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第118話『神慮の踊り《エル・スパーガ》』

レジスタンスアジトの一階の部屋では、ハインが悶々としています。


 その様子を通りがかりに見かけたピエタが、彼女に声をかけました。


「う~ん、困ったなあ・・・・」


「どうしたのじゃ、ハインよ」


「あ、賢者様~。明日の戦いなんですけどぉ、私、足をひっぱちゃう気がするんですよねぇ。私、皆さんに比べて戦闘経験少ないですし~」


「そんなことはない。お主、レベル42800もあるではないか。それで更に回復と神魔法が使えるだけでも充分じゃ。ワシが火力を出せるからのう」


「そうはいっても、不安です。武器は弓でそんな上手くないし、特殊能力だって、病気を治せる事と、具体的な効果は解らないけど、踊って特殊な効果を起こす事と、聖女の祈りと、あと一つしかないんですよぉ?」


「聖女の祈りに、もう一つ? 何じゃ?」


「う~んと、言葉で説明するのは難しいんですけどぉ、聖女の祈りは、清い心で強く祈る事で、誰かが助太刀に来てくれるんです。」

「助太刀?」

「種族無関係で、人数もわからないんですけど、魔族とかが来ちゃうこともありますけど、必ず駆けつけてきた人が窮地を救ってくれるっていう、よく解らない特殊能力なんです」


「ほぉ・・・で、もう一つは?」


「羽衣を使って特殊な踊りを踊る事で、私の動きを犠牲にして、仲間一人を優先して動かす事ができるようになるんですよ~」


「ふむ・・・それは・・・ひょっとしたら、使いようによっては、強力な特殊能力かもしれんぞい」


「そうですかねえ? この踊りをしてるときは、私、回復も治療も神魔法も弓も祈りも全く使えないんですよ~」


「よいではないか。本体を見つけたら、11人でボコボコにしてやればよい。回復ならマテウスか回復勇者が全てやってくれるだろうしのう。お主は自信をもって挑めばよいぞい」


「本当ですかぁっ?! 賢者様にそう言われると、何だか自信が出てきましたよっ」


 ハインがいまいち使い道に悩んでいる特殊能力。それは神慮の踊り(エル・スパーガ)|と呼ばれる物です。この特殊能力は、自分の行動を犠牲にして、踊りを披露した相手を連続行動させる、という使い方によっては非常に強力な代物なのですが、ハインは天然で少し阿呆なので、自分でもどう使えばよいのかが解っていないのでした。



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