第15話 「中間テスト」
ダンッ!ダダンッ!!ダダダンッ!!!
ガタンッ!!
屋根の上を走り回る人影とその後ろを追い掛ける
制服姿の女子高生がカバンを持ちながら
現在、追跡中。
蘭「止まりなさーい!」
お爺さん「嫌なこっちゃ(笑)
ワシが認めれば、お嬢さんはいずれ[閻魔騎士]に
突き出すに決まっとるわい!!
それだけは、ごめんじゃ♪」
と言ってお爺さんが、
屋根から反対側の屋根へ飛び移ろうとした瞬間!
蘭は、手に持っていたカバンを
円盤投げの要領で投げ飛ばし、
お爺さんの足元、目掛けてヒットし腹打ちした。
お爺さん「うわっ!?
イタタタ……痛いわい(汗)
年寄りには優しくするっていう義務があるじゃろ。
あのお嬢さんには常識が無いんか!
おっと、いかんいかん。
こんな事よりもワシの身を案じんとな(汗)
早く隠れられる場所は〜………
イタタ。今日は、本当についてないわい(焦)」
裏路地の柱に手をやって疲弊しながら
なぜこうなったのか考え始めた。
回想・・・
お爺さんが追われる羽目となったのは、
30分前に遡る。
お爺さんにはいつも決まった時間帯に
ある目的の為に誰かの家へ忍び込み、
スタンバル事が日課だった。
お爺さん「これは、決して強盗ではなく
単なるワシの趣味に過ぎないのじゃ♪
おっ!キタキタ(笑)
どれ?よ〜くワシに見せてご覧なさい」
と言ってお爺さんの目線の先には
リアルタイムで制服に着替え始める女子高生を
鏡の中から覗き見る事だった。
既に制服のスカートを履いていた女子生徒は、
鏡に背中を見せながらパジャマからワイシャツへ
着替え独り言を呟いた。
女子「ふ〜んふふ♪
今日のお昼ご飯、どうしよっかな〜?
うーん。
やっぱりお菓子とか〜お菓子かな♡
……あっ!
そういえば、今日って確か〜パンの日だった筈。
購買に行けば〜焼きそばパン、売ってるんじゃ?!
後で買いに行こ〜う♪うん、そうしよう!!
(んっ?
何かぁ〜部屋の中なのに誰かの視線を感じる。
どこからだろう???)」
と女子高生が、視線の先を探ると
胸元のワイシャツボタンを閉めずに鏡の方を向いた。
すると突然、鏡の内側から黒い血が掛かった!
女子「……っ!ゔぅ〜キャーーーーー!!!」
と女子高生は思わず、悲鳴を上げてしまい
家のみならずその子のお父さん、お母さんが
すぐに駆け付ける足音が聞こえて来た。
その声を聞いた途端、
お爺さんは慌てた様子で別の鏡から脱出を試み
無事、住宅街へ紛れ込んだつもりだった。
お爺さんが、冷や汗をかきながら
左へ曲がろうとした所に
急いで走って来る蘭とぶつかってしまった!!
蘭は、その場で立ち尽くしていたが
お爺さんは軽く弾かれたのだ!?
お爺さん「アタタタ……こら、どこを見ておる!
曲がり側から急に飛び出すとは何事だ(怒)
最近の子は、分からんのか?!」
蘭「す、すみませんでした!!(汗)
友達との待ち合わせが過ぎてたとはいえ、
周りを見ずに。
ふん!まぁ、いいわい(お爺さん)
本当にすみませんでした!!…あら?」
その場を去ろうとした蘭が、
足元に落ちていたカメラを拾い上げてから
すぐお爺さんに再び声を掛けると
お爺さんは焦った声で「返してくれ!」
と無理矢理、取り戻そうとして来た。
蘭から取り上げようとした際に
暗い画面だったカメラに蘭の指がたまたま触れ、
明るくなった画面に映っていた写真が目に入った。
そこには、さっきの女子高生と
他にも何人かの女性の着替え写真が、
見つかってしまい蘭は激怒したからである。
回想終了・・・
カバンを投げた蘭は、
自分の着ていたブレザーのボタンを瞬時に外し
ブレザーを放り投げた。
広げた上着の角をテントの骨組みのように
糸を張り巡らせ、お爺さんの頭から被せる!
ブレザーを脱いだ蘭のワイシャツの上には
サスペンダーが装着してあり
動きやすくなった蘭は、いつもと一味違い
屋根からお爺さんにこう宣言した。
蘭「あなたの逃げ道は、もうありません!!
さぁ〜先程のデータとあなたの身柄を
拘束させて頂きます。観念して下さい!」
そうお爺さんに問い掛けたが、何も反応しなかった。
すると、上から見ても分かる程度に
被せたブレザーが揺れ出し、
何やらその下で奇声を上げていた。
蘭「えっ?
ちょ、ちょっと…私の話を聞いていますか?!
もう閻魔騎士には連絡しましたから。
これであなたの企みは、終わったんです!
大人しくして下さい」
と蘭の言葉を差し置いてお爺さんは、こう叫んだ。
「こ、ここれが……女子高生の上着の匂い。
是非ともこの上着、ワシの家宝にしてくれぬか?!
