ちゃうよ(無意識+涙目&上目遣い)
は、はあぁぁぁ?!(照れる千秋)
だから一緒に居よ?ダメ……かな???」
と日向は、指同士を押し合って
丸み三角の形を作りながら
特に照れる様子も無くとにかく必死な日向。
千秋「だ、だだ駄目だ駄目だ!!
お前でも慣れそうな奴を
同学年で2人もピックアップしたんだぞ。
か、かか感謝しろよな?(照)
別に頼んでないよ(即答+小声日向)
んっ?今なんか言ったか???
別にぃー(目を逸らす日向)
うーん。あ、丁度…キタキタッ!」
2人から見て右にA組側の階段から
焦茶髪に緑色の瞳+ショタ顔。
その見た目は、
ケンタウロスのような牛の下半身を持っており
149cmの小柄な男の子だった。
髪と同じ焦茶色の牛の体で上半身は人の体、
健康肌な男の子がE組の教室へと入っていく。
※ちゃんと体に合った制服を着ています。
日向「えっと〜……佐賀くん?
んっ?何だ???(千秋)
どう考えてもあの人………[くだん]だよね」
千秋「あぁー……そうだぜ。その通りだ!
コイツ、知らなかったな?!(小声日向)
んでもう1人、俺と同じクラスの子がなぁ〜
良い子なのには変わりないんだが
ここ数日の日向と大体、同じような生活ばかりだ。
用事とか用件が無かったら動かないし
約束をすっぽかしそうな奴だ・な☆」
日向「だな、じゃないよ!!
決め付けはよくないし、
そもそも僕は約束されたら破らないよ!」
千秋「そこは、否定すんのかい!?
あ、ここからだとよく見えないんだが
真ん中の列の後ろから2番目の所に居る奴だ。
あれが水雲 奏太って言うんだ」
と自分の教室なのに
なぜか一緒に教室を覗き込む千秋、
この頃の奏太の髪は
外側に両サイドもみあげ白メッシュも無かった時だ。
日向「あれは〜………?」
千秋「一応付けた所、
アイツは雲外鏡だって事が分かった☆
人にプライベートは無いのか!?(日向)
プライベートも何も3日も張り付いたけど
アイツは、同じ所に留まってばっかりだったぞ?」
日向「それは、そうだよ(汗)
雲外鏡は各地に点々としていて
池や湖の入り口付近で留まり続け、
水の中にある都市の門番のような役割をしてるからね。
お前、意外と詳しいんだな(千秋)
常識だってば……(困惑)
で、あの[くだん]の方の名前は、分からないの?」
千秋「そりゃ個人情報を確認する程、俺はバカじゃ…」
日向「佐賀くんのプライベートラインが
よく分からない事だけは、分かった(汗)
というか僕、これから英語なんだけど?」
と日向が移動教室である事を伝えると
千秋は青ざめていた。
「あっ、やべ(汗)
俺、次の時間…体育だから着替えは大丈夫か。
移動しねぇと!!」
と2人は急足でA組側の階段を
登り駆け上がって行くと
前にはさっき紹介された焦茶髪の男の子も走っており
丁度、後ろ足が階段に引っ掛かった事によって
後ろへと倒れ込んできた。
真後ろに居た日向は、咄嗟の事とはいえ
その子を庇うように階段下まで落ちていったのだ。
千秋「日向っ!?
おい、しっかりしろ!!日向、日向っ!
おいってば?!(焦)」
という千秋の声もむなしく日向は気を失った。
目が覚めるとそこは、
白い天井にパステルグリーンのカーテンに囲われ、
日向はベッドの上に居た。
保健室・・・
日向(あっ、あ…あれ?
僕、何でここに居るんだっけ。
えっと確か佐賀くんと居て、それで〜
何してたかな???)
シャラン!!!!!!・・・
焦茶髪の子「ご、ごめんなさーい!!
大丈夫だったか……ですか???(涙目)
んっ?君は、、、(日向)
ぼ、僕…は君と同学年で
E組の牧田 陸って言います!
き、君のお陰で僕は助かったけど
君は〜………(涙)」
日向(あっ、そっか。そうだった。
だから僕は倒れて保健室に運ばれて来たのか)
陸「僕が、ギリギリまで教室に居たせいで
時間に余裕を持って行けば、
こんな事には〜ならなかったのにぃ……(汗)
それで…本当にごめんなさい!!」
と終始、涙目で四肢を上手く使って
牛の妖怪なりの謝り方で後悔した事を語る
陸に対して日向は優しくこう言った。
日向「僕は、もう大丈夫だから落ち着いて?
確かに牧田くんが悪いと思うのも分かるけど、
僕らも悪かったと思うから。
……えっ?(陸)
こっちも直前まで話し込んでた事もあってさ
牧田くんを追い掛けるような形で
急かしちゃった分もあると思う。
こちらこそ、ごめんね(丁寧に)」
と優しい目を見せながら微笑んで見せた。
陸「えっ、あ…お、怒らないの?
何か怒るような要素あったかな?(日向)
で、でも〜僕は、君を怪我させたんだし
場合によっては危なかったかもしれないんだよ」
日向「うん。それでも僕は、
牧田くんの事を責めたりはしないよ。
例え、打ち所が悪くても
皆んなが君を責めるなら僕は[君の味方]だよ♪」
陸「……っ!(涙)
そんな事…そんな事、言ってくれる人が
実際にこの目で見れて僕…嬉しい☆
[アレ]は悲しい涙じゃなくて嬉しい涙だったんだ♪
そりゃ僕が泣く訳だ(泣)」
日向「どういう事???」
陸「だって僕、[くだん]だよ!!
自分の身の回りで起こる事は全部知ってるもん。
あっ、でも僕の予言はその日の[重要なシーン]が
少し見えるだけでいつどこで起きるかは、
夢に出て来るからいつも曖昧なんだ〜
僕の頭じゃ、全然覚えてられなかったから
いつもこんがらがっちゃう事が多くてぇ(汗)
似た背景や風景とか探している間にも
その人は危険な時間をただ待つ事しか出来ない。
だから僕が、行動を起こしてるんだけど〜
皆んなして僕を
おかしな子を見るような目をするんだもん(涙)
あ、そうなんだね(日向)
うぐっ……(涙)
だから〜…だから僕は、君の事も知ってるよ!!
これから僕がベッドを壊す事になってもね☆」
日向「うんうん、んっ?はい?!!!!!」
一方、千秋は・・・
体育祭に向けての種目の練習を終えた千秋は、
溜め息を吐いていた。
千秋「はぁ……まさかこの俺が練習で
足を引っ張る事になるとは(凹む)
ぜっんぜん、集中できなかった。
日向が階段の途中で頭を
ぶつけてないだけマシだけどよ。
流石にくだんのあの体重がのしかかるとなると
心配で仕方ないぜ(焦)」
[はぁ〜ぁ]という止まない溜め息を吐きながら
保健室に向かう途中、ドゴーーーン!!!!!!
という大きな音が学校中に響き渡った。
当然、この音を聞いた
千秋は音の鳴った方へと走って行く。
千秋「た、確か〜この辺りから聞こえたよな?
てか、保健室じゃねぇか!!
バタン・・・
んっ?なっ、なな何してんだよ?!(焦)」
と言うのも保健室の中では、
バッキバッキに半壊というか全壊したベッドと
その上で陸の四肢を
日向の体に絡ませ抱き付かれていたのだ!
完全に陸に懐かれてしまった日向。
ちなみに1回のジャンプだけでこの有様である。
陸「ぎゅうぅぅぅ〜♡♡♡」
日向「あーぁ……って佐賀くん?!」
先生「ちょ、ちょっと牧田くん!?(汗)
こ、これ…これぇどうしてくれるんですか!!」
大きな音を聞いて保健の先生が
慌てて駆け付けるも、もはや手遅れであった。
日向「牧田くん、絶対コレどうにかなったよね?(汗)
陸ってぇ……呼んで欲しいなぁ〜☆☆☆(陸)
えっ!?そ、それはっ!
お願い☆1回だけ、いやこの先…ずっと!!(陸)
えぇ〜…(恥)」
と陸の顔を覗き見ながら考えていると
何やら横から蛇に睨まれるような視線を感じたので
その方向を恐る恐る辿って見たら千秋ものだった。
千秋(コイツゥゥゥ、コイツコイツコイツ(嫉妬)
日向「うわぁ〜………(ドン引き)
……り、陸。こ、これで良いかな???(照)」
陸「はあ♪うんうん☆
ありがと!すっごく嬉しいよ(大満足)」
何の抵抗も無く日向は下の名前で呼んだ為なのか、
千秋は白く燃え尽きていた。魂が抜けたみたいに。
そしてその隣にはなぜか、奏太の姿があった。
陸「グリグリグリ♪
ちょ、ちょっと陸さん?!(日向)
ムッ!!
陸、ベッド破壊しておいて何してるんだ?(奏太)
奏太☆」
と言って全壊したベッドから降りると
日向の体を猫のようにぶらーんとさせて
虫を捕まえた子供が親に見せるかのように
前へと突き出した。
陸「ねぇねぇ、奏太☆
この人だよ。僕を助けてくれた人っ!!
凄いでしょ♪
あの〜…何で僕、抱えられてるの?(日向)
自慢する為☆」
日向「もうちょっと
別の方法があると思うんだけど?!
はぁ……(汗)んっ?な、何…ですか?」
と日向の顔を覗き込むなり何なりし終えると
奏太は、ぷいっとそっぽを向き
ほんの一瞬だけほっぺを膨らませているようにも
見えた。
奏太「ほら、帰るよ陸。
少しは人様に迷惑を掛けないよう振る舞わないと
いつになっても子供のままだよ」
陸「はぁ〜い」
奏太「うっ……(汗)」
と口を手で抑える素振りをして
一気にぶわあぁぁぁと汗をかいていた。
日向「んっ?どうしたの???」
奏太「な、何でもないっ!行くぞ、陸」
陸「うん、じゃあまたね〜♪」
日向「バイバイ。
(陸さんはともかくとしてあの人は、何だろう?
一瞬、顔色が真っ青になってた気がするし〜
僕の気のせいなら別に良いんだけど………)
んっ?わっ!?わわわっ(汗)」
とさっきまで燃え尽きていた
千秋がいつの間にか復活しており、
まぁまぁ高い千秋の肩に担ぎ上げられている状態。
日向「ちょ、ちょっと下ろしてよ?!
別に僕は怪我してないし、僕より身長が2倍の人に
担がれるのは嫌だってば!!」
千秋「ふん、知るか!(怒)
なんか怒ってません???(日向)
べ・つ・にぃーーー」
と大きな肩でジタバタと動き喚く日向に
塩対応な千秋であった。
その後も素直で可愛らしい
ちょっとしたトラブルメーカーな陸の粗相は、
日向に懐いた事で解消されたのだった。
千秋と違って日向の嫌がる事や迷惑行為はしないが
日向への猛烈なアタックが日に日に加速している。
良い意味で悩まされていたのだ。
日向「はぁ〜……まさか1人増えるだけで
こんなにも疲れるなんて思ってなかったよ(汗)
千秋「まぁ、良いじゃねぇか〜♪
人馴れするトレーニングには順調なんだし」
日向「佐賀くんは、
ただ人のプライベートを侵害しただけでしょ。
いつにもなく辛辣だな、おい!?(千秋)
佐賀くんが言ったんじゃん。
言いたい事は、口に出せってさ〜………
お、おぉ。それは、そうだけど急だな(焦る千秋)
あんなに素直な陸に言うのもなんだし、
過ごしてきた仲の方が絶対良いに決まってるもん」
千秋「そ、それって俺だけ[特別]って事か?!
