プロローグ:目的
眠りの森に行くことを決めたグラウスにはある目的がありました。
レベルアップの方法を探して旅を続けていたグラウスは、旅の途中で賢者が治める奇異な国ジャスタールに立ち寄ったのです。
その国は世界中から膨大な資料が集められ、あらゆる知恵に満ちていました。
この国ならレベルアップの方法がわかるかもしれない。グラウスはそう希望を持ち、国の最高の賢者であるマカロフと接触を試みました。ところがレベルアップの方法は賢者の国が今もっとも熱心に研究している方法の一つで、国の賢者にも分からなかったのです。
しかしマカロフの口から違法な研究をして国を追放された優秀な賢者がいることを聞きました。彼は追放される前はジャスタールの中でももっとも優秀な賢者の異名の誉れ高い人物でした。その彼が追放されて、ガレリア王国の眠りの森に住んでいることをグラウスは知ったのです。
その賢者に会えば、何かしらの情報を入手できるかも知れない。期待に胸を膨らませ、グラウスはガレリア王国にやって来たのでした。
アグニを賢者に引き合わせ、自分は情報を手に入れる。若きエクソシストにとってはそれは正に一石二鳥の行いでした。
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