電車内で洗濯物を干す ~激論・列島ニュース~
さて、次は「激論・列島ニュース」のコーナーです。
近年問題となっている、電車内でのマナー。
特に議論のマトとなっているのが、通勤電車に乗ったことがある人なら一度は目にしたことがある、あの行為。
そう、洗濯物干しです。
若い女性ほど多く見られるこの「車内での洗濯物干し」ですが、なぜ彼女たちは電車内で洗濯物を干すのでしょうか?
頻繁に洗濯物を干すという山田さん26歳に聞いてみました。
「目的は時間節約です」
残業が多く帰宅が遅くなることも多い山田さん、朝も家事に時間が取れないと言います。
「通勤時間が1時間近くあるので、その間に洗濯物を干せれば時間を有効活用できるな、と思って。友達もみんなしていますよ」
また、車内で洗濯物を干すことには思わぬ利点もあるそうです。
「電車ってすごいスピードで走っているわけじゃないですか。だから窓を開ければかなり風通しがよくなるので、家のベランダよりもよく乾くんです。帰りにも同じ電車に乗れば、スムーズに洗濯物を回収できますよ」
このようにメリットも多い車内での洗濯物干しに、鉄道各社からは後押しする動きも出てきています。
「当社では各駅の構内にコインランドリーを設置しています」
そう説明するのは、JR凍日本。洗濯物干しの利便性を高めることで、鉄道利用者数の増加を狙っています。
一方、公共の場での洗濯物干しに目をひそめる人もいます。
「恥ずかしいし、自分は絶対にしない」
そう言い切るのは主婦の藤本さん57歳です。
「別に誰かに迷惑をかけているわけじゃないと若い子は言うけれど、洗濯洗剤や柔軟剤のニオイが気になるときもあるからねえ」
また、安全面での課題もあります。
先月には、駆け込み乗車をした女性の持っていた物干し竿がドアに挟まれて折れる事故が発生し、ダイヤが乱れて約120万人に影響が出ました。
物干し竿が肛門に突き刺さって危うく何かに目覚めかけたという男性もいます。
下着泥棒も日常茶飯事です。
また、満員電車で洗濯物を干されるとジメジメして不快だという声もあります。
満員電車の場合、干す側としても乾きが悪くなるため避けたいようですが、特に都心における通勤時間帯の混雑は根深く、簡単には解決しそうにありません。
賛否が分かれる電車内での洗濯物干し。
この問題、パリッと乾くまでには時間がかかりそうです。