なに?その解釈、気持ち悪っ(即答する日向)
うわあぁぁぁ!!(嬉しげ)
こ、これは…はぁ……はぁ…ほぼ慣れだな♪」
日向(何だ、コイツ(即答)
と昼休みになっていつものベンチでご飯を食べ、
千秋に毒を刺せるようになってきた。
そんな平和な風が吹いた頃、
中庭から見て反対側の曲がり角辺りから
保健室に向かう途中の奏太の姿を捉え見ていると
突然、倒れ込んでしまった。
壁で見えなくなった奏太の姿を見て
日向は慌ててお弁当を置いて
奏太の元へと駆け付けた。
奏太「………ゲホッ…ゲホッ。
(体に力が入らない、
咳が出るだけでまともに喋れない。
暑さでやられたか(汗)
雲外鏡の仕事は、ほぼあの石に乗って
日光浴してるようもんだからな。
はぁ……はぁ…ねぇ陸、俺…今凄く心細いよ。
怖くて…誰も助けてくれない皆んなが怖い(涙)
誰か助けてぇ………涼しい場所に行きたいぃ)
日向「……大丈夫???(悲しげな顔)」
奏太(えっ?
き、お前は陸の………
いや、今はそんな事…関係ない!
俺を早く助けて…くれ。助けっ……そうだ。
声が出ないんだった(汗)
どうしよう、何か喋らないとじゃなきゃ
絶対に伝わらない!!
こういう時こそ、陸に頼んで〜………駄目だ。
アイツの手を煩わせる訳には!)
日向「とりあえず涼しい場所に行こう?
保健室ならここからそう遠くないし
多分、エアコンは付けっぱなしだと思う。
とにかく入ろう。運ぶよ」
と言って奏太よりも小柄な日向が運ぶ事に対して
少し動揺していたが、妖力を使って
重さを軽減し奏太の肩に手を回す。
保健室までそう遠くは無かったが
ゆっくりと歩き出すも妖力を使って運んでいる為、
日向もジリジリと削られていく。
無事、保健室に着き
前に壊したベッドは消え奥の方のベッドに
奏太を優しく下ろした。
日向「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…(汗)」
奏太「(なっ、何でそこまで???
減った妖力は元に戻らない!!
下手したら消滅するリスクがあるっていうのに
俺を運ぶ為とはいえ………)
じゃあ僕はこれで。先生、呼んで来るね♪(日向)
ま、待って!んっ?
(首元に手を当てる)
お前は妖力が減ったら簡単には戻らない事は
当然、知ってるよな?
なのにどうして、そこまでして俺を助けた?!」
日向「んっ?うーん。
だって困った時は、
お互いに助け合うのが普通でしょ?
こんなにも体調が悪い人を放っておける訳がないよ。
あっ……(奏太)
それに妖力は、先生に言えば貸し出してくれるから
僕は大丈夫だよ!!
そうだ、水雲くんは
自分の水筒置いてっちゃってるよね?
(ゲートの中から取り出した)
だったら僕の水筒、貸してあげるから
ゆっくり休みなよ♪
じゃあね(笑顔)」
ガラガラ・・・
奏太「……ふん(笑)
嘘が下手な奴だな。
何の理由も無く
先生方が[霊魂]を貸し出してくれるとは
到底、思えないけど。
まぁ陸のお気に入りだし俺も気に入った♪
今度は俺が助ける番…かな☆
体調、良くなってからだけど……(しょんぼり)」
保健室を去った日向は、職員室に寄り
先生に呼び掛けフラフラと揺れながら
千秋が待つベンチへと帰って来た。
千秋「おぉ、遅か……っておい、どうした!?
そんなにフラフラして(汗)」
日向「ごめん、話は後で。
ちょっと妖力使い過ぎちゃったぁ(辛しげ)」
千秋「分かった!分かったから!!
とりあえず、座れよ」
そう言って千秋は、ベンチを譲り日向を寝かせた。
日向「ありが…とう。うっ………(目眩)」
数分後・・・
千秋「なるほどなぁ〜……それで!
だけどよ、お前1人だけが
背負わなくても別に良いんだぜ?
俺が居る限り出来る事なら、俺にも頼んで欲しいし
こう何度もその〜…俺に心配掛けさせんな(照)
でもこれは、僕自身が選んだ事だから……(日向)
そういう強がりは、いいんだよ♪
日向に出来ない事は俺が補ってやる!!
またアイツらが、来るかもしれないのに
お前だけで行動するのは危ねぇからよ。
だから任せとけ☆なぁ?」
日向「う、うん。
でも佐賀くんも危ない時は逃げてよ?
佐賀くんが居なったら僕は、何も出来ない…から」
千秋「あぁ、任せとけ!
俺が、日向を絶対に守ってやるからな☆」
そう聞いて日向は、安心したのか眠りに付いた。
日向(こんな事がいつまでも続けば良かった。
良かったのに………(静寂)
幸せな時間は、そう長くは続かなかった。
佐賀くんや奏太くん、陸と友達になって
1年半、魔の手が僕達の縁を断ち切ったのだ。
奪われたものは簡単には戻らない。
あの日の事を……僕は忘れない!!)
中2の半ば頃・・・
いつもより早く学校が終わった日に事件が起きた。
日向達はたまたま街外れのアーケード街へ立ち寄り、
千秋が欲しいマンガ目当てで来ていた。
日向「見た目の割りにそういうの好きなんだねー
べ、別に良いだろ!(千秋)
まぁーねー(興味ゼロ)」
ちなみにその漫画は、チート系である。
店員「ありがとうございました!!」
千秋「まぁ、これで今月の漫画は買えた事だし
コンビニでアイスでも食って帰ろうぜ♪
もう夏、終わるけど?!(日向)
良いじゃん良いじゃん」
日向「全く。んっ?……っ!(絶句)」
と呆れながらも商店街の人気のない出口を
出た途端、日向は言葉を失った。
千秋「・・・。
さっきから隠し切れない憎悪と怒りを
感じてたけど、意図的か?
それとも無意識か?」
淡々と口にする千秋の顔はどこかキレていたが、
かなり冷静で話を進めていた。
すると、隠れていたあの2人が出て来たのだ。
男「いやぁ〜(笑)
気付かれるとか微塵も思わなかったわぁ。
図体デケェ癖して頭は悪いとか聞いてたのによぉ〜
話がちげぇぞ、成三(煽)」
男2「えぇ〜でも、事実じゃん?(笑)」
千秋「そうか……悪いな?
俺はな、他人のそういう[ドス黒い感情]が
自分に向けられるのが一番嫌いなんだ。
ずっと前からガンを飛ばして来た事ぐらい
とっくに気付いてたよ」
日向「えっ、そうだったの?!(汗)」
男「あれあれぇ(笑)
もしかして気付いてなかったの???
授業とか勉強は優等生でも
妖怪としての実力は低いんだな、新條くんって♪」
日向「・・・(寒気)」
バッと千秋が、大きな手を日向の前に出した。
千秋「お前に日向の何が分かる?(怒)
見てもない癖に偉そうに言っといて
自分はそっちのけ…だろ!!」
日向「佐賀くん………」
男「へぇ〜言ってくれるじゃん?
いいねいいね♪
まぁ、俺らが相手じゃないんだけどな(笑)」
そう男が言うと2人の後ろから
ゾロゾロとヤンキーや不良の集団が
続々と到着して来たのだ。
ざっと100人ちょっと多いくらいの人数だった。
日向「……(唖然)
佐賀くん、こんなの無理だよ。
逃げよう!逃げないと危ないよ!!
・・・いや、日向だけでも逃げろ(千秋)
えっ?そんなの…そんなの……嫌だよ!
佐賀くんも一緒に逃げよう(焦)」
千秋「そいつは、無理な相談だな♪
お前だけでも逃げるんだ。
何で!!どうして?(日向)
友達を………いや、[親友]を馬鹿にした奴を
たった今、
俺がぶっ飛ばさなきゃならなくなったからな☆
でも…だからってぇ……(涙する日向)
いいから、行けよ☆
ここは俺が全部相手してやっから。行くんだ!」
と言って反対の肩に掛けた
エナメルバックの持ち手を握り締め
ようやく決断した日向が走り出そうと動いた途端、
あの男がいつの間にか後ろに居た。
日向「・・・えっ?(涙)」
男「アイツは、いいとしてお前はにがっ……」
と男が言い掛けた次の瞬間、
左頬を思いっきり千秋の拳が炸裂したのだ!!
男「ぶっ、へえっ!?(めり込み)」
千秋「お前の速さじゃ、
到底、[俺様]には勝てっこねぇぞ?」
男「べ、つにお前が俺に攻撃しようがしまいが
全て計画の内だ。
ほ〜ら、お前がちゃんと守るんだよなぁ?」
千秋「???まっ、まさか!?(汗)」
と地面に野垂れ死にそうな男の言葉を聞いて
千秋が振り返る先には
黒妖縄で全身、締め付けられている日向が居た。
シャッターに括り付けられ、
同時に押し潰されるような締め付け具合だった。
千秋「日向っ!?
うっ、く…苦しいぃ(日向)
お前ぇぇぇ!!!!!!(怒)なっ!?」
と日向に目線を送って居る間に
野垂れ死んでいた男の姿が無くなっていた。
千秋「クッソ、アイツ。逃げやがったな(汗)
まぁ結構、強めに殴っといたから
そう遠くへは行けない筈だし、逃げても力尽きるだろ
仕方ない。
日向、ちょっと苦しいとは思うけど
早めに片付けてやるからな!!
ちょ…っと所じゃないけど、頑張る。うぅ(日向)
あぁ!」
不良「俺らも随分、舐められたもんだな?
なぁ、少しは楽しもうぜ(笑)」
と不良の1人が言い終え一歩足を踏み出した途端、
顎にアッパーを喰らい
空高くどこかへ飛んで行ってしまった。
続いて千秋は、半身だけを殴り
商店街の壁や地面にバッタバッタと薙ぎ倒していく。
不良共「うわあぁぁぁ!?!!!!
おっかない奴だな。やべ、こっちにぃぃぃ?!
ああぁぁぁぁぁ!!!!!!(阿鼻叫喚)」
日向(うっ、ぐぐぐ……かなりの地獄絵図(汗)
ていうかコレ…いつまで続くの?!ってあれ?)
と思っていると次第に締め付け感は無くなったが、
縛られたままである事には変わりなかった。
日向「佐賀くん、この縄みたいなの緩んできたから
僕はもう大丈夫だよ!」
そう千秋に呼び掛けた瞬間、
千秋の右頬にも拳が入ってしまう!!
日向「佐賀くん!?大丈夫?!(汗)」
千秋「あっ、あぁ。
今のは、結構効いたな……けど!
日向を守る程度なら余裕だぜ☆
そうか、じゃあコレならどうかな?(成三)
へ???(日向)
なっ、アイツ!?」
と言うのも成三は、千秋の目の前から消え
日向の真ん前に突如として現れ咄嗟に目を瞑った。
日向(……っ!(汗)
あ、あれ?全然、痛くも…ない???
でもどうして?)
と困惑しながらも日向は、瞼をゆっくりと上げると
そこには殴られ続ける防戦一方の千秋が
体を張ってまで日向を守っていたのだ。
日向「ハッ!?」
千秋「イッテテテェ。イテェな?イテイテェ(笑)」
成三「はぁ?!
こんなにも俺が殴ってんのにビクともしねぇ!?