はぁ!?(蘭)
そうじゃ。お嬢さん、名はなんと言う?
これからワシは、牢獄に入るのだろう!!
だったらこの家宝ともどもお嬢さんの名前を
天国まで持ちかえら………」
と気持ち悪い言葉を淡々と言うお爺さんに
寒気が止まらない蘭は、
思わず妖術で爆発してしまった!
そしてその爆発した近くまで来ていた[ある人物]は
妖怪三輪学校の制服を間違いなく着ていた。
胸から上は分からなかったが衣替えした制服で
ワイシャツ姿で黒のベストに青緑色のスカートを
履いている為、女子生徒である事は確実だった。
裏路地の壁に隠れて蘭の様子を伺っているようだ。
一方・・・
待ち合わせの時間になっても来ない蘭に
腹を立てる誠也とその横で呆れる日向は、
左の肩にだけ白いエナメルバッグを
引っ掛けて歩いていた。
三多田市の住宅街を抜けてすぐ左折する2人は、
右側には川の柵が連なっている道へと出て来た。
誠也「…ったく〜遅れるなら遅れるって
連絡ぐらい入れれば、いいっていつもいつも」
日向(それ〜いつも鈴木さんが、
しょっちゅう遅刻する誠也の為に言ってる事じゃ(汗)
誠也「はぁ……朝からダルいわ〜
一層の事、今日の授業いや学校休もうかな♪
あ、でもそろそろ中間テストの季節だから
また昼休みとか放課後にテスト勉強かぁ〜!!
全然、やってねぇのまたバレる(焦)
ダル過ぎてやる気でねぇし、パトロールでも。
はぁ〜あ(あくび)」
日向「毎日、愚痴を聞いてるこっちの身にもなれ〜」
と再び機嫌が悪くなった誠也は、
前に居るある人を見て目を輝かせてこう言う。
誠也「おっ!ヤリィ〜☆
丁度良い所に憂さ晴らし出来そうな奴が、
居るじゃねぇかよ(笑)ちょっと行ってくる☆」
日向「おい。
そんな事の為に発散される
相手の身にもな…れ……って(汗)」
と言い留まった日向が見たのは、[志童]だったのだ。
日向「ば、馬鹿なのか誠也っ!?
いくら誠也でも敵いっこない相手を………それに!
四大妖怪は[一般人に危害を加える事を禁止]され、
僕ら市民には[四大妖怪とは戦ってはならない]という
法律を守らなきゃいけない!!
現に誠也は、既に[厳重注意を3回]も受けてる。
次もしくは次回にでも[閻魔騎士]に見つかれば、
[特別部隊]としての活動が廃止される場合だって」
異常な焦りを見せる日向には目もくれず、
誠也はただ生き生きとした表情で歯を見せた。
誠也「ニヒッ(笑)
良いか、日向。そういうのはな?
バレなきゃ良いんだよ!バレなきゃな☆」
と言って誠也は手に持っていたカバンを
日向に預け音もなく志童に近寄り、
左手の拳を背中に打ち込んだ。
バン!!!!!!・・・
2人「えっ?」
誠也「ど、どういう事だよ!?
さっき……今さっきここに居た筈の志童が、
消えた?!」
突如として目の前に居た筈の志童が消えた事に
状況が呑み込めていなかった。
誠也の前に居たであろう志童は、
[自身の体を模った水の体]が壊された事により
道端には小さな水溜りが出来ていた。
困惑する誠也の後ろで
今起きた出来事について考え始めた。
日向(志童が、目の前から消えた?
いや、違う。厳密に言えば、
最初から志童は目の前には居なかったんだ!!
水の体と本物の志童が、
そんなに距離が離れているとは思えない。
操作範囲がきっと限られる筈だ!
それがもし、可能とするなら
家の庭の壁越しもしくは〜反対側の道に。
……っ!居た!?
でも、どうやって。いつから向こう側に?!
いや…待てよ(汗)
本当に最初から左側には居なかった場合、
僕らがこの橋に来る前からやっていた事になる。
もしかして住宅街を抜けた頃から
水の体を作って反対側の橋で同時進行に進めば、
辻褄が合うかもしれない。
だが、それだと〜誠也の不機嫌な事を
知っていないと出来ないんじゃ???
いやいや流石に………考え過ぎか。
これまでも幾度となく志童を見つければ、
攻撃を仕掛けに来る誠也の事だ。
姿を突然、目の前から眩ませば
戦いに持ち越される心配が無いだろう!
だから、敢えてダミーの体を作った。
そもそもここで[四大妖怪]が、
戦う理由なんて微塵も無いからな。
ひとまず誠也を諦めさせる事が、目的だろう。
だが、アイツ事だ。どうせ喰らいつくか)
そう思っていると案の定、誠也は右側に居る
志童の姿を捉えてすぐ右側の橋へと向かい
再度、攻撃を仕掛け始めた!
見事に日向の考えが的中したのだ。
誠也「覚悟しやがれ、志童っ!!」
と仕掛ける誠也に焦る様子もなく
志童は、背中を向けたまま歩み続けてから
左手をゆっくりと持ち上げて手を挙げた。
その瞬間、川の水が勢いよく噴火するように
吹き上がり誠也の手を封じ込んだ!
