第6話 出会い
暖かな光に包まれて、そのあと俺は…
いま俺は真っ暗な闇の中にいる。場所の確認をしようと試みても身体が上手く動かず無駄に終わる。
閻魔大王の笏に触れて…それで…
『おぉ、儂の笏をようやっと使こうてくれたか』
だっ、誰だ…っ!
突然聞こえた声に問おうとしたが、声は出ない。
『うむうむ、ここではそなたは喋ることも動くことも叶わぬのじゃ、不便じゃが勘弁しておくれよ。そなたの考えていることはわかる、ここはどこで儂は誰か…じゃろう?儂の名前は閻魔大王。地獄の裁判官にしてお前の---じゃよ』
え、いま…なんて…?
『んー?じゃから---じゃよ!儂はすでに-----ておってのぉ、そなたの手助けを直接してやることも叶わぬ。儂の笏を使用し、儂の従者を頼れ…----------』
質問したいことはたくさんあった。呼ばれるべきだった閻魔大王様がなんでこんなところにとか、俺のなんなのかとか、それより俺はどうしたらいいのかとか…
閻魔大王様と名乗ったおじいさんの声は次第に離れていく…
「…ぁ………さ…ぁる…………ま……………」
声が…聞こえる……?
「あ…じさま…あるじさまっ!…主様っ!私の声は聞こえますか!主様!起きてくださいませ!主様っ!」
聞き覚えのない女性の声に、意識がだんだんと鮮明になり始める。重いまぶたを開け声のする方を見ると、青みがかった黒髪が綺麗な美しい女性が、今にも泣きそうな顔で俺を見ていた。
「主様っ!お目覚めになったのですね!はぁーよかったぁ…この牛頭!主様の目覚めをずーーーーっと待っていたのですよ!」
半泣きで微笑む美人…顔面偏差値高すぎてあんまり直視できない…って、そうじゃなくて…
「あるじさま…?俺が?その…牛頭さんの?」
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。主様の召喚に応じ馳せ参じました、牛頭と申します!さんなど付けずどうぞお呼び捨てくださいな!私はこれより主様の物。主様の日頃のお世話から雑用まで何でも御座れでございます!ご用命であれば夜伽も致しますよ!」
「よっよとぎっ!?!??」
それって、せっ…せっ…!!!!
美人な顔しておきながら破壊力の高い発言をする牛頭は、俺の手を握って興奮しているようだ。興奮した様子の牛頭の後ろから、水の入ったバケツを持ってこれまた凄まじく顔面偏差値の高い男がため息混じりに俺の寝ているベッドに近づく。
「主様、お目覚めになられたようで安心致しました。俺は馬頭と申します。牛頭同様、主様の召喚に応じさせえていただきました。…その顔は何が何やら、といったご様子。僭越ながら現在の状況について俺から説明をさせてください」