何でだよ!何なんだよ、お前は!!(焦)」
千秋「ニヒッ(笑)
悪いけど、俺様にいくら拳を入れようと無駄だ。
なぜなら…お前の攻撃は全部見切ってるからな☆」
と千秋もまた相手の視界からいなくなり、
成三の真横に現れ、半身に掌底打ちをかまし
水切りのように3回跳ねた。
日向「威力エグッ!?(汗)」
千秋「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ………
ハハッ……まだまだ!(笑)
えっ、まだやるの?!無茶だよ、佐賀くん(日向)
全然だよ。全然、物足りないぐらいだ♪」
と完全に戦闘狂モードに突入しまい千秋は、
日向の言う事すらも聞かなくなってきたのだ。
構わず薙ぎ払いながらも
頭や頬、身体中から黒いモヤや黒い血などが
漏れ始める。
日向「もう……もう駄目だって!!(焦)
妖力切れでも起こしたら、どうするのさ?!」
千秋「アッハッハッハ!オラオラオラオラァ(笑)」
日向(僕が何と言おうと
彼は、佐賀くんは………止まらなかった。
何度も何度も拳を出す事も怪我する事すらも
厭わない。
今まで見てきた彼の顔の中で
僕は、一番怖かったと思っている)
殺戮から数十分後・・・
商店街の人気のない道端とはいえゴミの山のように
ヤンキーや不良の死んでいないが、
物凄い量の死体が積まれていた。
そんな血祭りのような殺伐とした現場を間近で
ただ見つめる事しか出来なかった日向。
千秋「はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ………
もう、このくらいで良いだろう(笑)
佐賀……くん???(日向)
ハッ!?(我に返る)
・・・わ、悪い。
あんな俺の姿、見て怖かっ…たよな?
その怖い思いさせてたなら……
俺、俺は………っ!」
???「アンタだな。
商店街で暴力沙汰を起こしていると通報を受けた
閻魔騎士の代理人の者です。
さぁ、話は署の方で聞こうか」
千秋「はぁ?!(汗)
通報、一体何の話だ!?
俺は…アイツを……日向を助けっ………」
閻魔騎士「話は、署の方で聞くと言ったろう?
さぁ…立つんだ!!
グタグタ言う暇があるなら私の指示に従え、
従わなければ……無理にでも連れて行く事だって
こちらは可能なんだぞ?」
千秋「くっ、すまんな。
日向、俺…行かないと駄目らしいわぁ(苦笑い)
悪かったな、○○○○○○○○○○○○○」
と最後の言葉だけ日向には聞き取れず、
抵抗する事なく千秋は、
大人しく閻魔騎士によって連行されてしまった。
連れて行かれてすぐ雨雲が近付いてきて
雨が降り始める所で黒妖縄が解けた。
シャッター越しにズリ落ちながら日向は、
一言だけ呟いた。
日向「………佐賀くん(撃沈)」
正気の無い顔で雨ではなく本当の涙が
頬をなぞるように流れていく。
雨は次第に強くなり、大雨へと変わっていった。
それから2年もの時が進み日向は、
高校生にまで上がっていた。
高等部に入って本格的にクラス差が増していく中、
本当なら千秋は日向と同じクラスに居ただろう。
そんな2人の運命は、叶う事もなく
千秋が隣から居なくなってからは
一緒に過ごしたベンチや廊下に
最初は出向いてはいたが、
待っても来ない事を悟ってからは
次第に来なくなっていった。
今まで当たり前だった事が一気に崩れ落ち、
素直に笑ったり微笑んだりする事も無く
空元気な姿のままずっと長い時間を過ごしてきた。
当時、千秋と同じD組だった子達には
千秋がどう処分を受けたのか
そのクラスだけにしか伝えられていなかったが
奏太は特に教える気は無かった。
あんなにも暗い顔で千秋の名前を出せば、
どう反応するかなんて手に取るように
想像が付いた奏太は、この事を陸にだけ教え
変に気を遣わせる訳にもいかず、
いつも通りに接する2人だった。
いつの日からか日向は、
反対の肩にエナメルをクロスせず
右肩にだけ引っ掛けるようになったのも
この時からのものだ。
そして、日向に転機が訪れた。
高1の後期頃、とある放課後の時間に
蘭と誠也がやって来たのだ。
何の感情も無い顔で廊下を歩いていた日向に
後ろから声を掛けて来た。
ちゃんと話すのも初めてな2人との会話だ。
この頃の蘭の髪は今よりも
ずっと長く背中に届くくらいの長さだった。
蘭「ねぇ日向くん、ちょっと良いかな?
……何ですか(日向)
この後、時間空いてるかしら?
空いてるなら少しお話したい事があるのだけど」
日向「・・・。
すみません、急いでますので」
と嘘を吐いてでも日向は、
あの2人以外は真面目に話そうとはしなかった。
案の定、素直に返す訳も無く誠也は
腕を掴んできたのだ。
誠也「悪いけど、
蘭の話…ちゃんと聞いてくれないか?(キレ気味)」
蘭「あっ、ちょっと誠也っ!
手を出さないでって約束したよね?!」
と蘭の注意も聞き耳を持たず離さない為、
日向は、手を透けさせあっさりと振り払う。
誠也「……っ!」
日向「急いでる僕を止める権利は、八瀬には無いよね?
相手にちゃんと聞かせたいなら
無理矢理じゃなくても良い筈だけど」
誠也 バチバチ VS バチバチ 日向
蘭「あわわわ(焦)
ちょっと誠也、少し黙ってて!!」
と両手を腰に当てて誠也に
かなりガチめに怒っている様子で
流石の誠也もこれにはビビッていた。
誠也「は、はい………(汗)」
蘭「誠也が不快させてたら、ごめんね。
私の事になると後先考えずに行っちゃうから
こうならないよう今回もキツめに言ったんだけど。
別に…何度も見知った光景だから良いよ(日向)
はあ♪
ありがとう、日向くん!(笑顔)
それで……話って何?(日向)
あっ、そうだった。
実は私達っていうか、
私が個人的に人助けとか人の役に立ちたくて
つい最近、閻魔騎士に申請してみたの♪」
日向「申請?
そんなものが簡単に下りるような人達じゃない
と思うんだけど」
蘭「そうなの。
だから凄く大変だったんだよ(汗)
誠也が暴れ出して牧原先輩に返り討ちに遭ったり、
いくら私がしたいからと言って
無理に頑張らなくても良いのね、日向くん!
何でこっちに聞くんですか?(点目の日向)
おい、その話は止せって!!(慌てる誠也)
私との約束破った罰だもん。
でね、紆余曲折あって
何とか許可を下ろしてくれたんだ♪」
日向「うん。
一番大事な所が抜けてるけど、まぁいいや(汗)」
蘭「それでね!
新しい部活として[特別部隊]っていう
名前で登録して貰ったんの☆
なんか[特殊部隊]に似てますね(日向)
そう、それ!!
その子達のお手伝いっていう感じの名目で
表沙汰だと[怪奇研究部]ってなったんだよね♪
名前は隠した方が、まだ皆んな入りやすいかと思って!
でも許可を下ろしてくれたとはいえ
一番、重大な問題がありましてぇ〜〜〜(汗)」
日向「部員としての人数が足りないって事ですよね。
それで僕に………
そうなの、だからね!(蘭)
それなら僕は、丁重に断らさせて貰います」
蘭「うんうん。んっ?ええぇぇぇ!?!!!!
ここまで話しといてそこは、乗る流れでしょ!
何の流れですか?!(日向)
えぇ〜(汗)ちょっと待ってよ!!
それじゃあ困るよ」
日向「ここまで話してくれたのは有難いですが、
勝手に決められる身にもなって下さい!
それでは……」
誠也「待ってって言ってるだろ!!
何で人が真面目に話してんのに聞かないんだよ。
あと時々、俺の事を白い目で見んな!」
と誠也が言うのもやらかし話を聞く度に
白い目で見つめて来る日向に対して
怒りを露わにしていた。
日向「さっきも言ったけど、
事情まできちんと話してくれるのは有難い。
でも何で[Bクラス]の僕が入らないいけない訳?
(こんな単語、自分で言うのもなんか癪だけど
今はこう言うしか方法が無い。
僕みたいに程度の低い妖怪と組むより
同じ位の人達を選んだ方が早いと思うから)」
誠也「それは〜……確かにそうだな。
なぁ、何で何だよ蘭?
俺らだけでSクラスは2人も居るんだから
他の奴らも全員、同じで良いだろう???」
蘭「ムッ!誠也は、一旦黙ってて!!
はいぃ(誠也)
うーんとね、私達って
別に特殊部隊の子達じゃない訳なんだし、
無理にSクラスの子だけで固めるよりも
むしろバラバラなチームの方が良いと思わない?
思わない(即答誠也)
んっ?(怒)
いや!?何でもない(焦る誠也)
本当だったら私じゃなくても皆んなは、
大体こっちが理想的な考え方だと思うけど………
私的には本当の事を言うとね、中学生になってから
日向くんと一度、同じクラスになった時の事、
覚えてるかな?(微笑む)」
日向「はい、それならよく覚えていますよ。
……非常にうるさかったです(正気のない顔)」
蘭「あっ、うん。その節はごめん!
入学して来た当初から2年生の間まで
何だか日向くんの顔付きが変わったように
私は思ったんだけど、何か嬉しい事でもあった?
・・・(日向)
2・3年でクラスは別になっちゃってからは
よく廊下ですれ違う事が多かった気がして。
でも〜……なんて言ったら良いのかな?
いつからかな???
ここ最近で日向くんが出歩く事も
笑ったりする場面をあんまり見なくなった気がする。
………何かあった?」
そう優しい声で語り掛け、首を傾げながら
手を前にクロスさせた。
話し始めてから日向は、黙秘し続けるだけで
何も言わず暗い顔のままその場を去ろうとした。
日向「・・・」
蘭「……っ!
えっと…とにかく私が言いたい事はね、
1つだけなの!!
あくまで私個人が感じた事だから流してもいいし
聞かなくてもいい事だけど。
私が………日向くんを誘いたかった理由は、
その〜[寂しそうな顔]…してたから……かな」
と最後の一言だけで
日向は後ろを振り返り、目を見開いていた。
日向「・・・えっ?」
千秋が居なくなってからと言うものの
日向は、友達や必要最低限な会話以外は
まともに言葉を交わさず、
最初に戻ったような感じだった。
話していても偽りの笑顔でずっと騙してきた事を
あっさりと蘭に見破られ、かなり動揺していた。
誠也「うーーーん。そうか?
俺には、全然…いつもの冷たい態度にしか
見えねぇけどな〜」
蘭「誠也?(ムッ!)
うっ、すみません(誠也)
だからね、私は日向くんに
何があったかはあまり追求しないけれど、
その寂しさを私達が埋められたなって思って。
勿論、これも私が勝手に思った事だから
無理に受けなくても良いからね!!(汗)」
と蘭がそう言い終わると誠也の隣へと戻り、
帰りそうな雰囲気の中で
日向はようやく覚悟を決めたような顔で
こう言った。
日向「鈴木さん。やるよ、僕。特別部隊に!」
蘭「えっ?
もう決めちゃったの?!早くない!?
だ、だって特別部隊だよ?
特別で大きな権限を目の前にしてもなるの?!」
日向「そっちが急かすから
早めに言った方が良いかなって僕は思っただけ。
でもありがと(ボソッ)」
蘭「えっ、今なんて???
何でもない。まぁ良いから申請して来なよ(日向)
あっ……うん。ありがとう、日向くん♪」
日向「ふん(クスリ笑い)」
と線を引いただけの口元が、
今ではニコリと笑ったような顔をしていた。
※ちなみに第5話の「怪奇研究部」にて
特別部隊を初めて
まだまもない関係の誠也と日向は
時々、衝突していた訳はこの頃の名残でもある。
回想終了・・・
屋上から下に居る千秋と睨み合う中、
千秋からはギリギリ見えない程度で雫が
こう告げる。
雫「わっ、私も……一緒に戦います!
関係なくても私だって先輩の役に立ちたいんです。
だから手伝わせて下さい!!」
と強気に言う雫だったが、
小刻みに揺れている事が明白だった。
それでも日向は千秋に向けたままの冷たい目付きで
左斜め後ろに居る雫を目だけを動かして
伝える事だけを伝えた。
日向「それじゃあ…頼もうか?」
雫「は、はい!
・・・・・・・・・・
……えっ?
そ、そんな事が本当に可能なんですか?!
はい、可能ですよ(日向)
あわわわ(汗)
じゃ、じゃあい…行っでぎまず(ド緊張)」
数分後・・・
千秋「久しぶりだな、日向。
こんな時に偶然会うなんて運命って残酷だよな?