水の音がいきなり聞こえて来た事に驚き、
誠也は思わず姿勢を低くして地面へ転がり込んだ。
誠也「チッ。
(あの距離からショートカットし、
先制して来たっていうのに後から発動させた
志童に先越されるなんてなぁ〜……(汗)
だから志童との戦いが、やめらんねぇんだよ☆」
目をかっぴらいて狂気的な表情を浮かべる誠也を
遠くから見る日向は、冷や汗をかいていた。
日向(アイツは、馬鹿なのかっ!?いや馬鹿か(冷静)
いくら志童が[四大妖怪]のAクラスとはいえ
Sクラスの誠也でも勝ち目が、無い事ぐらい!!
分かってる筈だろうに(汗)
なぜ、アイツはあんなにも楽しそうに笑ってるんだ。
誠也はホント[羅生門の鬼]とまでは、
いかないが随分と似てきた。
あんな狂気じみた顔、久しぶりに見るけど
水が近くにある限り志童には勝てない!)
そんな事を考えていると2人の戦いは、
どんどんエスカレートし住宅街をも巻き込む
大きな戦闘に発展していく所だった。
石塀の上を走り、志童に近付こうとするも
誠也の攻撃を殴り・蹴りで強烈な一撃を
軽々と避けられ、攻撃はしないものの防いだりして
志童は、大きく距離を取った。
誠也「はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ………
おいおい(キツイ顔)
さっきから避けてばっかりじゃねぇか!!
お前もちょっとは、反撃しようと思わねぇのかよ」
日向「いや、だから一般人に攻撃するのは禁止だって
さっき言ったよね?!」
と遠くから日向がそう言うと志童は、
右手を腰に当てて呆れていた。
志童「そういう事だ。
何度、言われようと僕は攻撃もしないし、
お前に煽られた所でやる気も起きないからな」
平然と志童がそう言うと誠也は、キレた。
誠也「はぁ?
お前、俺の事舐め過ぎんのも大概にしやがれ。
さっきからちょこまかと動き回って余裕ぶっこいて
テメェ………何様のつもりだぁ〜?(怒)
どうせ口だけ言って
俺の攻撃を受けるのが、怖いだけだろ!」
志童「そうかよ」
と冷たく言葉を吐いてから手を前に出し、
川の水を使って水の槍を横から飛ばして
誠也との距離を更に遠ざけ、志童はこう話した。
志童「もう、これくらいで止そう。
ここは住宅街。人様が安全に暮らす街であり、
大規模な戦いはこっちも避けたいんでね。
それにここは〜………何でもない」
と言って志童に戦う意志がない為、
背中を向けた次の瞬間っ!
妖力を左手に収縮させた誠也の拳が、
志童の背中へ再び解き放つ。
強い風が巻き起こり、
白煙で2人の姿が見えなくなった!!
その煙が、徐々に2人の姿を捉えてから
日向は驚いた表情をしていた。
それは、妖力フルパワーの左手に込めた
渾身の一撃ですら志童に片手で容易く
受け止められてしまったのだ!
2人「なっ、何っ!?」
目をビクビクさせる誠也の顔を見て
志童は、辛辣な言葉を掛けた。
「これが、お前の全力か?こんな力で???
この程度で調子に乗ってたのならやめた方がいい。
その力で他の誰かを守っていたなら
お前には失望したよ。お前は、[弱過ぎ]たんだ」
誠也「……っ!(汗)」
志童「だからなっ!!」
と言って誠也の拳を強く握り締めて
川の底へ思いっきり叩き付ける!
川の水が跳ね上がり、志童は多少ずぶ濡れになった。
志童「これは決してやる気が出て反撃した訳じゃない。
攻撃を受け流す程度の不可抗力だ!!
そしてこれ以上、君達の[特別部隊]としての立場を
あやふやにする行為は
こちらとしても避けたいんでね。
この事は、[閻魔騎士]には話さないでおく。
それじゃあ僕は、先に行くからな」
と言葉を残して先に学校へと向かってしまった。
日向「あぁ………(唖然)
(志童があんなにもキレてる所、初めて見た。
そのくらい誠也には足りない何かを感じ取ったのか?
確かに誠也は、[異常なまでに強さ]にこだわる。
だけど、あんな……誠也を見たのも初めてだ!
この世の中には僕達もまだまだ知らない
[強い妖怪]が居る。
あの誠也ですら[四大妖怪]には勝てない事が、
証明されてしまった!!
[クラス]なんて本当に[飾り]に過ぎないんだ。
あんなのが、まだ[3人]も居るなんて信じられない。
特に[不明な四大妖怪]については………)
川の中央であぐらをかいている誠也を見て
日向は、落ち込んだ顔をしていた。
誠也はびしょ濡れになったまま左側の橋の方に戻り、
目元を暗くさせた2人は何も話さなかった。
日向は、たまにチラ見する程度で
誠也の顔を見るも特に何も触れないままだ。
そんな2人の元に右側の橋から今でも泣きそうな顔で
蘭が誠也に突然、抱き付いて来た。
誠也「えっ?(照)」
と日向は、急な事に目を丸くし誠也は赤面する。
震えた声と体で蘭が泣き出してしまった!
