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Y・Hファイル  作者: 白百合リーフ
林堂 友理サイド
12/30

第12話 「駒と秘密の森」

これは桜達、特殊部隊が事件対応の最中の事。

友理達の方でもちょっとしたトラブルに

巻き込まれていたのです。

特殊部隊の人達が、夜に呼び出されてる時に

友理は雫から貰った本を読んでいた。

貰ってから毎日読んでいるが、今だに覚えられない

友理は、周りから勉強してないんじゃないかと

日々疑われるのであった。

友理「0707ページ。

えっと〜種族:猫又 クラス:A 

名前:清見 恋花 能力:超聴覚。

あっ、コレ恋花さんのページだったんだ!!」


友理(んっ?

猫又って確か〜野良猫の一種だっけ?

でも〜ある程度、知能があれば学校にも通えるし

人に害をもたらす野生の妖怪とはまた別か〜

野生の妖怪と私達妖怪の違いって何が違うんだろう?

ううん!

ここで悩んでたら、また先輩達に

勉強しろって言われちゃうから次々っ!!)

0050番 種族:のっぺら坊 クラス:D

名前:真白(ましろ) 朋希(ともき) 能力:不幸連鎖。

(めくって見開き)

0307番 種族:狐火 クラス:D

名前:神楽(かぐら) 凛音(りんね) 能力:空間干渉」


友理「ふーん、そうなんだ」

と興味深いような反応をして気にせず友理は、

次のページへとめくった。

すると友理「んっ?このページ…誰のだろう?

月影(つきかげ) 羽衣(うい)さん???)」

羽衣という少女のページには

名前と前髪で隠れた顔写真だけが載せられており、

正確な詳細までは載っていなかった。

次のページをめくると名前すら無く

顔写真だけが貼ってあり、

それ以外の詳細が記載されていない。

そのページから約20ページ程、離れた所までめくると

顔写真も無かったり

大きな「?」が表示されていたのだ。

友理「これって〜もしかして……この本でも

分からないものは、あるって事なのかな?!

確か前に花梨さんが[四大妖怪]っていう強い妖怪には、

その人達の名前や性別すらも載ってないって事だよね?

今まで私が見てきた情報は、

全て雪乃さんが独自で集めた情報!!

それでも、この量をよく1人で書けたもんだ。

(英和辞書ぐらい)

そっか〜

この先が無いんじゃ……勉強どころじゃない…か。

あっ!

じゃあ私もデータを徐々に集めれば、

埋まっていないページまで埋められるかも!?

なんか面白そうだし、いつか雪乃さんの知らない

情報を記録したらきっと驚くだろうな〜♪

よ〜し、益々やり気が出て来たぞーーー!!

これから役に立てる知識を付ける為にも

今夜は、夜更かしして頑張らないとだね☆」


翌朝・・・

ピッピ…ピッピ……ピッ!

友理「もぐもぐ〜もぐもぐ。

シャカシャカシャカ☆ガラガラガラガラ………

ピシャッ!!

行ってきま〜〜〜すzzZZZ」

家を出た友理だがいつもなら目を覚ましている

時間にも関わらず、一向に起きる気配がしなかった。

横断歩道はしっかり止まり青になれば走るを

繰り返し、ようやく学校へと辿り着く。

すると校門を通り過ぎてすぐ後ろから声を掛けられた。

雫「おはようございます、林堂さん♪

今日は朝早いですね……林堂さん???」

ぼっとする友理は少し間を空けてから

雫に顔を向けてこう返答した。

友理「あれ〜?

雪乃さん、おはよう〜今日も早いね。偉い偉い♪」

そっと頭の撫でられながらも困惑する雫。

「えっ、えっ!?

いつも通り…だと思うんだけど?(汗)

あと目を瞑ったまま歩いていては、危ないですよ」

と若干、話が噛み合っていない2人。

雫が心配しながら友理をじっと見つめていると

案の定、寝ぼけたまま下駄箱の段差に足を引っ掛け

ロッカーに顔を思いっきりぶつけた。


雫「り、林堂さん!?しっかりして下さい(焦)

今日はどうしたんですか???

体調でも悪いのでしたら、一度…保健室でも〜」

と頭をぶつけた衝撃で目が覚めたのか

友理は何事も無かったかのように改めて挨拶をした。

友理「んんっ?

あっ!雪乃さん、おはよう♪

今日も良い天気だね!!

おはよう…ございます???(雫)

いや〜昨日、ちょっと徹夜しちゃってさ〜

全然起きれなくてさ!」

雫「そ、そうだったんですね。あはは……(焦)」

と引き気味の雫に対して

友理は、周りをキョロキョロながらこう言った。

「あれ〜?

私、いつの間に学校に来てたんだろう?」

雫(まさかの無意識の内に学校まで?!

それは、逆に凄いけど!!)


A組の教室前にて・・・

雫「ですから徹夜は、程々にして下さいね。

林堂さん!

私達には特別部隊としてパトロールもする義務が、

あるんですからしっかり睡眠をしっかり取って下さい。

はい、なんかごめんなさい(友理)

それでは私は、これで……」

と雫の応えに笑顔で返す。

友理「うん!!また後でね」

雫と別れてすぐ教室に入った途端、

友理は桜の存在に気付き辺りを再び見回す。

友理(……っ!

彼女の名前は、神城 桜さん。

特殊部隊に所属してていつも角川(かどかわ)さんという

ボディーガード的な人が隣に居るんですが、

もしかしたら今日は遅めなのかもしれませんね。

だったら今回こそは、

神城さんと話せるチャンスがあるのでは!?