そうだな……(日向)
でもな、俺にだって
今じゃ譲れない動機が十分にあるんだ。
邪魔すんならこっちも本気で掛かってやる!!
だから怪我したくなかったら
とっとと逃げるんだな」
日向「あいにく、そうしたいのは山々だけど
僕にだって譲れないものがある。
今回は……あの時みたいに逃げたりはしない!
もう2年前までの弱い僕じゃないんだ」
千秋と日向は、
お互いに譲るつもりも無く睨み合う。
千秋だけが足をジリジリとズラした瞬間、
足に何か当たって来たような感覚がした。
ふと足元を見てみると、
小学生くらいの身長で雫と
同じような淡色ワンピを着ており、
小さな一つ目の女の子が泣きながら
千秋に縋って来たのだ。
千秋「んっ?何だ、迷子か???
最近、ここら辺で迷子になる子供が増えてるもんな。
よしよし♪
ほら…お嬢ちゃん、ここは危ないから離れるんだ。
んんっ???(涙目な子供)
うーん、そうだな〜
この近くだと子供が遊べる場所は………
葉木公園があったよな!!
その公園の場所は、分かるかお嬢ちゃん???
う、うっ……ゔん(涙する子供)
そっか、良い子だ♪
ほら早くここから走って行きなよ。危ないからな☆」
と千秋の目の前を通り過ぎて行くと
一つ目の女の子は、千秋の顔が見えなくなるまで
見続け最後に日向の顔を見てこう思った。
雫(ごめんなさい、私には…どうしても出来ないよ。
あんなに優しい人が、銀行強盗の犯人でも(汗)
私は、先輩の役に……立ちたかった!
でも…私には、覚悟が無かったんだ(涙)
回想・・・
日向「それじゃあ、頼もうか。
雪乃さんは、千秋のほんの僅かな隙を狙って
奇襲をして下さい。
不意打ち…ですか?でも、どうやって?(雫)
簡単な話です。
雪乃さんの妖怪化を先取りするんです!!」
雫「私の妖怪化を先取り?!
そ、そんな事が本当に可能なんですか!?」
日向「はい、可能ですよ。
実際に僕は合宿の際に体験しましたから。
妖怪化しないように蓄積してきた妖力のバランスが
乱れ勝手に妖怪化させられたんでね。
それに僕よりも今もずっと妖力を蓄積している
雪乃さんなら、出来る筈です!
勿論、雪乃さんが攻撃さえしてくれれば
僕がカバーに入りますので……そこは安心を」
雫「ま、まま待って下さい!?(汗)
いつから私が妖力を操作していた事を
知っていたんですか?!」
日向「見れば分かりますよ。
今の慌てようで多少妖力に乱れが見られましたが、
そのくらいの動揺なら大丈夫そうですね♪
分かりやすく言ったら砂時計の砂のように合宿から
ずっとコツコツと蓄積していたみたいですが」
雫「○%*○#☆!?(声にならない声)」
日向「妖怪化した姿で千秋に近付いて下さい。
アイツは昔と今も変わらず同じように
弱い者には優しいですから。
きっと攻撃される心配は、ほぼ無いと思いますよ」
雫「そ、そういう問題なんでしょうか?(汗)」
日向「大丈夫です。
隙があれば、話し合いで解決させますので
雪乃さんは撃てなかった場合は
すぐに離脱しても構わない。
その場から離れても僕は、何も言いませんから。
さぁ、早めに準備して来て下さい♪
僕が千秋の気を引きますので
その間に来てくれれば有難いです」
回想終了・・・
銀行から徐々に離れていく雫の姿を見て
同時に日向は、千秋を見つめ溜め息を吐く。
日向(やっぱり雪乃さんには難しかったか。
そりゃあ昔の僕でも急に頼まれたら
出来ない事だったと思うし、
何よりアイツも変わってなそうで少しは安心したよ。
それでも僕は、話し合いで
どうこう解決する気は微塵も思っていない。
同じBクラスである以上、互角またはそれ以下。
だからこの勝負は、
妖怪らしく実力と力量だけが決め手となるだろう。
不意打ちもそうだが、あれはあくまで戦略の内。
出来なかった時の事をちゃんと考慮した上だ。
あの時と違って僕は、妖力に更に磨きを掛けてきた。
妖術は魔法ではないが、
思った通りの事が起こせる奇跡を
[魔法]のようなものと思っている。
それを実現、出来るようになったのは
見て考え想像し教えて貰った事で今がある。
そういうほんの僅かな希望でしかないが、
僕はそれでもやると決めた!
あの2人だろうと千秋が相手になろうと
僕は強くなる為に再び君の目の前に居るんだ!!)
一つ目の子供への目線から途端に
冷たい目付きで千秋の顔色が変わった。
思わずゴクリと息を呑みながら
日向は、赤いネクタイの結び目を解き取り捨てた。
本気で戦う覚悟を千秋に見せ付けたのだ。
一方・・・
銀行のシャッターをぶち破って行った千秋、
その中でも色々動き始めていた。
姿を見られた羽衣は、千秋に時間を稼ぐよう伝え
それを見届け終えると
羽衣は、銀行の奥へと姿を消した。
柱近くで拘束された振りをしている友理は、
羽衣が行った事を確認し
すぐさま、受付へと向かった。
友理「皆さん、大丈夫ですか?(小声)
あっ、あぁ〜君がこの子の知り合いかい?(男性)
はい。私にとっての大切な先輩です」
男性「そうか、この子なら先程治療を施しましたので
安心して下さい」
友理「ありがとうございます♪(小声)
女性「ねぇ、それより………
そんなに軽率に動いて大丈夫なのお嬢さん。
もしかしたら犯人は、
複数居る可能性だって有り得るのよね?(汗)」
友理「それなら、大丈夫です。
先程、妖気ドームで見た所、
2人しか反応しなかった事が確認できましたので
その心配は無いかと(小声)」
女性「そ、そうなの?凄いのねぇ(汗)」
友理「ふふ、そうですか?
それでは私、彼女が向かった方向に行ってきますので
皆さんは、隙を見て非常口へむか………」
男性「いえ、そういう訳にはいきません!!
それなら私達は、ここでお待ちしています。
……そう。根拠は?(友理)
私達が人質になるのには変わりありませんが、
お客様の身の安全や
この子は多少、怪我を負いましたが
治療をするようにあの男からも言われました。
彼女も非はあるかもしれませんが、
どこか悲しそうな……そんな雰囲気もしたもので
ただこれは、僕の主観的な意見ですので
君みたいな子にいい大人が頭を下げるのも
変な話だけど、どうか彼女をお願いします!」
男性の話をよく聞いた友理はコクリと無言で頷き、
いつものような笑顔やニコニコとした表情とは違い
真剣な眼差しで銀行の奥へと足を運ぶ。
立ち入り禁止エリア・・・
羽衣は何箇所の個室に入っては出てを繰り返し
何かの部屋へと入って行く所を
友理は、曲がり角辺りで様子見していると
いつの間にか背後に居た羽衣が手を前に出して
こう言った。
羽衣「[人質]だって事……
あなたは、まだ理解していないようですね。
…ハッ!ど、どうして?!(友理)
さぁ、どうしてでしょうね?」
と言い終えると友理は一旦、距離を取ろうと
壁沿いに避難し即座にチャージさせた妖術を
放とうした時には羽衣の姿が無くなったいた。
友理「えっ?もう居ない?!(焦)
(間違いなく彼女は部屋に入った…にも関わらず、
私の背後を取る事が出来た。
でもその間、十分な時間は無かった筈!!
一体、彼女はどうやって私の背後に?(汗)
こっちですよ?……こっち!(羽衣)
あっ!?(焦)」
とまたも友理の背後を取り、
今度は腕で首を締め付けるような形で拘束され
耳元で囁いてきた。
羽衣「ここまで1人で来た事を少し褒めてあげます。
ですが私から2つ、
あなたに忠告して置きましょう。
私の後を付けて来たとはいえ、
[尾行には細心の注意を払う事…と
相手の目に悟られないよう気を付ける事]ですね。
あなたの妖気は、確かに他の人達と違って
隠しているようで隠し切れていないオーラに
私が気付いていないとでも思いましたか?」
と話しながらも、もがき続ける友理。
羽衣は一思いに腕を強く締め付け、
暗くなった顔の友理を脱力させた。
その顔は前髪で目が隠れている為、
詳しい表情までは確認できなかったが
見下している目付きなのには変わらなかった。
羽衣(この人もまた、この程度ですか。
本当に相手になりませんね。
世の中の人もまた私にすら気付かない半人前ばかり
千秋くんだけが前線に立ち続ける限り
皆んなからは、私を[弱い者]として認識する。
それを寄ってたかって襲い掛かる群れに
私は、簡単に薙ぎ払った。
これだから見掛けで判断する人は嫌いなんです!
そもそも同じ妖怪である以上、
妖怪を甘く見ないで頂きたいですね。
[クラス]なんてほんの僅かな飾りに過ぎないのに
はぁ………つまらない)
と締め付けていた友理の首から腕を緩めた瞬間、
首から近い羽衣の手首を掴んだ!
これには流石の羽衣も驚き、背筋が凍ると同時に
友理は羽衣と一緒に壁の中へと押し出した。
そこは黒い空間が一面に広がり、
床や天井という概念すらも打ち消す空間で
どこか心細い雰囲気を醸し出していた。
羽衣「えっ……嘘?!私の…力を!!(汗)」
友理「ずっと待っていました。
あなたに触れる機会を………この時を♪
(彼女の性質は、[影]。
建物のどこかに影がある限り、
彼女は自由に行き来が可能になる!
だからあの時、個室に入ったのはフェイクで
部屋の中の影と私の影に移動する為だけに
姿を隠した。
私の背後を取り続けて来た理由、
それは私が振り返る頃には居ないのにも頷ける。
もう一度、影の中に入り
私が自然に動く度に出て来るだけで
良いのだから!!
これは、[性質に限らず適性が合えば]
妖術として誰でも使えて当たり前。
けど私には影の適性すら無い、
私が紅葉先輩に伝えたように[他人の力を模倣]する
そんな能力か力かも分からない事だらけだけど、
今ならそれも分かる。
実際、私は彼女の力を見た訳じゃないのに
この力を見よう見真似で模倣できた事を
やってのけたのだから)」
羽衣「あなた……私の力を使って
どうするつもりなんですか?!(汗)」
友理「えっ?
何って私はただ誰も居ない空間で
あなたとお話がしたいだけなんです!」
羽衣「はぁ?
それだけの為にここに来させたって言うの???
はい!!(友理)
馬鹿、言わないでよ!
……えっ?(友理)
私は…アンタみたいに力のある奴の考えている事が
一番、よく分からないわ!!(怒)」
友理「でも私は、本当に
あなたと1対1でお話がしたいだけなんです。
どうして、こんな事を起さしたのかとか
どうして犯罪にまで手を出してしまったのか
沢山、お聞きしたい事があるんです!」
羽衣「・・・。
アンタに私の何が分かるっていうの?
弱い人は力のある奴らに誰も逆らおうともしない。
強い奴程、虫のように付き纏って来る奴らが嫌い。
私の事を認めてくれない人達も皆んな……
全部、全部…居なくなってしまえばいい!!」
と今まで溜めてきた何かが彼女の目に現れ、
前髪で隠れた目には涙が浮かんでいた。
フラッシュバック・・・
燃え盛る炎の中に大きな村が、
あちらこちらに広がる黒く焼け焦げた家の残骸。
着物を着た友理と思わしき少女が崩れ落ちる。
彼女を突き刺すのは辛い現実であり
その絶望は、彼女にとって
底なしの海に沈んでいくような感覚だろう。
足掻いてもどうにもならない。
涙を流しても誰も助けてはくれない悲しみに
引き摺り込まれるだけ。
糸で無理矢理引っ張られるような手の震えようで
彼女自身の口を手で隠し、
その指の隙間から見えたのは
それはいずれ[強い憎しみ]へと変わり果てた。
あんなにも[いたいけな少女]だったというのに
その目に映る光景は、
彼女の体をもドス黒い感情に蝕み続けた。
少女「許さない。
私の村をこんな風にした奴らを
生かしておく訳にはいかない!!!!!!」
そして、いつしか[復讐]という精神だけで
少女は今まで留まって来たのだ。
フラッシュバック終了・・・
友理「そんな事……そんな事、言わないで下さい!