誠也「えっ、えあっ(焦)へっ?!
ら、蘭?どうしたん…だよ???(汗)」
学校の保健室にて・・・
日向の怪我の具合が良くなった事で
露骨に寂しがる先生。
鬼塚「これで退院だなんて私、寂しいわ〜(涙)
ねぇ、今日の昼休み私も暇なの♪
保健室に遊びに来ない?」
日向「来ません!(汗)」
鬼塚「えぇ〜?!
良いじゃないですか、日向☆ちゃん♪」
日向「(はぁ………これ面倒くさいやつだ。
ここは、潔く帰ろう)
それじゃあ僕は、そろそろ戻りますねー」
と教室に早く戻りたい日向を引き止めた。
鬼塚「あぁ〜……待った待った!!(汗)
コホン。
先程のご無礼は、どうか忘れて下さい[天邪鬼]。
それでさっきの事は、本当なの?
[あの八瀬童子]が負けて凹んでるって話」
と先程の口調と打って変わって
彼女は、真面目な顔付きで日向に問い掛けた。
天邪鬼「そうなんだよ。
そもそも[八瀬童子]が[四大妖怪]に挑む事すらが
無謀な事なのは、分かっていた。
分かっていた筈だけど……それにしては、
あの[八瀬童子]ですら[河童]に勝ち目がないなんて
一体、どうやってあんなにも力が………」
鬼塚「その事についてですが。
私なりに校内や授業の様子を重点的に見てみましたが、
普通の妖怪と何の変わりもありませんでした。
やはり学校という[窮屈な生活]の中ででは、
あまり情報が得られないようです(汗)
私は[保健室の先生兼、潜入組ですから]
何か新しい情報が入り次第、すぐにでも[天邪鬼]に
お知らせ致しますので。どうか、ご安心を♪」
天邪鬼「あぁ、頼りにしているよ鬼女。
(だが、[河童]だけに観察対象を
ずっと向けるのは少々時間の無駄かもしれない。
それに河童と同様に同じ学校に通っている
[四大妖怪]も居る可能性だって有り得なくはない!
ニュースで[四大妖怪]の呼び掛けがあったとしても
全く連絡も音沙汰もない。
目撃者が多い筈なのに見つからない理由は、
[正体や年齢を偽ってる事]だってあるかもしれない。
その辺の事は、鬼女に任せた方が適任だろう!!
何せ、生徒の僕と授業中に校内を自由に
うろつけるのは彼女しか居ないのだから。
それに………)
それじゃあ鬼女、君にはこれから
やって欲しい事があるんだ。
仕事…ですか?(鬼女)
そうだ。
観察対象を向けるのは[河童]もそうだが、
この学校にも[隠れた四大妖怪]が居る可能性も
考慮して校内で不審な人物を特定するんだ!」
鬼女「了解、致しました」
日向(……はぁ。
正直、こんな偉そうな事言ってるけど
僕は彼女より強い訳でもないし特に出来る事もない。
だけど…こうでもしないと動いてくれなさそう。
せっかく自由に動けるっていうのに(汗)
僕以外、他の人とは一切口を聞かないらしいからね)
そしてその話をこっそりと保健室の外の壁で
腕組みをしながら聞いていた衣替えした人が、
聞き耳を立てていた。
それは、先程の人とほぼ同一人物だと分かる。
そんな情報を聞き終えた謎の人物は、
フレームアウトして行った。
昼休み・・・
蘭達は、いつも屋上でお昼ご飯を食べているようで
3人はシートを敷いて座った。
朝の事が何もなかったかのように蘭、
2人も特に聞く素振りも無く話し始めた。
蘭「そういえば〜誠也達。
私が、待ち合わせ時間に間に合わなかったっていう
割には何で河地橋の所にまだ居たの?
いつもなら、もう校門前の横断歩道辺りに
居るんじゃない???」
そう尋ねるとご飯をドカ食いしていた誠也が、
喉に詰まらせながらこう言った。
誠也「ゲホッゲホッ……ゔん!あぁ〜その件か?
いや、実はさ〜今日の放課後にテスト勉強する
約束だっただろ?
その勉強用のノートをうっかり忘れて来ちゃってよ。
だからそれを取りに行ってたら、
河地橋の所で蘭とバッタリ会ったんだ(笑)」
そんな嘘の言い訳を知っている日向は、
微笑みながらこう思った。
日向(本当の本当は、志童に…[四大妖怪]に
挑んだ事を報告するのを
避けたいだけだろうな。
鈴木さんに知られれば、
地獄のオール説教タイムが始まるからね(笑)
それに負けた事への[テスト勉強]という名目で
自分に罰を下してるみたいだし)
それを聞いた蘭は、何だか関心していた。
蘭「へぇ〜あれ?
誠也ってそんなにテスト勉強する為のノートって
分けてるっけ???
それにいつもなら嫌々やってるのに
今日は、やけに素直に引き受けるじゃない!!
赤点ばっかり取ってる事は、
[少しは]自覚して貰って私としては嬉しいな〜♪」
誠也「だ、だろう。は、ハハ(苦笑い)
(これは俺への罰。これは俺自身への罰っ!