入学してからずっと気になってたけど、

何だか近寄りがたい感じの人だったから

私も心の底で諦めてた部分もあった。

でも☆

体力測定の時間がようやく話し掛ける決心が付き、

角川さんが遅れて来るこの日を待ち望んでいたのだ。

さっき目を覚ました事だし、

一度、神城さんに声を掛けてみようとかな♪)


そうこう考えていると恋花が教室に入って来た。

恋花「友理ちゃ〜ん、おっはよう♪

今日は、いつもより早く来てんじゃ〜ん!

うんうん。明日は、雪が降るかもね〜☆」

そんな恋花の言葉が独り言のように友理は、

決心が付いた顔付きでこう言った。

友理「私、神城さんと仲良くなれるか

どうか直接、話し掛けて来るぅぅぅ〜♪♪♪」

恋花「えぇ〜!?

友理ちゃん、(あたし)はっ!?!!!!」


友理「あ、ああのっ!」

勇気を振り絞って話していると段々と緊張が

ほぐれて来たのか気が付けば、キラキラした眼差しで

桜を()らせていた。

(あ、つい神城さんに聞きたい事を

口が回る内に全部言い任せちゃった(汗)

これじゃあ全然、お話しどころか

名前すら覚えて貰えないかも?!)

と自分がやった行いに悔いていると案の定。

桜「それで、あなたは誰ですか?

私は、別にあなたのような人に尊敬されても

嬉しくありません!

次から私に話し掛けないで頂戴」

と桜が冷たくあしらった。

友理(ハッ!!)

目元を暗くさせ何も言わずに友理は

桜の元から立ち去り、近くにいた恋花に寄り掛かる。

恋花「だ、大丈夫???友理ちゃん(汗)

ああいう子とは、いつまで経っても

友達になれないんだから諦めぇ〜………」

友理「・・・。

ねぇ、恋花さん……今の聞いた?聞いてたよね!?

私、神城さんと話せたよ☆

これで一歩前進かな!

次は、どんなお話をしたらいいと思う?!」

とキラキラした眼差しで嬉しそうに話している。

恋花(えっ、あれ?

思ってた反応と違う…なぁ〜???)


キーンーコーンーカーンーコーン・・・


先生「今日は、体育祭の種目決めの時間となります。

この時間で、決められると先生としては

非常に嬉しいです!!

他にも体育祭の実行員など決める事は、

山程ありますので時間を気にしながら決めて下さい」


友理(体育祭の種目、何の競技があるのかな?

二人三脚と棒引きにクラス対抗リレー?!

えぇ〜それは嫌だよ(汗)

えっと〜………

借り物競走と100m走もあるんだ!凄い☆)

と友理が、心の中ではしゃいでいると

駒が机の前にやって来たのだ。

駒「あの友理さんは、もう種目決めましたか?

えっ、まだだけど???もう決めたの!?(友理)

う…うん(汗)

私、あんまり人に見られるのが怖いから

100m走にしたいんだけど、

その〜………友理さんも一緒にどうかな?(恥)

友理「私も……?」

と駒が連続で頷く。

友理「うーん、一緒の競技も何だか楽しそうだね。

じゃ、じゃあ♪(駒)

でも私は、この中でやった事が

無い種目をやりたいかな。

折角の学校行事なんだから、うーん…そうだな〜

じゃあ[借り物競走]にしよっかな。

私、コレにする!!」

と友理の思わぬ言葉に衝撃を受けてしまい、

拒絶反応並に弁解する。

駒「え、えぇ〜!う、う嘘ですよね!?(焦)

嘘じゃないよ☆(友理)

嘘って言って下さい!!お願いです(涙)」

友理「んんっ?

(何で、駒ちゃん。

こんなにも焦ってるんだろう???)

こうして駒が、何度も友理を説得するも

逆効果で時間だけが過ぎていった。

先生「はーい。そこまで!

それじゃあ各種目ごとに分かれて

決める時間となりま〜す」


しょんぼりしながら行く駒に友理は言った。

「駒ちゃん、ガンバッ!!

満員だったら借り物競走においでよ♪」

そんな事は、望んでないと

言わんばかりの顔をしながら渋々、頷いた。

駒「はぃ(涙)」

友理「えっと、借り物競走の種目は〜………

ここだよ。

あ、ありがとうございます赤井さん♪

良いって事よ☆

所で〜借り物競走って

何人入れば、良いんでしたっけ?」

と友理の疑問に対して津鬼は返した。

「あぁ〜それなら5人だよ☆

5人も!?(友理)

(あたし)と私の弟達も参加するから君合わせて…

もう4人居る!!はやっ!(友理)

そうだね〜後は負け組がどこに入るかだね☆」


100m走のグループの様子を見た。

友理(100mは、3人だけ駒ちゃんの所も5人居る。

あの中で2人が負けるとなれば、

難しいかもしれない(汗)

遠目で見てると何やら全員が手を出し始めた。

一同「最初は・グー・ジャンケン……ポン!!」

友理「じゃ、ジャンケン???(目が点)

あっ!駒ちゃんが勝った勝った、やったね♪

種目は別々だけど、それでも良かったよ!