この世界から妖怪も[人間]も誰も居なくなったら
誰が、あなたを見てくれるんですか?!(涙)」
羽衣「………あっ」
そう友理に言われた途端、
黒い空間に床という概念すら無かったあの空間が
涙が床に零れ水紋によって全体に広がっていく。
すると辺り一面が真っ白な空間へと早変わりし、
前髪が吹き荒れ綺麗な青い瞳が両目とも
見えた瞬間だった。
友理「はあっ!……はぁ…はぁ……はぁ……(涙)
この世の中から誰も居なくなったら
あなたは1人、生きていけますか?
それこそ自分が死にたくなる程の苦痛を
味わうだけぇ…ですよぉ?!(震える口)
そんな簡単に口に出していい事じゃないんです。
でも、もし自分に歯止めが利かなくなったら
私達はそれを深刻になる前に止めて見せます!!
それが、私の中での………
[特別部隊としてのあり方]なんです♪」
と先程の涙が嘘のような笑顔で話す友理を見て
羽衣は、自分の情け無さを酷く後悔した。
一方・・・
上ではいよいよ、
2人の戦いが始まろうとしていた。
日向の目線から下に居たであろう千秋の姿が消え、
目線を少し上にあげた頃には
既に日向の真ん前で空中に居たのだ!
特に日向は、焦る事も無く
千秋の大きな拳を振るう瞬間に
後ろへと倒れ込む。
それは日向が[影写り]とある呪文を唱え、
自分の後ろの影の中へと入って行った。
その光景を見た千秋は、拳を何も無い所に
空気を殴るようにし銀行の屋上から
さっきと逆の立ち位置に立ち尽くす。
銀行の向かい方の建物からゆっくりと姿を表した。
日向(間近で見るとこうも早いとは
流石、千秋だ(汗)
けどアレは、まだ本気を出していないからこそ
見えるだけで今は雪乃さんから聞いた
目に妖力を流し込む方法だけで
動きは大体、掴めている。
流石の千秋でも銀行ごと壊す程の威力で
建物ごと半壊させる程、誠也より馬鹿じゃない!!
それに人質をかなり絞ってまで客を逃がしている。
よっぽど大きな被害は避けたいと言わんばかり、
特に中で何が起きているのか
ちゃんと把握しない限りは何も出来ない筈だ!)
そう日向は思い、影の範囲から出て
その建物の屋上へとひとっ飛びで
軽々と上がっていた。
気持ちを切り替えて2人は
再度、睨み合い再び衝突した。
千秋「妖術:陽炎!!」
日向「妖術:陽炎!!」
と言って2人は同時に発現し、
千秋は黒い人魂を日向は禍々しい黒紫色の人魂を
お互いに反対側の建物の屋上を走り出し、
攻撃を始める。
日向は、自分の人魂を2:1の割合いで重ね合わせ
千秋の人魂と激突させた。
互いの読み合いに人魂が
良い具合にスレスレで当たらなかった場合は、
自分の陣地へと容赦なく襲い掛かって来る。
千秋「追尾性能アリかよ!?(焦)
うぉっと!うわあぁぁぁ(汗)あらよっと☆
ほ〜ら、お望み通り行ってやるよっと!!(笑)」
と若干の悲鳴も上げつつ軽々と避けられ、
日向と同じ屋上へと飛び移って来たのだ。
千秋は変わらず、ずっと追い掛けて来る人魂を
利用して日向の元へと送り込もうと
突っ込んで来たのだ!
そんな千秋の思惑を察した日向は、
慌てず手をしなやかに下ろした。
日向「追尾解除、降下せよ」
と指示を変えると日向と千秋との距離は、
僅か一軒の差で人魂が降下し屋上で白煙が上がった。
千秋は、その煙をSクラスの誠也より
範囲が広く拳の風圧だけで白煙が、
僅か数秒で消された。
同時に日向の姿も見えなくなっていたのだ!!
千秋「はぁ……はぁ…はぁ…スゥー……はぁ。
まさか、ここまで上達してるとはな♪
確かにこの2年で成長はしてる………けど、
俺様だって何もして来なかった訳じゃねぇんだよ。
なぁ?!(笑)」
と足をただ力強く落としただけで
千秋が居たビルは、崩壊してしまったのだ。
ステルス状態で銀行側の屋上に移動して来た
日向は、ブツブツと呟いていた。
日向「ホント、化け物かよ。
アイツだけはSクラスに入ってても
おかしくはないくらいの規格外な強さがあるのに
B判定なのがどうにも腑に落ちない。
(でもアレくらい壊せる千秋には有力な力があった。
それは僕が千秋と初めて出会った時は、
その能力が何なのか分からなかったけど……
商店街の一件でようやく分かったんだ。
アイツの能力:[身体強化]。
攻撃やスピード、体の硬化など
相手の攻撃を防いだりして汎用性が高く
非常に優れた力という事がね!
だから成三と言ったあの男の猛攻にも耐える事が
でき、受け続けていた訳だ)
ずっと千秋の姿を視界に捉えていたにも関わらず
一瞬、瞬きをした途端、間合い入られており
気付いた時には横腹を思いっきり殴られていた。
日向「ぐはっ!(汗)」
とんでもない威力で銀行側から一気に
最初の建物へと振り出しに戻され、
衝突してしまったのだ。
両手と両足を付いて
即座に立ち上がり、建物の上に飛び上がる。
日向「……うっ、うぅ。イッ…タタタ(汗)
飛ばされている身としては、こんな感じなんだ…な。
ハッ(吐血)
………はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ。
でも立たなきゃ、これでも僕は足止めをするだけで
十分なんだしぃ……」
と黒い血を白い半袖パーカーの袖で拭う。
暗かった目元も晴れ、日向は千秋を強く睨み付けた。
日向(それでも間合いに入られると
向こうのペースに巻き込まれるだけだ。
流石の僕でも部が悪過ぎる!!
これでまだ本気出してないとか冗談だろ(苦笑い)
あまり距離を詰められないよう一定のラインを保ち
遠距離から攻撃し続けてる。
それが………僕の戦い方だっ! )
日向「スゥ〜はぁ……妖術:業火の炎」
と言い、黒紫色の禍々しい妖術の色を放ち、
ゴーストのような亡霊を作り出し
両腕をクロスさせ守りの大勢に入る
千秋に喰らわした。
そして、炎の中でじっと耐え続ける千秋を見るのと
視界が朦朧とする中、日向は[ヤッバ]という
一言と共に目の前には炎を身に纏いながら迫り来る
千秋に反応できず、空高く打ち上げられたのだ!!
日向「うっ……ぐっ!
(これ以上やれば、時期に妖力切れを起こして
…倒れる所か……消滅する!!ゔゔぅぅぅ(汗)」
とかなりの勢いで打ち上げられた日向は、
重力に逆らい空気抵抗によって
身動きが取れない危険な状態でいた。
そんな中、容赦なく攻撃し続ける千秋の猛攻により
銀行の向かい方の建物ごと全壊させ、
日向を地面に打ち付けたのだ!
小柄な体で大きな大の字となって日向は、
起き上がる事すら叶わず千秋も降りて来た。
同時に伸びている日向の腕を足で抑える形で
上に乗ってこう言った。
千秋「ふぅ〜……確かに2年前までの戦えない
お前にしては強くなってるぜ、日向。
あの時と違ってちゃんと実力や作戦は
あるかは知らないが磨かれた努力の賜物だと思う。
けど、そんなもの俺の力の前では
どうにもならない。
相手が悪かったようだ、悪いな日向。
俺は……全て[あの子]を…[彼女]を守る為なんだ」
と言って大きな拳を力強く握り締めて
日向の顔目掛けて振り下ろされた。
日向「……っ!?」
咄嗟の事で思いっきり目を瞑っていたが、
少しすると千秋の動揺の声が聞こえてきた。
俺「え、お…俺の……が、
ど、どうして君がここに居るんだい?!」
と日向は、不思議に思い目を開けた。
目の前には今まさに振り下ろされようとしていた
千秋の手が吹っ飛ばされており、
かなりの妖力漏れを引き起こしていたのだ。
日向「………えっ?
な、何で…まだ、ここに居るの???(汗)」
と正面から顔を横に向けた先には
恐怖する目を見せながら息を荒くし立っていた雫が、
妖術を放った後だった。
2人は、驚いた表情で雫を見つめる。
雫「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……
も、もうこれ以上は…やめて下さい!!(汗)
・・・ゆ、雪乃さん?!何でっ!(日向)
私だけが1人で逃げてお2人から遠ざかるのは、
おかしい……と思った…からです」
と言う雫の言葉に思わず反論してしまい
唇を噛み締めながら日向は、一言だけ伝えた。
日向「雪乃さんには、関係のない事です!!(怒)」
雫「・・・(汗)
確かに私は、お2人の過去について詳しい事は
聞かされていませんし、私が口を挟むのも
あれですがコレだけは言わせて下さい。
・・・友達同士なら、昔の友達みたいに
ちゃんと話し合って下さい!
お2人は、今実際に出会って居るんです。
そしたら何ですが?
お2人共、急に戦い出したりして
心の底からお互いに思っている筈です!!
こんな所で……こんな意味も無く
感情を殺してまでして戦う必要が………
果たして、本当に意味がある事なのでしょうか?(涙)」
日向「……っ!その…言葉は〜……(汗)
フラッシュバック・・・
千秋「じゃあ、さっきの事はどうなんだよ?
……えっ?(日向)
俺が居なかったらお前は、間違いなく
アイツらの餌食になってたんだぜ?
アイツの能力無しで
お前は、何も言わずに付いて行くのか?
・・・そ…それは〜(日向)
それと同じ事だ!!
殴られるとか怖いからとか何かと理由付けて
自分の感情を押し殺してまでして
それは、本当に意味がある事なのかよ?
本当に嫌だったら嫌だって正直に
言っても良いだぞ!
これは誰しも待ち合わせている特権でもあり、
常識の範囲内だろ☆」
フラッシュバック終了・・・
……ふん(笑)
あの時、言われた言葉とそっくりだ(笑い泣き)」
と日向がそう呟くと顔を反対に向ける所を見た
千秋は、両手を押さえ込んでいた足を退かして
日向の体の上に覆い被さるように寝転んだ。
日向「ぐぇ(汗)
お、重い千秋!!早く降りろ!」
千秋「ふん、知ったこっちゃねぇよ(笑)」
雫「・・・?
私、何かおかしな事でも言いましたでしょうか?」
千秋「いや、全然♪
凄く真っ当な事を言ったもんだなってねぇ〜
……はぁ、悪かったな。
こっちの事情とはいえ、追い込み過ぎた(汗)
んっ?何が、どこか謝る場面あったっけ?(日向)
あっ!まだ強がってのかよ!?
いいから、早く妖力回復させんぞ」
と体を勢いよく起こしたせいか勢い余って
2人が抱き合うような感じになってしまった。
雫「あわわわ?!
えっと、私…見ないでおきますね!(赤面)」
と言って急いで後ろを振り返っていた。
日向「なんか変な誤解、生まれてません!?
いいから、いいから今は気にすんな!!(千秋)
気にするわ!(恥)」
数分後・・・
千秋「どうだ、日向?体に馴染んできたか?
……馴染んできましたよっ!!(拗ねる日向)
なに、怒ってんだよ?」
日向「別にぃーーー(カリカリ)」
雫「も、もももう…良いですよね?良いですね。
はぁ……というより仲良くなるの早くないですか?