課題は、まだ山積みだけど〜
いつかリベンジしてやっからな志童!!)」
お昼休み終わりにて・・・
誠也達を先に教室へ戻って貰い、
蘭は、トイレに行く振りをしてA組の教室を覗いた。
すると紅葉が、蘭の真横に立って一言声を掛けた。
紅葉「どうかしましたか、蘭さん?」
蘭「うわっ!?も、も紅葉さん!!(汗)
驚かさないで下さい。
なんか、ごめんなさい?(紅葉)
いえいえ!大丈夫、そんな事で謝らないでぇ(焦)」
それから紅葉は、蘭に用件を尋ねた。
紅葉「それで何の用ですか?
もうすぐお昼休みの時間が、
終わってしまうので手短にお願いします」
蘭「あっ、そうだった!!
あのね、紅葉さん。
今年の夏休みも[合宿]の事で頼みたくて♪
誠也も日向くんもOKして貰ったんだけど〜
もし、また時間が空いてたらでいいから
予定が特に無ければ………(汗)」
キーンーコーンーカーンーコーン・・・
蘭「あっ!いっけない。
授業が始まっちゃうよ〜!?(焦)
ごめんね、私が聞く時間をちゃんと決めてれば〜」
と蘭が謝ろうとした所、紅葉は快く受け入れた。
紅葉「良いですよ♪
ただし去年のようにまたバテたら、許しませんからね」
蘭「えっ!本当に良いの!?」
紅葉「はい。
校内でも有名な[あの鈴木さん]の頼みですから
それに私は、巫女の仕事しかありませんので。
お気にせず」
蘭「あぁ〜そ、それは………(恥)
うふふ♪冗談ですよ(紅葉)
も、もう〜紅葉さんまで!!
あ…そうそそう。
それから〜新しく[新入生の2人]も追加で
ご指導して欲しいんだけど♪良いかな?」
紅葉「あら?
あの部活に快く入ってくれる変わり者が、
居るんですね」
蘭「も、紅葉さん(汗)
日向くんと同様にたまに毒吐きますよね。
まぁ、確かに[特別部隊]という大きな権限に
そう簡単には、入らないのもまた事実ですしぃ(涙)
……ってそんな事、私に言わせないで下さい!」
紅葉「今のは、あなたの自爆でしょう?
あっ(蘭)
それでは神社の境内でお待ちしております。
その[新入生の方々]もとても気になりますしね♪」
蘭「はぁ☆
ありがとうございます、紅葉さん!!(笑顔)」
と教室に戻って行く紅葉に頭を下げてお礼をした。
ルンルン気分で帰って行く蘭の姿を見て
紅葉の隣の席に座っている志童が、紅葉に尋ねた。
志童「蘭さんは、何て?
今話してる所、少しだけ見えたんだけど」
紅葉「いえ。
あなたには何の関係もない話ですよ。
それに………私は、今朝の光景について
あなたから直接聞きたい事があるのだけど?」
志童「それは〜……
僕の口からじゃ、とても言えない事だね」
紅葉「あ、そう」
紅葉がそう冷たくあしらうと
2人を除いたAクラスの全員の顔が青ざめていた。
放課後・・・
夕日に照らされながら友理達4人は、
話し合い途中で花梨と恋花と別れ
2人は歩きながら話した。
駒「あの友理さんっ!
2日後にある中間テストに向けて
明日、[お守り]買いに行きませんか?」
友理「お守り…ですか?
わざわざ勉強の為にお守りを買いに行くの?」
駒「はい、そうなんです!
この妖魔界では[大事な日]に
お守りを持っておくと効果が絶大だとか言われている
[有名な神社]があるんです!!」
友理「へぇ〜それってどんなお守りがあるの?
それは、行ってからの秘密です♪(駒)
えぇ〜良いじゃん、教えてよ〜!」
駒「ダメです!!絶対に教えませんから(焦)
それから友理さんにもう一つ頼みたい事が、
あるんですが……」
友理「んっ?
何々、お守りについて教えてくれるの☆」
駒「ち、違います!?
じ、実は〜私………朝起きるのが物凄く遅いので
友理さんのお家に泊まらせて欲しいんです!(汗)」
友理「えっ?・・・う、うん。良いよ?
私、一人暮らしだからそんなに畏まらなくても。
へっ?そうなんですか???(駒)
うん!!
どうせだったら寝てる駒ちゃんを
私が運んでその神社まて送る事も出来るよ♪」
駒「プクゥ。
だ・か・ら私が、小さいからって物みたいに
扱わないで下さいってばー!
はぁ……はぁ…はぁ……はぁ(汗)
それじゃあママにその事を話したいから
一度、帰りますね。
その後に友理さんのお家に向かうから」
と駒が、そう説明すると
友理は最悪の事を考えてこう言った。
友理「うーん。
駒ちゃん……私、宿木の森の前で
待ってるよ!
もしかしたら向かう途中で
[木霊]の姿にもし変わったら心配だから」
駒「もう…友理さんは、心配性ですね(汗)
でもまぁ、確かに変わった時を考えると〜………
はい。
では、お願いしても良いですか?友理さん!!」
友理「うふ♪任せてよ☆」
その夜・・・
駒を迎えに行った友理は、
予想通り木霊の姿となった駒を嫌々ながら
お持ち帰りされたのだった。
晩御飯を食べてすぐに怒り疲れた駒は、
先に寝てしまい友理のデスクの上に
フッカフッカの毛布を畳んだまま
マット代わりに使い、綺麗なタオルを布団にした。
部屋の電気を消して友理は台所へ向かった!