わぁーい☆」

鳥みたいに手を上下にさせて喜んでいる。

津鬼「え、何々どしたの林堂?」

喜び終えた友理が借り物競走に

参加する人達の名前を記入しに前へ行った。

カキカキカキ・・・

友理「よし!!出来た♪赤井さん、書いたよ!」

津鬼「うん。ありがと〜☆」

とチョークを置いた瞬間、桜が来た。

友理「か、神城さん。

クラス対抗リレー私、応援していますね!!」

と言って満足に自分の席へと戻った。


下校時刻・・・

友理「また明日〜恋花さん、花梨さん♪

まったね〜☆ご機嫌よう。

まぁ、同じ競技にはなれなかったけどさ〜

お互いに希望の種目になれて駒ちゃんも

良かったんじゃない♡」

駒「そ、そう…ですが(汗)

やっぱり同じ種目の方が〜

迷惑が掛かったとしても100m走での仲間が、

助け合ってくれるかと思って…(涙)」

駒の言いたい事を理解した友理。

「もしかして……運動に自信が無いって事?

う、うん(汗)

(確かに、思い返してみれば体力測定の記録は、

後から見たけど〜

あの時の私は運動不足だったとはいえ、

私より低かった。

だからと言って記録が低い理由は、

運動が苦手という事になるのかな???

たったそれだけの理由で記録と種目について

不安がるのは一体……?)」


どうこう悩んでいる友理に駒が話し掛けた。

駒「あ、あの〜私の家、この上だから

帰っても良いかな?」

人差し指をツンツン合わせながら困っていた。

「んっ?ここが駒ちゃんの…い、家!?」

そこは、街の端っこにある大きな[宿木(ヤドリギ]の森だった。

友理「駒ちゃん、今の今まで森暮らしだったの?!

野宿とか困ってる事があったら、

私の家に住んでも良いんだよ!」

と慌て出す友理を見ながら冷静に駒は説明した。

「いえ私の種族は、昔から森に住んでるんです!!

他にも色んな妖怪達が住んでいて

何かあった時にはその人達が、

こちら側に知らせてくれますし

誘導してくれるんですよ!

だから安心して暮らせるんだ♪

あっ、ごめんなさい(汗)

少しでも友理さんに心配されないようと

説明したつもりだったのですが………」

ホッと息を吐いてから安心したかのようにこう言う。

友理「ううん。

最初は、凄く心配だったけど、もう平気!

私の事分かってくれるのは凄くありがたいんだけど

駒ちゃんこそ、困ってたら私に頼ってね☆

困った時は、お互い様って事で」

駒「はい、分かりました♪それでは、また明日♡」

友理「バイバ〜イ!!」


日は落ち暗くなる時間だが、

まだ妖怪にはならない時間帯で宿木(ヤドリギ)の森、

全体が映し出される。

駒「ただいま〜ママ♪

あら、おかえりなさい駒。うふふ♡(母駒)

えへへ♪

今日のご飯、何作るか決めてるの?

そうね〜(母駒)

それじゃあ駒が、

好きな[白玉グリュンカレー]にしよっか♡

やった!!

ママのご飯で、1番大好き♪」

母駒「あら〜嬉しい事、言ってくれるじゃない♡」

楽しいひと時を過ごそうとした2人に

水を刺すかのように大きな音で

鐘が何回も鳴らされた。

カンカンカンカン!!!!!!・・・

大入道「大変だ、大変だ!!(慌てた声)」

母駒「んっ?

何でしょう、こんな時間に警報だなんて

珍しいですわね。

何かあ……っ!危ないわ、駒?!」

駒「えっ?」

ママに勢いよく押されたと同時に一瞬にして

暗くなった森の上空から

赤く光る目と体が薄黄く光る大きな体に

フサフサな大きな尻尾のようなモノが見えてから

駒は、ゆっくりと目を閉じたのだ。


その夜・・・

友理は、再び本を取り出して中身を読み出す。

冥界(めいかい)について男性の声が読み始める!

「冥界それは、妖怪の魂が壊された時、

消滅した者の行く先である。

事故で死んだ者や罪を犯し死んだ者は、

天国か地獄に向かわされ

天国は、生者(せいじゃ)として

再び妖魔界に(とど)まる事を許される。

地獄は、生者の逆で死者として

火車または死神によって魂を狩られ、

2度と妖魔界には戻って来れなくなるだろう。

えぇ〜地獄、怖っ!?(友理)

裁かれた妖怪は、

同じ妖怪でもまた新たな妖怪として再び誕生する。

そして、冥界に一度行った者は、妖魔界にいる

全ての妖怪の記憶から抹消されるだろう。

えっ!?(友理)

そうならぬよう、精々生きている間だけは

妖魔界では大人しく居るのだな。


            先代の閻魔大王様より」


閻魔大王様が伝えた冥界についての新聞記事を

切り抜いたモノをノートに貼ってあった。

(こ、これ……いつのかは全然分かんないけど、

実際に記事として取り上げられてたんだ?!

でも…記事よりも記録して録画すれば良いのに

新聞記事でこんだけ大袈裟にしなくても(汗)

「閻魔大王様から2年ぶりにお知らせだ!」

2年…ぶり?お知らせが「冥界」???

この記事は、6年前のだ!!(新聞の日付)

じゃあ、あれから………)

友理が何かを言い掛けた瞬間、

部屋の窓をノックするような音が聞こえてきた。

ダンダンダン!!・・・

友理「んっ?」

窓の外から音がしたが

最初、友理は気のせいだと思った。

なぜなら友理が今居るのは2階の部屋であり、

外にはベランダの膨らみ部分しか無い所だった。

友理「気のせい…かな?