まぁ、昔ながらの旧友ってとこだよ☆(千秋)
うーん。そういうものでしょうか?」
日向「で、千秋はどういうつもりで
銀行強盗なんて犯罪…を起こしたんだよ?
あぁ〜もう、それ聞いちゃう感じ♪(千秋)
なぜに嬉しそうなんだ?(汗)」
千秋「実はな。
無視かよ!?(日向)
俺は、さっきも言った通り彼女を守る為に………
今までずっと過ごして来たんだ。
んんっ?(2人)
彼女の名前は、[月影 羽衣]
俺と同じ妖怪三輪学校の通信制に通う2年生だ。
……あっ!(雫)
んっ?(日向)
彼女とは高等部に入って1ヶ月頃だったかな?
同じ教室で隣席だったんだ。
まぁ教室は3クラスに数人だけしか居ないが、
でも彼女は、大きな問題を抱えていた。
大きな問題???(日向)
それは〜………彼女の能力でもある
[不可視]が影響していたんだ。
不可視ですか?(雫)
あぁ〜その名の通り、
[他人の目には全く映らない]程でな?
今までこの狭い世界に生まれてから
誰も彼女の事を認識すら出来なくてな。
ちょっと待って…誰も?!それ本当なの?(日向)
あぁ〜彼女は、間違いなくそう言っていたよ。
なーるほど……(目を閉じる日向)
それで、どうしたんですか?(雫)
勿論…俺は見えなくても彼女がここに居るっていう
おおよその場所が分かってからは、
彼女も分かってくれたみたいでね♪
それで俺は、彼女の願いを聞き入れる事にしたんだ。
彼女は、[純粋に人に認めて貰いたくて
認識して欲しいだけ]で
それがずっと彼女を付き纏っていたんだろうな。
だからこの道に進む場合は、
彼女1人だけに行かせるのは野暮っていうか
酷だと思ったんだ。
それで〜………」
日向「こんな事が起きてしまったっていう訳か」
千秋「止めてやりたい気持ちは、勿論あったんだ。
だけど、彼女がこれまでどういう思いで
どう扱われて来たのかとか考えてたら、
俺自身も何が正しいのか
よく分からなくなっていてな」
雫「私も多分、その人と同じ立場になっていたら
クラス関係なくこのような事を起こすのも
無理は、無いのかもしれませんね」
日向「そうだね。
でも、彼女をずっと見守って来た身としては
それが正しいとは僕は思わないけどね。
んっ?どういう事だ???(千秋)
なぜなら……っ!」
千秋「……っ!?」
雫「えっ?
お2人共、どうかしたんですか???突然黙って」
2人「………来る!!(汗)」
この白星銀行の方へ猛スピードで向かって来る視点に
切り替わり、街の風景がいくつもの線へと変わり
物凄い速さでウネウネとした視界と動きで
住宅街の屋根を駆け抜けていく。
その人が降りる頃には3人の視界の中に入っており、
細身で黒いマントに身を包み
茶髪の男が着地する瞬間だったのだ!
千秋(おっと、えげつない奴がお出ましだな(汗)
正直、俺でも勝てっこない相手だと思ってる奴だ。
何てったってコイツの威圧感は、
冗談抜きで俺の腰が引けるくらいだしな。
牧原 雄鬼、俺達の先輩だ!!)
と言う千秋達の目の前には僅か小学生にして
実力だけで勝ち取った異次元のルーキー。
現在では、閻魔大王様の側近をも勤める
高校3年生の牧原 雄鬼がそこには居た。
雄鬼「話は、聞かせて貰った。
えっ?どっから!?(千秋)
佐賀、自首する気があるのなら
さっさと月影を呼んで来い!(圧)」
千秋「……っ!
そ、それなら…もうすぐ来る!!
来るからちょっ、ちょっと待ってくれ(焦)
さっき呼んだばっかりなんだ!?」
と先程の威厳は、
どこへやらと慌てふためく千秋の姿に
雫だけがポカーンとしていた。
日向は、汗をかくだけで
黙って見届ける事に専念している様子だった。
数分くらい経った所で
他の閻魔騎士や友理達が来て雫は、
元気そうな友理の姿を安心したのか
友理に抱き付いて来たのだ。
雫「林堂さん、無事で……本当に…本当に良かった。
わたし、私っ!
鈴木先輩の怪我を見た時、凄く怖かったんです!!
うんうん、私も怖かったよ(友理)
ずっと……ずっと公園で待ってたんですよ(プクゥ)」
友理「あぁ〜!?忘れてた!!
それは私が悪いです、雪乃さん。
ごめんね、ごめんねぇ?!(焦)」
と2人の姿を見た後、日向は羽衣に近寄った。
羽衣「んっ?あなたは………???
久しぶりだね、月影さん♪(微笑む日向)
えっ、あっ……し、新條…くん?
本当に新條くんなの?!」
日向「うん。
どうやら今、思い出してくれたみたいだね」
と優しい笑顔を浮かべながら羽衣にそう言った。
羽衣「はあ♪………うっ、うぅ…ごめんなさい。
今の……今まで忘れていました(涙)
いいよ、別に気にしてないから(日向)
はぁっ…はぁっ……はぁっ…本当にごめんなさい。
だから良いって♪(日向)
どうして……どうして忘れてたんだろう。
それ程、切羽詰まってたんじゃない?(日向)
そんなっ!?
あんなに…あんなにも嬉しかったのにぃ。
回想・・・
この頃はまだ前髪も短く綺麗な青い瞳が見えており、
全体的に髪も短くショートヘアーで
かなりの美少女だった。
羽衣(私は、この世界に生まれてから
誰1人として私の事を認識してくれ無かった。
ずっと1人で……独りぼっちで孤独だった。
中等部の入るとそこは、バラバラなクラス分けで
私は馴染む事が出来なかった。
それなのに続々と私の周りの子達は、
[友達]というものに恵まれ選ばれた子達ばっかりで
私は気付かれず、認識すらして貰えない売れ残り。
他の子達はワイワイと周りで楽しいんでいる中、
私は…私だけの世界である本をずっと読んでいた。
本を読む途中で他の子が私の机に当たる所を
何度も見てきた…けど……)
女子「あぁ〜ごめんなさい、当たっちゃった(汗)」
女子2「いやいやぁ、
そもそもその席って誰も居ないんでしょ?
別に謝らなくてもよくな〜い(笑)」
女子「あーそうだったね。別にいっか♪
というよりその席、誰も使ってないよね。
何で椅子が少し引いてるんだろ?」
女子2「確かに人1人座れるぐらいの隙間だよね!
誰か座ったのかな?
まぁ〜いっか☆……ってうわっ!?
何、この椅子?!」
と1人が羽衣の座る椅子を戻そうと押した所、
椅子ごと挟まれた羽衣は跳ね返り
椅子と一緒に横へ倒れ込んでしまったのだ。
女子「何これ、この椅子…呪いか何かな?
こわ〜い(汗)次から近寄らないでおこう!!
てか、次の時間…美術じゃね?!(女子2)
早く行かないと」
と女子生徒達は、椅子を元には戻さず
教室には誰も居なくなっていた。
羽衣(こんな事が、別の人で何回も続いていた。
酷い時は、私の椅子に足だけを置く男子達も(怒)
私はここに居るのに……誰も気付いてはくれない。
ちゃんと私は、話し掛けている筈なのに
皆んなからは何も聞こえていないの?!
↑
※かなりの小声で喋っており冥界に行った
死者達の怨念の声だと皆はそう認識している。
私は、何でこんな目に合わないといけないの?
誰か〜………ダメ。
他人に頼った所で私は認識すらされない
出来損ないの妖怪なんだから)
と思い詰めながら中、羽衣が床で倒れ続けていると
廊下に居た誰かの足が止まった。
その足は、羽衣の元へ行き手を差し伸べてくれた。
???「どうしたの?ねぇ、大丈夫?!
何で倒れたままで居るの!?
意識は…あるんだよね???(慌)」
羽衣「うっ、うぅ……どうして私に気付いたの?
今まで誰も私を助けてくれなかったのに。
どうしてってぇ………えっ?」
と羽衣が言い留まると、そこには日向が居た。
差し伸ばす日向の手が丁度、
羽衣の頭辺りに密着していたのだ。
この時の日向は、
まだ千秋にすら会っていない時であり
初々しさしかない2人だった。
日向「え、えっと……膝…擦りむいてるよ。
このクラスは、確か次の時間…美術だったよね?
だったら…保健室に行かない?付き添うよ(微笑む)
えっ、でも〜……私(羽衣)
大丈夫だよ♪
保健の先生は、[そういうのが見える人]だから
心配する事は無いよ!」
羽衣「そっ、そう…なの???
うん!!だから一緒に行こう。立てる?(日向)
う、うん。あり……がとう」
と2人は立ち上がり、
授業が始まったにも関わらず2人は手を繋いだまま
ゆっくりと保健室へと向かっていく。
羽衣の姿を初めて見つけてくれた1人目として
羽衣の中で深く刻まれた瞬間だった。
羽衣(それからというと
私も彼も用が無い時以外は特に会わないっていう
そんな空気が私は好きでした♪
でも、ちょっと気になって
たま〜にこっそりCクラスの教室を
覗きに行った事もあってその時は、
彼も私と同じように本を読んでいた事を知り
私は、謎に親近感を抱いていた。
私が彼の名前を知った時も謎にドキドキしていて
何なのかよく分からなかった。
でもそんな彼の知らない顔や
新しい事を知る事が、
私にとって非常に達成感が凄くて
何だか嬉しい気持ちにもなっていった。
私がたまたま落とした筆箱を
新條くんが拾ってくれた時のあの顔が素敵だった。
羽衣「ありがとう♪」
日向「良いよ〜、良いよ〜」
となぜかフワフワしていた日向を気にも留めず、
羽衣は嬉しさでいっぱいだった。
羽衣(2ヶ月くらい経った頃だったかな?
新條くんにお友達っぽい人と
よく廊下で見るようになった♪
教室の隅っこに居た時も良かったけど、
ただ歩いているだけで笑ってる姿と顔を
見れて嬉しかった。
同じく私も[友達]が出来て
ちゃんと私の事を認識してくれて
分かってくれる子でとっても良い子達だった!!
もっと早く出会いたかったな〜♪
それから段々と友達っぽい人達が、
新條くんの周りをよく歩いている場面も見れて
私は、とても幸せでした♡
↑
※若干、ストーカー気質になってきた羽衣。
だけど……中学2年生の頃、
新條くんから笑顔も友達1人が消えていった矢先、
同時に私も学校に来て無さ過ぎると指摘され、
来ている事を誰も信じてくれない先生達ばっか。
新條くんの事を見れなくなるのは残念だけど、
私は仕方なく通信制に編入する事になった。
そして、通信制に入っても
またもや私の姿が見えない事に不気味がられて
忌み嫌われる毎日が続き、
1ヶ月もの時が過ぎていった。
やっと安定した学校生活が出来ると思って
教室に入ると私にとって見慣れた人が
そこには居た。
それが千秋くんでした。
私は思わず、声を掛けていました)
羽衣「あの、すみません!
んっ?(千秋)
あぁ〜……すみません。
私が動いた方が、良い…ですよね!!」
千秋「悪いな、昨日……夜更かししてさぁ〜
首がイテェッてうおっ!?!!!!
びっくりした?!」
羽衣「あ、すみません。すみません(汗)」
千秋「あぁ…いや、何でもない!?
今のは気にしないでくれ、マジでこの通りだ!!」
羽衣「えっ、あ……うん?
(なんか想像してた性格じゃない?!
解釈不一致!!ていうのは、置いといて
やっぱりこの人、新條くんの隣に居た人だ!
でも、どうして通信制に???
あんまり悪い人には見えないけどなぁ〜………
まぁ…人にはら言えない事情くらい
1つや2つありますか。
私ですら毎日通っているのに認識されてない
なんて……悲しいな…ぁ(涙)
あ、あのどう…したんですか?(千秋)
えっ???