コップを手に取り、水道水を入れ飲み始める。
友理「ゴク……ゴク…ゴクゴクン………ぷはぁ〜…
やっぱり水が一番美味しいね♪
寝る前に飲んだ方が、私は寝やすいかな〜
……[お守り]か、どんな物があるんだろう?」
そう呟きながら台所の電気を消した。
翌朝・・・
友理は先に起床し、朝ご飯を作り終えてから
駒を起こしに2階へと上がった。
木霊サイズのベッドにしていたが朝になると
人の姿へと変わる事をすっかり忘れていた友理。
駒は、胎児の格好で机の上にギリギリ乗っかっていた。
友理「こ、駒ちゃんっ!?
起きて駒ちゃん、そこ危ないから起きよう(焦)」
体を揺らすといきなりバッと起き上がって
ゆっくりと友理のベッドへ登り、力尽きまた寝た。
友理「いや、移動しただけじゃん!!
駒ちゃ〜ん(焦)
何の為に私の家に泊まったの?
朝ご飯が冷めちゃうから起きて起きて!」
駒「……っ!ご飯☆ホント♪」
友理「う、うん?出来てるよ(汗)
はあ☆(駒)
駒ちゃんって、もしかしてぇ〜………
意外と食いしん坊だったりするの?」
そう友理が尋ねると涙ながらに部屋を飛び出した。
駒「うぅ〜…ち、違うもーーーん!!(涙)」
あぁ!?どこ行くのさ駒ちゃん!(友理)
リビングですぅぅぅ〜」
友理「そっち台所だってばぁ!!(汗)」
テーブルには朝ご飯である和食が用意されており、
左側にご飯と右側にはお味噌汁、
そして上側の中央にはぶりの照り焼きを
駒の前に置いて見せた。
駒「こ、これ……本当に友理さんが作ったの?
ズコーーー私ってそんなに信用無いの?!(友理)
あ、いや信用とかじゃなくて〜
こういうご飯を作れる友理さんが、
羨ましいなって思っただけです♪
そっか〜じゃあ食べよう(友理)
うんっ!」
2人「いただきます」
数分後・・・
2人「ご馳走様でした♪」
駒「食器は、私が運びますね!!」
友理「あぁ〜良いのに。
駒ちゃんは、休んでてよ(汗)」
駒「せっかくご馳走まで作ってくれたんだもん。
片付けだけは、私に任せて下さい!」
と駒が言い、自分の食器と友理の食器を
半分ずつ持って行き食器洗いを始めた。
友理は、今の内にお出掛け用の私服に着替えて
ワンサイドアップから短めのハーフアップで
黄色の星のヘアピンで前髪を留めて荷物の準備を
整えたと同時にお皿を洗い終わった駒と合流し、
家を出た。
歩きながら昨日の事を話して笑い合っていると
仁川市の端っこの方にある神社へと辿り着いた。
友理「へぇ〜結構、大きい神社だね!?
入り口の鳥居もかなり凄い☆」
駒「だってここは、街一番の有名スポットでもある
[大妖國神社]ですから♪」
友理「そうなんだ!」
そんな話をしながら入り口の鳥居の前でお辞儀をし、
お参りをしてから授与所へと向かった。
向かって行く途中に
駒から何をお願いしたか尋ねられた。
駒「友理さんは、さっき何をお願いしたんですか?
ま、まさか……あの事をお願いし…!?」
友理「してないよ!!
ここは、神聖な場所なんだから
そんな物騒なお願いしたら神様に怒られるよ。
そ、そうだよねぇ(駒)
……それに私がお願いしたのは、
[先輩方よりも強い妖怪になれますように」かな♪」
駒「えぇ〜そんな事をお願いしたんですか?
しなくても友理さんは、もう十分つよ………」
友理「こ・ま・ちゃん。
こんな公共の場で言える事じゃないんだよ?
あくまで、建前だからね♪」
駒「は、はいっ!!
ごめんなさい。ごめんなさい(汗)」
友理「じょ、冗談だよ。駒ちゃん、嫌だな〜♡」
駒「グスッ……冗談でもやめて下さいぃ(涙)」
友理は、駒の頭を撫でてあげて宥めていると
後ろから声を掛けられた。
蘭「おはよう、友理ちゃん♪
友理ちゃんも[お守り]買いに来てたんだね。
友理「鈴木先輩っ!おはようございま〜す☆
引っ越してからこの街に神社があるなんて
初めて知ったんです!!
それで友達の駒ちゃんが〜………
何の[お守り]かまでは、秘密にされてて
今から物凄く楽しみなんです♪」
と友理が、そう言うとさっきまで泣いていた駒が
急に真面目な顔付きで後ろで頷いている。
蘭「そうなんだ!
テストの季節になると誠也は、授業や勉強を
サボり出す傾向があるから
その為の[拘束用]と間違えた。[お守り]を
私や日向くんは、テスト用の[お守り]じゃなくて
あ、ううん!!