うん!絶対、気のせいだよね、きっと(汗)」

ダンダンダンダン!!・・・

だが、一向に音が止む気配も無く友理は、

窓の方へと目線を飛ばしビクビクし始める。

友理「えっ?

ここ、2階だよね???こんな時間に誰?」

そう言いながら恐る恐る、深緑のカーテン触れ

一気にバッとカーテンを勢いよく開けた。

すると、そこには………!!

誰も居なかったのだ。

ベランダの窓を開けてすぐ部屋の中に潜り込んできた

風だけで安心し切った友理は、

ベランダの柵に手を置いた。

友理「なっ、何だぁ〜…脅かさないでよぉもう(汗)」

と安心し切った友理の手首に

ニュルッとしがみ付く何かが巻き付いて来た。

頭をカクカクさせながら視線を自分の手首にやると

[小さな木霊]が溶けたようなニッコリ顔で

見つめていたのだ。

友理「えっ?お、おばおば……オバケェェェ!?」

と叫びながら窓から離れ部屋の一番奥にあった

本棚にぶつかってやっと止まる静止した友理。


友理が驚いた反動で木霊は、宙を舞い

危なくベランダの柵から投げ出される所だった。

ちょこちょこと窓の縁を

小さな足で越えようとした途端、

足が引っ掛かり部屋の床に顔面強打したのだ。

バフッ!(落下音)

???「イタッ!!えぇ〜〜〜ん(泣)」

ほぼ木霊の自業自得だったが、

友理は怯えながらも四つん這いで駆け寄り

落下した衝撃で泣いている木霊に近付いてこう言った。

友理「も、もしかして駒ちゃん……なの?(汗)」

駒「えぇ〜ん(涙)」ピクッ!

今更、気付いてくれたかのような顔をして言った。

駒「そうだよ。

やっと分かりましたか、友理さん?(涙)」

友理「そうなんだ(冷静)」

泣き止むまで友理が撫で撫でして(なだ)めた。


数分後・・・

木霊の姿をした駒は、卯の花色と白緑(びゃくろ)色が

淡く混ざり合ったかのように体が光っており、

大きめな手乗りテディベアサイズ。

それから福笑いのようにかなり斜めった顔、

ぽっかりと黒く空いた目をしている。

(※尚、これは落ち込んでいる時の顔です)


友理「えぇ〜☆

可愛いよ、愛くるしいよ!駒ちゃん♪♪♪

ほらほら♡うふふ」

と木霊を軽々と持ち上げて高い高いしてる構図。

駒「ぎゃあぁぁぁ〜!!

降ろして下さい、怖いぃ(涙)

はぁ…はぁ……はぁ…はぁ………はぁ…はぁ……

もう友理さん、怒りますよ!」

と小さな手で腰に手を当ててプンプンしてる。

友理(こんな感じで、怒ってくるんだ♪

優しい♡むしろご褒美だよ〜)

駒「全然、逆効果………って、違いますよ!!

私は、ただ会いに来た訳じゃありませんから!

夜分にすみませんが友理さん……

私、友理さんにお願いがあって来たんです(汗)

私にお願い???何々?(友理)

その〜私達木霊の…ううん、森に住んでる

皆んなの家を助けて下さい(涙)」

友理「えっ、えぇ〜!?」


4日後・・・

駒の話を聞いてあれから4日目、

その間、友理は黙々と考え続けてきた。

毎日のように学校へ通いながらも

考える事すらやめなかった。

友理(駒ちゃんの話だと

誰かが森を襲撃して来た事しか分からなくて

私視点だけじゃ何とも言えない状況。

他の妖怪についての情報も聞きたかったんだけど、

聞く前に駒ちゃんが寝落ちしちゃってさ〜

情報もゼロ。

何せ、木霊の姿で私の家まで走って来たのだから〜

何で4日も経ったかって???

それは本人曰く、木霊という妖怪は

樹木から生まれている為、

そこから必要な体力や生命力を補っているんだとか。

それを与える時間が、かなり日にちが経つって

起きてから説明されました。

最初、私は全然動かない

駒ちゃんが心配でいわゆる植物状態かと思って

上から水をあげてたんだけど〜

駒[私を何だと思ってるんですか!?](怒)

とこの時は、優しい怒り方じゃなくて

ホント、今でもビクビクするくらい震えが止まらない。

本当に心配してたのにな〜(汗)

そんな事を思い詰めながら友理は、

学年リレーの練習の真っ最中だった。

津鬼「はぁ…はぁ…林堂、後はアンタに任せたわ(汗)」

友理「うん☆

任せてよ!赤井さんの為にも私、頑張るから」

バトンを良い感じに受け取り、

トラックを走り出した。

津鬼「いや、私の為じゃなくてクラスの為よ!!」

と言う津鬼の言葉は、聞こえず走り終わる頃には

何人か整列した後ろの方で座った。


友理「ふぅ〜……(汗)

(さてと、私の番は終わった事だし、

4日前の事を思い出して考えてみよう。

宿木(ヤドリギ)の森、そこは色んな妖怪達と

一緒に共同生活するいわば、アパート的な場所。

あの森は、昔から今も変わらず

ほとんどが木霊の住処でざっと2万にも登る

大人数で暮らしてきたんだって!