泣いて……いますよ(千秋)
……っ!あっ、そ…その〜すみません。
少し考えごとをしていただけですから
あまり気にしないで下さい!!(焦)」
千秋「いえ、気にさせて下さい!
俺なんかでも良ければ、話…聞きますよ☆」
羽衣「え、えっと……その〜………(汗)」
カクカクシカジカ・・・
千秋「えっ!?
そんな事があったんですか?!
学校にわざわざ来てるっていうのに
それってあんまりなんじゃ……(汗)」
羽衣「い、良いんです。
私は周りの人達にここに居るという事を
気付いて覚えて貰いたいだけで〜
我儘を押し付ける権利は私には無いですから」
千秋「そういうのよくないですって!!
だ、だって………こんなに可愛い人、
俺が今まで見て来た中で断然、可愛いですよ!」
羽衣「えっ?!
わ、わわ…私がかかっ……可愛い!?(グルグル目)
そんな事…ないですよ!!
だってぇ〜………だって……えっ?!(恥)」
初対面の千秋から言われた羽衣は
呂律が上手く回らずしどろもどろする中、
言った本人ですら赤面するカオスな空気を
繰り広げたのが、この2人の出会いであった。
回想終了・・・
私は……ただ認めて…欲しかっただけなのにぃ
どうして(泣)
何で、こんな事しちゃったんだろう………」
と泣き崩れる羽衣に特に何も言わず、
日向は羽衣の頭を撫でるだけに留めた。
そして、完全復活した蘭と合流すると
日向達は潔く銀行から離れて行った。
加賀江市にある図書館へと向かった4人は、
まだ寝ていた誠也を起こし
蘭は、日向に肩を貸して貰っていた。
誠也「えっ?
俺が寝てる間、一体全体…何があったんだよ?!」
その日の夕方・・・
特別部隊の5人は、基地で一緒にテレビを見ていた。
勿論、そのニュースの内容はお昼に起こった
[銀行強盗]についての話で持ちきりだった。
雫(私達は、特に何も話す事なく
真剣に犯人を……いえ。
月影先輩と佐賀先輩の動機について
事前に聞いた事を話していたが、
記者のとある質問で
月影先輩の姿が消える場面があり
目の前に居た記者の人達も動揺していたが
佐賀先輩は、ここに居る事を供述してくれたお陰で
中継は何とか止まる事なく再開した。
その光景を見た5人の内、
新條先輩と林堂さん以外は私と2人は動揺したが
次に月影先輩の姿が現れる事で
皆、ホッとしていた。
結果的に2人は………
[一定期間の停学処分を受け
卒業するまでは他学年との交流を禁止され、
通信制の方では2人だけの空間用の教室を
手配してくれる事となった]。
いつの日かの浅見先輩以来の処分を
2人は命じられました)
翌朝・・・
雫(特別部隊の皆んなは、銀行強盗が起きて
次の日の朝に2人を連れて来るとのお話で
鈴木先輩から事前に聞かされていた。
なぜか、牧原先輩も同行する事となった)
誠也「しっかし、もう時期夏休みが終わるって頃に
事件が起きるなんてなぁ〜
特に……頭を撃たれた蘭の仕返しもしねぇとな?!
待って待って誠也、ストップだよ!!(焦る蘭)
何で撃たれた張本人が止めんだよ!?
駄目、相手は女の子なんだってば!(蘭)
だーかーら相手が女だか何だか知らねぇけど、
俺の〜………ら。んっ?
なに言い淀んでるのよ、誠也!!(蘭)
いや、だから…そのーーー(汗ダラダラ)」
日向「・・・はぁ……変わらないねぇ〜
んっ!変わってる(わ)わよ!(2人)
はいはーい」
誠也「テメェ、日向!!
昨日、ボロボロで帰って来た割に
ボロ負けして来た奴に言われたかねぇよ(怒)」
蘭「まっ、まぁまぁ(汗)
誠也が図書館で爆睡してる間に
日向くんは、1人で頑張って足止めしてたのよ!
それだけでも十分、凄いと思わない?」
誠也「また日向の味方かよ、蘭?!
何でだ!!ソイツのどこが良いんだよ!(焦)
時々、口悪りぃし外にはあまり顔ださねぇし、
面倒くさがりのソイツのどこが良いんだよ!?」
日向「何でそんなに僕を目の敵にするかなぁ〜(汗)
当たり前だろ!!だって、だ…だってぇ(誠也)
(大体、誠也にも当てはまる事だと思うけど)
……ふん(クスリ笑い)
あっ?!日向、今日は何なんだよ(誠也)
別に♪」
とことん誠也をからかい終えると
日向は、目線を前に戻した。
すると誠也の身長をも超える大きな影が
目の前に現れ、気が付くと千秋が来ていた。
誠也「うわっ!?デカッ!
んっ?デカいとは何だ、デカいとは(拗ねる千秋)
いや、率直な感想を言ったまで何だが〜………」
日向「千秋は、昔から自分の図体のデカさに
よっぽど気にしててね。
普通なら怒る所を
今じゃ、物腰柔らかくなってるから
大丈夫そうだね」
誠也「コイツが?!(汗)」
蘭「こら、誠也。
初対面の人に馴れ馴れしく[コイツ]とか言ったら
駄目だからね!!」
誠也「うぐっ、何で俺だけがこんな目にぃ〜(汗)」
千秋「あぁ〜別にこの程度なら平気だ。平気!
それよりも……う〜〜〜ん♪良いね、良いね。
久しぶりにその説明、聞いたねぇ(ニヤけた口元)」
日向「おい、口が緩み過ぎて気持ち悪いぞ。
もう少しシャッキとしろ!!」
千秋「ほーい!(笑)」
誠也「えっ、どういう状況???
なんか誠也と同じ属性を感じる(蘭)
へっ?アレが俺に!?無い無い!!(焦)」
日向「あるーあるー」
誠也「うんうん……ってやかましいわ?!」
雄鬼「そろそろ本題に入っても構わないか?(汗)」
千秋「あぁ〜そうだったな。
それじゃあ話は、この辺で昨日の事だが…」
誠也「んっ?おい、待てよ???
昨日のニュースって確か、2人居たよな?
もう1人、まだ来てないじゃないか!」
千秋「???
あぁ〜彼女なら、俺の隣に居るじゃないか」
千秋と日向が同時に片方の手を広げ、
手の平の先を差し友理は羽衣の手を握り
3人から見えるように炙り出す。
誠也「うわっ!?ホントに居た?!」
羽衣「はあ〜あわわわっ(恥)
……す、すみません。すみません。
おはよう、月影さん♪(日向)
はあ♪おはようございます、新條くん!!」
日向「気付いてたのに
中々、話し掛けられなくてごめんね。
結果的に切り出せなかったけど……(汗)
い、良いんです。気にしてませんから(羽衣)
ふん、そっか♪」
日向との会話の終始、
恋する乙女のような顔をする羽衣。
そりゃあストーカーまがいな行動をしていた人から
すれば、そういう反応になってしまうだろう。
誠也「でも何で急に見えたり見えなくなるんだ?
それに今は、友理によって俺ら見えるけど
お前ら…どう判断してるんだよ?」
千秋「感だな☆」
日向「常識でしょ?」
誠也「はぁ?!!!!!
常識って何だよ、そう言うって事は
お前だけなんか知ってる口だな。言えよ(汗)」
千秋「んっ?
何だ、まだ話してなかったのか日向?」
日向「言う必要、無いかと思って………
あるよ、今すぐにあるから聞いたんだろ(誠也)
私も気になります!お願いします、新條くん(羽衣)
はぁ……まさか月影さんも知らなかったなんて
今までよく気付かなかったねぇ〜
えっ?どういう事ですか???(羽衣)
ふーん。
結論から言うと
月影さんが持つ不可視は、
[隠密系の能力者、特有の性質であり
同じ隠密系の能力者だけには、
見透かせる力があって…つまりタネが分かる訳です]
だからあの時、僕は保健の先生は
[そういうのが見える人]って伝えたんだけど、
伝わってなかったみたいだね………」
羽衣「あっ、す…すみません!!(汗)」
日向「良いよ、良いよ」
雫「同じ系統でも
必ずしも似た共通点がありますからね。
私も聞かされるまでは、知らなかったです!」
友理「・・・」
雄鬼「はぁ……とにかくだ。
君達も昨日ニュースや日向くんからは、
聞いているな?
はい。それはもう全員、見てましたから(蘭)
なら単刀直入に言おうか。
・・・ゴクリ(5人)
[君達の特別部隊にこの2人も入れて欲しい]。
……えっ?ええぇぇぇぇぇ!?!!!!(3人)
そっか、それも良い手なのかもね(日向)
うんうん♪うんうん♪(上機嫌な友理)
ふむ。
2人は、どうやら納得しているようだな」
蘭「えっ、えっと牧原先輩。
それはどういう意味なのでしょうか???
い、いくら日向くんの知り合いとはいえ
許されない事なのには変わらないんですよね?」
雄鬼「あぁ〜……確かに鈴木さんの言う通りだ。
だが、それはあくまで表沙汰の話です!
この2人も既に話し、断られた場合も考慮して
同意はして貰ってる。
あとはそちらの判断に任せますが、
レギュラーではなく補欠として加えて頂きたい」
蘭「・・・(汗)」
腕を頭の後ろに組むような格好をする誠也。
誠也「別に気難しく考えなくても良いんだぜ?
そりゃあ悪い事した奴らだし、切り捨ててもいい。
だけど、それを決めるのは俺じゃない!!
全ては……[部長の蘭]が決めるべきだ。
誰もお前を責める奴は居ねぇし、
それに反論する奴は俺が全部片付けてやっかよ☆」
蘭「誠也………」
日向「とか良い事、言っておいて
結果的に鈴木さんに全振りじゃん(汗)
それで本当に良いのかねぇ〜」
誠也「良いだろ、別に(焦)
俺はそういう細かい事とかチマチマした事が
退屈過ぎて嫌いなんだよ」
日向「絶対、関係ないと思うけど……」
蘭「・・・(笑み)
牧原先輩、その提案。
丁重に引き受けさせて頂きますね♪」
雄鬼「うむ、それではお願いしたい」
といつもは閻魔大王様の側近という
きまじめさがあるものの、
今回は一個人として願い出た。
高等部に入ってから
何かと2人の面倒を見てきた雄鬼だからこそ、
蘭達に綺麗な姿勢できちんと頭を下げたのだ。
誠也「ニヒッ(笑)
だよな〜☆蘭は、そうすると思ったぜ!
(まぁ、俺がとやかく言っていようがいまいが
蘭はそうする筈だ。
この中で人一倍、お人好しだからな♪)」
雄鬼「それでは、私はこれで。
補欠に留めてやったんだ。
ちゃんと決められた期日が終わるまでは、
特別部隊に会わない事。
それは、約束して貰おうか?
あぁ〜♪それなら全然、良いぜ☆(千秋)
分かった。
もし、この期日を破って私の視界に入ったら……
気絶したと思え♪(怒りの笑顔)」
3人「………っ!?」
雄鬼「では!!」
とその場で少しジャンプしただけで瞬間移動し、
姿を消したのだった。
誠也「うぅ〜……やっぱりアイツ、おっかねぇ(汗)」
蘭「そ、そうねぇ。
あんなに怒ってる牧原くん、初めて見たわ」
日向「それくらいしないとダメな奴だからだよ。
コイツは、平気で破る」
千秋「よし♪
これで定期的に日向と一緒に居られるな☆
通信制だとそもそも棟が違うから
滅多に会いに行けないんだよ。
そ、そっかー…良かったですね(点目の蘭)
おぉよ!!(大満足)」
日向「だから話、聞けよ!(汗)」
と4人で話している間、
友理は羽衣にこっそりと教えてあげた。
友理「羽衣さん、羽衣さん♪
な、何ですか?(羽衣)
[不可視の能力]に今まで悩まされていたのなら
それ今日で解消させる事が出来ますよ!!