何でもない。まだ内緒なんだもんね♪
きっと驚くと思うよ!
それじゃあ私達は、待ち合わせ場所に来ていない
誠也を待っているから[お守り]買っておいで」
友理「は〜い♪駒ちゃん、行こう!!」
駒「う、うん(汗)」
と2人は授与所へと足を運び、
入れ違いに来た誠也を日向が蘭に知らせた。
日向「鈴木さーん、やっと遅刻馬鹿が来ましたよ〜」
蘭「は〜い♪」
誠也「誰が遅刻馬鹿だよっ!(怒)」
巫女「それでは、あなたの欲しい
[常時お守り]と[習得お守り]どちらをお選びですか?
[常時お守り]の方で♪(駒)
かしこまりました。
では、この中から1つ選んで下さい。
と巫女さんが、差し出したお守り表を友理達に見せた。
すると紙には「赤の力祈願、緑の身体祈願、
橙色の能力祈願、紫の妖術祈願、金色のお守り祈願、
白の浄化祈願、黒の妖力祈願」があった。
友理「これがお守りっ!?
す、す凄いよ駒ちゃん、どうするの?(テンパる)
目的を達成すれば絶対に叶うって事だよね☆」
駒「はい!
それが、祈願のお守りの効果です♪
[妖力が少ない方]は、この[黒い妖力祈願]を〜
[自分の能力を発揮したい場合]はこの[橙色の祈願]を。
それぞれ効果が違うんですよ」
友理「へぇ〜☆
と感心していると巫女さんから友理に話し掛けた。
巫女「[お守り]を買われるのは、
今日が初めてでしょうか?
えっ、あ…はい!!そうなんです(友理)
でしたら初めての方には、
この[紫の妖術祈願]または[金色のお守り祈願]が、
お勧めでございますよ」
友理「そうなん……ですか???」
巫女「はい♪
妖術祈願は先程、彼女が説明した通りなのですが
お守り祈願は一度だけ所持者を守る呪符の効果が
ありまして模擬戦や危機的状況になった時に
発動されるものとなります!」
友理「へぇ〜じゃあ、妖術はこれから練習するとして
私は[お守り祈願]にしようかな☆」
友理がお守りを決めて
すぐに駒がガマグチを取り出してこう言った。
駒「友理さん、もしよろしければ〜
その[お守り]私が買いますよ♪
えっ!わ、悪いよ。それは………(友理)
いえ、良いんです!!
私は〜買って差し上げたいと思ったから
買いたいんです♡」
そう駒が、キラキラした目で訴えてきた。
すると友理は、良い事を思い付いたのか
駒にこう言った!
友理「じゃあ駒ちゃんが、欲しい[お守り]あったら
私も買ってあげるね♪」
駒「……えっ!(照)
い、い良いですよ!?それは、自分でっ!!」
と友理は、先程からチラチラとお守り表に
目線を向けている事から
駒が、欲しいお守りを言い当てて見せた。
友理「じゃあじゃあ!
駒ちゃんが、欲しいお守りを言い当てられたら
私が買っても良いよね?ねっ?
えっ……良いんですけどぉ〜(汗)
じゃあ決まり♪
駒ちゃんが、欲しいのは〜〜〜うん。
ズバリ[妖術祈願]だ!!」
すると駒は「えぇ〜!
なっ、何で分かったんですか?!
妖術の悩みなんて今まで誰にも話した事ないのに〜」
と友理は、満足げにこう話した。
友理「ここに来てからず〜っとお守り表を
チラチラ見てたのバレバレだったよ駒ちゃん!
もっとも[妖術祈願]と[身体祈願]を
交互に見てたのも丸分かりだよ〜☆☆☆」
と図星だったせいか顔が段々と赤くなり、
泣きながらこう言った。
駒「あっ………ぐ、ぐぬぬぬ(恥)
も、もう〜!!
早く……早くお守り買って帰りましょう(焦)」
友理「うんっ♪」
そして2人はお互いにお守りを買い取り、授与所から
少し離れた広場で先に友理が白い封筒を渡すと
ワンテンポ遅らせてから駒が、話し始めた。
駒「じ、実は〜………友理さん(汗)
今日この神社に来て貰った理由は、
[中間テスト]の為でもあるけど〜それは建前です!
わ、私から友理さんへの[プレゼント]として
贈らせて欲しかった…のぉ(照)
プレゼント???(友理)
うんうん!!
ほら前に友理さん[器]が欲しいって言ってたから
小さくて肌身離さず、持ち歩ける物と言ったら〜
[お守り]かなって♪
それに…それにぃ効果は、本当に絶大なんです!
………だから…う、受け取って下さい(恥)」
と駒はラブレターを渡すかのように
両手で封筒を持ち、瞑りながら友理に突き出した。
そんな事を突然、言われた友理は少し動揺した顔を
見せながら照れくさい顔に変わってから
駒の頭をゆっくりと撫でた。
そして「ありがとう」と優しく言って受け取った。
受け取った白い封筒から[金色のお守り]を取り出して
今までに無いくらいとびっきりの笑顔で言った。
友理「これ、大切にするね。駒ちゃん♪」
駒「はあ♪うん!!」
と頬を赤らめながらニッコリと笑った。
帰り道・・・
友理「ねぇ、駒ちゃん。
今夜もうちに泊まりに来ない?