それから住処の無い他の妖怪達も集結し、

小さな木霊だけでは

心配だとある妖怪が立ち上がり守るように

生活し始めたのが始まりらしい。

何か起きれば鐘を鳴らし危険を知らせてくれる

と言っていたが、木霊にとっては色んな妖怪達が、

住んでいる事に自然と安全な場所だと思い込み

いわゆる平和ボケしていた。

その為、このような事件が起こってしまった(汗)

とそんな所かな。

そして、あの場所は木霊や他の妖怪達と

共にする大切な場所。

何としてもこの事件、手短に片付けないと!

それで……これって

妖怪の異常として捉えて良いんだよね。

だったら、先輩達と一緒が良いかな?

いやいや…異常とはいえ

駒ちゃんは、私の所まで来たんだ。

[困ってる事があったら、私に相談して]って

前に言ったけど〜流石に回収が早過ぎるよ(焦)

そういうのは、もっとこう……時間を掛けて

やっぱり困ってました!!

〜みたいな流れだと思うじゃん。

はぁ…一層の事、私がゴリ押しで解決する?

どうやって?…そうだよねぇ〜(汗)

やっぱり駒ちゃんからもう少し情報得ないとだよね)


友理がそんな風に真剣に考えていると、

駒が半分行く手間で転んだ声が聞こえてきたのだ。

「ダハッ!……うっ、うえぇ〜〜〜ん(泣)」

途端に泣き出し始める駒の姿を見て

走り終わった花梨が、駆け付けてくれた。

花梨「だ、大丈夫ですか…木之下さん?!(汗)

保健室に一緒に行きますか?(わたくし)が、付き添いますよ♪」

と優しく声を掛けてくれた

花梨に申し訳なさそうな声で口を開いた。

駒「うっ……うっ…ヒック!……うぐっ!!

お、お願いします。そして、ごめんなさい(小声)」

申し訳程度に謝る駒に少し困惑する花梨。

花梨「えっ?良いんですよ(汗)

少しでも足を怪我するのは、大変な事ですから。

お早めに治療しましょう♪ねっ?」

駒「うっ、ゔうん(泣)ありがとう…ござぃます」

花梨はそっと駒の肩を支えようとしたが、

思いのほか軽かった事もあり

抱っこされる形で校舎へ向かって行った。

その2人を見送る一同の元に

何事も無かったかのように戻って来る桜の姿が。

少し驚いた顔をしている麟の所に桜が行き、

何かを見せると凄く嬉しそうな顔にしていた。

ようやく駒が校舎へと運ばれていく様子を見た友理は、

頭に???を浮かべる。

そんな時にふと、2人に目線を飛ばした。

友理(あれ?駒ちゃん、どうしたんだろう?

さっき泣き声が頭の片隅に残ってるけど、

もしかして転んで……(汗)

んっ?

神城さん、今…手に何持ってるのかな?)

と手に持っていたある物を見ようと

足を前に踏み込んだ瞬間、

ポケットに入れると同時に別の物が地面に落ちる。

桜の目から光が無くなり慌てた様子で

落とした物を瞬時に拾い上げた物を友理は目撃した。

友理(アレは………???)


その夜・・・

怪我した駒の様子を心配しつつ、

改めて情報を聞き出してみることになった。

友理「それで〜駒ちゃん、他に何か森について

私に言ってない情報とかある?

木霊とか森に恨みとか買ったり〜……」

駒「そんな事ぉ……は、ない…よ?

ママもパパも凄い優しいし……他の妖怪達も

そんなに悪い人…じゃないしぃ〜………

皆んな親切だ人ばかりなんた♪」

そう言いながら

駒は、木霊の姿で腕立て伏せをしている。

友理「そっか〜

このままだと、情報が少な過ぎるかも(汗)

やっぱり現場に足を運んだ方が……

あとさ、気になってた事なんだけど

駒ちゃんはさっきから何してるの?(ジト目)」

そう尋ねてみると駒は腕立て伏せを終えて

潰れていたが、顔を上げドヤ顔でこう言ったのだ。

駒「トレーニングだよ☆

私が寝てる間もきっと学校では、

体育祭の練習をしてたと思うから

毎日こうして、運動不足解消してるんだ〜♪

でも、変なんだ(沈)」

友理「何が?」

駒「こんなにも運動を……トレーニングして

頑張っているのにも関わらず、

いざ体を動かすと上手くいかないんだぁ(涙)

はぁ〜…原因が何だか分かりますか、友理さん?」

という駒の質問に対して

友理は、目が点になりながらも普通に答えた。

「それは〜……木霊のサイズと人のサイズとじゃ

体の重みが違うからじゃない?」

駒「・・・ハッ!(赤面)」

今まで気付いていなかった事を

身近な人に…しかも聞かなくても分かる範囲で

指摘され、言葉が出なくなってしまった。


若干、素直に言った事に対して

凄く気まずそうになりながらも友理は、

気持ちを切り替えた。

「という事だから、駒ちゃん!!

情報は、少ないけれど私、現場である宿木(ヤドリギ)の森に

実際に行ってみようと思うんだ♪」

部屋の中から窓の外を見て友理にこう言った。

駒「今からですか?!

もう外は暗いですし、森には野生の妖怪もいます!

街には降りては来ませんが、

友理さんが向かうのは私達の家なんですよ!?

そんなすぐには、受け入れてはくれ………」

そう駒が言いかけた途端、友理は断言してこう言った。

友理「大丈夫だよ!!

えっ?(駒)

私が駒ちゃんの事、連れてってあげる代わりに

着いたら私の事を皆んなに説明してくれるよね?