えっ、本当に?本当に解消、出来るの?(羽衣)
はいっ!
今、教えてあげますね」
と友理がコソコソと羽衣に何かしていた事に
気付いた雫が近寄って来る。
友理「まずは、ですね。
羽衣さんは、妖力操作は上手く扱えますか?
はい、私はずっと長い間して来ましたから(羽衣)
それなら大丈夫そうですね♪
じゃあ雪乃さん、ちょっと見て下さい!
はい?(雫)
私が手を離したら
雪乃さんの後ろを取るように引っ付いてて下さい。
それから私がこう手を叩く合図を出した時に
体内にある妖力を全身に循環させて欲しいです」
羽衣「分かりました、ではやってみます」
と言ってそっと友理から手を離すと
雫の視界から姿が途絶えた。
雫「あっ!
本当に消えていますね?!
比較的、私は目がとても言い方ですが
やはり能力の系統が違う事で
すれ違っているのですね。
うっ、うーーーん。
ど、どこに居るんでしょうか???」
と視線は感じるのに姿が見えず
雫自身も混乱し掛けていた。
あと4人も気付き3人の元へと近付いて来る。
友理が手を叩くと同時に羽衣の姿が現れ、
後ろから雫にバックハグをして出て来たのだ。
雫「わっ!?び、びっくりしました(汗)」
誠也「うわっ?!
さっきまでそこに居なかったのに
突然、出て来るなよな(バックバック)」
日向「このくらいで驚いたたら心臓が持たないぞ?」
誠也「うるせぇな!!
お前は全部、見えてるからこその言いようだろ」
友理「成功しましたね、羽衣さん♪
でも、どうして私……自然に出てこれて?(羽衣)
それはですね、[妖力を一定のライン以上]に
妖力を足してあげただけなんですよ。
妖力を足した???(雫)
そうなんです!
羽衣さんは、今まで一定のラインよりも
低い妖力のままずっと[保持]し続けた為に
姿が見えなくなっていたんです。
たまに姿を現すようになったのは、
無意識の内に全身に妖力を循環させていたお陰で
何となくやり方は分かっていたんじゃないですか?
そ、それは確かに。今思えば、そうですね(羽衣)
日常的に羽衣さんの妖力に加え足すだけなら
簡単な対処でないかと☆
例えば、新條先輩のステルス能力の場合は
相手との[一定の距離を保つ事]で
あまり視界から見え無くなるのと同じように
隠密系の能力は[目]が重要視されます。
ですから雪乃さんに敢えて頼んでみたんです♪」
雫「なるほど、それでわたっ………」
蘭「凄〜いよ、友理ちゃん!!!!!!
……へっ?(友理)
妖怪もそうだけど、妖力から能力の事まで
あの短期間でよく分かるね!
物知りになって成長してて私、嬉しいよ☆☆☆」
日向「あっ、鈴木さんの変なスイッチ入っちゃった」
誠也「こりゃ長くなりそうだ、帰ろっと」
友理「えぇー!!先輩、ちょっと待ったー!」
時すでに遅し、友理が振り返る頃には
誠也は既に居なくなっていた。
友理「薄情者っ!!
新條先輩は!?
先輩も止めてくれますよねぇ?(涙目)」
日向「すみませんね〜(笑)
そうなったらもう鈴木さんは止まらないので
全て自己責任になります♪
[友理さん]は、これからも頑張って下さいね」
友理「は、はい☆
……ってちょっと待って!?
その流れは、帰る流れですよね!!(汗)」
日向「またね」
友理「あぁーーー!!(焦)
雪乃さん、雪乃さん…助けて下さい!」
雫「い、今助けますのでぇ少々!!(慌)」
羽衣「友理、これで私も皆んなから認識されます」
蘭「友理ちゃ〜〜〜ん♪」
友理「鈴木先輩は、やめて下さい?!」
ゆっくりとその場から離れていく日向は
横目に見ながら3人を見続け、
付いて来る千秋と帰って行った。
お昼過ぎ頃・・・
日向「で、何でここに居るの?(怒)」
千秋「あっ?(マヌケ声)」
そこは、妖怪三輪学校の寮兼マンションの真ん前で
ひたすら付いて来る千秋に向かって
振り向き際にそう告げた。
千秋「いや、ちょっと
2人だけで話したい事が俺にはあったんだよ。
だから……その〜ひとまず入ろうぜ☆」
日向「アホか!(怒)
ここは僕の家だってば、
何で住んでないお前が上から目線なんだよ!!
まぁまぁ、細かい事は気にすんなよ(千秋)
気にするわ!
はぁ〜………もういいや。
上がってよ(疲)」
千秋「おぉ、お邪魔しまーす♪」
日向(もう嫌だ、コイツ(汗)
503号室・・・
中に入るとそこは、
友理と同じく全体的に質素な空間で
最低限の家具や丸いグレーのカーペットなどが、
多少あるだけで特に目星いいものは無かった。
比較的、まともで綺麗なリビングだった。
千秋「なんか前に来た時と何か違くねぇか〜?」
日向「一度も僕の部屋に
入れた覚えは無いんだけどな〜〜〜(汗)
何?ストーカーか何か、か???」
とお盆の上には2人分の麦茶を持って
白いテーブルの上に置いた。
日向「じゃあ……とりあえず、
牧原先輩にまず通報を〜………」
千秋「待て待て待て!!
部屋に勝手に侵入したり、
ストーカーまがいな事してないから?!
冗談、冗談だってばーーー!
こっちも冗談だよ(ジト目な日向)
お前のは、冗談じゃねぇんだよな(汗)
それにまた拘置所に入るのだけは勘弁してくれ」
日向「んっ?拘置所???」
千秋「そうだよ。
俺はあの後、留置所に入れられ起訴後に
拘置所へ行ったんだ。
たった1年半だけでも俺にとっては長かったも同然。
ホント、学校よりも退屈な時間だったんだぜ?
まぁ出れたのも束の間でさ〜
俺の元居た家が潰れててよ、今もずっと住が無くて
だから………」
日向(うっ、嫌予感がする(汗)
千秋「しばらくの間、同居しても良いか?」
日向「(出たーーー!!やっぱりぃぃぃ)
はぁ……もう良いよ。行くとこ無いんだろう」
千秋「はあ☆
やっぱり日向に久しぶりに会って正解だな!
毒舌も健在でぇ〜…いや、今は無かったか。
でもマジで助かる。ありがとな♪」
肩を思いっきり揺すられて若干、酔いかけた。
と思ったら次は、髪までわしゃわしゃしてきた。
前までと比べると比較的、優しい方だが
前髪だけ持ち上げられるのは恥ずかしいらしい。
日向「あぁーーー!?ちょっと!!
それ、やめてって言ってるよねぇぇぇ(恥)」
数分後・・・
日向「・・・(拗ねる)」
千秋「わ、悪いな。舞い上がっちゃって(汗)
少しは申し訳ないと思ってるなら良いもん(日向)
マジでガチのかなーり反省しています……」
日向「はぁ…もう終わった事なんだから
良いよ、またこうして話せてるだけで
僕は嬉しいし。
それは、俺も同じだ(千秋)
ふん(笑)」
千秋が言い終えるとその場から立ち上がり、
日向にこう語り始めた。
千秋「でさ、俺……アイツらを
今度こそ地獄に落としてやりたいんだ!
地獄って…また大袈裟な(呆れる日向)
まぁ、本物の地獄に落とすつもりは無いが
少なくとも閻魔騎士に拘束されれば
俺はそれで良いって話。
それにアイツらは[前科持ち]でさ、
また俺らを陥れる手口を使うなら
お望み通りに突き出してやろうってな!!
前科待ちって???(日向)
んっ?
ほら、日向が筆箱を取られた時に
その場に居たもう1人だよ。
(中学の頃の日向と同じクラスの子)
あぁ〜あの子ね(日向)
そうそう、ソイツが[冥界送り]にされた事を
後に雄鬼から教えてくれたんだ。
えっ!?じゃあ殺人してたって事?!(日向)
そうなんだよ。
俺も聞いた時は驚いたんだが〜
よくよく考えてみたら
確かにあの放課後の一件以来、
姿もろくに見てなかったからマジかって思ったぜ。
それともう1つ、商店街の一件で来た
閻魔騎士の通報についてだが、
これも雄鬼によると成三って奴が
あの事件を起こす前に遠い支部の閻魔騎士の方に
通報した記録が残ってたんだよ!」
日向「それって事前に通報してた……?!」
千秋「そういう事。
全く、まわりくどいやり方しやがってぇ(呆)
だから日向にその気があるなら
手伝って欲しいんだけど、どうだ…やるか?
・・・そんなのやるに決まってるじゃん(日向)
ふん、だよな☆決まりだ。
決行は、いつでも良い!!
俺を呼び出してくれたらすぐ駆け付けてやっから」
日向「今度こそ、どこかに行かないでよ(照)」
千秋「………ニヒッ(笑)勿論だ。
今度こそ、[最後まで側に居てやるからな☆]」
と言って後ろから日向にバックハグをして
大きな体で日向を包み込む。
日向「……っ!ふん、頼むよ(嬉)」
千秋「あぁ♪よ〜し、とりあえず。
こんな湿っぽい話は一旦忘れて…日向!!
んっ?(日向)
コンビニでアイス食べに行こうぜ♪」
そう聞いた日向は驚きながらも
[あの時の言葉]を思い出し、立ち上がり際に
こう言った。
日向「全く、もう夏は終わるってば♪」
と言ってリビングから2人は去って行った。
今日の登場人物・・・
名前:月影 羽衣 正体:影女
髪型:長髪ぱっつんカット(背骨くらいの長さ)
頭上部分に2つのつぼみヘアー
前髪:両目隠れ
髪色:深紫色
瞳:タンザナイトのような青い瞳
制服:長袖白ワイシャツ、黒いワンピース、青リボン
服:ゴスロリチックな洋服ばかり
キャラ説明・・・
羽衣は、妖怪三輪学校の通信制に通う2年生で
いつもは物静かでかなりのコミュ障でもあり
極力、会話をしようと千秋と一緒に頑張っている。
彼女の最大の魅力は、目隠れ女子である事!
時々、見える宝石のような青い瞳が可愛く
日向のストーカー気質でもあるが、
必須の純粋さの持ち主。
羽衣としての意見は、日向の事は好きではあるが
憧れという意味で留めて観察している。
千秋には、純粋に[可愛い]と言ってくれた事が
嬉しかったのか羽衣は結構、好意を寄せているよ!
謙虚で可愛い性格の羽衣の場面など、
これからもちゃんと取り入れていきます☆
リーフの最推しです♪
名前:佐賀 千秋 正体:餓鬼
髪型:意外とフサフサのショートヘアー
髪色:暗めな藍色
瞳:黒目
制服:黒いブレザー、黒チェック柄のズボン、
青ネクタイ
服:オーバーサイズものばかり
キャラ説明・・・
千秋は、羽衣と同じく通信制に通う2年生で
背も高くガタイも良い+喧嘩に強いという
歩く暴君と呼ばれている!!
という噂があるものの本人自身は、
気さくで優しく誰にでも仲良くなれるギャップなど
いわばオールラウンダーみたいな男である。
そんな彼は、弱い者いじめをしている現場を見ると
真っ先に駆け付け拳が1人でに出ている事も
あるらしく、意外にも苦労人であり
内心かな〜り反省している。
強い敵と戦う事を1人で楽しむ誠也と違って
千秋は、強い奴こそ弱い者の味方をする
情の沸きやすい一面も!
ちなみに千秋的には羽衣の事を心配という気持ちでは
気にしてはおらず、異性として気になっている様子。
日向にはベッタベタでからかうのも超好き。
後々、羽衣の日向へのストーカー行為に
内心…悩み果てるのはまた別のお話である。