えっ?(駒)
何だか今日は〜……とっても[大事な日]になった
気がするんだ。
今までこんな事…無かったから(涙)
この[お守り]も駒ちゃんと一緒なら
どこへでも行けるような、そんな気がするんだ☆」
駒「友理…さ……ううん。友理さん!
そうだよね♪
昨日も今日もそして〜
いつまでも私は、友理さんの味方ですよ☆」
そう2人は、笑い合い首に提げたお守りを
チラ付かせながら住宅街を歩いた。
テスト返却日・・・
先生から名前順の順番で呼ばれていき、
最後の友理が、呼ばれたのだ。
先生「木之下 駒さん。
は、はい!(ど緊張な駒)
・
・
・
・
・
林堂 友理さん」
友理「はい♪」
恋花「うげっ!
前よりこんなにも下がってる!?(汗)
はぁ〜………でも現代文AとBは結構高いかも。
ラッキー☆
あっ、はは〜ん(笑)
ねぇねぇ友理ちゃん、テストどうだった♪」
と恋花の斜め右側に居る友理に話し掛けて来た。
友理「う〜ん。
[古典]と国語以外は、そんなに高くないかも」
恋花「どれどれ、見せて見せて☆
……えっ?ええぇぇぇ!?ゆ、友理ちゃん?!
こ、ここの[古典]が…ひゃ、100点じゃん!!
結構、難しかったと思うけど?!(汗)
国語は92点で〜数学は88点、世界史81点。
ゆ…友理ちゃんが、こんなにも頭が良いだなんて
思わなかったよ(汗)」
友理「えへへ♪やったね!
駒ちゃんは、どうだった???」
とフリーズした恋花を差し置いて駒の席へと向かった。
駒「うぅ………(涙)
えっ!どうしたの?!(友理)
み、見て下さい。この点数を……っ!!」
と言って[日本史]のテストを見せて来た。
友理「んっ?96点じゃん♪
しかも一緒に勉強した単元の所。
よく覚えてたね?!」
駒「はい、忘れる筈がありませんから☆
良かったぁ〜♪
それ以外は、70後半ぐらいですが……」
友理「それでも高い方だよ〜♡」
一方2年生では・・・
誠也「うあぁぁぁーーーーー!!!!!!
な、何じゃこりゃあ!?」
蘭「と、突然…どうしたのよ(驚)
そんなにテストの点数、悪かったの?」
誠也「い、いや……こ、これは〜なんつぅか、
それもこれも蘭が教えて…くれた
お陰っていうかぁ(恥)
そ、その〜………サンっ!」
蘭「もう、そんなに点数見られたくないなら
大きな声出さないでよね。紛らわしい!!」
誠也「へっ?ら、蘭???」
ただただ大きな声を出した変人のように
蘭は、誠也の席を離れて行った。
帰り道・・・
蘭「えぇ〜!?
あ、あの誠也が……数学と理科が90点台!
何でさっき言わなかったのよ?」
誠也「いや、言ったんだよ!!」
蘭「えぇ〜そうなの???
でも、なんかモゴモゴ言ってて
何言ってるのか聞こえなかったのよね〜」
誠也「ガーーーン(汗)」
ひとまず蘭は、誠也を差し置いて日向に問い掛けた。
蘭「日向くんは、どうだったテスト♪」
日向「僕は、少し2教科ほど少し上がりましたね。
80点台が増えたって感じです」
蘭「さっすが、日向くんっ!!
誠也よりも頭良〜い♡
90点台、取る事が普通だよね!」
誠也の脳裏(普通だよね♪っうだよね〜…だよねぇ)
誠也「ガン、ガーーーン!!カクッ!」
日向(もう[誰かさん]って言わないんですね(汗)
鈴木さんも人の事言えた事じゃないと思うんだけど)
テンションがダダ下がりの誠也を横目に見ながら
エナメルバックの持ち手部分を変える日向。
そんな2人に蘭は、前に出てからこう言った。
蘭「さ〜て中間テストも終わった事だし、
学校もいよいよ夏休みに突入だよ!
紅葉さんは、既に誘ってあるから
また夏合宿のメニューが出来るよ♪
今度は、友理ちゃんと雫ちゃんを追加で
ご指導して貰う事になったから
その辺の配慮もよろしくね2人共っ!!」
日向「はい。
大体、1人に付き課題が違いますから
交流する暇はあんまり無いとは思うけど。
そうするよ」
誠也「俺は〜ちょっと部活に誘ってからの友理が、
成長したかどうか気になるから
運試しでもしようかな〜(笑)」
日向「誠也、手は……出すなよ(汗)」
誠也「おぉ〜よっ!任せとけ♪」
蘭「心配だな〜
まぁ、それも成長を見る為の合宿だもんね。
今回はよしとしますか♡」
誠也「ヤリィ〜☆
蘭からの許可が出るなんて珍しいなっ!!
よ〜し!張り切って特訓すっか」
蘭「あっ。
やっぱり出さない方が、正解…だったかも(汗)」
誠也「ガビーーーン!!」