それなら私が、心配する必要は無いもん♪」

と笑顔で言う友理に心配している所が違う駒。

駒「そ、そういう事じゃ……ないんですよ!」

家に駒の声が響き渡り、場面が森に変わった。


友理「駒ちゃん……苦しく…ない?

もし、苦しかったら言ってね♪

持ち方、変えるから」

と言ってぬいぐるみを抱くように駒に確認した。

駒「だ、大丈夫ですが〜

気にするなら紙袋とかカバンとかに

入れても良いんですよ?」

そう駒が言うと友理が、強く否定する。

友理「駄目だよ!

それじゃあ駒ちゃんが、人じゃなくて物扱いしてる

みたいで…なんか嫌なんだもん。

でも今は、木霊になってるから

駒ちゃん1人で木霊の足で向かったら

日が暮れちゃうよ!!」

駒「友理さん………(うるうる目)

遠回しにディスってませんか?」

突然の反応にテンパり始める。

友理「そ、そそんな事ないよ?!(焦)」

まぁ……いいですよ。事実ですし(悲しげ駒)

ごめんなさい!(即答)」


すると、2人の前に大きな洞穴が見えて来ると

トコトコと小さな子達がこちらに走ってきた。

母駒「駒?駒、無事だったのね(涙)」

父駒「駒っ!無事だったのか!?」

駒「ママっ!!パパっ!!」

耳を疑うような顔をして小さな木霊を見つめていた。

友理「えっ、ママ?パパ???(汗)

(何とかなく、想像はしていたけれど……

森の暗闇もあってより一層怖く見えるんだけど!?

アレが駒ちゃんのま、お母さんなの?!

それにあっちは、お父さん???)

こんなにも友理が困惑する程の驚愕っぷりの理由は

駒と同じサイズなのには変わらないが、

角丸長方形ような頭の形をしたお母さんと

そらまめの頭の形をしたお父さんなど、

洞穴で避難していた他の木霊達の個体によって

頭の形が全て違う事にも気付く。

駒の姿を見て安心した母駒が

友理の存在に気付いて突然、睨み付けてきた。

母駒「……っ!

駒、皆んなの後ろに隠れてなさい。

ママ???(駒)

あなたは、どちら様ですか?

部外者以外は直ちに出て行って貰わなくては、

こちらとしても困ります!!

緊急とはいえ駒が、あなたに助けを求め

ここまで連れて来てくれた事には、感謝致します。

ですが………もし、私達の家を

滅茶苦茶にした妖怪なのであれば〜……

こちらもコソコソと隠れる訳にはいかない。

森で暮らす私達家族に手を出すのなら

一家族の母親として

これ以上、部外者を見過ごす訳にはいきません!(怒)」

そう言って母駒は、

小さな体から禍々しい妖気を溢れさせ

始める合図すらも無く勝手に攻撃し始める。

まるで、猫じゃらしで遊んでいる猫と

友理を獲物として見なし逃さまいという

母駒の死ぬ気で喰らい付くかのような目付きで。

その様子を見ている駒が慌てた様子で

母駒を必死に制止しようと説得していた。

駒「ママ!!

その人は違うよ、森を襲った人じゃない!

だから、やめて(焦)」

父駒「ほら、駒もそう言ってるんだし、

小雪も…もうやめないか!!(汗)」

と2人は問い掛けにも母駒は聞かなかった。

なぜなら、怒り狂い正気では無いからだ!

駒「ママっ!!

しっかりしてよ、目を覚まして(涙)」


爪のようなモノで母駒は、攻撃の手を休める事もなく

友理は、目元を暗くしながら

攻撃を軽々と避け木の枝を足場にし移動した。

無慈悲な顔で母駒を見ながらこう言った。

友理「自分の子供が、

間違っている事を否定してるにも関わらず

あなたを必死になって止めようと…

一生懸命、叫んでいるというのに

親は、そんな子供の声ですら無視し続ける。

ただ見てる事しか出来ない

未熟な子供の立場になっても分からない?

正気に戻そうと必死で泣いている子供を……

親は、怒り任せで何の確証もない事実を

捻じ曲げようとしているだけじゃないっ!

駒ちゃんを…皆んなを守りたいのなら

自分の間違いを呑み込む事が親の義務でしょ!!」


友理の強い言葉で母駒は、正気を取り戻し

自分の手で顔を覆い、泣き崩れてしまう。

「ハッ!私は………なんて事を(泣)」

洞穴から母親の元にトコトコ走って来る

駒が声を掛けてきたのだ。

「ママ!!ママ、大丈夫?!(涙)」

母駒「駒……えぇ、私はもう大丈夫。

心配を掛けてしまってごめんなさいね、駒…」

木霊の親子で抱き合う様子を見て

先程、説得した友理とは思えない程に貰い泣きしたのか

ハンカチを手に持ち拭っている。

友理「よ…良がっだね、駒ちゃん(涙)」

駒「はいっ!

友理さんもありがとう♪

ママを傷付けずに説得してくれて!!」

友理(ホント…母親というものは、偉大ですね。

私もその偉大さを間近で見れて良かった………)


気を取り直して私達は、

駒ちゃんのお母さんの後を追って

森を襲撃して来たであろうあの場所へと向かった。

母駒が指で差そうとした瞬間、

驚いた顔をして固まる。

友理達が、見るとそこには妖怪の姿が無く

地面と衝突した時に出来た大きな穴だけが空いていた。

駒「こ、ここだよね……ママ〜?

おっきい妖怪が森の上空に居た何か!!」

母駒「えっ、えぇ〜(汗)

確かにここで合っている筈…よ。

でも一体、どこへ???」

そんな事を2人で話していると

少し離れた所で友理が、何かを見つけたようで

2人に声を掛けた。

友理「見てみて!ここに妖怪の足跡があるよ!!」

2人「えっ???」

母駒「本当だわ。

でも、この足跡って…まるで狐の足跡ね。

そ、そうなのママ?!(駒)

えぇ〜だったらこっちに行ったのかしら?」

その母駒の回答に友理が、とある提案をし出した。

友理「駒ちゃんとお母さんの2人は、あっちを。

私は、向こうの方を探します♪

1人で大丈夫なんですか???(駒)

うん、危険は生じるかもしれないけど

駒ちゃんはお母さんの側に居た方が安全だと思うし

今晩で探し出さないとその〜狐の妖怪だっけ?

逃がしちゃう事になるからさ!

二手に分かれた方が探しやすいと思うんだ」

険しい表情を浮かべながらも母駒は了承し、

決心した顔を見て友理は、先にその場から立ち去った。

母駒「………えぇ、そうしましょう(汗)

襲撃して来た妖怪が、

今どこに彷徨っているのか安全も計り知れません。

駒、あなたは洞穴に居る子達の所に残りなさい?

ここまでの道のりならあなた1人でも帰れる、

だから皆んなを守っていて頂戴!

パパと一緒なら、駒は頑張れるでしょう♪」

駒「で、でもママは…ママはどうするの!?(焦)

1人で探しに行くの?

嫌だ!!ママと絶対一緒に行くもん(涙)」

ポンポン母駒を叩いて駄々をこね始める

駒を見てゆっくり頷き「私は〜……」と口開く。

母駒「私は〜…家族を守る為に喜んで戦うわ」

そう言って駒を抱きしめてから後ろを向き前進した。

駒「ママ?行っちゃ嫌だよ、ママ!!」

前を見て進む母駒を叩けなくなり崩れ落ち、

静かに泣きながら洞穴へと戻って行った。

少しして洞穴で落ち込む駒を横目に父駒が励ます。

父駒「だ、大丈夫さ……駒!

ママは、私達家族の中で一番強いんだから

きっと〜…きっとママなら戦わずに帰って来るさ」

父駒の話をゆっくり頷きながら返事を返した。

駒「……う、うぐっ…ゔん!!絶対、そう…だよね」

その様子を見つめる辛そうな父駒。


森全体が映し出されて左側の森の木が無い所に

視点が行き、大きな狐の妖怪が体を点滅させていた。

体は、獣のような姿で赤目の一本の尻尾が見える。

???「ふぅ〜………ここまで来れば。

まさか、あんな物陰から玉藻前が出て来て

奇襲に遭うとはな。少々、予想外であった(汗)

返り討ちにしたものの結果的に逃す形になって

しまった事を今更、悔いてる場合ではない。

直ちにここから立ち去らねばいけ……んっ?

(何だ。このとてつもない妖気はっ!?

まさか、玉藻前に場所がバレたのか(焦)

そんな筈は無いっ!バレる筈がないだって……)」


膨大な妖気を感じ取った狐の妖怪は、

その方向を向いて威嚇した所〜暗闇から赤い目が

チラ付いた瞬間、脳裏に映し出される狂気な目で

(おど)された。

???(なっ、何だ…この力っ!!

あり得ない。

前よりも格段に上がっている妖気、力の差、

動くだけで背筋が凍る冷たさ……殺される(汗)

ガサガサと音が近付いて来て姿が見せた!

それは、何気ない顔で見つめる友理だった。

???「あ、あなたは………雫といつも一緒に居る

お友達じゃない!?」

んっ???

狐火は、ここに来る前の出来事や休憩場所として

森に降り立った事を話した。

友理「なるほど♪所で〜……誰…ですか?」

と先程より声色が明るくなって納得するが、

向こう側にとっては、誰だか分からなかった。

凛音「も、申し遅れました!!

私は、神楽 凛音と申します。

雫とは同じクラスのお友達で他にも…もう2人程♪

へぇ〜☆(友理)

てっきり、雫から聞いていると思ったのですが〜

あの子は意外とシャイなので

そう上手くは、行ってないかぁ〜(嬉)」

友理(雪乃さんが恥ずかそうな一面は、

まだ見た事ないかも。

同じクラス同士の方が馴染みやすいのかな?

確かにそれは〜分かるかもしれない♪)


凛音から聞いた情報から

友理は、気になっていた事を聞いてみた。

「えっと、神楽さんは玉藻前っていう妖怪に

襲われてからずっとここに居たの?

隠れている間、学校はどうしたんですか???」

そう尋ねるとやけに落ち着いた雰囲気でこう言った。

「勿論、この森に滞在してからしばらくの間、

眠りについて居たけれど〜

学校には、行けていませんよ。

確かにいつもはしてる連絡も一切してませんから

雫達は、心配しているでしょう。

ただ…たったそれだけの事を気にしていたら

今頃、私は玉藻前にやられていたわ♪

ほんの一瞬の隙を相手に見せるだけで

この世界から軽く抹消されるのですから。

そのくらいの覚悟が無い者は、赤の他人になる

という事を理解していますよね……友理さん?」

和かな笑顔を浮かべながらも目は笑っていなかった。

この凛音の表情に思わず、息を呑む友理。

「えっ、そう……ですね(焦)」

動揺する友理を見ながら横に立ち話し始めた。

凛音「うふふ♪では、私はこれで!

この森の妖怪達にお伝え下さい。

この度は、ククノチノカミ様の逆鱗(げきりん)に触るような

行為…妖怪達には、お詫び申し上げます。

謝って済む事ではない事は、百も承知です!!

ですから、これからも私に頼って下さい。

ククノチノカミ様の同種の方々のお役に立てる事で

あれば、何なりと私にお申し付け下さい♪」


洞穴に居る木霊達の元で、凛音が残した伝言を

友理が話し、皆んなも納得がいったように頷いた。

駒「それじゃあこの森は、襲撃には遭っていない

………という事ですよね?

やっ、やった〜〜〜!!

皆んなが無事で、本当に良かったです(嬉し泣き)」

嬉しそうに、はしゃぐ駒の元に母駒が

笑顔で戻って来た。

母駒「駒っ!あなたっ!!

良かった。本当に良かったです(涙)

私達の故郷は、これで無事に守られたのですね。

今回は、未遂で終わったとはいえ〜

平和ボケはこれでお終い。

次への対策を考えましょう!

何はともあれ……この場所を守れて家族も守れて

私は、今とても幸せですよ駒♪(泣)」

母駒の涙を見て再び涙が溢れ出す駒は、強く頷いて

いつもより満面の笑顔でこう言った。

「ママとパパも…おかえりなさい♪」


友理「ゔぅーーー!!

こっちは、また貰い泣きだよぉぉぉ(涙)

でも…でもでも、良かったねこの森を守れて♪」

洞穴に居た木霊達が次々と群がり、

駒の家族を胴上げし8回上げられた。

その様子を遠く木の上から見ている凛音は、

狐火の姿から人の姿へと変わって何やら考えていた。

(もし、あの時のアレが幻覚や見間違いじゃない

というのなら、

あなたは一体何者なんですか……友理)


その夜・・・

白玉グリュンカレーを木霊と沢山の妖怪達に

振る舞って宴を開いていた。

駒「フー!フー!!あ〜む♡もぐもぐもぐ。

うん!!今日のは、一段と美味しいよママ♡」

母駒「あらあら〜そう?うふふ♪

そういえば、駒ちゃん(←友理の呼び方が写った)

今日、合わせてあと1週間後に

体育祭があるみたいじゃない。

私達も久しぶりに観に行こうと思っているのだけど

練習は、捗っているかしら?」

あ〜………あっ?

スプーンですくったカレーを口元に運ぼうとし

た瞬間

、今思い出したくもない話題を振られて

少し動揺する駒。

「え、う……うん!練習、頑張ってるよ!!

この前の学年リレーの練習だってころ…じゃなくて

走りきれてバトンもちゃんと渡せたから

あぁ〜楽しかったな♪

(ヤバイヤバイ(汗)

体育祭の事、すっかり忘れてたよ!

しかも、その学年リレーの練習は

派手に転んだせいで最後まで走ってないし、

こんな事より!!こんな事では……無いけど。

今までトレーニングは、ずっと夜…木霊の姿で

やってたから練習にならないし(焦)

今更、気軽に身に付くようなトレーニングなんて………)


友理「あるよ?」

駒(という突発的な私の我儘(わがまま)にも

なんだかんだ対応してくれる友理さんに

感謝とこの時は、思った。いや感謝してるよ?!

本当だよ!

そして私は、怪奇研究部という学校の部活で

体力作りという一環で友理さんがやっている

地獄のフリーランニングとパルクールを毎日する

羽目に。

たった1日だけで、人の姿での筋肉痛が痛かった(涙)

泣きたいぐらい痛くて私もまだまだだな〜

と痛感させられました。


なんやかんやあって体育祭前日・・・

友理の家にて〜〜〜

「うんうん!

これで、人並み…平均的な体力は、出来上がったし、

駒ちゃんも体力アップに成功したんじゃn………」

チーーーーーン・・・

フローリングで、既にのたれ死んでいる駒と口から

はみ出す魂が天へと召される所だった。

友理「こ、ここっ!駒ちゃん!?

大丈夫???お水、飲む?飲むよね!!

今すぐ持って来るから召されないで頑張って(汗)

明日が、体育祭本番だよ!

ここで逝ったら100m走はっ?!

体力アップした理由は、一体どうなるのぉぉぉ!!」

木之下 駒の名前の由来は木霊から来ています。

サブメンバーには、妖怪の名前が記載されているので

もしかしたら妖怪の正体が分かるかもしれませんね♪

(※凛音は例外です!!)


今日の登場人物・・・


名前:神楽(かぐら) 凛音(りんね) 正体:狐火


髪型:ロングポニーテール

髪色:茶髪

瞳:朱色

髪飾り:白い紐リボン

制服:上下青緑、膝丈スカート、赤リボン


キャラ説明:

凛音は、雫と同じDクラスの生徒!

温厚な性格かつ友好的な一面もあり

3年生の先輩方から昼食の時間の時は、

しょっちゅう誘われているらしい。

Dクラスの妖怪とはいえ学年関係なく

親しまれている1年生は、凛音だけだろう。

そして、とても稀な能力:空間干渉!!

神様などが扱える力で

神様と神様の御使いのみが使用できる特別な能力!

それに仁川市や地域ごとに貼られている結界を

出入りする事が可能。

もしかしたら、特殊部隊に抜擢(ばってき)する

力の持ち主かもね?

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